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※注意※責められ攻めぽい小十郎がいます。

 ぶるる、と身を震わせた片倉小十郎は、腹に力を込めて奥歯を噛みしめた。それを、様子を探るように面白そうに、主の伊達政宗が目を細めて眺めている。
「とにかく。冬の備えとなるよう、万一のことも考えて例年以上に食糧を備蓄しておいた方が良い」
 山に入る前に、収穫用の籠を背負ったり獲物を入れる麻袋を手にした男たちに「よくわかっているだろうが」と、山に対しての注意点を告げ、日暮れまでには戻るようにと指示を出す。
「それじゃあ、オメェら。しっかりと頼むぜ」
「まかせといてくださいっ、片倉様!」
 威勢のいい声を上げて、男たちが山の中へと姿を消していく。それを見送った小十郎は、ほうっと子どもをお使いに送り出した親のような息を吐き出し、背に刺さる政宗の視線にゾクリと身を震わせた。
「小十郎」
 低く艶やかな声が、思うよりも傍で響く。ごくりと喉を鳴らした小十郎が、膨らみ激しく動く心臓を無理やりに押さえつけ、振り向いた。
「政宗様」
 声の端が掠れている。それに、政宗は切れ長の瞳をいたずらに輝かせた。
「入ろうぜ、山に。俺にしか収穫できねぇ最高のモンを、手に入れるためにな」
 小十郎の横を通り過ぎざま、政宗はさりげなく指を絡める。そのまま指を掴み引き寄せ、抱きしめたい衝動を奥歯が軋むほどに噛みしめ堪えた。
「はい」
 答えた小十郎の静かな声音の内側に、獰猛な野欲が潜んでいることを感じ、政宗は腰を疼かせ唇を舐め、山に入った。

 シダの大きな葉が隠す山の斜面に出来た窪みに、二匹の竜の姿はあった。
「小十郎」
「政宗様」
 ささやく名を肌身に伝えようと、唇を重ねて貪る。相手の髪を掻き乱しながら、角度を変えて舌を絡め口腔を見出す二人の呼気は、獲物を目にした獣のように荒々しい。
「ふ、はぁ。小十郎」
「ん、政宗様、ぁ」
 政宗の手が小十郎の襟を開き、たくましい胸を撫でる。そこに色づく実に舌を伸ばし、吸い付いた。
「んっ、小十郎。コリコリして、食い時だな」
 ニヤリとする政宗に、小十郎も手を伸ばし白い彼の肌を撫でた。
「政宗様こそ。これほどに硬くしておられては、歩くたびに擦れて困るのではありませんか」
「ぁうっ」
 きゅ、と指の腹で政宗の胸乳の尖りを潰せば、政宗の余裕の笑みが砕けた。
「んっ、は、小十郎」
「ああ、政宗様」
 うっとりと小十郎の胸に甘える政宗の髪に、小十郎が口づける。
「久しぶりだ」
「ええ」
 ここのところ、忙しくて肌身を重ねるどころか指先を触れ合わせることすら、かなわなかった。
「けど。お前がこの話に乗るとは、思わなかったぜ」
 食料の備蓄を増やすため、大勢で山に入り狩りをする。その折にならば、身を隠し求め合ったとしても見とがめられはしないはずだ。そう提案をした政宗に、小十郎はすぐさま同意をした。
「叱られて却下されると思った」
「この小十郎が、どれほど貴方様を欲しているかを、御存じなかったのですね」
「ああ、小十郎」
 胸から離れた政宗の口を、小十郎が吸う。
「んっ、は、小十郎」
 きらりと、政宗が剣呑に目を光らせた。太ももを小十郎の足に摺り寄せ、喉仏に吸い付く。
「ちゃんと、俺に濃いのを飲ませるために、溜めてきてんだろ」
 下肢をやさしく撫で上げられて、小十郎が恍惚に目を細めて息を漏らした。
「は、ぁ――政宗様。貴方の望むままに」
 首に吸い付く政宗の額に口づけ微笑めば、満足そうに唇をゆがめた政宗が、小十郎の袴を落とし、下帯を押し上げる熱に顔を寄せた。
「♪〜。とんでもねぇな」
「っ、あ」
 口笛を吹いた政宗が、布越しに噛みつく。怒張している牡の鼓動が唇に伝わるほど、そこは欲に昂っていた。それなのに、先端は少しも濡れていない。政宗は期待に胸を高まらせ、下帯を横にずらして小十郎の牡を外気にさらした。
「Excellent!」
 思わず叫んだ政宗の目の前に飛び出した牡の先には、鈍色に輝く栓が埋まっていた。それが、先走りがあふれぬように留めている。
「自分で埋めたのか」
「他に、誰に埋められると――うっ」
 ぐり、と政宗が蜜口の栓を押し込むように捩じった。
「よく似合ってんぜ、小十郎。特別にあつらえたかいが、あったってモンだ」
「は、ぁ政宗様」
 目じりを朱に染めた小十郎の腰を掴み、座るように促す。従った小十郎の腰をまたぎ、袴を脱いだ政宗の下肢に、小十郎はぎょっとした。
「なっ、政宗様!」
 眼前に、剥き身の陰茎がある。下帯を履いていなかったのかと驚く小十郎の首に、政宗は腕を絡めた。
「邪魔になるだろう?」
「だからといって……もし、袴の脇から見えてしまったら、どうなさるおつもりだったのです」
 耳に唇で甘えてくる政宗の髪を撫で、背を抱きしめて咎める。淫靡に艶めいた瞳を、いたずらが成功した子どものように細めて、政宗がささやいた。
「すげぇ、Thrillingだったぜ? なんせ、すぐに小十郎を喰えるように、準備もしていたんだからな」
「準備?」
 いぶかる小十郎の眉間に口づけ、身を起こした政宗が見せつけるように自分の尻を広げた。
「んっ、ぅ」
 その間に埋めていた黒々とした異物を、ずるりと抜いて小十郎の唇に押し付ける。
「は、ぁ。小十郎のよりゃあ、ちょっとばかし小さいけどな」
「これを、埋めたままで馬に乗り、ここまで来られたのですか」
 ごくり、と小十郎が喉を鳴らす。
「Yes, sir。小十郎が留めて来るのに、俺が何もしねぇわけには、いかないだろう?」
 くすくす鼻を鳴らしながら、政宗は自分の中にあった張型を小十郎の口に押し込んだ。
「舐めろよ。俺の味がするぜ?」
「んっ、ふ」
 口いっぱいにほおばる小十郎の、淫蕩に滲んだ姿に政宗の野欲が煽られる。背骨に甘い疼きが走り、熱っぽい吐息をこぼした政宗は、蜜口をふさがれたままの小十郎の陰茎を、媚肉に育てておいた秘孔にあてがい、腰を落とした。
「ふっ、く、ぁあっ、でけぇ、あっ、ぁ」
「んふぅっ」
 仰け反り叫ぶ政宗が、根元までを喰らい尽くす。小十郎の口を張型で掻きまわしながら、腰を揺らめかせた。
「はぁ、はっ、ぁ、すげ、あぁ、たまんねぇ」
「ぅぐっ、んっ、んぅうっ、う」
 口内を張型で犯されながら政宗の媚肉に包まれ、小十郎の脳髄が本能で満たされる。
「ふぁ、あっ、こじゅっ、んっ、は、そんっ、突きあげっ、くぁあ」
 政宗の腰を掴み、小十郎が乱暴に突き上げ揺らす。絡む政宗の媚肉に煽られても、栓が邪魔をして放つどころか先走りすらもこぼせない。
「ふぅ、ふぅうっ」
 荒々しい獣の息を吐き出す小十郎の獰猛さに、政宗は全身を恐怖に似た快楽に高ぶらせた。
「は、ぁあっ、たまんねぇ、小十郎! その顔だ。もっと、ぁあ、もっと俺を欲しがって見せろ」
 髪を振り乱し、小十郎の腰から振り落とされまいとしながら、張型で小十郎の口腔を犯し続ける。狂喜する政宗の媚肉が、かつてないほどに凝り熱を発する小十郎に深くえぐられ収縮した。
「ひっ、ぁ、は、ぁ、あぁああああっ」
「ぐっ、ぅ」
 意識を白く弾けさせ、政宗が絶頂を迎える。お前もと促す媚肉に絞られるのに、栓が外れず小十郎の欲蜜は逆流し、強靭な彼の理性を崩壊させた。
「は、ぁ……っ、うぁ」
 余韻に浸る政宗から自分を抜き、張型を吐き捨てて陰茎の栓を抜く。絶頂の虚脱をまとったままの政宗の尻を掴んで割り開き、背後から発情期の獣のように圧し掛かった。
「ひぎっ、ぁ、は、こじゅっ、ぁああぁあっ」
「ふっ、ふ、政宗様っ、く、ぅう」
 本能の命じるままに、小十郎は野欲を突き立て掻きまわす。容赦のない性動に、政宗は涙を溢れさせ身悶え叫んだ。
「ぁひぃいっ、ふ、ふかぃ、ぁあっ、おくっ、ぁ、こじゅ、ぁああ」
「っ、は、政宗様の、く、深いところまで、この小十郎で満たさせていただきたく」
 快楽に責めたてられた小十郎の呼気の熱さに、政宗の意識が淫らに爛れる。
「っ、はぁああ、おくぅうっ、もっとぉ、ぁ、こじゅ、ろ、で、はぁ、いっぱ、ぁあ、いっぱいにっ、ひぅうっ」
「ああ、政宗様、政宗様っ、く、ぅう」
 ぐん、と媚肉を抉りながら最奥を突きあげた小十郎が、留めていた熱を放つ。
「っ、ひぁはぁああああああっ!」
 その熱さと激しさに、政宗が高く咆えた嬌声が、森の中に響き渡り、木々に吸い込まれた。

 夕暮れ前に一人残らず戻った面々は、本日の狩りの成果に得意げな笑みを浮かべていた。あるものは木の実を、あるものはキノコを、またあるものは獣肉や魚を手にしている。
「ご苦労だったな、オメェら。あとは、それを保存が利くように処理するだけだ。疲れただろうから、今夜はゆっくりと休んでくれ」
 小十郎の労いの言葉に、男たちが逞しくも無邪気な笑みを浮かべる。
「まだまだ。戦よりもずっと楽ですぜ、片倉様!」
「保存処理も、まかせてくだせぇ」
 そんな事を言いながら帰路につく彼らの背を見送る小十郎の傍に、政宗が歩み寄る。
「結局、何の収穫も得ることが出来ずに終わりましたな」
 小十郎と政宗は、あれから体力の続く限り求めあい、休んでは再開をして時間までを過ごした。
「Not really.俺は、最高で大量の収穫を得られたぜ?」
 目を眇め、片頬だけを持ち上げた政宗に、小十郎が怪訝に眉根を寄せる。少しだけ背伸びをして、政宗が小十郎の眉間のシワに唇を押し付けた。
「とんでもなくデカくて凶暴なキノコを喰らって、胞子で腹が苦しいぐらいに膨れてる」
 ニヤリと歯を見せた政宗に、小十郎が目を丸くする。クスクスと喉を鳴らしながら、政宗は小十郎の肩に甘えた。
「俺しか収穫できねぇ、最高の獲物だろう?」
 祭りにはしゃぐ子どものように、楽しげな政宗に仕方がないなと息を吐き、小十郎は甘える髪に唇を寄せた。
「ならば、この小十郎も保存が利くように処理をして、備蓄倉庫に納めてしまわれますか?」
 頭を上げてまたたく政宗に、小十郎が綺麗に微笑む。むっと唇を尖らせた政宗が、小十郎の襟をつかんでケンカ腰に唇を重ねた。
「お前を喰らえるのは、俺だけだ」
「私も、政宗様以外には喰らわれる気はありません」
 クスリと鼻を鳴らしあい、唇を重ねる。
「秋の夜長を、退屈させんなよ」
「許しを請われるほどに、冬籠りが叶うほど腹を満たして差し上げましょう」
「楽しみだ」
 奥州の深く長く厳しい冬は、どうやら此度も熱く剣呑な安堵に包まれながら、過ごせそうであった。

2013/09/09



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