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陰―元就
   ――――お気付きになられましたか、元就様。意識がはっきりされないのですね。無理もありません。特殊な香を嗅いだのですから。
「ん、貴様は…………」
 呂律が回っていませんね。いつも凛とした態度でいらっしゃる貴男らしくもない――――まあ最も、そうしたのは、この俺なんですがね。
「貴様、何のつもりだっ!」
 何って、元就様に触れようと思っただけの事です。こうでもしなければ、貴男に触れるなんて出来ませんからね――――あぁ、なんて柔らかく指触りの滑らかな髪なんだろう。絹も、このような手触りなんでしょうね。
「クッ――――無礼なっ! 解け」
 いやですよ。ずっとずっと、触れたいと願っていたのですからね。肌も、まるで年頃の娘のように滑らかで白い……想像していたよりも、ずっと素晴らしいですよ、元就様。
「戯れ言を言うな! ここは何処だ」
 納戸ですよ。こっそりとお運びするには、最適かと思いまして。
「痴れ者が…………いい加減にするがいい」
 冗談じゃない。あの香を手に入れるのに、貴男に嗅がせる事に、どれほどの苦労があったと思うんですか。一介の駒でしかない俺が触れたい一心で苦労して手に入れたこの時を、手放せる筈は無いでしょう!
「痛っ」
 ああっ……優しくするつもりだったのに、元就様が怒らせるから悪いんですよ。――――強く握ると、折れてしまいそうですね、首…………。
「っ!」
 体を強ばらせて――――怖かったんですか。大丈夫ですよ、殺すつもりなど無いんです。ただ、貴男のために命を落とす運命の哀れな男に、日輪の施しをいただきたいだけなんです。
「施し、だと――」
 ええ、こうして貴男の肌に触れて、高貴な姿が艶めく様子を見ることが出来れば、満足なんです。
「バカな事を言うな! 即刻この狂言を止めぬか」
 バカだから、こういうことが出来るんですよ。
「っ! 貴様何処をッ――――止めぬかっ……止めっ、ゥ」
 暴れたら、縄が食い込んで肌を傷つけてしまいます。怖くはしません。痛くもしません。だから、身を任せて下さい。すぐに、済みますから――――。
「ふっ、う…………放せッ」
 だから、嫌だと先刻から言っているじゃないですか。――知っていましたか、元就様。貴男があまりに神々しくていらっしゃるから、時々巫女ではないのかと言う者が居るんですよ。ですが、やはり元就様は巫女ではありませんでしたね。このように、しっかりとマラが付いておられる。
「うっ、ふ――――放、せ…………」
 元就様は、敏感なのですね。もう、こんなにされて――――それとも、俺が要所のみを責め立てているからでしょうか。
「んくっ…………こんな、事をしてッ、ァ…………う」
 同じ命を落とすのならば、せめて貴男に触れてからと望んでいたのです。むしろ今、ここで貴男に触れたまま死ねるのなら最高の気持ちのまま逝ける…………ああ、元就様。耐えていらっしゃる姿も、お美しいですね。睫毛をこんなに震わせて――――
「はっ…………くぅ、う」
 喉を鳴らして、気持ちがいいんですね。もっともっと、気持ちよくして差し上げますよ。
「誰がっ、気持ち良くなど――――」
 素直では無いんですね。堕ちても認めない姿が、どれほど俺の心を掻き立てているのか、お分かりですか。
「知らぬ! もう、ァ…くぅ、ふっ、ン」
 こうして先端をこねながら、袋を揉まれるのが良いのですか。こんなに濡らして――――ああ、どのような美酒よりも酔えますね。すごく、美味しい。
「ん、ふぁ――――止め、ン…………」
 だから、止めませんよと何度も言っているじゃないですか。わかっているのでしょう?
「痴れ者……が、ァ」
 本当に、こんなに美味しいものは口にしたことがありません。ねっとりと口に広がって、甘い――――
「っ、馬鹿な事を……ふぁ、ク」
 馬鹿な事ではありませんよ。本当に甘くて、こんなに沢山溢れさせて――――こちらの袋も、柔らかくて美味しそうですね。
「ひはァ――――んぁ、も、止め、ぇ……」
 あられもない声をだされて、もしかしてこういう刺激は初めてですか? 元就様は、あまり性通はされていらっしゃらないのか、それとも――――
「ふくっ、ぅンんっ」
 袋と同時に責められるのは、初めてですか。
「うるさ、ァ――ッ」
 ふふ、このように熱く猛る姿が見られるなんて夢のようですよ、元就様――――長い間、待ったかいがあった。こんなに甘くて切ない味が、楽しめるなんて。
「も、止め――――ッア」
 そんな風に素直に乱れられると、奉仕のしがいがあるというものです。もっと、奥の方も――――
「なっ、貴様――――ヒッ」
 安心して下さい。何も俺を入れようとしているわけではありません。こうして味わえるだけで、幸福なんですから――――貴男と繋がるなんて大それた事までは、考えておりませんよ。
「も、十分――――はぐっ、ゥ……」
 大それている、と言いたいんですか。微妙な心の持ち様をわかっていただけないんですね。こうして、マラを扱きながら元就様の秘めたる窄まりに接吻をすることと、繋がる事は紙一重なようでいて、大変に厚い壁があるんです。元就様――こちらも大変な美味ですね。頑なで、素直で、柔らかいのに中々受け入れてくれない。
「アァッ……何、をォ――」
 こんなにたっぷりと濡らしているのに、小指の先すらも受け入れてくれない――ああ、元就様の零された美酒で濡れた指ならば、ぬめらかで良いかもしれませんね。
「な、止め、や――――ッヒッ、い……ァ」
 やはり、こちらのほうが受け入れてくださいましたね。そんなに歯を食い縛らずに、声を上げてください。ほら、このあたりを摺り上げながら奥を掻くといいんですよ。
「アァ、はぁああ――――ッ」
大きく仰け反るほどに、良いのですか。では更に袋も口内でねぶって差し上げましょう。
「な、駄目だ――――これ以上はもう、許さぬ!」
 そのように濡れた声で訴えられても、求められているようにしか感じられません。元就様、今ご自分がどのような顔をされているのか、ご存知無いのでしょう。 涙を滲ませた瞳に、色付いた肌で何を言われても、煽られているとしか思えませんよ。ほら、もっと、もっと乱れた顔を見せてください。
「んぁアァッ……ァ、はふっ――や、止め、ぇ――――ヒィッ」
 髪を振り乱して、太ももをわななかせて、感じていらっしゃるんですね、気持ちがいいんですね――――俺のような者相手に、こんなに――――擦るたびに卑猥な音をさせる位に濡らして――――っ、なんて姿をされているのか!
「ぉふっ――――ァ、ふぁ、アァッ……………もう、も――――ッ」
 はち切れそうに膨らんで、堪えきれないのですね。俺も、俺も早く元就様が爆ぜる所を見たい。ああ、元就様――元就様、狂うほどに乱れた姿を与えてください!
「ひ、はぁああ――――ッ、め……らめっ、も――ひぐ、ぅう」
 ん、ふ――――元就様、ちゅ――はぁ、ン――――
「クッ、はぁああァアァッ!」
 ああっ、元就様の香りがむせ返るほどにっ…………痙攣をしながら名残を零されて――――元就様、元就様――!
「ふ、ぅく――――ッ」
 余韻に震えながら、何をそんなに哀しそうにされていらっしゃるのですか。このような捨て駒ごときに乱れ、達してしまわれたことが口惜しいのですね。元就様、俺たちがどんな思いで捨て駒と言われながら命をかけて戦っているのか、貴男には判らないのでしょうね――――生ある者として貴男に扱われないままに散りゆく俺たちが、どんな思いで貴男に尽くしているのか、想像すらつかないのでしょう。このような矮小な者の事など――――
「――――っ、貴様らを、なぜ我がそのように呼ぶのか、貴様は想像すらつかないのであろう」
 元就様、今、何と――――まさか、貴男は…………

 ああ、なんて、なんて貴男は穢れの無い方なんだろう――――


2009/08/23



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