山の衣が赤や橙などに変化し、美しさと今後の季節の厳しさを人々に知らせる季節。寸分の隙もなく着物を着こなし髪を整え、颯爽と背筋を伸ばして歩く奥州の鬼軍師、片倉小十郎その人が、収穫に顔をほころばせ、稀にしか見せぬ笑みを存分に作物に振りまく姿を見せる季節。 この時期は、日ごろ厳しい小十郎の隙の無い姿を見慣れている、彼に憧れている者たちが心待ちにしている季節であった。「片倉様が、稲を手に微笑まれていた」「野菜カゴを背負い込んで、にこにこと道を歩んでいらしたぞ」 収穫時期になれば、戦は自然と減る。収穫に人の手が取られる上に、厳しい冬を向かえる雪国は春までの安寧のために、秋は色々と忙しくなるからだ。自然と軍議の回数も減り、けれど「戦がねぇからと、油断しているんじゃねぇ」という小十郎の厳しさは消えることなく、その合間に見せる穏やかな気を緩めた姿は、彼に憧れる者らの心を慰め温めるものとなっていた。「夏の野良仕事の時の、あの髪の乱れも気にしない片倉様もいいけど、収穫時期の慈しむような顔は、また格別だよな」 そんな奥州伊達軍の兵士らのささやきは、色の道に疎く奥州を統べる伊達政宗第一の小十郎の耳には届かない。「片倉様って、ほんと色っぽいウワサは聞かねぇよなぁ」「それとなく誘われても、気付かぬフリをなされるらしい」「本当に、気付かないフリなのか?」 自分がウワサをされているなど欠片も気付かぬ小十郎は、ふっくらと見事に実った稲穂に手を差し伸べて、心の底から愛おしそうな笑みを浮かべていた。「お疲れっした!」 すべての収穫を終えた夜。小十郎によこしまな意味でも憧れている兵士らが、収穫祭と称した宴に小十郎を誘った。実りを祝う宴を断る理由も無く、小十郎は彼らに囲まれ注がれるまま杯を重ねていく。ほんのりと目じりに酔いを滲ませる小十郎の姿に、兵士らはうっとりと目を細めた。 収穫が終わってしまった事で、小十郎の全身からにじみ出る作物への慈しみと穏やかさを纏う姿は、来年までお預けとなってしまう。夏に収穫するものなどもあるが、秋のそれはまた格別なのだ。それを惜しむ意味での宴でもあった。「片倉様。ほら、もっと飲んでくださいよ! 景気よく、ぐいっと、ぐいっと。来年の豊作を祈って」「ん。ああ」 飲み過ごしたとしても問題は無いと、小十郎は差し出される酒を全て受けて飲んでいた。けれど少々飲みすぎてしまったらしいと、酒気を帯びた気だるい自分の吐息に苦笑する。今年の豊作に、我知らず高揚をしていたらしい。目の奥がだるく、体が熱くなっていた。「は、ぁ」 ほんの少し、襟元を開く。その姿に兵士らが生唾を飲んだことになど、小十郎は気付かない。「片倉様ぁ」 顔どころか全身が大火事になってしまったように、真っ赤に酔った兵士が酒にとろけた半眼で小十郎のそばに寄る。その足が小十郎にたどり着く前にもつれて、ビタンと派手に床に転んだ。「おい」 膝を浮かせた小十郎に手を伸ばしたその男が、小十郎の裾を掴んでニヘラと笑った。「片倉さまぁあ」「なんだ、どうした」 小十郎の裾から足に腕を伸ばし、それを掴んで支えにしながら体を起こした兵士が、酒臭い息を小十郎にかけた。「片倉様はぁ、冬になっても人肌を求めたりしねぇんですか」「――は?」 唐突な問いに、何を言われたのかがわからない小十郎の腰帯を掴んだ男が、ふふんと欲を含んだ笑みを浮かべた。「冬んなったら、肌身を合わせてあっためるモンじゃねぇですか。極楽浄土もかくやなその心地を、片倉様は知らねぇんですかい」 そこでようやく、小十郎は何を言われているのかを察したらしい。「そんな事は、オメェにゃ関係ねぇだろう」「知りたいんですよぉう! あの隙のねぇ片倉様も、キモチイ〜とかなったりすんのか、知りたいんですよぉうっ」「あっ、おい」 酔った兵士は小十郎の腰帯を掴んだまま、立ち上がろうとする。それに引かれて、小十郎の体制が崩れた。そのまま前にのめった小十郎の背に、男が圧し掛かる。「片倉様だって、男じゃねぇですか。魔羅ぁ熱くさせんのかって、俺らみてぇにまぐわうのかって、気になるじゃねぇですかぁ」「こら、おいっ、退かねぇかっ」 男はしっかりと小十郎の腰を抱いて、押さえ込んでいる。いくら小十郎が歴戦の武将でも、体躯の良い男に四つんばいの上から圧し掛かられては、すぐには振りほどけない。しかもこの男、器用に小十郎の足に自分の足を絡めて動きを封じている。「片倉様ぁあ」「くそっ、誰かコイツを退けんのを手伝ってくれ」 四つんばいで男に圧し掛かられ、ほんの少し髪を乱し着物の裾を割られた小十郎の酒気を帯びた姿は、他の兵士らの心をそそり、股間を熱くさせた。「片倉様。俺も、知りてぇです。片倉様も、俺らと同じようにマスかいたりすんのかとか」「は? オメェ、何言って」「お、俺もっ、俺も片倉様が色事にどんなふうになるのか、知りてぇです」 どうなんですかと迫られて、小十郎は羞恥に眼をそらしたが、こういう場でそういう話をチラリとでもして、親近感を高めるというのも悪くはないかも知れない、と判断した。「わかった。逃げねぇで話すから、まずはコイツを退けてくれ」 恥らうように眼をそらした小十郎の姿に、兵士らの股間はますます硬くなる。したたかに酔い小十郎にすがっている男が、何を思ったのか小十郎の足の間から腕を差し込み肩に腕を回し、抑え込みをかけた。「うっ」 男の手が、小十郎の股間を握りしめる。ビクンと震えた小十郎の手足の力が抜けたのを確認し、男はそのまま小十郎の体を押しつぶした。「くっ」「片倉さまぁあ」「っ、離せっ、ぁ、く」 男の手が小十郎の股間を強く扱く。逃れようともがく小十郎の着物の裾がまくれ上がり、ふくらはぎどころか腿まであらわになって、兵士らの股間は痛むほどに高ぶってしまった。「くそっ! オメェだけいい思いしてんじゃねぇよっ」 わっと兵士らが小十郎におどりかかり、我が我がと小十郎の肌を撫でまわす。「おまっ、一人で片倉様の魔羅いじってんじゃねぇよ!」「さきっぽ、さきっぽだけでも俺にも触らせてくれ」 次々と腕がさしこまれ、小十郎の魔羅がもみくちゃにされる。「っ、ふ、やっ、め、ぅ、んぅう」 逃れようと試みても、力を込めようとする先から魔羅をいじられ、声を抑えるのに精一杯の小十郎は、彼らから逃れるだけの動きが出来ない。あっという間に着物を剥かれ、両膝と腕を背後で縛られて梁に吊るされることになってしまった。「くっ、オメェら」 小十郎が睨み付けても、酒と小十郎の裸体に酔った彼らには効かないらしい。「これが、片倉様の魔羅かぁ」「はぁ、こんなふうに、片倉様の全部を見られるなんざ、夢みてぇだぁ」 うっとりと、拝まんばかりに吊るされた小十郎を見つめている。「お、俺、ちょっと味見」 兵士の一人が前に出て、ペロリと小十郎の魔羅の先を舐めた。「っ!」「あっ! オメェだけずるいじゃねぇか。俺もっ」「そんなら、俺もっ」 兵士らが小十郎の前に並び、ひと舐めずつ、小十郎の魔羅の先を舐めていく。「っ、ふ、んっ、ん」 ぺろり、ぺろりと一瞬で行き過ぎるものに、小十郎の体は熱を上げ、もどかしさを募らせた。けれど兵士らは妙に律儀なもので、ぬけがけをしてしゃぶりつこうとする者は出ず、ひと舐めしては列の最後に並び、と繰り返している。「あっ。片倉様の先走りの味だ」 じわりとにじみ出た小十郎のソレを、最初に味わった兵士が声を上げた。「なにっ! そんなら、こっからは吸うことにしよう」 次の兵士からは魔羅の先をキュッと吸うことになり、彼らはまた順番に繰り返す。そんなことをされれば、先走りをこぼすほど凝ってしまった小十郎には拷問のような焦らしとしか思われない。けれど「イかせてくれ」と部下らに言う事も出来ず、小十郎は足の指を握り込んで、このもどかしい行為に耐えていた。「うっ、は、んっ、ぅう」「ああ。片倉様のフグリが、こんな膨らんで揺れて……たまんねぇっ」 かぶり、と男が小十郎の蜜嚢にかぶりついた。「あぁ――っ!」 淡い刺激ばかりだった中に、唐突に訪れたソレに小十郎が声を上げる。「あぁあ、たまんねぇ! もう、イキてぇ」「よし、まて。そんならせっかくだし、片倉様をおろして、みんなでブッカけようぜ」 そうしようそうしようと、小十郎は後ろ手に足を開いた形で縛られたまま、床におろされ壁に背を預ける形で座らされた。その目の前に、ずらりと兵士らの魔羅が並ぶ。「ああ、片倉様にブッカけられるなんて、夢みてぇだ」「オマエら、本気か! やめねぇか」「ああっ、片倉様ぁあ」 小十郎の目の前で、無数の魔羅が扱かれる。それは視覚から脳へと強い射精欲を伝えるには十分過ぎるほどで「片倉様ぁああっ」「くっ」 次々と浴びせ掛けられる子種の牡臭さと共に、小十郎の肌身を炙った。「っ、は、はぁ、やめねぇか、オメェらっ」 かわるがわる兵士らが小十郎に子種を浴びせかける。顔に、首に、肩に、胸に、腹に、足にそれらを浴びて濡れた小十郎の淫靡な姿に、もどかしく腰を揺らして怒張させた魔羅を濡らしている媚態に、兵士らの欲は尽きない。「はぁ、あっ、もう、やめろ」 小十郎の理性が、射精欲に揺さぶられ呼気が乱れる。正気と野欲のはざまで揺れる小十郎に、兵士らの魔羅はますますいきり勃った。「やべぇ。片倉様、俺らの子種まみれになって、やべぇ」「は、ぁ、もう、やめ」 なんとか威厳を保とうとするその姿は、嗜虐心を煽る。けれど彼らは日ごろの訓練の賜物か、むしゃぶりついて乱したい衝動をぐっと堪え、小十郎を抱えて尻を突き出す格好で這わせた。「何をするつもりだ」「全身だけじゃなく、俺らの気持ちを片倉様のナカにも受けて持てもらいてぇんス」 兵士らが、小十郎の肌身に注いだ子種を指に塗りつけた。その行き先が尻の谷であることに気付いた小十郎が、眼を見開いた。「待て! 正気になれっ。冗談じゃねぇぞっ、じょっ、ぅ」「冗談で、こんなことは出来ねぇっすよ」 たっぷりと子種で濡れた指が、小十郎の秘孔に埋まる。ぐにぐにと内壁を押し広げられて、小十郎は歯を食いしばった。「そんなに緊張をしないでくださいって、片倉様」「仕方ねぇって。緊張をほぐしてさしあげりゃあ、いいんじゃねぇか」 そうだそうだと言う声が上がり、無数の手が子種を塗り広げるように、小十郎の肌身を撫ではじめた。「ふっ、んぅうっ、んっ、ん」 腕を、足を、腹を、脇を、そして胸の尖りと魔羅を撫でられ、小十郎の肌がわななく。「おおっ、ちょっと緩んだ。どうれ」「ひっ、ぃいい」 尻の指がグリッと回転し、欲のツボをえぐる。「おお、ここだここだ」 うれしげに見つけた男は指を動かして「ひっ、ひぁあおっ、やめっ、ぁおううっ」 身悶える小十郎に、他の兵士らが生唾を飲みながら肌身を探った。「おい。あんまソコばっかしたら、片倉様が気をやっちまうだろ」「ああ、そうか。なら、ここを避けて広げるとしよう」「んひっ、は、はぁ、あ、ぁはぁう」 あと少しで手に入りそうだった絶頂が、するりと小十郎から遠のいた。思わず小十郎の腰が揺れる。「大丈夫ですって、片倉様」「極楽みてぇに気持ちよくしてさしあげますから」 子種にまみれ、縛られた小十郎が声を抑えようとしても、間断無く与えられる愛撫に本能が従う。身悶えるのに必死で気付けぬまま、秘孔の指は増やされ丹念に時間を掛けて広げられ、やがて男を飲めるほどにまでやわらかくなった。「ああ。こんだけ広がれば大丈夫だろう。よし、最初は俺がもらうぜ。いいか、皆。一突きずつだからな」 ずるりと指が引き抜かれ、尻を掴まれる。肌身を撫でていた手が離れて、男たちは小十郎の尻に向かって並んだ。「はぁ、は、はぁ、あ、ああ」 この頃にはもう、イクにイケない寸前で止められた小十郎の理性はグズグズに溶けていた。涙とヨダレを床に垂らしながら、放てぬ欲を滴らせる小十郎の脳裏には、ただただ放ちたいという欲だけがある。「それじゃ、片倉様。しっかり受け止めてくださいよっ、くぅう」「ひぎっ、が、ぁおおっ」 ずぉん、と熱く硬いものが尻を割り秘孔を開いて肉壁を広げ、小十郎の脳天までを貫く。「うおおっ。片倉様、あったけぇええ!」「一突きずつだろ。早く抜けよ」「おうっ」 ずるり、と熱が抜けて、詰まった息を小十郎が吐き出す。「よし、次は俺だ。ふんっ」「はぎっ、ぁはぁおおっ」 再び貫かれ、小十郎が吼えた。そしてまた抜かれ、別のもので一突きにされる。「おふっ、はぁぉお」 次々に、一突きしては抜け出ていく長さも反りも太さも違う魔羅に、小十郎の肉壁が蠢動し切なさを募らせる。「っ、は、ぁはぁうっ、んぁ、おっ、おふっ、ぁはぁおお」 突かれるたびに魔羅が震え、先走りを拭きあげる。けれど絶頂とまではいかず、苦しいほどの快楽が小十郎を責め続けた。「ふひっ、は、はぁお、んぁおおっ」 声を抑えようとする余裕も失い、髪を乱して尻を揺らす小十郎の目は淫蕩に濁り、脳内はただ射精のことだけに支配される。そんな小十郎を、兵士らは順番に一突きしては離れて列に並び直す。「んはぁっ、ひ、はぁおおっ」「権左です、片倉様」「がはっ、ぁ、あぉう」「吉助です」 いつしか兵士らは、小十郎に自分の魔羅を覚えて貰おうと、突くごとに名を告げるようになった。「ひぅんっ、ぁあ」「熊八っす」 もう、誰でもいいから掠める一点を強くえぐり揺さぶって、放たせてくれ。 痛むほどに凝った熱に啼く小十郎の望みを、ある男の魔羅が叶えた。「万次、いきますっ」「はぁおおおおおっ!」 見事な反りと中太な魔羅が、小十郎の内壁をえぐったとたん、小十郎の意識が弾け秘孔が締まり、万次がたまらず小十郎の中に放った。「く、ぅうっ」「ぁはぁおおぅうっ」 それと呼応するように小十郎が念願の射精を果たし、口元に笑みを浮かばせて恍惚に浸る。熱い奔流を受け止めながら放ち終えた小十郎が、息をつこうとした矢先に万次が抜けて、別の魔羅が突き立った。「ぁひっ」「万次だけ、ずるいっスよ片倉様。俺ら全員の、受け止めて欲しいっス」「どうせなら、片倉様のお顔を見ながらしてぇよな」「そんなら、仰向けになっていただくか。そうすりゃあ、突くだけじゃなく乳を弄ったりなんやで、片倉様をもっと心地よくしてさしあげられるってぇモンだ」「おう、そうしようそうしよう」「ひっ」 男たちに抱え上げられ、小十郎は藁床の上に仰向けに寝かされた。「よし。これなら、順番を待ってる間に、片倉様の乳をねぶったり色々できらぁな」「たまんなくなったら、しごいて口に飲んでもらえるしな」 うんうんと兵士らは満足そうに小十郎の周囲に群がった。「よし。次は誰がアタリになるかわかんねぇし。公正に、注ぐまでは突いていいってことにしようじゃねぇか。順番はこのまんまで。その間は、片倉様の色んな所をいじって差し上げたりするってことで」 異論は出ずに、次の男が小十郎を突きあげて揺さぶる。二番目と三番目の男が小十郎の乳に吸い突き、他の男らは小十郎の悶える姿に魔羅を擦った。「んひぁっ、はぁおおぅっ、らめぁ、も、もぉ、あはぁあ」「まだまだ。俺ら全員終わるまで、がんばってくださいよ片倉様」「そうそう。俺らの子種を、たっぷり収穫してください」「おっ、オマエ面白い事を言うなぁ! よし、ならこりゃあ、片倉様の子種収穫祭りだ。ぞんぶんに収穫して貰おうぜ」「おうっ!」 兵士らが、意気込みの声をそろえる。その中心にいる小十郎は、体のどこをいじられているのかわからなくなるほど、快楽の渦に叩き落とされていた。「はんぁおおっ、ひっ、ぁはぁあ、も、いっぱ、ぁ、は、ぁふれ、んぉおっ、こぼれてりゅっ、ぁ、尻ぃ、でてるっ、ぁはおお」「こぼれても、また注ぐから大丈夫っス」「ひはぁおぉううっ、ぃいあぁらめぁあ」 首を振り乱し喚きもがいても、彼らの魔羅からあふれる子種を収穫し終えるまで、小十郎は揺さぶられ、飲まされ続けた。 ぶる、と小十郎が身震いをして、政宗がふと足を止める。「どうした、小十郎。寒いのか」「いえ」「ウソをつくんじゃねぇよ。最近、胸にまで晒しを巻いているじゃねぇか。寒いんだろ」「は、いや……これは」「You needn't sham 今年の秋は、朝夕の冷え込みが厳しいからな。風邪を引かねぇように用心してんだろ?」「ああ、はい」 ぽん、と政宗が小十郎の腰を叩いて微笑み、先を歩く。腰を叩かれた小十郎は再び身を震わせて、先を歩く若くみずみずしい主の背に心中で語り掛けた。 この晒しは、胸が着物に擦れては肌身が切なくなるからと申し上げれば、貴方はなんと申されるのでしょう。政宗様――貴方に腰を叩かれただけで、下肢を熱くさせてしまうほどに、あさましい身となり果てたこの小十郎を、どう処されますか。 期待を込めた小十郎のまなざしに、政宗が振り向く。「小十郎? どうした」「いえ。何も。本当に、肌寒くなりましたな」 人肌のぬくもりが欲しくなる季節が、やってまいりますな。「ああ。あっという間に、雪が降り積もるんだろうな。そうなったら小十郎。月夜の雪景色に、一献傾けながら笛を聞かせてくれよ」「雪が降らずとも、いつなりとも御所望くださいませ」 艶めいた小十郎の瞳に、主はさわやかに微笑んだ。 2013/10/30