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政宗×小十郎
 襖が大きく開かれる。座した小十郎がそれを受けた。月夜に浮かぶ主――伊達政宗の表情は見えない。それでも小十郎は、彼がどんな表情をしているのかを理解していた。肌がひりつくような気配で、小十郎を責めてくる。右手を床に着き、深く頭を下げる。
 一歩、政宗が部屋に踏み込んだ。後ろ手で襖を閉める。平伏している小十郎の姿を眺め、踏み込んだ。
 襟首を掴まれる。
 乱暴に引き上げられ、そのまま床に投げ捨てられた。
「ぅ――」
 小さくうめく。腰に馬乗りになった主が、再び襟首を両手で掴み、唇に噛み付いてきた。
「んぅ――――」
 乱暴にむさぼられる。吐く息すらも食い尽くそうとする接吻に、涙がにじんだ。
「はっ――ぁ」
 肺が、空気を求める。激しく上下する胸に、歯を立てられた。
「痛……っ、政宗様――」
「小十郎――――っ」
 苦しげに吐き出される名に、胸を刺される。手を伸ばし、小十郎から唇を重ねた。
「んぅ――っ、ぁ」
 これ以上ないくらい腕を絡め、体を寄せて口腔を蹂躙しあう。足を絡め、邪魔な布を取り去り、小十郎の手が政宗の眼帯を奪った。
「はっ――ぁ、小十郎」
「政宗様……っ」
 傷跡に小十郎が舌を伸ばす。ぞくりと背中が震えた。
「――――政宗様、どうぞ……御存分に」
「Ah――――?」
 怪訝な顔の政宗に、小十郎が月光のように目を細める。
「この小十郎に、政宗様を突き立て、右目が傍にいることを存分に確かめてください」
「――――小十郎」
「政宗様の、望まれるままに……」
「It regrets」
「覚悟は、出来ております――――私も、政宗様が傍にいらっしゃることをこの身に教えていただきたく」
 迷子の子どもをあやすように、小十郎の手が政宗の頬を包む。張り詰めていた政宗の気配が、ふっと解けた。自分に苦笑し頭を振り、小十郎を見つめなおした瞳には柔らかいものが浮かんでいる。
「Sorry 小十郎」
 今度は、ふわりと唇が重なった。ついばむような口付けを繰り返し、徐々に深くしていく。もどかしく触れ合う腰に、互いの勃ち上がっている牡がぶつかり、二つの唇に同じ笑みが浮かんだ。
「ずいぶんと熱くなってんじゃねぇか、小十郎」
「政宗様こそ――――」
 小十郎の手が伸びる。政宗の牡を掴み、小さく「失礼を」と呟いたかと思うと、上に乗っている主と体を入れ替えた。
「おわっ――こじゅ……ッ」
 手に握りこんだ牡を、のどの奥まで飲み込んで、吸い上げながら舌と上あごで挟み、頭を上下させる。
「ふんっ――んむっ、ぅ…………」
「は、ぁ――こじゅうろっ…………すげぇ顔――ぁ」
 快楽にうわずった顔で、イタズラを思いついた子どものように政宗が笑む。小十郎の頭を抑え、腰を揺らした。
「んぐっ――ぁふ…………っ、んんっ」
 のどの奥を突かれ、口腔をかき回され、小十郎が苦しげにうめく。それでも政宗の牡を離すことなく、必死に喰らいつく彼の目じりに苦しさからか涙がにじんだ。
「達くぜっ――――っう」
「ごぶっ――――ぐっ、げふ……じゅ、んぐっ、んっ――」
「はぁ……Ok――――小十郎、全部、飲んだな」
「んっ、ふ――――は、ぁ」
 小十郎の開いた口に、彼の唾液と混ざった政宗の牡液が糸を引いている。――――体の芯が、劣情に震えた。
「は――ぁ、政宗様を口腔でお慰めして、正解でしたな」
「Ah――?」
「達してすぐに、このようになられてしまうのであれば――この小十郎、身が持ちません」
 意地の悪い笑みを浮かべて、小十郎が強く牡を握る。
「――っ…………てンめぇ――――上等だァ」
 政宗の手が小十郎の首を掴み、太ももに足を引っ掛け、体重をかけてひっくり返す。
「ぐっ――」
「一回ぐれぇ達かせた位で、余裕で終われるなんざぁ思うなよ」
「政宗様――ぅ」
 高く小十郎の足を持ち上げる。胸で尻を支え、広げた奥の窄まりに舌を這わせた。
「な、なりません――そのような所っ、ぁ」
 ぞろりと花弁を舌で撫ぜ、つつき、唾液を飲ませる。ひくつく動きを楽しみながら舌を差し入れ、吸った。
「んぉ――ぁ、くぅ」
 眼前で小十郎の牡がもどかしそうに震える。その向うに、眉根を寄せて耐える顔が見えた。
「たまんねぇぜ――小十郎」
「はっ――あぁあっ」
 ぐぬっ、と指を差し入れる。唾液を注ぎながら指で広げ、腕を回して牡を掴んだ。指の腹で先を捏ねながら、先走りをにじませ強張る小十郎を楽しむ。
「はっ、ぁ――くぅ…………ま、まさむね、さまっ」
「――――なんて声、出してやがる」
 熱い息の塊が、熟れた菊花をそよがせる。胸で支えていた尻を下ろし、猛る牡をあてがった。
「たまんねぇ――――小十郎……しっかりと、生きてここに居ることを、俺に示して見せろ」
「政宗様――――……あなた様も、私に、お伝えください」
 軽く口付け、一気に腰を進める。いきなりの圧迫感に、声の無い叫びをあげる小十郎の顎が反った。のけぞる喉笛に噛み付き、本能のままに揺すり、突き上げ、打ち付ける。
「はっ――ァア…………」
「っ、く――ぁ……イイ、ぜぇ――小十郎ッ……噛み千切られそうだ、ッ」
「ん、くはっ――ぁ、まさ……むねさまっ、は――ぁ」
 小十郎の足が、政宗に絡まる。腕が政宗を掻き抱き、乱れた髪が張り付いた額を、政宗の肩に擦り付けた。
 二匹の竜が苦しげな快楽の咆哮をあげる。絡み合い、もつれ合い、その身に互いの存在を刻み込み、在ることを確認しあう。共に――共にずっと――高みへ――――――――
「はっ、ぁん、くぅう――がっ、ぁう」
「く、ぅう――ぁ…………っ」
 汗と牡の香りが夜気に広がる。むさぼり、むさぼられ、溶け合い、全てが――――――――
「政宗様――」
「小十郎……」
 月光が、境界を滲ませた。


2010/08/08



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