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Oil Massage

 屋敷に戻ると、筆頭がお待ちですと声をかけられた。野良仕事を終えたばかりの片倉小十郎は、土で汚れたままで主である伊達政宗と対面をするか、少し待ってもらって体を拭い身支度を整えてからにするか迷ってから、後者にすることに決めた。
 湯を沸かすまでも無い。手ぬぐいを水に浸し、体を拭ってしまえば良いだろうと小十郎が湯殿で体を拭っていると、からりと戸が開いた。
「政宗様」
 自分が湯殿を使っている時に、何も言わずに入ってくるなど、主以外にありえない。振り向きながら名を呼べば、小首を傾げ顎を突き出し、悪童のような笑みを浮かべた政宗が、そこにいた。
「お待たせして申し訳ありません。政宗様。ですが、野良仕事で土を付けたままでは失礼かと思い、先に体を拭わせていただこうと――」
「NO 小十郎。そんなことを咎めるために、わざわざ来たわけじゃねえよ」
「では、お急ぎの用向きだったのでしょうか。そうであるならば、この小十郎、判断を誤ったことをお詫びせねばなりません」
「急ぎでもねぇから、謝る必要もねぇよ。ちょうどいいから、来たまでだ」
「丁度いい?」
 首をかしげた小十郎に、見事な細工のガラス瓶を政宗が懐から取り出して見せる。
「それは……?」
「舶来品だ。Oil Massage用の、なんというか、まあ、油みてぇなもんだな」
「おいる、まっさあじ?」
 怪訝な顔をする小十郎に、一歩近寄った政宗が後ろ手で扉を閉める。
「そこの板間に寝転べよ、小十郎。西洋式の按摩ってぇヤツを施してやるからよ」
「は……それは、大変に有り難く存じますが……政宗様に按摩をしていただくのは、いささか気が引けます」
「遠慮すんな。教わったことを、早く試してみてぇんだよ。他の奴を実験台にするのは気が引けるが、小十郎なら良いだろうと思ってな」
 ほらほらと楽しげに促してくる政宗を見ながら、たしかに自分以外の相手では、恐縮しすぎて具合がどうかを政宗にきっちりと伝えることはできないだろうと、小十郎場下帯姿のまま床に横になった。
「Oilを使うからな。湯殿に居るのは好都合だ」
「油を体に塗る、ということなのですか」
「そうだ」
 キュポンと政宗がふたを開けると、森林の中に居るような香りが漂った。
「これは……」
「relaxするための、香りなんだそうだ。この香りとOilで、疲れを癒す相乗効果があるらしい」
 たしかに、香りには気持ちを落ち着かせる効果がある。そんな香りを嗅ぎながら按摩をされれば、普通に解されるよりもずっと心地がいいだろう。うつぶせになり、腕を枕に深く息を吸いこみ森林の香りを受け止める小十郎の背中に、アロマオイルをたらした政宗が掌を滑らせる。ひやりとした感触に、わずかに小十郎は肌を震わせたが、それ以上はこれといった反応を示さず、目を閉じておとなしくしている。
「どうだ、小十郎」
「は……」
 答えようと口を開くが、心地が良いのかそこから先の言葉が出てこない。政宗は小十郎の肩甲骨の隙間を、少し力を込めて押した。
「んっ……ふ、ぅ」
「痛くねぇか」
「いえ……まったく、痛くはございません」
「そうか。Oilで滑るから、少々強くしても痛くは無いんだな」
 そうしてそのまま政宗は小十郎の腰を解し、足の裏を揉み込んで、ふくらはぎを絞るように擦り太ももを上下に按摩し、尻と足の付け根のツボを、強く押した。
「んっ……ふ、ぅ」
「ずいぶんと、疲れているみてぇだな。野良仕事もほどほどにしといたほうが、いいんじゃねぇか」
「そういうわけにも……っ、は――参りません。それに……っ、ふ……百姓は皆、もっと――っ」
 政宗がツボを押すごとに、小十郎の息が詰まる。それに唇を舐めた政宗が、少し多めにアロマオイルを手の平に落とし、小十郎の尻を掴んだ。
「おっと――」
「――っ!」
 びくん、と小十郎の背がこわばる。尻を掴んだ政宗の手がぬるりと滑り、両手の親指が下帯の隙間から入り込み、小十郎の菊花へもぐりこんでいた。
「Oilを、少し多めに取りすぎたみてぇだな。指が、滑っちまった」
「っ、では、早く抜い――っ、ふ」
 ぐ、と政宗は二本の親指を小十郎の秘孔に埋め込み、左右に割り開く。
「ぁ、政宗さ……っ、ん」
「せっかくだ。小十郎。コッチもたっぷりと解してやるよ」
「え、遠慮させていただきます。ま――っ、さ、むねさまっ、ぁ、く」
「遠慮すんなって」
 ぐにぐにと政宗が親指を動かしながら尻を揉む。奥歯を噛みしめこぶしを握り、小十郎は全身に力を込めて流されそうになるのを堪える。そんな小十郎をあざ笑うように、アロマオイルをたっぷりと小十郎の尻に流した政宗は、指の本数を増やし小十郎の泣き所を突いた。
「っは、ぁ、ああ――っ、く、ぅう」
 ぐちぐちと、アロマオイルと空気の混じる音をさせ、政宗が乱暴に小十郎の秘孔を媚肉に変えていく。蠱惑的な笑みを浮かべた政宗が、ぐいと下帯を引いた。
「っは、ぁあ」
 ぎち――と布に押され、はちきれそうに勃ちあがった小十郎の牡が、くっきりと布越しに形を示す。思わず尻を浮かせた小十郎に、政宗は喉の奥で笑った。
「すげぇな。Oil Massageは、相当に心地が良いみてぇだな」
「ひっ、ぁ、そん……な、ことは」
「嘘をつくなよ、小十郎。こんなにギンギンにして、Oilを垂らしてねぇのに先っぽはグジュグジュに濡れてるじゃねぇか」
「ひっ、ぃい――ぁ、はっ、それっ、ぁ、や、ぁあ……おやめくださっ、ぁは」
 小十郎の泣き所を執拗にかき乱しながら、もう片手で布越しに亀頭をいじくり鈴口に爪を立てる。濡れた布が小十郎の牡にまとわりつき、びくびくと震えるそれは網にかかった魚のようであった。
「すげぇな……小十郎。たまんねぇ」
「はっ、ぁ、ああっ、ま、政宗様――ご、後生なればっ……ひ、ぁいいっ、ぁう――も、もぉ、ぁはっ、やめっ、ぁ、おやめっ、くらさ……ぁは」
 尻を突き出す格好で、揺らめきそうになる腰を必死に堪える小十郎の太ももに、政宗が唇を寄せた。
「言葉が妖しくなるぐれぇ、気持ちがいいんだな――?」
「ぁひっ、や、ぁあ、ちがっ、ぁ、ま、まさむねさまっ、は、ぁあ……もぉ、ぁっ、ああ」
 くるりくるりと、政宗は器用に小十郎が絶頂を迎えそうになるたびに、刺激を抑えてそれを逃がす。あと少しの所で幾度も誤魔化された小十郎の欲は、体中を駆け巡る気脈に乗り小十郎の意識を濁らせ、欲に従わせ始める。
「ふぅ、んっ、ぁ、は、ぁあ」
「おっと……自慰は、するなよ」
 無意識に自分の欲へと手を伸ばした小十郎の手首を掴み、彼の下帯を解いて後ろ手に縛りつけた。
「あ、は……っ、あぁ、あっ、はひゅっ、ぁ、あぁうふぅう」
 これ以上は無理だというほどに小十郎の欲は凝りきり、ビクンビクンと脈打ちながら先走りをだらしなく垂らし続ける。政宗はそっと、根元からそれを指先で撫で上げた。
「ぁはぁあぁあうぅうん」
 今まで啼いたことも無いような、甘く心地よさそうな声をあげながら、小十郎が顎をのけぞらせる。ごくりと喉を鳴らした政宗は、猛りきった自らの欲を取り出し、ひたりと淫靡に蠢く小十郎の媚肉へ押し当てた。
「小十郎――これが、欲しいか?」
 背に覆いかぶさり耳朶を食みながら問えば、潤む瞳から涙を流し、小十郎が頷いた。
「なら、言えよ。この俺の熱くて太いので、奥までグチャグチャに掻きまわしてほしいってな」
 手を伸ばし、アロマオイルで濡れた手で小十郎の胸乳の尖りをつまみ、強めに捏ねる。
「ぃひっ、ぃいんっ、ぁ、は……ましゃ、ぁうう、むねさまぁあ」
 滑る指は痛みを与えないらしい。ぐりぐりと容赦なくすり潰すようにつまみ捩じっても、小十郎は快楽しか顔に浮かべず、求めるように政宗の腰に尻を擦りつけてきた。
「すげぇな……こんなに乱れた小十郎が、見られるとは思わなかったぜ」
 政宗の息が、熱く乱れている。今すぐに突っ込み掻きまわしたい情動を抑え込み、もう一度小十郎に促す。
「なぁ……小十郎――言えよ。俺も、早く突っ込んで奥までガツガツ突き上げてぇんだよ。なぁ――早く、俺の熱くて太いので、めちゃくちゃに犯してほしいって望めよ」
 劣情に息を乱しながらの政宗の声は、小十郎の脳を優しく包み込み愛撫し、思考の一切を奪われた小十郎の意識を完全に欲の奴隷へと貶めた。
「ぁ――ああっ、ま、政宗様の、ぉお……っは、はぁ、あっ、熱くてっ――太いので、あ、めちゃくちゃに……おくっ、おくまでっ、ぁあ、この小十郎の奥まで、お、犯してくださいっ!」
「Excellent!  There's a dear! 今すぐに、してやるよ」
「ぁがっ、ぁ、あぉおおおおっ」
 ぐん、と一気に政宗が奥まで貫く。反り返り猛りきった熱に抉られ、小十郎は獣のような咆哮を上げ、きつく政宗を絞り上げたかと思えば
「っは、ぁはぁあああ――」
 盛大に、子種を吹き出した。
「くっ――食いちぎられちまいそうだ、な」
 淫猥に蠢く肉に流されぬよう、眉根を寄せて堪えた政宗が、ぎちぎちに閉まってくる肉壁を擦り始める。子種をまき散らしながら内壁を穿たれ、うなじを噛まれながら胸乳をもげるほど強く刺激され、小十郎は髪を振り乱し咆え続けた。
「はひゅっ、はぁうふぁああっ、ひっ、ひぃ、あ、ましゃむれさまぁ――ましゃ、ぁはっ、ぁはぁあ、おくっ、ぁあ、は、ぁあ……とけりゅっ、ぁ、とけっ、あつぅあぁああ」
「ふ、くぅう……すげ、ぁ、小十郎――たまんねぇ、ぜ…………は、ぁ――最高に、気持ちがいいんだな? なぁ、小十郎」
「ぃひっ、ぁ、いいっ、きもちぃ、ぁ、は、はぁああ、と、とまりませ……っ、びゅくびゅくがっ、ぁ、と、とまりゃにゃ、ぁあぃいいんっ」
 涙をあふれさせながら、よだれを流し、愉悦に顔を歪め理性のタガを外して快楽を貪る小十郎に、政宗の劣情が留まるところを知らず湧き上がり続ける。
「くっ、すげぇ……は、あ――こんな、ぐっちゃぐちゃになってんのに……締め付けて、はぁ――すげぇ、な……子種、尻からあふれ出てんのに、からみついてきやがる――小十郎、そんなに気持ちがいいか」
「ひんっ、ぁ、あはぁあ、ましゃむれさまぁ、ああっ、きもちぃ、ぁあっ、はっ、も、ぁあ、もっとぉ、ぁ、はひぃい」
「ああ――もっと、まだまだ…………枯れるまで、注ぎ続けてやるよ」
「ぁはっ、ぁあぉううっ、ぃいっ、ぁひぃいっ、ましゃむれしゃまっ、ぁ、は、ぁあああっ、まひゃむれさまぁあああ――もぉ、あ、らめぁ、あひっ、でるぅ、でるぅううっ」
「出せよ――ぞんぶんに、子種をまきちらせ。Oilの匂いなんざ、消飛ぶぐれぇに牡の匂いに包まれようぜ」
「ぁひっ、は、はぁああううううっ!」
 身も世も無く高く咆える小十郎の声は湯殿の世話をする下男の耳に入り、こっそりと窓から中を覗き込んだ下男の様子がおかしいことに、声をかけようとした男も小十郎の声を聞いて喉を鳴らし、覗き込む。そうして見物人が増えていくのを横目に見ながら、政宗は小十郎の痴態をこれでもかと引き出し続けた。
「丁度いい機会だ――小十郎がどんだけ俺と深い仲か、知らしめてやろうぜ」
「ひ、ぃいんっ、ぁはっ、は、あふぅあぁああ」
 意識を飛ばした小十郎は、自分が見られているとも気づかずに声を上げ、問われるままに淫猥な言葉を放ち、腰を振り子種を吹き上げ続けた。
 そうして意識を失い、ぐったりとして深く眠り、目を覚ましてひととおり政宗に説教をして、悪びれもせず甘えた様子で唇を寄せてくる政宗を、結局は惚れた弱みで許してしまい、やっと午後の政務に出かけた時に、妙な視線が絡んでくる理由がさっぱりとわからず、小十郎はしばらく悩むことになった。
「政宗様。どうも最近、この小十郎を見てくる者たちの目が、妙な気がするのですが……」
「Ah? そうか――気のせいだろう」
「はぁ……」
 小十郎が、痴態を周知されていることに気付くのは、まだまだ先の事となる。

2013/02/26



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