むしむしと暑い夜。 眠る前に翌朝の軍議の準備をしていた小十郎が、ふと人の気配に顔を上げる。月明りの差し込む障子に映る人影に、声をかけた。 「政宗様――?」 「Clever answer 小十郎」 すらりと障子が開き、彼の主である伊達政宗が入ってくる。たんっと軽い音をさせて障子を閉めた彼は、まっすぐに小十郎の前に立ち、顎に手を添えて顔を上げさせた。 「政宗様。いかがなされました」 「こう、蒸し暑いと寝付けなくてな――――小十郎、相手しろ」 「は。では、着替えてまいります」 「着替え? Ha――――小十郎、俺が相手をしろと言ってんのは、刃を交えるほうじゃなく、こっちを交えるほうだぜ」 ぺろ、と政宗の舌が小十郎の上唇を舐める。ニヤリとした政宗に目を丸くし、はっとした小十郎がわずかに下がった。 「お戯れを――」 「戯れで言ってんじゃねぇ。それとも、俺じゃ不服か?」 「不服などと――」 「なら、問題無ぇな」 言いながら、腕を袖から抜き小十郎の襟首を広げて甘えるように顔を寄せる。そのまま背中に手を伸ばし首筋に吸い付く主に、額に手を当ててため息をつくと、やわらかく指先で髪に触れ、目だけを上げた政宗の額に唇で触れる。 「まったく――――」 甘い響きの声にとろけるような顔をして、政宗が唇を寄せた。 「んっ――ん――は、んんっ」 薄く開けた唇から互いの舌が伸びて突き合い、絡み、深く口内で繋がる。どちらのものとも解からない唾液が口の端から零れて顎を伝い、絡む場所から濡れた音が響く。 「ぁ、は――んんっ、ん――」 「ぅ、ふ――――ン、ぁ」 どちらの口からも甘い声が漏れだし、体中に甘い痺れが広がっていく。じわりじわりと広がるそれに、もどかしそうに着物を脱ぎ捨てながら互いの肌を摺り寄せ、抱き合う。やがてその手が下帯に伸び、お互いの男根を取り出して愛撫しはじめた。 「ぁ――は、こ、じゅうろ」 「んっ、まさ、むねさま――」 角度を変えて、何度も唇が重なり合う。ぶつかる息の塊が、更に熱を帯びる。腰の位置がさらに近づき、先走りをはじめた男根が腹にそれを垂らす。握る手を腰に回し、二人が腰を摺り寄せ、太ももを絡めて揺れるとチュクと腹に挟まれた男根が啼いた。 「んっ、あ――こじゅ、ぁ――」 「まさむねっ――さま、ぁ、腰を、もっと、お近づけください」 小十郎の手が政宗の尻に及び、ぐっと引き寄せる。 「んぁ――ッ……小十郎も、もっと」 「ぅ――ッ」 政宗も小十郎の尻に手を伸ばして、互いの体をより密着させ、腰を蠢かし男根を絡め腹で擦り潰す。 「んはっ――ぁ、すげ……あ、っちぃぜ――小十郎」 「政宗様こそ――は……っ、はしたなくしておいでです」 快楽を浮かべながらも不遜な顔で笑いあう。頬を摺り寄せ、首に甘え、重なるところからひとつに融合しようとするかのように密着し、互いを味わう。 「ぁ、んんっ――こ、じゅ……ろ」 「――っ……まさ、むね――さまっ」 ビクン、と体が震える。どちらからだったのか、腹に挟まれた二つの男根が大きく波打ち、白濁した液を噴出す。濁った瞳がからみ、唇が重なる。わずかに体をずらすと、互いの腹に飛び散った欲の蜜が糸を引き、ヌチャリと鳴った。 「失礼します」 「Ah――?」 気だるさに身を任せている政宗と体を離し、小十郎が政宗の肩に、首に、唇を這わせる。胸の蕾を軽く吸った唇は、そのまま彼の男根へと落ちた。 「ふ、ぁ――」 声を上げた政宗をちらりと上目遣いに見つめ、舌と上あごで押しつぶしながら顔を動かし愛撫する。時折強く吸い上げると、政宗の尻がキュッと締まった。 「ん、ぁ――すっげ、眺め――は、はぁ――俺のち○ぽで、顔の形が歪んでるぜ、小十郎」 「んっ、――政宗様こそ、悩ましきお顔なれば――この小十郎、再び魔羅が猛ってまいりました」 「――――見せてみろ、小十郎」 政宗の手が、小十郎の髪をつかんで顔を上げさせる。名残惜しそうに口外に男根を出して身を起こした小十郎の下肢を見て、政宗は口笛を吹いた。 「Excellent」 ゆらりと上体を下ろし、政宗がそこに食いつく。 「まっ――政宗様」 「んっ、俺にも食わせろよ、小十郎」 「しかしなれば――――政宗様」 「オーゥケィ小十郎。なら、互いに食えば問題無ぇだろう」 政宗の手が小十郎の腕を掴み、力いっぱい引き倒す。その体に馬乗りになり、ちゅっと鼻先に唇を寄せると、顔をまたいだ。 「ほら、しっかり咥えろよ」 笑みを含んだ声で言い、自分は小十郎の男根の繁みを指で弄び先端に唇を寄せる。 「まったく――――奔放な……このようなことをして、この小十郎、手加減はいたしませんぞ」 「当然だ。そんなことしやがったら、コイツを噛み切ってやるぜ」 「うっ――」 クリクリと先端を指先でこねられ、眉根を寄せて短く声を上げる小十郎に舌なめずりをし、男根を手で扱く。 「まったく――この格好じゃ、そういう顔を見らんねぇのが残念だぜ」 「それは、この小十郎とて同じこと」 「んぁっ――」 きゅりっと小十郎が政宗の亀頭を握り、手を回すと政宗の太ももが強張る。 「てっめぇ――――啼かせてやる」 「ゥ――政宗様こそ、啼きすぎぬよう、お気をつけくださいませ」 睦事とは程遠い会話の後、すぐに互いへの愛撫を始める。先端を舌で転がし、亀頭を左右の指で囲い捻る。亀頭に手のひらをかぶせて回しながら、横から真ん中に喰らいつきほぐす様に甘く噛む。口内に引き入れてくびれ部分より先は口内に入れたまま、頭を動かし根元から口腔で包むと、上下に腰が動かされ抜き差しされる男根が喉を突く。それに応えるように頭を動かし同じ刺激を――より強い刺激を与えんと涎と先走りの混ざった液を指で掬い、菊花に塗りつけ指を入れた。 「んはっ――ひ、ぃ……っ、そ――――」 「んくっ――は、はぁっ……は、くぅ」 首がのけぞり、口内から飛び出した男根が頬を打つ。顔中に芳醇な香りの液が振りまかれ、互いの顔が酔いしれたものになる。 「すっげぇ、顔――見てぇ」 「小十郎も、同じ思いでございます」 荒い息を吐きながら、二人は胡坐を掻いて座りあい、それぞれの蜜で濡れた顔を合わせた。 「It is amorous」 「なんと――官能的なお姿か……」 互いの姿に体の奥を疼かせて、ねばついた唇を寄せ合う。片手で相手の男根を握り、もう片手で菊花の奥を探る。 「はっ――あぁ、イイ、ぜぇ……こ、じゅっ――ろぉ」 「んっ――まさっ……む、ねさま――ぁ、は、はぁっ」 口内に含んでいた相手の欲を口移しに絡ませながら、身を寄せて絡み合う。指を増やし、襞をなぞり、広げ、内壁に爪を立てる。 「はくっ――ぅ、あぁ……んっ、こじゅ――こ、じゅうろぉ」 「ま――さ、むねっ……さまっぁあ――は、ぁあ、あ――も、ぁ」 広げた口から舌が覗く。浮いたソレを絡ませて身をよじる。首を振りながら呑みこもうとする快楽に抗い、より相手を高みへ昇らせようと愛撫に意識を集中させる。 「はっ――んはっ、ぁ――くそっ……ぁ、んんっ――――ッ、はぁ――!」 「く、う――っ、はっ、はんっ、ぁ――――クゥッ!」 どくんと脈打つ男根が、びゅるりと液を吐き出して小刻みに震える。頬をすり寄せ合い、耳元で政宗がささやいた。 「はぁ――っ、二回も、もったいねぇ」 「――――なにが、でございますか」 胸で荒い息をしながら、べたべたになった両手で小十郎の頬を包み、額を重ねる。 「俺のナカか、オマエのナカか――どうせなら、注ぎてぇだろう?」 挑発する顔に柔らかい笑みを浮かべ、鼻先に口付けた。