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悪魔祓い

 海にそそり立つ絶壁へと、長曾我部元親は一人舟をこぎだし近づいて行った。
 引き潮になったときにだけ口を開ける洞窟へと入った元親は、舟を下り岩に縄を括り付けて岸へと上がる。そこからまっすぐに進んでいくと階段が現れ、そのまま進んだ先にある扉を開けて中に入った。
「よぉ。ベルナント」
 そこには、豊かな金髪に緑の瞳をした異国の衣を身にまとう青年が居た。
「ああ、元親。いらしてくださったんですね」
「ああ。あんたらの船の修繕は、順調に進んでるぜ」
「すみません、何から何までお世話になりっぱなしで」
「いいってことよ。気にすんな」
 部屋の真ん中にある椅子を引き、腰かけた元親にベルナントは銀でできた西洋杯に赤い酒を差し出した。それに手を伸ばし、ぐいっと煽った元親が、光のある右目をうまそうに細めた。
「っはぁ。この、異国の酒はいつ飲んでも、うまいな」
「船が修繕したあかつきには、故郷へ戻り船一杯に葡萄酒の樽を積んで、お礼に参りますよ」
「そりゃあ、楽しみだ」
 数日前の嵐で、ベルナントの乗っていた船は押し流され四国へと流れ着いた。それを見つけた元親が、異国の民の姿に人々が鬼と恐れるのを考慮し、人目につかぬここでベルナントをはじめとしたもの達を保護し住まわせ、彼らの船を修繕してやっているのだった。
「しかし、元親にはいくら感謝をしてもし尽くせません。今すぐにでも、お礼を差し上げたいと思って、本日はお呼び差し上げたのですよ」
 果実を乾燥させたものを葡萄酒の肴に用意をしたベルナントに、気にすんなと言いながらそれをつまむ。
「いいえ。是非にさせてください。……ときに、元親。貴方は鬼という異名をとられていますよね」
「ん? ああ、まぁな。西海の鬼と言やぁ、知らねぇものは無いってえぐれぇの勇名だぜ」
 わずかに目を逸らす元親に、いたましそうにベルナントが眉をひそめる。
「鬼というものは、私たちにとっては悪魔のようなものらしいですね。元親、貴方のように慈悲深く健やかで美しい方が、悪魔だなどと私には信じられません」
「はっはっは。そう、難しく考える必要なんざねぇよ」
 ぐいっと葡萄酒をあおった元親に、さらに悲しげな顔をしてベルナントは言う。
「いいえ、いいえ元親。貴方はきっと、悪魔に取りつかれてしまっているのです。悪魔と契りを結んでしまったのでしょう。ですから、今から私とその忠実なる聖なる者たちとで、貴方に巣食う悪魔を追い払わせていただきたい」
「悪魔を、追い払うだぁ?」
「ええ、そうです。悪魔祓いです。元親、貴方の中にある悪魔を引きずり出し、屈服させ、崇高なる魂へと導かせてください」
 こちらへ、と促され、よくわからないままに元親は立ち上がる。すると、膝がゆれてガクンと床に腰を落とした。
「あ、れ……?」
 ぐらぐらと、視界が揺れる。
「元親」
 顔を覗き込んでくるベルナントの声がたわみ、彼の顔がゆがんで見える。
「な、んだ……これ」
 それだけを言うと、元親はゆっくりと意識を手放して床に倒れ伏した。
 目を細めたベルナントは、ふうっと息を吐いて口の端を持ち上げ、手を打ち鳴らす。すると美麗な若者たちが姿を現した。
「これから、元親の悪魔祓いを行います。儀式の間へ彼を連れ、準備を整えなさい」
「はい」
 若者たちは声を揃えて返事をすると、全員で元親の体を支えて運び出した。
「ふふ……元親。貴方の身の裡に、どのような悪魔が巣食っているのか…………とても、楽しみです」
 自分の唇を撫ぜながら呟くベルナントの顔は、蠱惑的な気配を滲ませていた。

 元親が目を覚ました時に、最初に目に入ったのは岩肌だった。もやのかかった思考で、なんで自分はそんなものを見ているのだろうかと考える。次に体を動かそうとして、ギシリと何かが軋む音を聞き、体が動かないことに気付いて首をめぐらせ、光のある右目を大きく見開いた。
「なっ……」
 大きな十字架に、磔にされている。両手首は横木の端に括り付けられ、両足は開かれた形で横木から伸びる縄に固定されていた。身につけているものは、左目を覆う眼帯のみ。
「こりゃあ、いったい」
 どういうことなのだろうか。十字架が建てられている床には、なにやらよくわからない文様が描かれており、儀式の道具らしいものが、毛氈をかぶせた台の上に置かれている。
「ああ、目が覚めましたか元親」
 穏やかな声で、数人の美しい若者をつれたベルナントが現れた。
「ベルナント。こいつぁいったい、なんの真似だ」
「何の――? あはは。元親、言ったじゃないですか。貴方の中に潜む悪魔を引きずり出し、屈服させるのだと。これはその、儀式を行うための部屋ですよ。貴方に施さなければいけないものは、きっととても強力なものでなくてはならないと思いましてね。しっかりと準備をして、御招きしたという次第なんです」
「なんで儀式で、裸で磔にされなきゃいけねぇんだ」
「全身をくまなく、あますところなく調べ上げて悪魔を表面に浮かべるためです。磔にしているのは、表面化した悪魔が暴れ出さないようにする為ですよ。元親」
 磔にされているとはいえ、そう高い位置に吊るされているわけでは無い。歩み寄ったベルナントが、ちょうど目の高さにある元親の胸筋にうっとりとした息を吐いた。
「ああ、貴方は本当にうつくしいですね、元親。すべらかな白い肌。弾力のある逞しい筋肉。これが赤く染まり悪魔との契りを交わしただなんて、信じられません」
「悪魔と契るだのなんだのって、さっぱり意味が分からねェよ。なぁ、外せベルナント」
「いいえ、いいえ。貴方は知らぬ間に悪魔に契られているのですよ元親。貴方を救うには、神と契りを交わす以外に他ありません。ですが、神がこの世に現れるのは稀。ですから、神より祝福を受けた私たちが、貴方の裡に巣食う悪魔を表面化させ、暴き、屈服させて聖なる導きを施すのです。さあ、神に選ばれしもの達よ。元親に、神の愛撫を」
「神の愛撫を」
 美しい若者たちが声を揃え、大きな甕を捧げ持って元親に近づく。
「おいおい、何をする気だよ。なぁ、アントニスゾーン、ピーテル……メンドゥサ、ルイエンダイク、誰か答えろよ」
 青年たちは何の表情も浮かべぬまま、両手を甕に浸し、濡らした手で元親の肌を撫ではじめた。
「ひぁ、な、なんだぁ」
「聖油ですよ、元親。これで、まずは貴方の体の隅々までをも清めます」
「んっ、う、く……くすぐってぇ」
 粘着質のある液体を、青年たちが元親の肌に塗りつける。岩肌の間から差し込む光で、濡らされた元親の肌はてらてらと光り、白さを増してゆく。
「んっ、こそばゆいって、おいっ、ちょっと」
 身を捩っても、ぎしりと縄がきしむだけで逃れることが出来ない。ベルナントの言うとおり、青年たちは丹念に、指の先から首筋、脇腹、足の付け根、そして
「ひっ、そ、そこはっ、やめっ……触んなっ――く、ぅ」
 牡にまで、丹念に聖油を塗り付ける。
「ふっ、んっ、ん……」
 元親の茂みが濡らされ、根元から両手で優しく包み込みながら聖油を擦りこまれ、欲が形を表していく。先端に先走りが浮くと、牡に触れていた若者がベルナントに目配せをした。
「元親。なんと立派な……ああ、こんなに太く大きく反り返るのは、やはり悪魔と契約をしたからですよ。苦しいでしょうが、少し我慢をして下さいね」
「ぁ、何……すん、だ」
 息が上がり始めた元親に、ふふっと笑んでベルナントが鉄製の細長い枷を見せた。
「これで、悪魔の動きを封じるのですよ」
「――え? ひっ、が、ぁ」
 ばちん、と音をさせて細長い枷が牡の幹に装着された。それは元親の欲よりも少し細かったらしく、ぎちぎちと締め上げて張り出した傘の部分を呻くように震えさせた。
「苦しいでしょうが、これも悪魔を引きだすためです。ああ、かわいそうな元親――もっと、聖油で清めてさしあげなさい」
「ひっ、ぅ、んっ、んぅ……んっ、ん」
 奥歯を噛みしめ、じんじんとした下肢の痛みを必死でこらえる。肌の上を滑る複数の手のひらは心地よく、痛みとの落差に淫欲が浮かび元親の腰を疼かせた。
「ひっ、ぁ、何、そこ、はっ、ぁ、あうっ」
 青年の指が、そろりと元親の奥まった花を撫で開く。たっぷりと聖油を塗り付けながら広げてゆく指は、ずいぶんと慣れているらしく元親に不快を感じさせる前に快楽を引きだした。
「っ、ふ、ぅんっ、ぁ、く、ふっ、ふ」
 ぶるぶると全身を震わせ、白い肌をほんのりと赤く染めはじめた元親の姿に、うっとりとした息を吐くベルナントが胸に手を添える。
「ああ、元親……我慢しなくても良いのですよ。声を上げ、素直に悪魔を表面に現せばいいのです。ああ、ほら――悪魔が貴方の肌を突き破ろうとしている証拠に、胸の飾りがこんなに赤くはれあがってしまっている」
「ふっ、ぁ、やめっ、ぁ、いじんなっ、ぁ、あ」
 強く指の腹でつままれ転がされても、ぬめる聖油が痛みを和らげ快楽だけを元親に与える。そこから生まれたものは体内を走り、下肢へと集まり戒められた牡をふくらませ、元親を苦しめた。
「ふっ、く、くう……ぁ、う」
「ああ、苦しいのですね元親。大丈夫……大丈夫ですよ。悪魔を追い払い、貴方を清めて差し上げますからね」
「やっ、ぁ、もぉ、やめっ……」
「ああ、悪魔が貴方にそう言わせているのですね。かわいそうに。さあ、みなさん。もっと聖油で悪魔を苦しめ、引き出し、聖具でこらしめるのです」
 毛氈の上にあった、子どもの腕の太さほどもある銀でできた先のねじれた棒を手にしたメンドゥサが、それを元親の菊花へ押し当てた。
「ひっ、ぁ、何――まさか、うそだろう…………なぁ、やめてくれよ。冗談だよな、なぁ、メンドゥサ……なっ、が、ぁあああっ」
 ひきつった笑みを浮かべる元親を無視し、メンドゥサは一気にそれを突き入れた。顎を逸らし声を上げた元親に、ぞくぞくと身を震わせる自分を抑えるように抱きしめたベルナントが、感極まった声を上げる。
「ああ、それこそ悪魔が現れる前兆の叫びです。もっと、もっと悪魔に声を上げさせるのです!」
「すべては、神の御名のもとに」
 答えたメンドゥサが、銀の棒を捩じりながら内壁を擦りあげ掻きまわす。
「ひぃっ、ぁ、あおおっ、やめっ、ぁひっ、ぁ、あうぅ」
 唐突に与えられた激しいものに、縛られ吊るされたまま元親が身悶え喘ぐ。首を打ち振り涙を流す元親の牡は、ぶるんぶるんと震えながら息苦しそうに放てぬと訴えている。
「ああ、苦しそうですね元親。かわいそうに。こんなに先端を赤黒く膨らませて」
 そっと指で撫でたベルナントは、先走りを舐めとった。
「は、ぁふぅん」
「ふふ、心地よさそうな声が出ましたね。そう、そうです元親……そのまま、悪魔を全て包み隠さず現してください。神の前に、何もかもを素直に示すのです」
 背後に居た赤毛の青年、ピーテルに目配せをすると、彼は細かな細工が施された細い銀の十字架を手にして枷に苦しむ元親の牡を掴み、先走りをあふれさせる筒に、それを突き立てた。
「ひぎぃっ、ぁ、あぐぉううっ、やめっ、ぁ、ああぁああっ」
 ぐりぐりとねじ込みながら出し入れをするピーテルは、袋を優しく揉みしだく。残る青年二人は元親の胸へ指を、舌を這わせて零れ落ちそうに硬く実った紅い果実を味わった。
「ぁひっ、ひっ、ぁあも、ぁあおっ、あ、ぃひっ」
 涙を、よだれを垂らして声を上げる元親の目が劣情に淀む。それに満足そうに淫蕩な笑みを浮かべるベルナントが、命を下した。
「もう少し……もう少しですよ皆さん――もっと、ああ、もう少しです」
「はい」
 全員が声を揃えて返事をし、アントニスゾーンとルイエンダイクは上半身を丹念に愛撫し、ピーテルは蜜筒を乱す手を早め、ピーテルは銀のねじれた棒で元親の淫肉をさらに爛れさせる。
「ひぁっ、ぁあも、もぉ、ぁあ、い、いきてぇっ、いきてぇよぉおおっ」
 首を打ち振り懇願する元親の牡は、とうに限界を超えていた。けれども枷を嵌められ放つ口をふさがれて、噴出するはずの欲は体内に戻り元親を責めたてる。
「いひっ、ひぃっ、ひっ、ぁぉおおおっ、ぁ、ああ……あっ、あっ、あ……――〜〜〜〜〜〜〜っ!」
 びくん、と大きく全身をおこりのように震わせた元親が、無言の絶叫に天を仰いで四肢を硬直させた。
 放たぬままの絶頂を迎えた彼の顔が愉悦に濁っているのを確認すると、ベルナントは青年たちを引き下がらせて元親の耳元へ唇を寄せる。
「元親……元親。聞こえますか。貴方の悪魔は今、完全に引きずり出されました。あとは、神の前に何もかもを全て口に上せて懺悔し、聖なる液体をその身に受けるのみです」
「はっ、ぁ、ああ、あ――」
 小刻みに絶頂の余韻に震える元親の胸をさすり、そっと牡の先を撫でると元親の目が懇願の色を帯びた。
「心地よくなりたいのであれば、全て私に従いなさい。いいですね」
「はっ、ぁ、あう」
「きちんと、放ちたいでしょう?」
 ぐり、と先端に爪を立てれば
「ひんっ、ぁ、い、いきてぇ」
 泣き顔で元親が答える。
「枷を外してほしいのならば、全て私の言う事に従いなさい。いいですね」
「ふっ、ふんっ、ぁ、う、ん」
 小さな子どもが叱られた後のように頷く元親のほほに口づけて、青年たちに命じて戒めを解き元親を床に下す。自由になった元親は、両手を牡に伸ばして枷に爪を立て、必死に外そうとした。
「ふっ、ぅ、ううっ、は、外してッ、外してくれよ」
「まだ、だめですよ元親。まずは、私の聖なる液をその身に受けて下さらなくては」
 言いながら、ベルナントは猛りきった自分のイチモツを取り出し元親の前に差し出した。
「さあ、しゃぶりなさい元親。そうすれば、枷の鍵をあけてあげます」
「ぁ、あう……」
「放ちたいでしょう? 思う存分」
 悪魔のような笑みに慈悲を浮かべた声を出したベルナントのイチモツを、元親は口を開けてしゃぶりはじめた。
「んっ、んふっ、ん、うっ、んむっ、んっ、ちゅ、はぁ、んっ、ん」
「はぁ……愛らしいですねぇ、元親。まるで赤子が母の乳を貪っているかのように、無垢で愛らしい…………おや。自分でいじっているのですか。ふふ――仕方のない方ですね」
「ふっ、ぅんんっ」
 もぞもぞと腰を揺らしながら、枷から出ている部分を擦り袋を揉む元親に目を細め、ベルナントは彼の髪を撫でた。
「ほらほら……もっと身を入れてしゃぶらないと、いつまでも枷ははずれませんよ」
「んっ、んふっ、んっ、ん……はむっ、んちゅ、んむっ、じゅるぅ」
 ベルナントの言葉に素直に従う元親に、心底楽しそうに声を立てて笑ったベルナントが青年らに目を向ける。
「そうそう……素直で従順なものには、神は慈悲をくださいますからね。元親」
 青年らは元親に近づき、胸をしゃぶり魔羅の先を舐め、淫孔を辱め始めた。
「はふぅっ、ぁ、あんっ、は、ぁあ、ふ、ぅう」
 うっとりとして喉をそらす元親の口から、ベルナント自身が外れて頬を打つ。そっと元親の頬をなでながら、顔を寄せて問うた。
「心地よいのですか? 元親」
「はっ、ぁ、ああ、きもちぃ……」
 焦点の合わぬ目で、熱に浮かされたように答える元親の口に指を入れ、舌を撫で頬裏をくすぐり、上あごを指でなぞる。
「本当に……なんて愛らしい――――神の前に差し出される肉欲の羊たるにふさわしい……。元親、もっと素直に、はっきりと何がどう心地よいのか言葉にすれば、更なる神の愛を受けることができますよ。さあ……このバラの花びらのような唇で、私をしゃぶり聖なる液を飲んでください。そうすれば、今よりももっともっと、心地よくなれるのですからね」
 改めて差し出されたベルナントの陰茎を掴み、熱に浮かされたように元親はしゃぶりはじめる。それを見止めた青年たちは、元親が熱心にするのに合わせて愛撫の手管を変化させた。
「はむっ、じゅるぅ、んぶっ、んっ、はぁ、ああ、いい……きもちぃ、ぁむっ」
「ふふ……どこが、どう気持ちいいのか、はっきりと言ってごらんなさい」
「んっ、ふ、ぁあ、魔羅のさきっぽ、ぁあ、ぺろぺろされてぇ……ひっ、ひんっ、ぁ、ああ、にょぉどぉ――ぐりぐりっ、ぁあ、ひっ、それ、ぁ、ああっ」
「ふふ……気持ちがいいのは、そこだけですか?」
「ぁふっ、ぁ、乳首ぃ、ぁあ、ちゅうちゅうされてっ、ぁああ、歯っ、や、ぁああ、噛んだらっ、は、ぁううっ、ひう」
「他には、もうありませんか?」
「っお、しりぃ……ぐりぐりっ、ぁあ、そこっ、あっ、は、あぅううっ、ゆびっ、ぁ、ぐにぐにしてっ――ひっ、ひろげっ、ぁ、そんなにっ、ひろげたらっ、ぁ、ああ」
 睫を震わせ、官能に悶える元親にベルナントの聖根は先走りをこぼし脈打ち始める。
「さあ、元親――もう少しで聖液が噴出しますよ…………しゃぶり、飲めば好きなだけ――いいえ、もう枯れてしまうと泣いてしまうほど、待ち望んだ射精を行えますよ」
「ぁ、はぁあ、い、いきてぇよぉ」
「ならば、飲みなさい」
「ふっ、んぅうっ、んじゅぅううっ、んぐっ、んっんふっ、ぁむ」
 懸命にしゃぶる元親の顔が、ベルナントの聖根にゆがめられている。それに胸を高まらせたベルナントは、とうとう弾けて元親の喉にその液を注ぎ込んだ。
「ンぶっ、げほっ、げっげはっ、はっ」
「ああ――こぼさずに、ちゃんと舐めてすすって…………元親。でなければ、放てませんよ」
「はっ、ぁあ、んじゅっ、んぐっ、ふっ、俺もっ、ぁあ、もぉ、いきてぇ、ああ、はやくっ、はやく」
「ふふ……仕方が無いですね」
 そっと鍵を取り出したベルナントに、青年たちが元親から離れて神聖な儀式であるかのように、胸の前で腕を組み祈りを捧げ始める。
 いよいよ牡の枷が外されると期待する元親は、懇願の色を満面に示しながら、足を大きく開いて腰を突き出した。
「ぁあ、早く、早く」
「ええ、すぐに」
 枷に鍵が差し込まれ、待ち焦がれていたように開放された元親の陰茎がぶるりと大きく震えた。
「はっ、ぁ、ああ――っ!」
 すぐに両腕を伸ばして自ら扱こうとした元親の腕に、ピエールとルイエンダイクがしがみつき止める。両足には、メンドゥサとルイエンダイクがからみついた。
「やっ、ぁ、ああ、なんでっ、ぁ、離せよっ……魔羅いじらせろよっ!」
「自分でするよりも、人にされるほうが、ずっといいでしょう?」
「っ、は、ぁ、ああっ、あ、ああ」
 するりと根元からベルナントが撫で上げれば、短く甘い嬌声を上げながら元親が腰をくねらせる。
「わかったでしょう? 元親……自分でするより、私達聖職者の手で慰められるほうが、ずっと良いと思いませんか?」
 こくこくと激しく頷いた元親が、哀願した。
「ぁあ、して、くれよぉ……もっと、魔羅いじって、ぁあ、いかせてくれよぉ」
「ふふ、可愛い可愛い憐れな羊――いいでしょう。神の愛撫がなくば、生きてゆけぬと、耐えられぬと思うほどに愛して差し上げますよ」
「はっ、ぁ、ああっ、あ、ああ」
 二つの舌が、唇が、元親の牡に触れて愛し始める。根元を吸われ、先端を吸われ、舌で擽られながら袋をもまれて、元親は恍惚に濁った笑みを浮かべた。
「はっ、ぁあ、いいっ、もっとぉ、ぁあ」
「はっきりと、口に上せるように言ったはずですよ」
「ぁあ、魔羅ぁ、しゃぶられてっ、ぁあ、いいっ、ひっ、ひぃいっ、にょぉどぉっ、ぁあ、ぐりぐりっ、や、ぁあ、すごっ、ぁ、あはぁああうっ、ぃひっ、や、ぁあ、入れっ、にょぉどぉにっ、や、ぁ、ナカッ、ぐりぐりっ、ひっ、ひぃい」
 青年達が舐めしゃぶりながら、蜜口にふたたび十字架を差し込んだ。捻りながら抜き差しをされ、密口を押しつぶすように刺激されて、元親が蛇のように身をくねらせてのた打ち回る。
「ひぃっ、ひぃいっ、っ、ああはぁああっ、ちくびっ、そんっ、ぁあ、そんなっ、ああ、ひっぱったら、ぁあ、もげるっ、ぁ、絞っ……やっ、ぁあ、そんなに絞ってもっ、ぁ、でねぇっ、乳なんてっ、でねぇよぉお」
 左右の胸の実を絞るようにこねられ強く吸われて、元親は首を振りながら涙を流し、けれど心地よさそうに唇は笑みの形にゆがめている。
「はっ、ぁあっ、あああぅ、ひぅう」
「ふふ……予想以上にあさましく、愛らしい舞と歌声を魅せてくださるのですね――――元親……貴方の、恥じらいながらも熟れきった淫らな愛窟に、たっぷりと私の聖液を注いで上げましょうね」
 そっと元親の淫孔に聖根を押し当てたベルナントは、そのまま一気に突き込んで、縦横無尽に掻き乱し始めた。
「ひぎっ、ぉぐっ、ぁ、ああっ、ふっ、太いいっ、やっ、ぁあ、そんっ、はっ、や、くるしっ、ぁあ……はぎぃいいっ、ごりごりぃ、あひぁあああ」
 愛欲の根に穿たれながら蜜口を責められ、陰茎を慈しまれながら胸乳を苛まれることに、狂ったように声を上げる元親の体の隅々まで――血の一滴までもが淫蕩に酔いしれる。
「はぁ、もぉ、ぁ、ああ、いくっ、ぁあ、いくからぁ、ああっ、抜いてっ、抜いてくれぇえ」
「ふふ……いいですよ、たっぷりと――――先ほど約束したように、枯れてしまうと泣くまで放ち続けさせてあげましょう」
 ぐり、とベルナントの聖根が淫孔をえぐると同時に、蜜筒に差し込まれていた十字架が引き抜かれた。
「ひっ、ぁっ、あひっ、あっ、あぁああっ――はぁあっ、ぁあ、でたっ、ぁあ、いっぱ、あぁああ」
「くぅ……すごい、締め付けて――――ぁあ、良い心地ですよ元親。そのまま、放ち続けて私をもっと、締め上げてください。貴方の愛窟が口を閉じられなくなるくらいに、可愛がって差し上げますからね」
「ひっ、ひぃいっ、やっ、ああ、出してんのにっ、ぁあ、そんっ、そんなっ、はっ、ごりごりされたらぁ、ぁあっ、やっ、ああ、しっ、しごいちゃ、ぁあっ、魔羅ぁ、そんっ、絞ってしごいちゃぁ、あひっ、ぁ、らめぁ、ああっ――やぁああ、止まんねぇよぉおおっ、魔羅ぁあ、子種がっ、ぁあ、いっぱ、ぁあ、出てッ、ぁ、はあぁああ、いっぱぃ、出て……も、ぁあ、いきっぱなしっ、ぁあうぅう」
 焦点を結ばぬ目で快楽を貪るように腰を振り、扱かれるままに射精を続け真っ赤に染まった胸乳を震わせる。神への生贄と化した元親に、神の御使いである彼らは、聖液を存分に含ませ元親の愛液を搾り取った。
「はひっ、はぁあ、んぶっ、んぐぅう、ぁあ、おいひぃ……せーえきっ、はぁ、おいひぃ……はむっ、じゅるぅ、んぐぅ、はひゅっ、ぁあ、もっとぉ、ああ、ケツんナカッぐちゃぐちゃにっ、ぁあ、ひっ、やぁあ、抜いたら、せーえき溢れるっ、ぁあ、零れるぅうっ、やっ、はんっ、はっ、はんっ、ぁあ、もっとぉ、ぁあ、もっと奥にぃっ、ひっ、ひぃい……にょぉどっ、きもちぃっ、ぐりぐりっ、きもちぃよぉおおっ――――はひぃいっ、ぁあ、せーえきっ、もっとっ、ぁあ、あついのっ……いっぱい、ぁあ、くるぅ、おくにっ、あついのぉおお」
 甘えたような嬌声を上げ、彼らを求める元親にベルナントたちは自らの聖液が枯渇するまで悪魔祓いを施し続けた。
「ひぃいんっ、ぁあ、いいっ、いいのぉ……ケツも、魔羅もっ、乳首もぉおっ、ぜんぶっ、ぁあ、きもちぃあぁああ」
 咲き乱れ、生贄の羊として仕込まれる元親は、鬼の片鱗などかけらも残っていなかった。

 穏やかな海風に髪をなぶられながら、元親は心底残念そうに見送る相手を見つめていた。
「もう、行っちまうのか」
「私としても、貴方と離れるのは名残惜しいのですが……連れて行くわけにもいかないのでしょう」
「俺は、ここを離れられねぇからな。可愛い野郎共と、その家族達を守らなきゃならねぇからよ」
「ええ、ええ――よく、わかっています。わかっていますとも元親。貴方のその慈悲深く優しく、強く清らかな魂は、誰よりも深く味わい尽くした私が、よく知っています」
「ぅ……」
 赤くなり目を反らした元親の両手を握り締め、ベルナントは顔を寄せた。
「元親……国に帰ったらすぐに、貴方への土産をたっぷりと積んだ船で、また戻ります。私の可愛い羊……どうか、これを受け取ってください」
「これは……」
 元親の手に、ベルナントは細かな細工の施された細い十字架を――元親の蜜筒を掻き乱したものを、握らせた。
「信仰の心を、決して忘れないでください。元親…………どうか、どうか忘れずに清らかな貴方のままで、いてください」
 ごくり、と元親の喉が鳴る。その目元が艶めいているのに唇を押し付けて、ベルナントは名残惜しそうに元親から離れ、修繕の終わった船に乗り込んだ。
「元親! 必ず、また来ます。最高の赤ワインと、最高の信仰の儀式を再び貴方に与えるために!」
 ゆっくりと、ベルナントたちが乗った船が遠ざかっていく。それを見送る修繕を行った部下達が、ゆったりと小さくなっていく船を誇らしげに見送った。
「寂しくなりやすね、兄貴――兄貴?」
 傍らにいた男が、話しかけた元親が惚けたような顔をしているのに首をかしげた。
「どうしたんでさ、兄貴」
「ん? あ、ああ――いや」
 ぎゅう、と手の中にある十字架を握り締めた元親が、見送りに来た男たちを眺め、ちらと港の脇にある小さな岩のくぼみに目を向けた。
「なぁ、オメェら……ちょっと、俺に付き合っちゃあくれねぇか?」
「へ? 水クセェ言い方しないでくださいよ、兄貴。兄貴が望むなら、たとえ火の中水の中! で、どこに行くんです?」
 振り返った元親は、歯を見せて笑う。
「天国だよ」
 その目は、淫靡に光っていた。

2013/01/18



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