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喰らふ


 軍議の後、茶を運ぶ伊達政宗の口元に、こらえきれない笑みが浮かぶのを、苦い顔で申し訳なさそうに片倉小十郎が受けた。
 そんな小十郎の様子も茶請になるらしい。ますます楽しそうに、政宗の唇がゆがむ。
「申し訳、ございません」
 どうにもいたたまれず、とうとう小十郎が口を開いた。
「何を、謝る」
 わかっていて、口にするよう促されている。
「軍議でのことにございます」
「何か、あったか」
 声が笑いに震えている。
「勘五郎と、松吉の喧嘩にございます」
 ぶは、と政宗が吹き出し、膝を打った。
「まさか、あんな話が飛び出すとはな」
 軍議の最中、兵士同士で諍いがあった。その内容が、いたく政宗を面白がらせているらしい――と察せられても、何がそんなに気に入ったのかが、小十郎にはわからなかった。
 勘五郎の娘と恋仲の松吉が、先頃とうとう結ばれたらしい。ひょんなことからその話題となり、二人が喧嘩をはじめ、軍議は取りやめとなった。
 さしたる議題があったわけではないので、中止になったとしても問題はなかったといはいえ、示しがつかない。二人は三日ほど謹慎するよう言い渡されてある。
「小十郎」
「は」
 指先で招かれ、傍に寄る。首を伸ばした政宗が、唇を押し当ててきた。
「政宗様」
「誰も、来ねぇだろう」
 咎める小十郎の声に、くすくすと笑みを重ねて首に腕を回す。
「なれど、まだ日が高うございます」
「アァン? なんだ――もしかして、この先を期待してんじゃねぇだろうな」
「そっ、そのようなことは」
 狼狽える小十郎に全身で絡み付きながら、唇を顔中に降らせる。
「この小十郎の忍耐力を、試されているのですか」
「別に、耐える必要なんざ無ぇだろう――この後は、何の予定も無い上に、ここにゃ誰も来ねぇ」
 肩から着物をずらし、小十郎の合わせ目を引きはがす政宗の体が床に落ちる。
「ぅわ」
「お覚悟、めされよ」
「上等」
 不敵に笑いあい、互いの頭を抱きしめて唇を貪りあう。
「はっぅん、ぁ、ふ」
「ふっ、ふ――ん」
 唇を重ねあったまま、邪魔な布をすべて捨て去り、肌をからめあう。擦りあう肌に、膨らんだ箇所が引っ掛かった。胸のそれを口に含み、下肢のそれに指を這わせる小十郎の匠に、政宗が躍る。
「んはっ、は、ぁあ、こじゅ、ぁ、も、んぅう」
「このように濡らして……堪え性がございませんな」
「ぁ、こん、は、ぁ、堪えられるかよっ」
 がぶり、と小十郎の耳にかみつき、彼の股間に手を伸ばし
「こじゅ、ぁ――すげ、熱い」
「――はぁ、政宗様……んっ」
 互いの中心をいとおしみながら高ぶりあう。猛るそれから溢れるものを指に絡め、小十郎は政宗の蕾に塗り込めた。
「ぁ、あ――こじゅ、は、ぁ」
 小十郎の液をからめた指を、自分の秘孔に伸ばした政宗に、ぎょっとする。
「政宗様」
「んっ――早く、それっ……はぁ、欲しいんだよ」
「まったく、はしたないお方だ」
「うあっ、ひぅ……んだよ、ぁ――早く、挿れたくねぇ、のかよ」
「むろん、政宗様とつながりたいという衝動は抑えきれぬほどに溢れておりますが……この小十郎の技にて前後不覚になるほどに政宗様を狂わせたいと願う気持ちもございます」
「っ、ぁ、そ――ぁ、そこっ、ぁ、ひっ、ひぃ……も、じゅうぶんっ、ぁ、だから……早く、よこしやがれっ」
 体内で蠢く小十郎の指が誘うまま、政宗は腰をくねらせ身を躍らせる。
「なれば、望まれるままに――存分に受け止めていただきます」
「んぁああああっ」
 ぐっ――と質量のあるものが政宗の秘孔を割り広げ、突き進んでいく。頭の先まで突き抜ける感覚に、顎をのけぞらせて吠える政宗にすべてを埋め込み腰の動きを止める。
「あっ、は、ぁ、ああ」
 挿入時の圧迫感を逃すように息を吐きつつ、腕を伸ばし小十郎の顔を引き寄せ下唇に噛みつく。
「はぁ――はっ、ぁ、すげ、ぁ……でけぇ」
「それを、根本まで飲み込まれていらっしゃる」
「はぁっ、ぁ――も、ギチギチで……形、すげぇ、わかる」
「政宗様の肉壁が、絡み付いてくるのが――心地ようございます」
 小十郎の息も、上がっている。掠れる声に艶が滲み、めまいがするほどの快楽の芳香が漂う。
「こじゅ、ろ――ぁ」
 足をからませてくる背中に腕を回し、突き上げても床に擦れて背を痛めぬよう少し、持ち上げる。
「か、んごろ……と、松吉っ、ぁ――娘が食われたのどうのって……」
 話題が戻り、首をかしげた。
「松吉が、はぁ――食われたのは俺のほうだ……っ、て――たしかに、そうだと思わねぇか……は、ぁあっ」
 こみ上げた笑いで腹に力がこもり、内壁がきつく小十郎を締め上げる。その刺激に、政宗の牡が跳ねた。
「なるほど。女を食う――と申しますし、この場合、私が政宗様を食ろうていると表現するのが一般的ですが――小十郎の摩羅は今、食われておりますな」
「だろう?」
 笑いあい、じゃれつくように唇を重ねる。
「なぁ――小十郎で、俺の腹を満たしてくれ」
「言われずとも……お覚悟を――ふっ、ん」
「ぁあっ――ふ、ぁ、あ、こじゅ、ぁあ」
 腰を動かし始めた小十郎にあわせ、政宗が尻を揺らす。荒ぶる息を食らいあい、二匹の竜が睦みあう。爪の先まで、相手の中に自分を満たして――――

2012/02/18



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