メニュー日記拍手




若=MIの2P庵(18歳の頃の庵と仮定して若呼ばわりしています)


若庵
 その日、京は暇をもてあましていた。それはもう、相当な勢いで暇をもてあましていた。そんな状態で街をふらつく彼の目に止まってしまったら、逃げる事など不可能だろう。何故なら彼は、超主人公なのだから……………………。

 たまたま、庵はピックを見に楽器屋に寄っていた。庵と言っても、成熟した獣ではない。年齢からすれば十分磨がれているのだろうが、京から見れば可愛い子猫……もとい、子蛇ちゃんとして認識されている、白い髪をした庵の方だ。いくつかベースを見た後にピックを購入し、店を出たところで運悪く、というか運良く、というか、とにかく京に見つかってしまった。暇をもてあましまくっていた京からすれば、こんなに素敵な獲物が居るのを逃す事など考えつくわけがない。すぐさま、先ほどまでとは比べものにならないスピードで人込みをすり抜け、庵の背後に移動した。
「こへーびちゃんっ!」
 いきなり背後から肩を抱かれ、わかりやすいほどの驚きを体現する庵に、ニヤニヤと笑みを浮かべた京が顔を寄せる。
「何なに、買い物? もうすんだよな。この後に用事無ぇよな。 よし、おにーさんに付き合え!」
グイッと庵の肩を押して、歩きだす。いきなりのことに思考が停止していた庵が、ハッとして口を開いた。
「誰が子蛇で、誰がおにーさんだ! それに、俺はまだ了承など…………」
「ん? また買い物終わって無ぇの。それとも、用事か。俺様をフる位の大事なモン?」
首をかしげて上目遣いに問われ、言葉に詰まる。そんな庵に最高の笑顔を見せて、京が言う。
「てめぇに、この俺の誘い以上に大事なモンなんて、あるわけ無ぇもんな」
抵抗をしようと口を開いてみるも、答えるべき言葉を持たない庵は京の笑顔を眺めることしか出来ず――
「んじゃ、今から俺ん家行こうな」
――そういう事になった。

ガチャン、とドアを開けて、入れ入れと庵を促し自分は後から入って鍵をかける。
「ぼさっとしてねぇで、上がった上がった」
 急かされ、釈然としない顔でリビングへ向かう庵に満足そうな顔を向け、京はキッチンの冷蔵庫に向かった。
「あー…………ビール、は未成年だから止めとこうなー。牛乳か麦茶しか無ぇわ」
 どっちにするかと目で問われ、答えずに顔を背けてソファーに座る。肩を竦めて片手に自分の缶ビール、もう片手に別のものを持ち、京がソファーに座った。
「はい」
 差し出され、反射的に受け取り、渡されたものが何かを理解する前に思考が一瞬停止する。
「…………何だ、これは」
「生卵」
 プシッと缶ビールを開けながら答える。
「何の真似だ」
「子蛇ちゃんだから」
 さらっと、さも当然のことのように言う京に、ピシリと庵の眉間に罅が入る。その顔にニヤニヤしながら手を伸ばす。
「あーもー、怒るなよー。冗談だって、冗談! てめぇが答えないから悪いんだろ」
 言いながら、そっと生卵を取る。
「帰ーー」
「ーーさねぇよ」
 庵の言葉を遮り、吐息混じりの声を、直接庵の口内へ届ける。
「スゲー久しぶりな」
「貴様、何を考えて……」
「想像ついてんだろ」
「知らん」
「ホントに?」
「貴様の考えなど、知るか」
「じゃあ、知れよ」
 耳元に唇を寄せる。
「すっげぇ、やらしーコト」
「!!」
 ビクンと反応する庵に、喉の奥で笑う。
「あーもー、可愛いなぁチクショー」
 ぎゅうっと抱きしめ、顔中に無茶苦茶なキスをして、目を覗き問う。
「会わない間、どんくらい俺のコト考えていた?」
「べ、別に貴様の事など……」
「会わない間、何回俺のコト思ってヌいた?」
「なっ……」
 軽く鼻先にキスをして、意地の悪い笑みを浮かべる。
「一回も無ぇなんて、言わせねぇよ? 何回、頭ん中で俺ん中掻き回したんだよ」
「知らん!」
「覚えらんない位なんだ?」
「違う!」
「あーもー、そんな牙剥きながら真っ赤になって…………」
 京の顔が赤く染まり、むずがゆいような笑みに変わったかと思うと、庵の手を掴み、自分の胸へ当てた。
「ホラ、本物の草薙京様がここに居るぜ? 遠慮せず、好きに弄って構わねぇよ」
 蠱惑的な目をして、薄く唇を開く。庵の手をTシャツの下に誘う。
「夢でも幻でも無い本物が目の前に居んのに、素直になれよ」
 ごくり、と庵の喉が鳴った。
「いおり」
 息の中に己の名を感じ、庵は力任せに京をソファーに沈め、Tシャツを引き上げる。噛み付くように胸に唇を寄せる相手の髪に指を絡め。唇を嘗めた。
「ンッ……あぁ」
 うっとりとした吐息を漏らす。それを確認し、庵は執拗に胸の花を舌で転がし、強く吸う。
「はっ……ン、こら、ソコばっか――ッ」
 ひくっと京の鼻が動く。彼の反応をうかがうように、上目遣いに顔を見ながら京の肌に掌を這わせる。もどかしそうに足を動かすと、庵の太股に太股を摺り寄せるような格好になり、立ち上がり始めた熱が刺激される。それに気づき、庵がわざと太股を深く差し込んだ。
「アッ、ん……ホラ、も、違うトコもッ――ァ」
 小刻みに肌を震わせる京に、ニヤリと笑みを浮かべる。そんな庵の表情に、唇を突き出し、髪に絡めている指を思い切り皮膚に立てて力任せに顔を押しのける。
「ッ、の――調子こいてンじゃねぇぞコラ!」
げし、と蹴りのオマケ付きでおしのけられ、目を丸くする庵。形勢逆転され、上にまたがった京が最高に意地の悪い笑みを浮かべた。
「大人をナメてんじゃ無ぇぞォ」
言うが早いか、ガッと庵のベルトに手をかけて、あっという間にペニスを引きずり出す。引きずり出す、というよりも自ら飛び出てきたというほうが当てはまるソレに、舌なめずりをして手を伸ばす。
「こんなにしてるクセに、俺を先にイカせようとかナマイキなこと考えてたんじゃ無ぇよなぁ?」
凄みのある甘い声で問う京に、答えられない。無言の肯定に、鼻で笑う。
「かわいーコトしてんじゃねぇよ。10年早ぇんだよ」
言いながら、ぱくりと咥えた。
「ンッ」
「ナリだけは、立派だなッ……ン、ふっ」
 熱に浮かされた目で、京を見る。京も、咥えながら庵の表情に目を細める。一度目を伏せ、先端に音を立てて軽いキスをし、先ほどの生卵を手に取った。不思議に思いながら眺める庵に、ニッコリ笑ってタマゴを見せたかと思うと、グシャリと握りつぶす。何をしようとしているのかわからない庵に、タマゴでねとつく掌を見せてから、それをペニスに塗り始めた。ご丁寧に、カラを砕いて亀頭に擦り付ける。
「ッ――ァ…………」
「ガマンしねぇで。可愛い八重歯見せて吼えろよ」
「誰ッ――ガ、ァ、ゥ……ッ」
 くすくす笑いながら、庵のペニスをこね回し、必死に堪える顔にキスをする。
「やっべ、ちょー萌える」
「ッ――ヘンタイかっ、貴様ッ……」
「人のコト、言えねぇだろォ」
 鼻歌を歌いだしそうな気配の京に、眉根をしかめる。
「おっ?」
 京の尻を掴み、揉みながら指の腹で窄まりをなぞり、一番細い指をそっとねじ込む。
「ンッ、は――塗らして無ぇのにッ……サドッ、ア」
 欲の色を隠そうともしない京の顔に熱い息を吹きかけながら、開いていく。
「やらしー顔して、たまんねぇ。も、限界」
 言いながら、体をずりあげ手にしたものを窄まりにあてがう。
「たっぷり、味わわせてくれよ?」
 はぁ、と深く息を吐き、一気に飲み込む。
「ぐっ……ぅ」
「あ、はっ――深くッ……ア、早く、もっとッ――ッ!」
 圧迫感に唸る庵に催促をし、首を左右に振る。求められるまま、庵は京の腰を掴み、一気に根元まで沈める。
「ンはぁあああッ――ァ、止まる、なッ、ア――も、っと」
「くっ――ふっ、ァ………ッ」
 叫ぶ京に呼応するように、庵が腰を揺さぶる。メチャクチャに踊る京に飲み込まれた庵の熱が強く熱く膨れ上がる。
「ンアァ――もっ、もっと……ァ、足ンねっ、……」
「くぁっ――ン、ふっ」
 汗を噴出しながら、狂ったようにのた打ち回る。時折、京の先端から先走りが噴出し、それに気づいた庵が手を伸ばし、しごき始めた。
「ァ、こらッ――ちょ、も…………それよりナカッ、ァ――もっとッ、ぅン――ッ」
 鼻にかかった甘い声。激しく頭を振る京の首に歯を立てながら、求められるまま庵は全てで京を攻め立てる。
「はっ、はっ――ッ、ク」
「ン、くるっ――クルッ、ぅ、あはぁアッ!」
 ビクビクッと大きく振るえ、仰け反り、京が庵に欲を撒き散らす。強く締め付けられた反動で、庵も全てを京に注いだ。
「あっ、はぁ…………」
 ため息とも吐息ともつかないものを吐き出しながら、仰け反った格好のまま後ろに倒れる京。余韻に呑まれた庵がハッとして京を支えようと手を伸ばした。
「あー、さいっこー。さすが俺の子蛇ちゃんだぜぇ〜」
 にへら、と笑って伸ばされた庵の手を引き、抱きしめる。胸に頭を抱え込み、よしよしと撫でて満足そうに鼻を鳴らした。
「あーもー、タマゴなのかヤラシーもんなのかわかんねぇけど、俺んナカ、すっげぇコトになってんぜ」
 わかる? と額にキスをされ、真っ赤になる庵に可愛いなぁとつぶやき瞼を閉じる。
「――京?」
「ん〜?」
 声が、眠りのフチに付いていることを告げる。何か言いたげな庵の背中をあやすようにたたき、その手がパタリと落ちる。
「おい」
 呼びかけても返事が無い。規則正しく上下する胸を眺め、複雑な顔をして京の上から降りる。テーブルに、飲みかけの缶ビールがある。ちらりと京の寝顔を見――
「フン」
 鼻を鳴らして、庵はそれに手を伸ばした。





――お酒は二十歳になってから。


BO●WYのBAD FEELINGを聴きながら――――END
2009/07/07



メニュー日記拍手
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送