メニュー日記拍手


黒い太陽―元就
 ギシリ、と縄が鳴った。
 体がだるい。
 重い。
 妙な香の所為だとわかってはいる。わかってはいるが、どうにもならないことがある。
 わかってはいるのに、どうにもならないことが、苛立つ。
 苛立ったとしてもどうしようもないことが、より腹立たしい。
 愚劣な、と口内でつぶやく。
 何に対してなのかはわからないが、そうつぶやくしかなかった。
 全ては自らの迂闊の招いた結果。
 時折、太陽とて翳る。
――我も、人の子となる場合もある。
 それがまずかった。
 一人で出かけるべきではなかったのだ。過信をしすぎていた。何もかもを。
 だから、このような状態に陥った。縛られ、納屋に吊るされるというような状態に。
 どこからか、獣の――牛の香りがするのは農家の傍だということだろうか。納屋には、よく干された藁が積まれている。その香りが体にしみこむくらい長く、毛利元就は吊るされていた。
 体重を支える手首は縄に擦れて、血がにじんでいる。そろそろ肩も痛くなってきた。だが、無様な抵抗を見せるつもりは無かった。存分に嗅がされた香の所為で、力が入らないことも、無駄な労力を使うことを拒む理由になった。
 立て付けの悪い音をさせて納屋の扉が開かれる。男が五人ほど、手ぬぐいで顔を隠して入ってきた。
 一人が顎で指し示し、元就を吊るす縄を太刀で切る。
「ぐっ――」
 落ちざま藁に向かって蹴り飛ばされ、うめく。すぐさま男たちが圧し掛かり、元就の動きを封じた。
「毛利殿――貴殿は、自軍の者どもを駒と呼んで憚らないとか。なれば、毛利殿は自らが駒となって働くという気持ちを知る必要がございまするなぁ」
 五人の中で頭らしい男がねっとりとした口調で目を細める。胸に大きく息を吸い、深く吐き出してから元就が答える。
「我を駒としたいか――。貴様ごとき愚鈍な者が、我を扱いきれるとは思えぬ」
「扱いきれるかどうかは、貴公を駒とする準備が済んでから量ってもらおうか」
 スイ、と男が袂から竹筒を取り出す。
「毛利殿、これは、かの因幡の白兎に塗られたといわれる蝦蟇の油に特別な淫香を練りこんだものでござる。効き目は、さまざまなところで試している故、確実なもの。――――人を従わせるのは、忠義や恐怖などさまざまなものがございまするが、そのようなことでは毛利殿を駒とするなど出来かねると思いましてな。それならばと、色に訴えることに、いたしました」
「――――下劣な」
「下劣で結構。この世は、どのようなことをしても優秀な将は手に入れたいもの。名だたる武将の中でも、特に知略に優れていると噂の毛利元就殿を手にするためには、どのような下劣も卑劣も、厭いませぬなぁ」
 のどの奥で男が笑ったかと思うと、四人の男が元就を抱え上げ、うつぶせに藁に押し付ける。手早く着物を剥ぎ取ると、尻を突き出す格好を強いた。
「クッ――――」
「いい格好ですなぁ、毛利殿。武将にしておくには惜しい容色、すべらかな肌――――是非、我が色小姓となっていただきたい」
「貴様ごときに、我が懐くとでも思うか」
「思いませぬ。それ故、コレを使うのですよ」
「ヒッ――」
ぬら、としたものが尻に触れた。右手・左手はそれぞれ肩と共に一人ずつが受け持って押さえ込んでいる。足も同じように、それぞれ一人ずつが受け持ち、華奢な部類に入る元就に動きは簡単に封じ込められている。無様に抵抗をするか、機をうかがうか――――。元就は、後者を選んだ。選ばざるを、得なかった。
 左右から尻が割られる。人目にさらされることの無い場所があらわになったことに、奥歯を噛み締める。
「これはこれは、愛らしい菊の花ですなぁ、毛利殿。」
 ぬら、としたものが襞に触れた。びくりと反射的に強張った体に、相手が笑みを浮かべる気配を察し、恥辱にめまいがする。
「このように愛らしい菊の花を無残に散らすのは、非道というもの。味気も素っ気もございませぬ故、壊さぬよう、大切に愛でさせていただきますぞ」
 のどの奥で笑いながら、主格であろう男が竹筒の口を菊花にあてがい、液体を流し込む。ぞわりと背筋を這う感覚に、手も足も指を握って耐える。
「おお、おお。毛利殿の菊花は奥ゆかしく、せっかくの妙薬をこぼされてしまう。なれば、こういたしましょう」
 いいながら、男は藁を一本手に取り、元就の中に挿れた。
「――――ッ」
「これくらい細ければ、傷をつけることなく甘いものをお教え差し上げられますなぁ。どれ、たっぷりと藁に妙薬を含ませて奥のほうまで塗りこめましょうか」
 男は、宣言どおりに藁を薬に浸し、少しずつ元就の中に沈めていく。じわじわと染み込んでくる薬の効果か、元就の魔羅がわずかに持ち上がり始める。
「おお、そうそう。いきなり尻ばかりでは良い思いをさせられませんでな、こちらにも塗りこめて進ぜましょう」
 男は藁を細く裂き、それに薬を含ませて魔羅の先からそっと差し込んだ。
「ッ! 何……をッ」
「じきに、わかりますよ」
 言いながら、男は裂いた残りを魔羅の根元に絡ませて縛った。
「さぁ、ゆっくりとご堪能くださいませ、毛利殿」
 主格の男の言葉に、他の四人が下卑た笑いを漏らした。

 男は、宣言どおりに時間をかけて元就の内部に薬を注ぎいれた。洩れたものは尻や魔羅に擦り付ける。元就の魔羅はいきり立ち、立ち上がる前に差し込まれたものを圧迫して痛みとも疼きともつかない感覚に震えていた。
「毛利殿、沢山の藁を召し上がっていらっしゃいますなぁ。菊花が動くたびに揺れて、まるで馬の尻尾のようでございますな」
「だ……黙るが良い――――下劣な」
「おや、まだそのような口をお利きになられますか。さすが毛利殿。すぐに薬には屈しませんな。いやはや感服いたします。なれば、こちらもそれなりのことをさせていただかなくては」
「ッ――やめっ」
「止めるとお思いでは無いのでしょう。なれば、無駄なことはおっしゃらないことですな」
「ク、ぅ――」
 足を押さえていた男たちが、元就の尻に舌を這わせながら魔羅を擦る。二つの手のひらがそれぞれに指を絡め、出口をせき止められている元就の内側に甘い熱を膨らませた。
「ッ――――ぁ、ク」
「良いのであれば、素直に声を発したほうが楽になりますぞ、毛利殿。こんなに尻を震わせて……藁の尻尾が、まるで喜んでいるように動いておりますなぁ」
 男がチラリと合図をし、半端に脱がされていた元就は全ての衣服を剥ぎ取られ、四人の男に担ぎ上げられた。
「ほ! なんとも、愛らしい蕾でございますなぁ」
 薬で濡れた男の指が、元就の胸に触れる。強くつままれても薬のぬめりが痛みではないものを元就に与えた。
「は、ぁ…………」
「毛利殿はココをいじられるのがお好きなようですなぁ。ほれ、お前たち」
男の合図で、左右で肩を抱えあげていた男たちが、元就の蕾に吸い付き、愛撫を始める。
「ンふぅ――――や、やめよッ」
「そのように甘い声をお出しに成りながら、やめよとはいかな事でございましょうか。ほら、魔羅もこのように歓喜に震えておりますのに」
「ひ、はぁああッ!」
 撫で上げられ、駆け抜けた快楽に元就が悲鳴を上げる。それに目を細めた男は、尻尾のように揺れる藁の束を掴んで一気に引き抜いた。
「んァッ――――」
「おお、おお。だいぶ熟れた色になりましたな。薬も十分に染み込んでいるようで。これならば内壁が傷つくこともありますまい」
 男はずるりと猛った自分の魔羅を出し、座る。その上に、背を向けるようにして四人の男が元就を降ろし、先端が菊花に触れるくらいの位置で止めた。
「うくっ」
「先が触れるだけでも、良い心地になりますまいか。毛利殿、薬の所為だと気をやってしまっても、誰も咎めますまいぞ。素直に、狂うてしまわれたが楽とは思われませんか」
「下らぬことを、喋るで無いわ――――ッ、はぁ、ぅン」
 根元から魔羅を擦りあげられ、鼻にかかった声を発しながら顎をのけぞらせる元就に、男が喉の奥で笑う。
「そう、強情を張られますと、困りますなぁ。――――さて、毛利殿にはそろそろ男の味を知ってもらっても構わぬ頃合でしょう」
 その言葉を合図に、男たちはゆっくりと、座している男の上へ彼を降ろした。ひくつく菊花に亀頭が埋め込まれ、濡れた音が漏れる。
「はっ、あぁ――――」
「可憐な声をお持ちですなぁ、毛利殿。――――ほら、お前たち。毛利殿が緊張して、全てを飲み込めずにいるではないか。ほぐして差し上げよ」
「ふ、あぁああッ」
 いいざま、魔羅に埋めていた藁を引き抜く。抜かれるそれを追うように動いた元就の腰を、足を持つ男二人が留め、そのまま一気に深く座する男の魔羅を飲み込ませる。
「おぉ、毛利殿――すっかり濡れた内壁は、なんとも柔らかく良い心地がいたしますなぁ」
「くっ…………抜、け――ぇ、ッ」
「そう、つれないことを申されますな。ほうら、こうして魔羅を撫でられるのは、良い心地でしょう」
「ん、んんっ――――」
 必死に声を抑えようとするが、元就の瞳は甘い色に濁っている。
「毛利殿、こちらの戒めを取り去って差し上げましょう。存分に、放ってくださいませ」
「ん、はぁああッ」
 根元にくくりつけていた藁が解かれ、足を押さえていた男たちがそれぞれ、魔羅と袋を口に含み愛撫しはじめる。肩を押さえる男二人も、しばし離した唇を、再び元就の胸へ寄せた。
「は、あぁうっ、んァあ――――やめよっ、やめっ、や――――あふぅ」
 首を振りながら逃れようとする元就の体は、しっかりと押さえ込まれている。身をよじるたびに、深く刺さった魔羅が擦れ、元就は更に体をくねらせた。
「毛利殿、そのように魔羅をくわえ込んで甘くしゃぶられると、こちらのガマンが利かなくなり、乱暴に掻き回したくなるではありませんか。ほら、このように」
「ヒッ、イ――――んぁアァアッ」
 わずかに内壁を擦られただけでビクンと大きく体を震わせ、魔羅を咥えている男の口内へ全てを吐き出す。吸われながら、体を強張らせつつ数度震えたかと思うと、グッタリと体重を男たちにかけた。
「あ、ぅ――――」
 気を失いかけている元就の汗ばんだ首筋に舌を這わせ、背後の男がささやく。
「まだ、意識を失うのは早うございますよ、毛利殿。このままでは、こちらがつらい。全員のものを受け止め、尻で達しながら、魔羅をしゃぶる位のことを覚えていただくまでは――――こちらも、獣のように貴方のナカを掻き回したいのに耐えておるのですから、毛利殿にも耐えていただかねば」
 男たちの下卑た笑いが重なり、元就の体を包む。
「んぁッ――やめ、ぇ…………は、ぁうッ、ン――――ふ、ぁあッ」
 意識を無理やり快楽に呼び起こされ、男たちの手のひらが、舌が、元就を蹂躙する。
「くふぅ――――も、ぉ…………ァ、は、くひィ――――!」
――――日が沈み、黒い太陽が生み出される。
 数日後、虚ろな瞳で魔羅をしゃぶり、尻にとねだる毛利元就の姿が、そこにあった。


2010/05/07        《「ぷらちょこ」もちこサンに捧ぐ》



メニュー日記拍手
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送