執務室で文机に向かっている政宗の下へ、荒々しい足音が近づいてくる。顔を上げて襖を見るのと、襖が開くのが同時に起きる。 「政宗殿ぉお」 「なんだ、騒々しいな真田幸村。アンタとの手合わせは、昼間に終えたはずだぜ」 勢いよく襖を閉めた幸村が、政宗の前に座しながらズイと顔を寄せる。 「某、修練を積んでまいりましたぞっ」 恥ずかしさと実直さを混ぜた顔で、睨みつけるように政宗を見た。 「Ah?」 「修行が足らぬ、と政宗殿に申されたゆえ、拙者ッ! 勉学を、致してまいった!」 政宗にのしかかりながら 「いざ、尋常に、勝負ぅうううっ」 「ちょ、おいっ――――ッ」 幸村の手が政宗の股間を探る。下から袋を持ち上げられ、息を呑んだ。 「昼はまだしも、夜の手練手管が足りぬと、修練を致せと申されておりましたゆえ、書物で知恵を入れ申した」 「た、確かに、言ったが…………ぁ」 政宗の息があがるのを確認しながら、膨らみ始めた牡を取り出し、先端の裏側を撫で擦る。「ぁ、ぁ――真田っ、何を……勉強してきたって――――」 「覚えたてで御座るゆえ、しばし黙しておいてくだされ」 真剣な顔で、幸村が政宗の牡を両手で弄る。脈打ち始め、ぷくりと滲み始めた先走りを亀頭に塗りつけながら指で捏ねる。 「ぁ、あ、ぁあ……お、覚えたてで、初めてって――はっ、ぁ、あぁ」 「おお、このように早く蜜をこぼされるとは。なるほど――では、ここから、こう……」 「はっ、ぁ、あぁああ」 幸村が人差し指と中指の間に亀頭の括れを挟み、そこだけを擦り始める。 「これが、カニ挟みという技にござる」 「ぁ、技って、何――ぁ、ぁあっ」 指の角度を変えながら、括れをすり続ける。ビクビクと震える政宗の牡が限界までふくらみ、背を反らして全身を震わせる。 「おお、政宗殿の魔羅が、このように膨らんで――苦しそうにござる」 「ぁ、あぁ、も、真田あぁっ、それ、そればっか、やめっ」 「では、次の技を混ぜましょうぞ。丁度、政宗殿の蜜で十二分に濡れておるので、傷つくことも、ありますまい」 「傷つくって何――っはくぅううっ」 きゅっ、と括れを挟んでいる指で魔羅を掴み、手のひら全体で先端を擦り始める。蜜で濡れた手はすべらかに動き、空気と液を混ぜて濡れた音をさせる。 「これが、掌底にござるっ」 「はひっ、ぁ、あぁあ、さな、だ、ァア」 政宗の指が幸村の手にかかる。腰を浮かせてビクビクと震えながら見つめてくる政宗の濡れた瞳に、幸村の息が上がり始める。 「政宗殿――貴殿の姿に、某も、猛りはじめましたぞ」 薄い笑みを浮かべる幸村に、背骨がゾクリとする。幸村が手のひらで亀頭を包み、片手を離して自然と広がった政宗の足の間――奥まった箇所に濡れた指を這わせ、入れた。 「はっ、ぁあ、ぁ」 「まるで、誘うように足を広げられて――それほど、良うござりまするか」 . 亀頭を捏ねられ、尻穴に指を入れられ、空気を求めるように政宗が喘ぐ。唇を舐めた幸村が上体を折り、牡の根元に吸い付いた。 「ふあぁあっ、ぁ、ぁあ――」 強い刺激をもてあます政宗の胸の実が凝り、存在を主張して震える。奥を広げる指が広がり、ぐるりと回すように刺激され、とめどなく政宗は蜜を溢れさせる。それを舐め取りながら、うっとりとした顔で幸村が言う。 「このように、はしたなく漏らす政宗殿を見るのは、初めてでござるなぁ」 「何、バカな事言ってやが――ッ、あ、はぁあ」 敏感な箇所ばかりを責められ、政宗の表情が欲に濁る。幸村にやられっぱなしが悔しいのか、政宗は手を幸村の足に伸ばし、精一杯の余裕の顔を作り、笑んで見せた。 「Do not enjoy it alone――俺にも、触れさせろ」 肘をついて身を起こし、幸村の股間に手を伸ばす。着衣をずりおろすと、ぶるりと飛び出た幸村の牡に口笛を吹いた。 「It is fairly exciting」 言いながら、触れる。びくっ、と目を細めた幸村に薄い笑みを見せて指を絡めた。 「政宗殿」 熱い吐息と共に幸村が体をずらす。政宗が幸村の牡を口に含み、幸村は行為を再開した。 「はっ、んっ、んっぁ、ぁあ」 「ん、ちゅ――は、ぁあっ、ひっ、んぁ」 荒い息を吐きながら、相手を昇らせていく。やがて―――― 「く、はぁあっ」 「んっ、はくぅうっ」 脈打ち、互いが互いの顔に放つ。 「はぁ、は――」 「んっ、ふぅ」 どちらともなく身を起こし、顔を寄せ合い、相手の顔にかかった自分の蜜を舐め取りながら、じゃれあうように頬をすりよせ、唇を寄せる。ちゅく、ちゅ、と音をさせ、舌を絡み合わせて唇を寄せながら、自然と腰を合わせ、太ももを擦り付けあう。二人の牡が顔を合わせ、放ったばかりであるのにピクリピクリと動き始めた。 「はぁ――真田ぁ……」 誘うような目で唇を開き、甘えるように唇に吸い付いてくる政宗に、くらりと眩暈を起こす。腰を抱き寄せ、足を持ち上げ、背中から抱きかかえるようにして窄まりに牡をあてがった。 「政宗殿……」 うっとりとした声音で、幸村が政宗の太ももを抱え、ゆっくりと挿入していく。 「はっ、ぁ、ぁんっ、ぁ、あ――」 ズ、ズ……とひくつく箇所が幸村を飲み込んでいく。息を吐き出しながら受け入れる政宗が、蕩けるような笑みを見せた。 「ずいぶんと、余裕じゃねぇか――いつもは、もっとこう、ガツガツしてんのによ」 「なればこそ、書物にて知識を入れてまいりました」 「Ha! 付け焼刃の知識に、アンタの獣が耐えられるのかよ」 「耐えて、みせまする。政宗殿を、先に狂わせてしんぜましょうぞ」 「――――面白ぇ」 膝に抱きかかえられる格好で、首をめぐらせて幸村と唇を重ねる。幸村は手を政宗の牡に伸ばし、片手で括れの周りに少し浮く形で輪を作り、もう片方の掌を亀頭先端にあてがい、不適な笑みを浮かべた。 「奥儀、地獄車――ぞんぶんに味わっていただく」 「奥儀とは、また、大層だな……」 「お覚悟めされよ」 「誰が、相手だと思っ――」 幸村の掌が動く。亀頭を撫でる指が牡を動かし、輪にした指に括れが擦られる。円運動で休まることなく刺激が与えられ、政宗は声にならない悲鳴を上げた。 「はっ、ァ、ァア、ァ、ァアっ、あぁ、あぁぁああ、ぁ、ぁあ」 喘ぐ政宗の内壁が窄まり、体内の幸村に絡みつき、締め付ける。 「くぅう――政宗殿のナカ、いやらしく蠢動なされて……心地良うござる」 「はぁあぅ、さ、なだぁあっ、やめっ――そ、それはっ、かはぁああ」 求めるように、逃れるように、政宗が腰を揺らめかせる。熱い息を吐き出しながら幸村は政宗の首に唇を寄せ、刺激し続ける。 「ひはっ、ひ、ぁ、はぁあ、や、やめぁあ、おふぁあぁああ」 「ああ、政宗殿、政宗殿ぉ」 髪を振り乱し、めちゃくちゃに腰を揺らす政宗の窄まりから幸村の先走りと空気の混ざった音が、漏れてくる。とめどなく蜜を溢れさせる政宗は、狂ったように身をくねらせた。 「ふひっ、くふあぁあ、ぁふっ、お、ぉうぅうううんっ、くふぁ、はひゅっ、らめぁああ」 「たまらぬ、政宗殿――このように、強く締め付け絡みつくのは、は、初めてでござるっ」 膝に乗せていたのを圧し掛かる体勢に変えて、幸村が腰を打ちつけ始める。肩で体を支える政宗の手が、床に爪を立てた。 「ひぅぉおおおっ、も、ァア、らめぁあ、ひっ、ひぃいいいっ」 「はっ、はぁ、そのように、乱れて……あぁ、政宗殿、政宗殿」 幸村の腰の動きが早くなる。濡れた音が、打ちつける音が響く。 「はへぁ、あひぉうぅううっ」 「くっ、もうっ――政宗殿ッ」 ぐい、と政宗を抱き上げて再び膝に抱き上げる格好にし、つながりを深くして幸村が弾ける。それにつられたように、触れる手が離れた政宗の牡から、盛大に欲が吹き上がった。 「ひへあぁああああぁあああっ」 ぐったりする政宗の横で、大の字になった幸村が胸で大きな呼吸を繰り返す。ぼんやりとした表情のまま床を転がり、幸村の横顔を眺めた政宗の目じりが下がる。視線を感じて顔を向けた幸村が、微笑む政宗に不思議そうな顔をした。その鼻先に、唇が寄せられる。 「ったく――余計な知識、つけやがって」 気だるそうな政宗に、心外そうに幸村が唇を尖らせた。 「政宗殿が、某はいつも力押しばかりで、少しは技術を学べと申されたゆえ――」 「わぁってるよ。俺に言われたから、気持ちよくさせてくれようと、したんだろ。まさか、あんなぶっ飛んだモンを覚えてくるとは、思わなかったがな」 「ぶっとんだ……? 我が忍隊の書物の一つを、借り受けただけでござるが」 はて、と横になったまま首をかしげる幸村の側に、体を寄せる。 「あぁ、もぉ――だりぃ」 幸村の指が政宗の髪に触れ、唇を近づける。とろけそうなほどに甘い笑みを浮かべた幸村に、似た顔をした政宗が唇を薄く開いてみせると、幸村の唇はそこに移動した。 「――――すっげぇ疲れるから、アレ、時々にしろよ」 「時々なら、良うござるのか」 何かを含んだ笑みの政宗が、幸村を抱き寄せる。幸村も政宗を抱き寄せ、額を重ねてゆっくりと瞼を閉じあった。 2011/06/20