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佐弁1
 川が増水している。その淵に、弁丸は立っていた。黒々とした水が渦巻き、大きな手のひらを小さな体に向けて伸ばしてくる。
――呑まれるッ!
 ぎゅっと目をつぶった弁丸は、閉じたはずの眼に見慣れた天井が映っていることに首をかしげた。
――――夢、であったのか……。
 ホッと胸を撫で下ろした瞬間、はたと違和感に気付き、そうっと起き上がって確かめる。ひくり、と頬を引きつらせ、まわりを見回して誰もいないことを確認してから夜具をクルクルと丸める。抱えるには大きなそれをなんとか持ち上げ、運ぼうとした時、背後から声がした。
「弁丸様、何をやってんのさ」
 ギクリと体を強ばらせた弁丸が、ギシギシと音がしそうなぎこちなさで振り向く。
「さ……佐助、おはよう」
「おはよう。でさ、何やってんの」
 すでに気付いている顔で佐助が問うのに、早口で答える。
「あ、ああ――――たまには、おれも夜具を干してみようかと」
「おやま。そんなことは弁丸様がするようなことじゃないから、俺様が代わりにやっておくよ」
「や、いい――――おれが、するのだ」
「弁丸様は、そんなことしなくていいのっ――――と。こりゃまた、立派な絵が書いてあるねぇ」
「っ――――!」
 弁丸から夜具を奪った佐助が、それを広げて呆れた声をあげる。カッと赤くなった弁丸は、着物の裾を掴んで俯き、唇を尖らせた。その姿に柔らかく嘆息し、顔を覗きこむ。
「下帯、着替えようか。濡れてるんでしょ」
「――――ぅ」
 ますます体を固くする弁丸にクスリとして、佐助は彼の着物を捲った。
「ああ、ほら濡れてる。このままじゃ、気持ち悪いでしょ」
「ち、違う」
「何が?」
「こ、これは――――違うのだ。おれは、もう大人だから、違う」
 必死に何かを堪える顔で言う姿に、ひょいと眉を上げた佐助が言った。
「弁丸様ってば、自分がしたことを誤魔化すんだ。そんな悪い子には、お仕置きをしなきゃだねぇ」
 言うが早いか、するりと下帯をはぎ取ると、まだ幼い男の印を手の中に収める。
「おねしょ、しちゃった悪い子なのに、さらにごまかそうとして――――ちゃんと言ってごらんよ、弁丸様。寝ている間に、おしっこしちゃいましたって」
 優しく語り掛ける佐助に、歯を食い縛った弁丸は首を横に振る。すると、佐助の目がスウッと細くなった。
「へぇ――――そう。素直じゃないねぇ」
「っあ、さすっ――――ッ」
 呆れたような意地の悪い顔をして、手の中にあるものを捏ねる。それは見る間に形を変え、弁丸はぎゅっと足の指を握った。
「ここは、こうしたら大人みたいに腫れてくるけど…………見た目はまだまだ子どもだねぇ」
「んぅ――――佐助、やめぬかっ」
 着物を握っていた手を佐助の腕に伸ばす。その手を空いている手で一つに掴んで押さえ込み、男の印を握っている手で先端を擦った。
「ぁ――あ――――」
「ほんっと、悪い子だよねぇ弁丸様。素直に、ごめんなさいをしてごらんよ」
弁丸が、首を横に振る。
「強情だね」
 やれやれ、と佐助は呟き弁丸を背中から抱き締めるように膝に乗せた。
「悪い子には、たっぷりと、お仕置きをしなきゃね」
「ぇ――――ッあ、は……ぁあん」
 小さな弁丸の男根を、手のひら全体で包み捏ねる。時折握りこみ、先端を指で弾くと、そこはすぐに痛々しいほどに腫れあがった。
「ぁ、ふぁ――――ぁ、さすけぇ…………」
「ここは、こぉんなに、素直なのにねぇ」
 きゅ、きゅ、と搾るようにすれば、すぐに濃厚な香りのする蜜がこぼれだしてくる。それを掬い、塗りこめながら滑りの良くなった指で愛撫を強くする。
「ぁ――――ッ、や……ぁ」
 抱きとめる佐助の腕にしがみつき、体を丸めて震える弁丸の首筋に唇を寄せ、少し熱くなった息を吹き掛けた。
「ほら、弁丸様。ごめんなさい、は?」
 またも弁丸は首を振る。
「いけない子だね」
 どこかうれしそうな響きの声で、佐助が笑う。抱き止めている手をずらし、小さな胸の蕾に触れた。
「くぅ、ん――――」
「どうしたの、弁丸様――――甘える犬みたいな声を出して」
 ぎゅうっときつく目を閉じ、必死に奥歯を噛み締める腕の中の小さな主に、ぞくりと背筋を震わせた佐助の唇は、どす黒い笑みに歪む。
「素直になりなよ、弁丸様。ちゃんと、言ってごらん」
「んっ――――うぅ、う……」
 胸の蕾も男根も捏ねまわされて、漏れそうになる声を両手を口に当てて堪えようとする弁丸に、ふっと息を吹きかけた。
「ほんっと、頑固なんだから――――それとも、こういうこと、もっとされたいから、あやまらないのかなぁ。そうだとしたら、弁丸様は、とんだお人だよね」
「ちがっ…………は、ぁんん」
 話しかけているような、一人ごちているような佐助に返事をしようと首をめぐらせ肩にある顔を見ながら抗議をしかけた弁丸の声は、佐助の手に握りこまれる。
「こぉんなに、しているんだもんねぇ…………そうとしか、思えないよね」
「ぁ、ぁ…………んぅ、んんッ」
 袋ごと握られ、耐えようとする弁丸の震えるまつ毛が濡れている。そこに唇を寄せて、わざと蜜と空気が混じるように指を動かした。
「いやらしい音させて、いけないなぁ」
「さ、すけ……が、ぁ――――触るからッ」
「素直に謝らなかった弁丸様が、悪いんでしょう。そんなことを言うなら、もっと反省したくなるように、しなくちゃね」
 大げさに溜め息をつき、男根にあった手を、空いている胸の蕾に移動させる。蜜で濡れた指はよく滑り、少々きつくしても痛くはない。だから、佐助は痛みを感じるであろう乾いた方も、蜜のついた指と同じように指の腹で潰し、つまみ、捏ねた。
「ひぃ、あぁ――――さすっ……さすけぇッ」
「気持ちいいのと痛いのとで、触ってないのに弁丸様のおちんちんがヒクヒクしてるよ」
「んんぁッ――――さ、すけぇ」
 暴れる弁丸を身体中で封じる佐助の雄が、熱くなり立ち上がり、小さな尻に当たる。それに気付いたらしい弁丸が、濡れた瞳を佐助に向けた。
「さ、さすけとて……ッ、あぁ――――」
「俺様が、何?」
「し、尻にっ――――当たっておるっ」
「何が?」
 答えられるように、愛撫の手を緩めると弁丸は目尻を赤くしながら言った。
「佐助の、ちんちんが……尻に、当たっておる」
 すねたように唇を尖らせる弁丸に、きゅうっと佐助の心臓が甘く絞られた。素早く下帯を脱ぎ捨てると、弁丸の股に己の男根を挟む。
「あ、何――――」
「こうして見ると、弁丸様に二つも生えてるみたいだね」
 口をへの字にまげて見る子どもの耳元に、唇を寄せて息を吹き込んだ。
「どっちも、すっごく腫れてる――――」
 ぴくん、と弁丸が体を震わせ、恐る恐る佐助の男根の先に触れた。
「ぁ――――」
 佐助の口から、小さな声が漏れる。
「おれのとは、違う…………」
「弁丸様のは、これから大人の形に、なるんだよ――――ねぇ、弁丸様。そのまま先を両手で包んでいてよ」
「ん――――こ、こう……か」
「んふっ――――そうそう。そうして、しっかりと足は閉じておいてくださいよっ、と」
「何ッ――――ひゃあッ…………ぁあ、んんぁ」
 片腕で弁丸の体を支え、もう片腕で二つの男根を握りこみ、佐助は腰を蠢かす。互いの蜜で濡れた弁丸の太ももの滑りがよくなればなるほど、佐助の動きは早まった。
「はぁ――――いいよ、弁丸様……ッ…………もっと、強く握って」
「ふ、くぅう……ぁ、ぁ―――――ッけぇ、さすけぇ」
 助けを求めるように、弁丸の手が背後に伸びる。顔に触れたそれに唇を寄せ、佐助は更に手を、腰を動かした。
「は、ぁ…………いいよ、すごく、いい――――弁丸様ッ」
「んひぃッ――――さすけぇ、さすけぇええッ…………ぁあ…………や、ぁあっ、あ――――――――――ッ」
 小さな体が痙攣し、びゅくびゅくと蜜を溢れさせる。それを根こそぎ搾り取るように指を動かしながら、佐助も欲を吐き出した。

 くたりとする弁丸の頬に頬をよせて、佐助も射精後の虚脱感に酔いしれる。その耳元に、ぼそりと声が届いた。
「――――も、だ……から、な」
 くすぐるような弱い声に、首をかしげて弁丸を見る。弁丸は、怒ったような恥ずかしそうな顔で、唇を尖らせてぶっきらぼうにつぶやいた。
「佐助も、いっぱい――出したんだからな。おれだけでは、ないからな」
 何のことかわからない佐助の視界に、ぷいとそっぽを向く顔の奥にある夜具が映る。
「あぁ――そうだね。俺様も、いっぱいおもらししちゃったから、一緒だねぇ」
 ぎゅうっと強く抱きしめると、精一杯手を伸ばした弁丸が抱きしめ返してくる。それが愛おしくて、佐助はさらに腕に力をこめた。
「もう少し大きくなったら、もっと、ちゃんとしたのを、しようね」
 弁丸の耳に届くか届かないかの声でつぶやき、やわらかな髪に唇を寄せた。


2010/07/10



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