メニュー日記拍手

甘い、甘い……

 突然の時化の後の大嵐に見舞われた長曾我部元親の船は、木の葉のように波にもまれ、帆を濡らすほどに高く上がった波に船内までも洗われて、よくぞ破損をしなかったと褒めたくなるほどの状況を乗り越え、見知らぬ島の砂浜へ乗り上げていた。
 本来ならば、砂浜になど乗り上げるはずも無い大きな船であるのだが、この島の浜は突然に底を深くしているらしく、岩礁に乗り上げたような形で嵐の高波に運ばれた元親の船を砂浜へと乗せてしまったらしい。
「なんにせよ、全員が無事で良かったぜ」
 海の向こうに不自然な鳥山が出来ており、それを調査するためにと十数人だけを連れて沖に出た元親ら一行は、あの嵐の中でも誰一人として欠けることなく、また大きなけがをする事も無く、無事だった。
「島の様子は、俺が見回ってくる。おめぇらは船に入った海水を抜いて、どっか痛んでいる所が無ぇかを確認しておいてくれ」
「まかせてくだせぇ、兄貴」
 船員たちの頼もしい返答に満足そうに頷き、元親は愛用の碇のような長槍を肩に担いでは浜に下り、見たことも無い植物が生い茂る森の中へと、足を進めた。
 膝の高さほどもある大きな葉の草をかき分けながら、元親はどんどんと奥へ進む。見知らぬ土地で、どのような獣がいるか――どのような人間が住んでいるのかはわからない。気を張り詰めながら進んではいるが、小動物や鳥以外に姿を見ることは無く、湿度のある森を元親は進んでいく。水音が聞こえ、嵐で飲み水がダメになってしまったことを思いだした元親は、誘われるようにそちらへ足を向けた。
 海に出るには、飲み水が必要不可欠となる。それが無ければ、水のただ中で脱水症状をおこして倒れるという、笑えない事態に陥ってしまうからだ。
 背の高い草をかき分け、水音の方向へと進んでいた元親は
「おお」
 泉へとたどり着いた。崖から泉へ向けて、水が流れ落ちている。そのわきには苔がびっしりと生えており、この水が命をはぐくむもの――飲んでも問題の無いものだと知らしめていた。念のため、手のひらに受け止め口に入れる。
「うめぇ」
 さらりとしてよく冷えた水は、塩を受けた元親の口を癒した。泉を覗けば、魚の姿も見える。周囲を見渡し、危険な気配が無いことを確認すると、元親は裸身になり軽く衣に着いた海の塩を洗い流して、泉に飛び込んだ。潮でべたついた肌が、真水に洗われ心地よい。そのまま悠々と泳ぎ、体を清めた元親は岸に上がり、ふと目についた木に生っている果実に手を伸ばした。
 それは、リンゴのように赤く、形はヒョウタンのようであった。匂いを嗅げば、甘く食欲をそそる香りがする。ほんの少しかじってみた元親は、広がった果実の甘露に目を細め、二口目は大きな口でかぶりつき、あっという間に一つを平らげた。見れば、それは木から生えているのではなく、木にからみついている蔓から生っている。その蔓は太く、元親が掴んで引いてみてもびくともしない。ためしに木の枝から釣り下がっている部分を掴んで体重をかけてみても、蔓は軋みはするもののちぎれるようなことも無く元親の体を支えた。
「こいつぁ、いいものを見つけたな」
 果実は部下らののどを潤し疲れをいやすだろう。蔓は、塩水で劣化をしているであろうロープの代わりに使えそうだ。手近にあった果実をもいで齧りながら、元親は木を見上げた。上の方に、まだまだ果実はたくさん生っている。手も口も果汁で汚しながら、元親は目の前にある果実を全て食べてしまいたいという誘惑に駆られた。
(なんだ――)
 疑問に思いながらも、それだけ自分は疲れており、また体が渇いているのだろうと判じた元親は、大きな体躯に似合わぬ素早さで木に上り、太い幹に腰かけて腕を伸ばし、果実をもいで食べ始めた。
(おかしい……)
 どのくらい食べてからだろうか。元親は、手も口も、胸元さえも果汁で汚しながら、果実を食べるごとに飢えが増していることに気付いた。気付いたが、理性が危険を知らせる前に本能が元親の手を果実に伸ばさせ、それを喰らわせる。ぞくん、ぞくんと産毛が泡立ち、妙な甘さが腰のあたりに漂い始めている。
(こいつぁ、大麻みてぇな薬物の一種なんじゃねぇか)
 吸い込めば、夢見心地となり浮遊感と幻覚を受けるという大麻――元親はそれを使ったことは無いが、使ったことのある人間を見たことがある。恍惚とした表情――締まりのない口からはよだれがあふれ、幸せそうに笑う顔は、元親に嫌悪を与えた。これは、そういった症状を与えるような果実では無いのか。
(やべぇ――)
 思ったと同時に、すでに手遅れだという事を、元親は理解していた。体の奥が疼き、もっと果実をと凶暴な欲の獣が咆哮を上げている。理性ではいけないとわかっているのに、元親の手は、口は果実を求め続けていた。
 その腕を――果実をもごうと伸ばされた元親の腕を、とどめるように絡み付いたものがあった。
(なんだ……?)
 それは、果実の蔓だった。そう認識したと同時に、うねうねと蠢く蔓は裸身の元親の手足に絡まり、太い枝に座っていた彼の体を持ち上げる。
「なっ、なんだ――」
 声を上げた元親の目の前に、赤い蕾のようなものが浮き上がってきた。それが、ぱっくりと二つに割れて汁をこぼす。
「ッ! 食虫植物の一種か――ッ!」
 肉厚の、柔らかそうな二枚の花弁が元親の肌に噛みついた。見れば、無数の花弁が元親の周囲に集まっている。それが次々に口を開き、元親の肌に食いついた。
「――ッあ」
 痛みは、感じない。とろりとした花の蜜のような液が肌に絡み、花は食せる場所を探すように、みっしりとした元親の肉の上を這い回った。
「っ、は、ぁ――あ」
 花弁が動くたびに、ぞわりとした痒みに似た疼きが生まれ、それは小さな熱を灯し
「う、そだろォ」
 元親の欲の標に、彼の花粉を集めて凝らせ始めた。
「くっ、ぅ、うう」
 手足の指を握りこみ、力を込める元親の肉が凝って盛り上がる。それをあざ笑うかのように、花は元親の肉筋を滑り足の付け根に吸い付き、男らしい茂みを濡らして起き上がった雄蕊を噛んだ。
「っはぁ、あ、ああ――」
 その瞬間、目の前に火花が散ったような快楽が走った。声を上げた元親に呼応するように、雄蕊を噛んだ花弁はやわやわと揉むように動く。他の花弁もそれに気づいたように、次々に元親の雄蕊に噛みつき、幹を食んで括れに絡み、先端にかぶさるように食いついた。
「ぁはっ、ぁ、あふぅう」
 やわらかな刺激を、波が押し寄せ引くように与えられる。すっかり勃ちあがりきった元親の雄蕊は子種という名の花粉をこぼし、それが花弁の汁を合わさって零れ落ちていく。
「んひっ、ぁ、あはぁうふ」
 ぎりぎりの、絶頂を迎えきらぬほどの刺激に元親は肌をわななかせ、滲んでいく思考の輪郭をなんとか保とうと試みながら、腕に、足に力を入れて蔓を振りほどこうともがいた。
「ぃひぃいんっ」
 雄蕊を刺激されることで起き上がった胸の実を、花弁がぱくりと捉えて吸うように揉み始める。
「やっ、ぁ、あ、ああ、やめ、あ、ああ」
 雄蕊のもどかしい刺激だけでも気を失いそうなほどであるのに、胸の実に甘えるように吸い付かれ、元親は身を捩る力も奪われ嬌声を上げた。
「ぁ、はぁああう、ふ、ぁあっ、や、ぁ――こん、な……ぁ、ああ」
 乳首に、雄蕊の先端に吸い付いていた花弁が、くるくると回転し始める。
「ひっぃいんっ、ぁ、ああっそれっ、ぁ――ぁひっ、ぁあ、すげっ、ぁあ、すげぇっ、ぁああ」
 断続的に与えられる快楽に、元親の意識が屈した。ぶるぶると身を震わせ、雄蕊の血管が浮くほどに凝らせ腰を突出し、達くに達けない快楽に涙を流し、よだれを垂らす。
「ぁはぁああっ、や、ぁああ、もぉ、ぁ、あっ、イキてぇっ、はぁあイキてぇええっ」
 刺激を与え続けられる元親の牡から溢れる蜜と花弁がこぼす汁とが、下肢を濡らす。それを受けとめるように、一本の太い――他の花弁とは明らかに形状の違った蔓が牡の根元に絡み付いた。
「ひっ、ひぃい――ぁ、ああっ、もっと、ぁあ、もっと擦ってくれっ、あぁああ」
 心地よさに強請る元親の言葉が聞こえているのかいないのか、太く、ごつごつとした小さな突起を纏った蔓は、たっぷりと元親と花弁の出す液を絡め取り、てらてらと光りながら元親の尻の谷に擦りついた。
「ひぁ、あ、な、何――ぁ、あ」
 首を伸ばし、尻に太い――他の蔓の二倍ほどの太さのものが擦りついていることに、元親は目を見開いた。その先端らしきものが、双丘の谷にある洞窟の入り口を見つけ、つつきはじめる。
「ぁ、う、そだろう……まさか……そんな――おい、ちょっと待てよ…………なぁ、ちょっ――っはぎ、ぁああぐぉううッ」
 頬を引きつらせ、おそるおそる声をかけた元親のことなどお構いなしに、濡れそぼった蔓は鬼窟の中へと勢いよく沈み込む。
「ぁひっ、は、ぁああっ、や、ぁあ、う、そだろぉ、ぁあ、はっ、ぁ、ああうっ、う」
 じゅん、と体内で何かが染みだし、太い蔓がうねうねと踊り始める。小さな突起が内壁を掻きまわし押し広げ、不思議と痛みを感じない代わりに、はち切れそうなほどに凝っている元親の牡に、さらなる子種を含ませるほどの快楽を与えた。
「ひっぃいっ、ぁ、あああう――っ、やめっ、ぁ、あああ…………」
 放つに放てぬ牡と、与え続けられる快楽。果ての無い快感の渦の中に、大嵐に遭っていた船のように翻弄される元親が、快楽に身を捩り泣きながら声を上げる。
「ひっ、ひぃいんっ、ぁ、ああうっ、ぁ、あああ」
 意識がぐずぐずに溶けて、元親という人格さえも失いそうになりかけた彼の耳に、彼の存在を示す呼び声が届いた。
「兄貴ぃ!」
「おうい、兄貴ぃいい」
「あっ、ああ――」
 それは、彼を慕う彼の大切な部下の声だった。それが、どんどんと近づいてくる。
 助かった、という思いと見られたくない、という気持ちがせめぎ合い、元親に奥歯を噛みしめさせて快楽の声を留めさせた。
「んっ、ふ――ふんっ、ん」
 けれども、鼻からは甘い息がこぼれてしまう。体中に力を込めてしまった元親をほぐすように、胸に、牡に――体中に吸い付いている花弁の動きが激しくなり、体内の蔓が大きくうねりはじめた。
「ひはっ、ぁ、あはぁああ」
 たまらず叫んだ元親の声を聞きつけ、近くまで来ていた部下らが駆けつけ、蔓に絡み付かれて犯される元親の姿に驚愕する。
「あ、兄貴……」
「ひっ、ひっ、ぁ、あひっ、ぁううっ、う――見る、な、ぁあ」
 涙を流し、快楽に肌を上気させ、爆発しそうなほどに牡を勃ちあがらせて尻を暴かれている――そんな鬼の姿に、部下らはごくりと喉を鳴らした。彼らの意識を誘うように、元親の肌にからみついている花が、いっせいに強い香りを放った。それは、元親の意識も部下の意識も包み込み、本能を甘く強くくすぐった。
「はっ、ぁ、ああ――ぁう、んっ、ぁは」
「ああ、兄貴……なんで、そんなことになっちまってんですか……何、されちまったのか、詳しく教えてくださいよ」
 問いかける部下らは、服を脱ぎながら元親に歩み寄っていく。
「ぁは……果実ぅ、ぁ、食ったら、ぁ、あ……蔓が、ぁ、巻き付いて――はぁ、あっ、くは……肌、ぁ、吸いついて…………尻ぁ、ああ、はっ」
「もっと、具体的におしえてくんなきゃ、わかんねぇっス」
「ひっ、ひぅ、乳首ぃ、あ、くるくるされてっ、はぁあ、ずっと――ぁ、もぉ、魔羅もぉ……ぁあ、こんなっ、ぁ、ああ、イキてぇのにっ、ひっ、ひぃい」
 近づく男たちを誘惑するように、蔓は元親の体を彼らによく見えるように広げて高度を下げた。部下の一人が手を伸ばし、元親の内腿を撫でる。
「ぁは、ぁあぅん」
「ああ、兄貴の魔羅……こんなになっちまって――相当、痛くねぇですか」
「ぁ、はぁあ、痛ぇ、ぁあ、も、ぁ、イキてぇのにっ、ぁ、ああ」
「尻も、突っ込まれて動かれて――どんな具合か、詳しく教えてくださいよ」
「ひっ、ひんっ、ぁあ、ぬるぬるのっ、ぁあぐちゃぐちゃの液っ、出されて――ひっ、ぁあ、おくぅ――奥っ、うごいて……ぁ、ああっ、小せぇのがっ、ぁあ、突起ッ、は、ぁあ擦れて、ぁああっ、ひっ、ひぃんっ」
「ああ、兄貴のケツ穴、がっちり蔓を食い込んで、真っ赤になってヒクついてますぜ…………俺らの兄貴なのに、許せねぇなぁ」
「ああ、俺らの兄貴なのに、許せねぇぜ」
 部下らは蔓を引っ掴むと、乱暴に引きはがし、代わりに自分たちが乳首に、牡に――脇腹に足に背中に腕に、吸い付いた。
「ああ、兄貴の体……蜜にまみれて、すげぇ甘い」
「すっげぇギンギンに熱くて――はぁ、兄貴、すぐにイカせてあげますからね」
「ぁあ、くっそ――この蔓……兄貴のナカを掻きまわしやがって――ゆるせねぇ……兄貴も、こんな植物より、俺らのほうが良いですよね」
「んひぃっ――ぁはううっ」
 ずぼっと蔓を抜かれたかと思うと、滾りきった部下の男根が突き込まれる。がむしゃらに突き上げられ、牡を吸われ擦られて乳首を捩じりあげられ
「ぃひぃいいっ、ぁあ、あっはぁあうっ、あぁあぁあああ――ッ!」
 すぐさま、元親は子種を吹き出した。
「くっ――すげぇ、兄貴のナカッ――きゅうきゅうに締め付けて、絡み付いて……はぁ、流石、兄貴だぜ」
「ひっ、ひぃい、ぁああ、熱いッ、ああ――」
「兄貴、次は俺の熱を受け止めてくだせぇ」
「かふぅうっ、や、ぁあ――そんっ、ぁ、イッたばっかで、ぁあそんっ、はげしっ、ぁああ」
「すげぇ……兄貴、よっぽど溜まってたんスね――子種が噴き出しっぱなしで、止まらねぇぜ」
「ひっ、ひぃいんっ、ぁあ、こすっ、ぁあっ、そんなに、ぁああ、絞っ――はぁああ」
 元親に絡み付いていた蔓は――花弁は、彼らが放つ子種を受け止め吸収し、鼓動のような音を発して更なる甘い芳香を吹き出し続ける。そうして花は根元を大きく膨らませ、だんだんとヒョウタンのような形になり、赤く熟れはじめる。
「ああ――兄貴……たまんねぇ、あぁ、兄貴」
「ひぃいっ、ぁあ、おぉ、ぁ、子種ぇ、と、止まらねぇよぉ――ひっ、ひぃ、きもちぃッ、ケツぐちゃぐちゃ、きもちぃいひぃあぁああんっ――あひっ、乳首ぃい……ああっ、やぁ、もげるうぅ、もげるぅうう」
 首を振り、涙を流しながら悶える元親の目は正気を失い、口は笑みの形にゆがんでいる。そうして、戻らぬ彼らを探すために後から現れた残りの部下たちも巻き込み、全ての部下の子種を搾り取るまで身を捩り叫び続けた元親が、意識を手放し倒れ伏すまで淫靡な狂宴は続いた。
「ひっ、ぁ、あも、ぁはぁあ…………あっ――――ああ、あは、ぁあう…………」
 最後の精を受けとり放ち終えた元親と部下が意識を失い草の上に眠るころ、蔓にあった花の全てが甘美な果実を実らせ終えた。

2012/12/03



メニュー日記拍手
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送