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佐助×幸村

 どうにも最近、足が重いような気がする。
 そう呟くと、心の臓に、手足の血液を戻しやすくしてみればどうか、と言われた。ずっと下にある足に、血液が凝っているのかもしれない、との言葉に感心した幸村は、今宵から早速、件の心の臓に手足の血液を戻しやすくするという方法を試してみることにした。
 寝転がり、天に向かって手足を突き出して小刻みに震わせる。
 ――ふむ。
 震わせては休み、また震わせる。
  繰り返すと、なにやらふくらはぎの辺りがじわりとしてきた。
  ――なるほど。
  これが、効果の印なのだろうと判じた幸村は、ぱたりと手足を下ろし、瞼も下ろした。

  それから意識を失って、どのくらい経過したのか。ふ、と心の臓の存在を感じ、ふくらはぎに鈍く熱い痛みとも痺れともつかないものを抱えている事に目が覚めた。
  ――これは、効いている証拠なのだろうか。
  そう思えば、少しだけ軽くなっているような気もする。仰向けのまま膝を折り、足首を浮かせて回してみる。と、太ももの間に違和感があった。
  ――ぬ、う。
  疲れが心の臓へ戻る前に、魔羅を膨らませてしまっている。
  ――これは。
  如何すれば良いのだろうかと、足首を回すのを止めて足裏を合わせると、その先の空気が揺れた。
「どうしたのさ、旦那」
「ぬ。佐助こそ、如何した」
「旦那の気配が妙な動きするから」
「ぬう。すまぬ」
「謝らなくてもいいから、何してたか教えてよ」
  促され、手短に説明をすると、ふうんと言いながら両膝に手を添えられた。
「じゃあさ、俺様が解すのを手伝ってあげるよ」
  言いながら、ぐうっと膝を押されて足を広げられた。股関節が痛気持ちいいと感じる所で、大きく円を描くように回される。
「どう、旦那」
「ん」
  動かされるのに合わせて息を吐くと、今度は佐助の体重を両膝に感じた。足を大きく広げられた形で、床に向かって押されている。そして、はだけた足の間――下帯に包まれた魔羅に、佐助の息を感じた。
「っ、さ、佐助」
「なぁにぃ」
  歌うような軽い調子で言われ、口をつぐむ。膝から手が離れ、足を捕まれた。
「気持ちいいとこあったら、言ってね」
「う、む」
  左右交互に、足裏からふくらはぎを按摩される。
「んっ、ん」
「ここ? これ、気持ちいいの」
「はっ、あ、ぁ……良い、んっ」
「はいよ」
  按摩される度に、うっとりとした息を洩らしながら、魔羅に疲れがより集まって来ていることを自覚する。闇夜の事だから気付かれぬとは思うが、と内心で希望的観測を浮かべた幸村のことを、佐助があっさりと裏切る。
「こっちに溜まった疲れも、解そうか」
「っ!?」
  抗議する間も無く、下帯が外される。勢い良く飛び出したものを隠そうと伸ばした手は、目的を果たす前に止められた。
「自分で、処理仕切れないでしょ」
「ふ、わ……っ」
  魔羅の幹を柔らかなものが揉んでくる。感覚より少し遅れて、それが佐助の唇だと気付いた。
「さ、すけ」
「ん、気持ちいい?」
  ふくらはぎの按摩を指で続けながら、唇で魔羅を揉んでくる。良い、とも、悪い、とも言えず、幸村は両腕で顔を覆い、ただ息を洩らした。
「は、ぁ、あ、あ」
  亀頭を含まれ口内で揉まれ、腰が浮く。
「ん、ふっ……旦那」
「ひっ、ぁ、ああっ、あ」
  先の窪みを舌先で擽られ、太ももで佐助の頭を挟むように、足で抱える。
「やだな、旦那…………ねだってんの? はしたない」
「なっ、違……ふ、ぅんっ」
  くすりと笑われ抗議をしようとした語尾が、甘えた鼻息にすりかわる。ふくらはぎから滑った指が尻を割り、奥に隠れている箇所を暴く。そこに、佐助の息を感じた。
「ね、旦那。俺様も任務終わった所で、疲れてんの。旦那のここで、解してくれる?」
「ぅあっ」
  ぬら、と入り口を濡れたものでなぞられる。つつかれ、ひくつくそこの動きに合わせて、舌が差し込まれた。
「ふっ、う、ぅ」
「ね、旦那…………だめ?」
  甘えるような口調に、自分の答えなど察しているであろうはずなのに問うてくる事に、ずるいと思いながら口にする。
「ゆ、許す」
「んふ。ありがと」
  舌が離れ、今度は軟膏をたっぷりと付けた指があてがわれた。つぷりと難なく一本が埋まり、くにくにと内壁を探る。
「ぁ、ん、ぁあっ」
「気持ちよさそうに、魔羅が跳ねてる」
「ば、か……を、言う、な、ぁ、はぁっ、ん」
  解す指が増えていく。探られるたびに震える魔羅を慈しむように、佐助の唇が触れてくる。
「はぁ、あ、ぁ、あ、あ」
  ゆるゆるとした官能に微睡んでいると、強い電流が背骨を駆け上がった。
「ひぁ、あぁあっ」
  腰が跳ねる。足を突っ張り、腰を浮かせた幸村の弱い所を、佐助の指が掻き毟る。浮いた腰が暴れ、魔羅が震えながら蜜を溢れさせる。
「は、ぅあっ、ひっ、ぃん……や、らめ、ぁ、も、ぁ、あぁ、あ――――ぁ?」
  呂律が回らなくなるほど乱され、あと一掻きで意識を白く塗り潰せる、と感じた瞬間、刺激が失せた。疑問を浮かべた幸村の目に、悪戯っぽい佐助の顔が映る。
「イくのは、コレで、ね?」
  ちゅ、と鼻先に唇が触れたかと思った瞬間、指とは比べようのない熱量を持った塊が、先ほどまで掻き毟られていた箇所を擦りながら一気に突き上げてきた。
「っ、はぁあぁああぁああ――――っ!」
「く、ぅ」
  仰け反り、痙攣しながら噴き出す幸村が佐助の魔羅を絞る。それに持っていかれないように歯を食い縛る佐助は、数度震えながら放ち終えた相手が弛緩した瞬間に、腰を振り始めた。
「ふぁっ、ひ、ぁふ、ぁ、さ、すけぁ、はっ、ひふっ、ぁはぅああぁあ」
「ふっ、ぁ、旦那。旦那の按摩、すごく気持ちい」
「や、らめ、さす――らめぁ、はふ、ぉ、あぁ」
「なんで? 許すって、言ってくれたでしょ」
「ひぎっ」
  乳首を摘んで捻りあげながら、佐助はうっとりと息を吐く。
「旦那の尻穴で、俺の疲れ、沢山取ってよ」
「はひっ、は、ぁんぁあっ、はふぉ、ぁ、ああっ」
  弧を描きながら内壁を擦りあげてくるものを、きゅうきゅうと締め付ける。壊れたように、ぷしっ、と蜜を小刻みに噴き出す場所を絡め取られ、その甘さにとろけそうになると乳首に痛みを伴った刺激を与えられ意識を引き戻される。
「も、ぁ、らめぁ、さ、すけぇ、も、はっ、んぁ、ひっ、くふぅ、んぁ」
「ふっ、ん、旦那ぁ……旦那の尻穴、俺の子種が溢れてるよ」
「や、ぁんっ、はっ、ひぅんっ、く、は、ぁんぁああっ」
  まるで底の無い沼のように、二人はずぶずぶと沈んでいく。
「ひっ、んぁ、も、ぁ、でるぁっ、ひっ、ぁ、はふっ、ぁあ」
「ん、旦那……いっぱい出して――――その分、俺が沢山注いであげる」
  その言葉どおりに、佐助は幸村に放ち続けた。

  瞼の裏が赤い。
  日が昇っていることに気付き、幸村は目を開ける。柿色が見えて、それに手を伸ばし、指を絡めた。
「ん、なぁに、旦那」
  微睡みを残した甘やかすような甘えた口調。それに自然と顔が綻ぶ。
「いやな事でも、あったか」
  ささやくと、瞬いた瞳が困ったような嬉しそうな色を宿した。
「ありがと、旦那」
「うむ」
  互いにはにかみながら、唇を寄せる。けだるい体を抱えたまま、今日は一日微睡んでいようかと、二人は身を擦り寄せて瞼を閉じた。

2011/09/01



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