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ザビーの罠―元親
 ガラゴロと、深夜に荷車を押して長曾我部元親は山道を上っていた。向かうはザビー教団の神殿の一つ。そこに、斥候として放った可愛い子分たちがつかまっている。
 知らせを受けたのは、昼前。まことにふざけた形をしているカラクリが飛んできて、元親へ手紙を差し出した。カラクリの姿を見ただけで、それがすぐにザビー教団のものだとわかった彼は――そのカラクリはザビーの姿に似せていたのだ――すぐに手紙を開いて目を通した。
「なっ」
 手紙を読んですぐに、元親はグシャリとそれを握りしめ、怒りに震えながら立ち上がり、叫ぶ。
「野郎ども! 荷車に乗るだけのお宝を積み込め!」
 大股で歩く元親の手にある手紙の文面は、こうであった。

 ハイケイ サイカイのアニキ サマ
 ワタシは 愛の伝道師 ザビーネ
 アナタのダイジなダイジなコブンさんタチは ワタシの愛のトリコになりマシタ
 つきましては アニキにも愛を教えてアゲタイデス
 コブンさんたちと アニキのタイセツなもの交換シマショウ
 今夜 ゼヒ ザビー教団マデ 遊びに キテクダサイ
 タクサンの愛を アナタに教えマス
 迷い子にナラナイヨーニ 地図つけてオキマス ワタシ 親切デスネ
 ザビーより愛をコメすぎテ
           P.S カナラズ 一人でキテクダサイ

 アニキのタイセツなもの――で、元親はお宝だろうと予測をつけ、自分の引ける限りの重量のお宝を載せた荷車を引き、日没後すぐにアジトを出発した。
 こっそり荷台に紛れ込み数人で乗り込みましょうと提案する者たちを、気持だけでありがたいと言って落ち着かせ、手紙にあったとおり一人でザビー教団の指定された神殿へ向かう。
 重い荷車を曳き、目的の場所へとたどり着く頃には元親の肌はうっすらと汗ばんでいた。
「おうい、約束通り、来てやったぜぇ」
 声をかけると、ギギギと音がして大きな扉を同じ衣装を着た男たちが数人がかりで押しあけた。ガゴンと止まった扉を荷車を曳きながら入ると、今度は男たちがドアの横にある舵のようなものをまわす。すると今度は、重い音をさせ扉が閉まった。それに関心し、どういうカラクリなのかと問う前に、元親の耳に奇怪な歌が流れ込んできた。
「おお、ザビー様のおでましだ」
「ザビー様ぁ」
 扉の傍の男たちが口々に言い、胸の前で手を組んでうっとりと広間の奥、何かのシンボルのようなものが置いてある場所を見る。元親もそれを見ていると、ゴォオという音がして、巨漢の奇妙な男が両腕にある大筒から火花を散らしつつ下降してきた。
「ヨウコソ、いらっしゃ〜い! ワタシが、ザビーネ アニキ、タクサンお土産持ってきてくれてるヨ! 愛の寄付に感謝」
 大筒の火を消し、両手を掲げたザビーの言葉に、男たちが元親に向って頭を下げる。それに、くしゃみが出そうで出ないような顔をして、元親は頬を掻いた。
「あのよ――俺ァ、あんたらに寄付をしにきたんじゃなくて、仲間を取り返しに来たんだけどよぉ」
 元親の言葉に深く頷きながら、ザビーが言う。
「タイセツなコブンさんたちを迎えに来る。アニキの愛、ステキデス! モットモット、アニキには沢山愛を知ってもらいマショー」
 鼻歌交じりに言うザビーの横に、縄で縛られた男が二人、連れてこられた。
「兄貴!」
「すまねぇっス」
「おめぇら、無事だったか!」
 情けない顔をする男二人に、怪我はなさそうである。それにホッとして、元親はザビーを見た。
「おう、ザビーさんよ。こうしてお宝をたんまり持ってきたんだ。そいつらとコイツ、交換してもらおうじゃねぇか」
 ザビーは人差し指を立て、左右に振りながらチッチッチと言った。
「アニキ、何にもワカッテナイ――――ワタシ、手紙にお宝クダサイなんて、書いてナイネ。アニキに愛を教えタイ。ソウ書いたはずヨゥ」
「だが、手紙には大切なモンと交換するってぇ書いてあったじゃねぇか」
 ウンウンとザビーが頷き、サッと右手を振ると大きな壺を男が抱えて入ってきた。
「タイセツなモノ―――ソレハ愛ネ! アニキには愛の聖水を飲み干してモラウヨ!」
 壺を抱えた男は、それを元親の前に置いて一歩下がった。壺の中には無色透明な液体がたっぷりと入っているのが見える。何かの花の香りのようなとろりとした匂いがした。
「ソレガ愛の聖水ネ! ソレヲ飲めば、アニキ、愛をイッパイイッパイ知るコトにナル! アァ、素晴ラシイ」
「ザビー様」
「ザビー様バンザイ」
「♪ザビザビ〜」
 男たちがザビーを称え、歌を歌い始める。元親の前にある、よくわからない液体の入った壺。その中身をすべて飲み干せという。
「兄貴、そんなの、飲む必要なんか無ぇッス!」
「兄貴が来てくれただけで、俺ら十分ですから!」
「ウーン、美しい思いヤリ。安心スルヨ。毒じゃない! 愛の聖水は、愛を求め、愛に解放される素敵な飲み物ネ。他の人は、モット少ないケド、アニキには特別タクサン上げるワヨ」
 シナを作り、うふんとほほ笑むザビーに吐き気を感じながら、元親は壺の取っ手に手をかけた。
「兄貴ッ!」
「いけねぇッ! そんな怪しいモン、やめてください」
「――――おい、この世で一番海の似合う男は、誰だ」
「兄貴ッ」
 静かに口にした元親の問いに、子分たちが条件反射で応える。
「この世で一番強い奴ぁ、誰だ」
「兄貴!」
「野郎どもォ! 鬼の名前を、言ってみろッ!」
「モ・ト・チ・カァアアアアア」
 子分たちの叫びに合わせ、壺を持ち上げ口をつけ、喉を鳴らして一気に飲み干す。飲みきれなかったのもが口の端からあふれたが、拭うこともせずにすべてを胃の腑に収め、ガツンと壺を床に置き、腕で口をぬぐった。
「飲み干したぜぇ――――さぁ、そいつらを、返してもらおう……か?」
 ドクン、と体内で大きく何かが動いた。
「な、んだ――?」
 思わず膝をつく。ドクン、とまた何かが脈打った。かと思うと、体中が熱を放ちだす。
「はっ―――な……あつ、ぃ」
「兄貴ッ!」
「ザビー、てめぇ兄貴に何飲ませやがったぁ」
 喉を抑え、あえぐ元親の姿に縛られた子分たちが吠える。それにニッコリ笑いかけ、ザビーが言った。
「心配ないないネ。愛のチカラ、漲ってきているダケ」
んふっふ〜ん♪ と楽しそうなザビーの言葉に子分たちの目が心配そうに元親を見る。体を丸め、床に額をつけた元親は、口を開き短く浅い呼吸を繰り返す。自分の体を抱きしめるようにうずくまる元親の姿に、ザビーは教団員に目くばせをした。
「そろそろ、イイ頃合いネ」
 それを受けた教団員がそっと元親に近寄る。大きな鳥の羽を手にし、それを小刻みに震える元親の腰に滑らせた。
「はっ――アァッ」
 ぞくぞくと甘い疼きが体を走る。思わずもれた声は甘えるような鼻にかかったもので、自分の声に元親自身が驚いた。
「オーゥ! 準備オーケーデス。アニキ、愛を受け入れたくって仕方無くなってマス! 本当に全部飲んじゃうとは思わなかったカラ――チョット、愛に餓すぎカモ、ダケド、ネ。それじゃ、皆、アニキに愛を上げてクダサーイ」
「じょ……だんじゃ、ねぇッ」
 そううめいてみても、自分の体の変化は自分が一番感じていた。乳首が甘いしびれを求め、股間が疼き、勃ちはじめている。すべて、あの飲み干した液体の影響か。
「っ、触んじゃねぇ!」
 背後に気配を感じて腕を振るう。が、力の入らないそれは、あっさりと捕まえられ、元親はザビー教団員たちに組み敷かれた。
「っ――の、野郎」
「兄貴ッ!」
「すんません、兄貴」
「謝るんじゃねぇ! このくれぇ……っ、は」
 難なくのがれてみせる――それを見せようとした元親の肌に、教団員たちの掌が触れてなでまわす。産毛が逆立つような感覚に、元親は息をのんだ。元親を抑えている一人の手が、彼の内腿を撫で上げる。
「ふ、んんっ――」
 ぞわりと蛇がからみつくような感覚の後に、甘い波がさざめき立つ。――――まずい、このままでは、本当に、まずい。
 元親の脳裏に焦りが生まれる。力をこめて蹴散らそうと思う先から数人の男たちにまさぐられ、その期が奪われる。
「ぁ、放しやがれ――ぁ」
「オヤオヤ。アニキ、素直じゃナイネェ。ミナサン! モット素敵な気持になれるように、愛を上げマショウ」
「はい、ザビー様」
「えっ、あ――お、おいっ……やめねぇかっ! やめっ――ふぁあッ」
 男たちの唇が元親の肌に吸いつく。両の乳首を含まれ、舌先で転がされ、吸われてのけぞる。声を抑えようとする暇もなかった。薬のせいで過敏になった肌を、何倍にも増幅された甘いしびれが襲う。
「んぁあッ――やめっ、吸うな……ァ、りょ、両方――そん、そんなっ……ぁ、や――足ッ、やめろォ」
 衣服をはぎとりながら、男が元親の足に舌を這わせる。下帯に包まれた男根は、息苦しいほどに布を持ち上げ張り詰めていた。
「んふ、ぉお――ッ、ア」
 子どもが駄々をこねるように、首を振ってイヤイヤと震える元親の姿に、子分たちがゴクリと喉を鳴らす。それにクスクス笑いながら、ザビーが言った。
「愛は素晴らしいモノデス! アダムとイブも、肌を絡め、愛を育みマシタ。コノ国ノ神様モソウネ! モットモット沢山アニキに愛を感じて、欲しがってもらうヨ」
「くそっ、やめ――はぁ、ぁ……ザビーッ! んぁあ」
「子分サンたちも、愛にまみれる姿、見ているヨ」
「んんっ――く、ぁ……み、見るなッ、見る――ひぃ」
 男の手が下帯の上から元親の男根の始まりを掴み、しごきながら先端をジュウジュウと吸い上げる。ビクンと腰を浮かした元親は、そのまま体を震わせて瞳をドロリと濁らせた。
 このままでは、抗うどころか―――、と思うのに体は意志よりも快楽を求める。意識まで飲み込んでしまうほどの快楽に、元親は声をあげた。
「んひぃ、ひ――も、やめっ、出るッ……でるぅううッ」
 促すように吸いついている男が扱く手を強める。ビクリとひときわ大きく震えた男根が、ドクドクと欲を吐きだし、下帯をドロドロに濡らした。
「んはっ、は――ぁ、やめ……も、弄んじゃねッ――くひぃ」
 ぬちゃぬちゃと下帯を男根に絡めて男は再びしごき始める。他の男が手を伸ばし、布の中から男根を取り出して吸いついた。最初に吸いついていた男も続き、ほかの男は袋を口内に含む。
「はひぃ、は、はぅ……ぁ、や――ぁ、くぅうん」
 犬が飼い主に甘えるような声で元親が啼く。教団員たちは元親の肌すべてに触れようとするかのように、全身で彼に奉仕をし続ける。
「んぁひッ――ぅふ、乳首ッ……ぁ、や――いっしょ、やめ……ぁ、ソコ、やめろォ」
 そっと濡れた指が元親の菊花に触れた。つつき、何かを確かめるようにしてから侵入してくる。
「ひぅ――ぁ、あ」
 ぞわぞわとした違和感と嫌悪感の後すぐに、甘い疼きが始まる。他の男たちも次々と元親の菊花に指を含ませ好き勝手に蠢いた。
「や、ぁうう――ぁ、あ」
 体内で、数本の指が違う動きで彼を責める。達したばかりの元親の男根は再びこわばり、蜜を滴らせて震えた。
「良い、頃合いデスネ」
 フフフ、とザビーが怪しい笑みを浮かべてゴソゴソと服の中から奇妙なものを取り出す。それは一見、剣のような形をしていたが、刃の部分が男根の形をし、微妙に湾曲していた。
「ハジメマシテは、神聖に、ネ」
 奇妙な剣を掲げたザビーに、教団員たちが顔をあげてザビザビと歌いだす。
「んっぁ――」
 ふいに刺激のなくなった体をもてあまし、小さく震える元親の巨躯を男たちが抱えあげ、ザビーのもとへ運んだ。
「イイ具合に解れていますネ! コレなら傷つかない――ケレド、念のため」
 教団員の一人が、恭しくガラスの小瓶を運んでくる。ザビーの抱えた剣のようなものに、そっとそれを傾け、ねっとりとした液体をまんべんなくかけた。それが済み、一礼をして下がる教団員がチラと元親を盗み見て、喉を鳴らす。両方から男に挟まれ抱えあげられた元親は、左右の男の肩に腕をまわし、膝を持ち上げられてザビーと、その横にいる子分たちにすべてをさらしていた。
「サァ――愛の儀式デス」
「っ、やめろ――そ、そんなモン入……ぁああああッ」
 くに、と先端で軽くついてみてから、ザビーは剣をゆっくりと元親の中に埋めていく。沈むたびにヒクヒクと跳ねる男根から蜜が飛び出し、彼の姿を見守る者たちが熱い息を吐いた。
「サァサァサァサァ! ずずぃと行くヨ」
「ひっ、あぁ――はッ……や、もぉ――それ以上ッ、奥――ぁ、ひぃ、ひっ」
 柄が尻にあたり、挿入が止まる。ザビーは横で元親にくぎづけになっている子分たちに、声をかけた。
「サァ――アナタたちの愛を、アニキに伝えて上げてクダサイ」
「えっ」
「つ、伝えるって」
「コノ、愛の剣をとおして、存分に!」
 ザビーの言葉に、元親を抱えている男たちが子分たちに柄が向くように動く。目の前に元親の下肢を見せられ、子分たちは凝視した。
「あぁ――お、おまえらッ……み、見るな――」
「そんなこと言ったって、アニキ――み、見ちまいます」
「サァ、愛を伝えるのデス」
 はらり、と子分たちの戒めが解かれる。二人は顔を見合わせ、そっと柄に手を伸ばした。
「ん、ぁ――おまえら……何っ」
「すんません、兄貴。俺ら――兄貴にたっぷりと愛を、注ぎたくてたまんねぇんです」
 言って、そっと柄を捩る。
「くふぅ――ぁ、やめねぇかっ」
「やめらんねぇっす! すんません、兄貴ッ」
 深く頭を下げ、子分たちは柄を左右に揺らし、ぐるりと捩り、抜き差しを始めた。
「んぐぉお――はぁ、やめっ……ねじれッ、ソコ――やめ、ぁああ……んっ」
「兄貴、兄貴の珍宝、ビクンビクンして、気持いいんスねっ」
「あぁ、しゃぶりつきてぇえ」
「かはぁああッ――ご、ゴリゴリッ…………ソコ、やめっ、ぁあ――――ひ、ひぃいいッ」
 興奮した子分たちが、縦横無尽に元親を責める。逃れようと身をよじる元親を、支えきれなくなった男たちが床におろし、元親の足を広げる格好に抑えたまま、片手で自らの男根を取り出して元親の眼前でしごき始めた。
「んはぁあ――――やめっ、や……か、ふぅ――んっ、い……きもち、ぃ――」
「イイんスね、アニキッ! もっともっと、気持良くしてさしあげますッ」
「や、違ッ――やめッ……ぁああ」
 うわごとのようにつぶやいた自分の言葉を否定しても、子分たちの手は止まらない。無意識で疼く下肢に手を伸ばした元親を、ザビーが止めた。
「ダメダメ。愛を受けるのに、自分でしちゃうのは、ダメダメ――――お尻だけで……ソウネェ、三回達ったら、子分サンたちのを咥えて、他の皆サンに体中を沢山ナデナデしてもらいましょうネェ」
「じょっ―――冗談じゃねェ……ぁ、はッ、やめッ――奥ッ、や、ぁああ」
「兄貴ッ、あぁ――兄貴のココに、俺らがブチ込めるなんてッ」
「うう、すぐにでもシたいッス! 早く、達ってくだせぇよぉ」
「んぁあああ――やめっ、や……テメェらも、人の顔の前で扱いてんじゃ…………ぁ、熱いのッ、垂れて――顔にッ……ぁ、はぅう」
「ホラホラ、早く達っちゃっテ〜」
「んぁ、く、くるッ――やめっ、ぁ、尻だけで……なんて――ぁ、あぁ、んんぁあああああッ」
 元親の体内をかき回していたものが、強く絞められ掻き回す腕に突っかかった感触を伝える。柄を握っている子分が、それでもと強く動かすと、元親の体が大きく反り返り、天に向かって勢いよく男根から欲の蜜が噴き出された。それに感化されたのか、元親の眼前で男根を扱いていた者たちも、ビクンと体を震わせて、元親の顔に噴きかける。
「ぁ、あ――熱い、のが……顔にッ――いっぱ……ぁ、は」
「すげぇ、アニキ」
 うっとりと、快楽に弛緩する元親の姿を眺める者たちに、ザビーが告げた。
「休む暇、無イヨ? 三回、達ってもらって、今度は自分タチの愛棒で気持良くさせてあげたいデショウ? アニキの体中、アチコチ触って、上のオクチでも、下のオクチでも咥えてもらいたくアリマセン?」
 小首をかしげ、する者がすればかわいらしいと思える格好で言うザビーに、子分たちが顔を見合わせ、放心している元親を見、ゴクリと生唾を飲み込んだ。
「んぁ――ッ、ぉ……おいっ、やめっ……まだ、達ったばっかり――は、ぁ……んんぁあッ」
 子分たちが再び、元親の中に深く刺さる物の柄を握り、容赦なくかき回し始める。その姿に興奮した者たちに、あと二回達するまでは触れてはいけないと言い置いて、ザビーは祭壇に上り、ほくそ笑んだ。
「コレで、アニキ、愛ノTO・RI・KOネ。四国全部、ワタシの物になったも当然ヨ。次は――誰を愛で救ってアゲマショウ」
 くすくすと嬉しそうに笑うザビーの背後で、元親の嬌声が上がり続ける――――。


2010/06/18



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