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告白
  某も、何故このようなことになってしまったのかがわからぬのだ。困惑したままで伝えるというのもどうかと思ったのだが、伝えぬわけにはゆかぬという気持ちに詰まされ、こうして呼び出しをしてしまった。許されよ。
 しかし、こうして来てもらえるというのは、なんとも――――面映ゆいものでござるな。
 その、なんというか――――いつからかは某にもよくわからぬのだが、姿を見るとこう……この胸がたぎるのだ。――――ああいや、政宗殿と同じにではござらぬ。そうではなく、なんというか――――政宗殿に対しては、血湧き肉踊るというような意味合いで、そなたには、こう、苦しくなるというか、切なくなるというか、儚い気持ちにもなるのだが、たぎるのだ。
 首をかしげられるのも、致し方ござらぬ。某も、どう伝えれば良いのかわからぬ。お館様とのように、真っ直ぐとぶつけられるのであれば良いのだが…………。あ、安心めされよ。そなたと拳を交えたいという訳ではござらぬ。そのようなことをすれば、そなたは壊れてしまう――――そう、そうだ。そなたが壊れてしまいそうに見えて、切なく儚い気持ちになるのだ。一体どうしたことなのか、いつからなのか思い出せぬ。気付いたときにはすでに、そのような心持ちで――――苦しくたぎるのだ。そなたの姿が見えるときは無論、この胸が息苦しく温かなもので満ちるのだが、見えぬ時もまた、そなたが瞼に思い出され甘く苦しく胸が締め付けられる。
 呼び出し、このようなことを言って困惑させてしまうことは必定。なれど、伝えずにはおれぬのだ。伝えずにいるなど考えられぬほどに、胸が甘くたぎるのだ。――――触れたいと、思ってしまうのだ。
 このような破廉恥な想いなど、非難し打ち消そうとしても、消えるどころか強くなる。――――そなたに、触れたいのだ。
 どう伝えて良いのかわからず、長々と語ってしまって、申し訳なく思う。だが、いくら言葉を尽くしても足りぬのだ。まだまだ、足りぬのだ。そなたに、この胸に湧くものを伝えたいのに、上手く言葉にならぬ。――――ああ、どうすれば良いのか…………。
 もし、もしも某の胸に起こるものを少しでもわかっていただけたのなら――――受け入れてくれるのなら――――だ…………抱きしめさせては、もらえぬか。そなたを、この腕で――――全身で包み、守らせてもらえぬだろうか…………。
 某は、そなたを――――――――――す、好いておるのだ――――――――ッ


2009/10/06



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