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宴会のち艶開

 あちらこちらで賑やかな声が上がっている。身分関係無く、鍋を囲んで酒を煽り、奥州の民が雪に包まれた季節を温かく過ごしていた。その中に、奥州を統べる竜、伊達政宗の姿もある。気負いの無い袴姿で方膝を立て、くつろいだ様子で杯をかたむけている。年の似通った兵士らが政宗を囲み、酒酔いに顔を赤らめて楽しげにしていた。
「ぜってぇ、年上の女がいいっスよねぇ、筆頭。あの、しっとりと熟れて手のひらに沿う肌は、たまんねぇって」
「みずみずしい、まばゆい肌の若い女のほうが、いいに決まってんだろ。こう、新しく俺色に染め上げてやるって心地が、いいんじゃねぇか。ねえ、筆頭」
 酒が入り、血気をもてあましている若者たちは、それを性的なものに向けているらしい。あわよくば、給仕をしている娘とどこかへシケ込めないかと思っているようで、ちらりちらりと娘らの姿を目の端で追いながら、あの娘の尻の形がいいだのなんだのと言っている。
「筆頭は、どんなのが好みなんスか」
「俺か? let's say……」
 ふ、と政宗が人々の頭上に目を配り、左目に映った人影に口の端を持ち上げ、右目の眼帯を撫でた。
「普段は取り済ました顔をしているくせに、とんでもねぇ痴態を晒す年上ってのは、どうだ」
 ニヤリとして兵士らに政宗が目を向ければ、おおっと若者らが興奮をし前にのめる。
「清楚な女が、いざコトになると乱れまくるって奴っスね!」
「それが年上で、しかも色々なことをコッチが教え込んで、そういうふうになったってぇのは、最高だろ? Don't you think that too?」
 政宗の言葉に、それぞれが想像をしたらしく、ごくりと生唾を飲み込んだ。鼻息荒く、政宗につめよる。
「そんな相手が、いるんスか? 筆頭」
「さあな」
 意味深に笑んだ政宗は、ぐいと杯を空にして腰を上げた。
「さて、と。俺はそろそろ部屋に戻る。狙いの相手と良い夜を過ごせるといいな」
 光のある左目を細めて言い置き、政宗が宴会場を後にする。それに気付いた腹心の片倉小十郎が、あとの差配を別の者にまかせ、彼の後を追った。
 ひやりとした廊下を政宗が進み、その後を小十郎がついてくる。吐く息が白く漂い、足元から冷気が立ち上ってくるが、酒に温まった肌には心地よいと思えた。
 自室に入った政宗が、臥所に布団が敷かれていることを確認し、奥へ進む。後から入ってきた小十郎が、ぴっちりと障子を閉めた。月明かりが、障子から透けて室内の様子を藍色に染め浮き上がらせている。
「小十郎」
「は」
 政宗が懐手で振り向けば、小十郎が膝を着いて頭を下げた。
「俺に、早く辞してもらいたかったか? それとも、もう少し状況を楽しみたかったか?」
 下げられた小十郎の頭は動かない。歩み寄った政宗は彼の前にしゃがみ、ぴっちりと後方に撫でつけられている小十郎の髪に指を絡めた。
「どんなのが好みかって、話をした」
 小十郎は無言のまま動かない。髪にあった指を滑らせ小十郎の頬にある傷をなでて、顎を掴み顔を持ち上げた。
「年上の、普段は取り済ましている相手を、自分の手で淫乱に仕立てるのはどうだと言えば、アイツら目の色変えて興奮してやがったぜ。小十郎」
 小十郎が目を伏せて、政宗の視線から逃れる。
「まさか、鬼の小十郎のことを言っているとは、思わなかっただろうがな」
 ごくりと小十郎の喉仏が上下した。
「脱げよ」
 顎に掛けていた手を離し、政宗が胡坐をかく。唇を引き結んだ小十郎が、目じりを赤らめて腰帯に手をかけ、袴を落とし、着物を脱いだ。月光に浮かぶ彼の下帯が、膨らんでいる。
「少し、濡れてるな」
「っ」
 小十郎が拳を握り顔を背けた。
「しゃがめよ」
 命に、小十郎が応じた。足を開きしゃがんだ彼の股間を、政宗が楽しそうに眺める。きつく締められている下帯の中で、小十郎の牡が窮屈にしていることが見て取れた。そして、その後ろ。開いた足の奥。鍛えられた尻の間に走る下帯の横から、黒いものが見えている。
「どうせなら、下帯で留めずに、落ちないように尻に力を入れておくよう言えば良かったか」
「あっ」
 政宗が手を伸ばし、尻にかかる布をずらした。押さえつけられていたものが、わずかに飛び出る。それは、小十郎の秘孔に深々と埋まっているものの末端だった。
「こんなモンをケツに突っ込んだまま、なんでもない顔をして宴会の座を仕切ってたなんて知ったら、アイツら、どんな顔をしただろうな」
「うっ、ぅう」
 羞恥に、小十郎が呻く。腹に力が入り、秘孔に埋まっているものが押し出された。
「しっかり尻を締めてろよ。まだ、出していいなんて言ってねぇぞ」
「は――申しわけありません」
 肌を震わせた小十郎に、政宗が指を手招くように動かした。小十郎が頷き、後ろ手に床に手を着いて、政宗に見やすいよう、腰を持ち上げる。
「ちゃんと、根元まで咥えてろ」
 とん、と政宗が小十郎の尻からはみだしている部分を叩いた。
「っは、ぁう」
 埋まった刺激に小十郎が喉を反らし、内腿をわななかせる。唇を舐めた政宗が彼の下帯を取ると、怒張した小十郎の牡が解放感に勇むように、ぶるんと姿を現した。細い糸でしっかりと縛られたそれは、糸を食い込ませるほどに膨らんでいる。蜜嚢までも縛られた小十郎の陰茎を、政宗は指でなぞった。
「はっ、んぁはぁああ」
 うっとりと小十郎が声を震わせる。楽の音を楽しむように目を細め、政宗は爪先で、触れるか触れないかの淡さをもって、小十郎の陰茎を撫でた。
「ぁひっ、は、はぁあ、ぁうう」
 もどかしく小十郎の腰が揺れる。陰茎の先端に、銀に光る小さな玉がついていた。そこに糸が通され、蜜筒から抜けないように固定されている。その銀の玉を政宗がつまみ、左右に捻った。
「ふはぁあぁああ」
 鼻にかかった声を上げ、小十郎が腰を突き出す。秘孔の玩具が押し出され、政宗は再びそれを押し込んだ。
「出すなっつってんだろ」
「ぁひっ、も、申しわけございませ、ぁ、はぁあ」
 政宗が玩具を指で押さえつけながら銀の玉を捻れば、玉と蜜口の隙間から液が溢れる。喉を鳴らした政宗が唇を近付け、舐め取った。
「ふはっ、はぁんっ、ぁ、政宗さ、ぁはっ」
 この上なく甘い声で、小十郎が啼く。
「こんなに糸を食い込ませて、痛ぇだろ」
 いたわるように、政宗の舌が糸の上をなぞる。
「んはぁおおっ、は、ぁ、はぁうう」
 とろりと目を濁らせた小十郎の唇が、笑みの形に歪んだ。
「たまんねぇ」
 自分の袴をたくしあげた政宗が、下帯の脇から陰茎を取りだす。小十郎の秘孔の玩具を乱暴に抜き捨て、開いてひくつく淫花に突きたてた。
「はぎっ、あはぁああおうっ」
 衝撃に小十郎の腕の力が抜け、背が床に落ちる。足を抱えた政宗は、小十郎に腰を打ち突けながら顔を寄せた。
「オマエが宴会場を動き回る姿を見ながら、尻に食ませたモンに縋る肉を思い出して、たまんなかったぜ。小十郎」
「ぁはっ、政宗様っ、ぁ、はぁあっ」
 小十郎が腕を伸ばし、政宗の首に絡みつく。舌を覗かせた小十郎の唇を貪りながら、政宗は言葉を続ける。
「時々、わずかに眉をゆがませるオマエが、漏らしてんじゃねぇかと思うのも、たまらなかった」
「ぁひっ、政宗様っ、ぁ、は、ぁあ、んぅ」
「何かの拍子に張型が落ちちまわねぇかとか、出さねぇように栓はしてたが、牡臭ぇ匂いが漏れてんじゃねぇかとか。誰かが、ちょっとした妙なオマエの様子に気付くんじゃねぇかとか。……そんなことを思うたびに、張型を引っこ抜いて、突っ込みたくなった」
「んぁ、なればっ、ぁ、もっと早くっ、はっ、辞してくださればっ、ぁ、ああっ」
 政宗の動きに、小十郎が合わせながら腰を捻る。媚肉が政宗の欲を奥へ導き、熱い奔流を早く寄越せとねだっている。
「Why do you say such things? 中途半端は、したくねぇからに決まってんだろ。もっと、身も世も無く乱れて欲しがる姿が、見たいんでな」
「ぁひっ、ぁ、も、ぁあ、じゅうぶっ、十分にっ、ぁ、ほ、欲しくて……っ、は、政宗様ぁあ」
 涙目で訴えてくる小十郎に微笑み、政宗は内壁を深くえぐった。小十郎の媚肉が締まり、政宗の熱がはじける。
「くっ」
「っ、は、はぁああっ」
 奥に熱い奔流を受け止める小十郎の意識が、白くはじける。腰を突き出し震える小十郎の陰茎は、糸に縛られもがきながら、蜜口の栓の隙間から欲液を垂らした。
「はんっ、はっ、はぁ、あっ、は、ぁああうっ」
 あえぐ小十郎の秘孔から陰茎を抜き出した政宗は、自分のそそいだものがこぼれ出ぬよう張型を秘孔に押し込み、ふくらみ震える蜜嚢を手のひらに包んでこねる。けなげにも放とうと震えて欲を垂らす陰茎を舌先でなぞり、先端を口内に含んで舌と上あごで慰めれば、小十郎がボロボロと涙を流した。
「ぁひっ、ひはぁうっ、ま、まさむねっ、ぁ、さま、ぁあ」
「イキてぇか?」
 駄々っ子のように、小十郎が頷く。ちゅるんと陰茎の先端を吸った政宗が立ち上がり、小十郎の着物を掴んだ。
「少し、散歩をしようぜ。満月じゃねぇが、いい月夜だ」
 唇をわななかせ、小十郎が首を振る。
「っは、あ、歩けません……政宗様。これでは、歩けません」
 困ったように微笑んだ政宗が、小十郎の腕を掴んで起き上がらせた。手早く長着を着せて、尻を叩く。
「袴と下帯は、いらねぇな。しっかり、張型を落とさないように、尻を締めておけよ?」
 小十郎の目じりを指でぬぐい、慈しみを込めて政宗は唇を押し当てる。自分の訴えは聞き入れられぬと、小十郎は太く長い吐息を漏らし、乱れた呼吸をなんとか整え平素の顔を引き寄せた。
「あまり、遠くへは行けそうにありませんが」
 普段どおりの顔に戻った小十郎に、政宗がニヤリとする。
「上等だ」
 障子を開け、政宗が廊下を進む。その少し後を、小十郎がぎこちない足取りでついていく。迷いなく進む政宗の足が、さきほどの宴会場に向かっていると気付き、小十郎は青ざめた。
「政宗様」
「Ah?」
「よもや、戻って飲みなおすなどとは、仰られますまいな」
 いたずらっぽく目を光らせた政宗が、足を止めた小十郎の傍に寄り、着物の割れ目から手を差し入れて陰茎を掴んだ。
「うっ」
「大股で歩いたり、しゃがんだりするんじゃねぇぜ? 小十郎。うっかり見えちまったり、張型が落ちちまったら、とんでもねぇからな。あいつらの前で、ぞんぶんに見られて犯されてみたいってぇんなら、話は別だが」
「そのような事は」
 声を上ずらせる小十郎を味わうように、政宗が目を細めて彼の陰茎を撫でさする。
「なら、用心するんだな。行くぜ」
 ちゅっと小十郎の首に唇を寄せて歩き出した政宗の背は、とても楽しそうに弾んで見える。息を呑み首を振った小十郎は、覚悟を決めて彼の後に続いた。
「あれ。筆頭、どうしたんスか?」
 宴会場に着く前に、追加の酒を取りに行ってきたらしい兵士と、廊下で出会った。
「ちょっと、酒をもらいにな。小十郎と、二人で少し寝る前に飲もうと思ったんだ」
「ああ、それなら。俺が今、もらってきたのがあるんで」
 どうぞ、と兵士が徳利を差し出し、政宗が受け取る。宴会場に入らなくても良くなったと、小十郎は胸をなでおろした。
「ついでに、つまみか何か欲しいんだが」
「それなら、もうちょっとしたら魚を炙ったのが出来るって、台所で言っていたんで、筆頭の部屋に届けるように、言っておきましょうか」
「いや、いい。自分で行く。早く、宴会場に戻りな」
 受け取った酒を、政宗が兵士に返す。
「あ、じゃあ。ちょっと待ってて下さい。コレ置いて、俺も一緒に台所に行きます。どうせ、魚の炙ったやつも取りに行かなきゃいけないんで」
 親しみと尊敬を浮かべた兵士が、宴会場へ足早に去っていく。ちらりと政宗が楽しそうに振り向いた。小十郎が渋面で政宗を見返す。
「宴会場に行くよりは、いいだろう?」
 それに、小十郎は無言を返した。
「お待たせしましたっ! 行きましょう。筆頭、片倉様」
 楽しげに、若い兵士が先を行く。宴会場から台所は、少し距離があった。小十郎の足取りが怪しくなってくる。兵士が振り返り振り返り政宗に話し掛けている隙を狙い、小十郎は自分の尻に手をあてがい、ずり落ちてくる張型を、声を漏らさぬよう気を付けながら、押し込んだ。肩越しに気配を感じた政宗が、楽しげに野欲を湧き立たせる。
「あっ、筆頭。丁度、炙り終えたとこみたいっス」
 酒と炙った魚を受け取った兵士が、にこにことして申し出た。
「お部屋まで、運ばせてください」
 断ってくれ、という小十郎の心中の願いを裏切り、政宗が兵士に笑いかけた。
「なら、頼むとしようか」
 意気揚々と、兵士が政宗の部屋へと歩き出す。ちらりと政宗が小十郎を見れば、小十郎は眉間にしわを寄せて主をにらみつけた。
「途中で、落さないようにな」
 さっと声をかけた政宗が、小十郎の尻を掴んだ。
「っう」
「? どうかしたんスか」
 小十郎の呻きに兵士が振り向き、なんでもないと政宗が答える。
「魚が冷めないうちに、部屋に戻りてぇ」
「あ、はい」
 頷いた兵士が、早足で廊下を進む。尻を気にする小十郎は、小股で歩速を稼ごうとした。内腿が擦れるたびに秘孔が締まり張型が動き、着物に陰茎と胸乳が擦れて息が上がっていく。あと少し、もう少しと念じながら進む小十郎の様子に、政宗は下肢をたぎらせた。
「おじゃまします」
 背後にいる政宗に声をかけ、兵士が障子を開けて酒と魚を室内に入れた。政宗が敷居をまたぎ、小十郎が足を踏み入れたと同時に、ゴトリと重い物が落ちた音がした。兵士が首を傾げて振り向き、小十郎は慌てて落ちたものを庭に蹴り落す。
「片倉様? 今、何か」
「なんでもねぇ」
 うわずる声を抑えようとして、必要以上に低くなった小十郎の声に、兵士がビクリと身をすくめる。喉の奥で笑った政宗が、縁側に戻りしゃがんで小十郎が蹴ったものを拾い、室内に投げ込んだ。
「政宗様っ!」
「さわぐなよ」
 あわてる小十郎の股間を、政宗が掴んで黙らせる。息を詰めた小十郎を部屋に押し込み、政宗は障子を締めた。部屋に投げ込まれた物を、兵士が呆然と眺める。
「えっと……これって」
「見ての通り。張型だ」
 ニヤリと、政宗がそれを持ち上げた。
「小十郎の尻に入っていたのが、落ちちまったんだよ」
 小十郎と兵士が絶句する。クックと笑った政宗が、小十郎の着物の裾をまくった。
「政宗様っ!」
 あわてる小十郎の足を払い、床に沈める。何が起こっているのか理解できない兵士の前で、小十郎は背後から政宗に抱きすくめられ、胸元をはだけられ足を広げられた。
「こういうことだ」
「えっ、え」
 状況が飲み込めない兵士が、困惑して小十郎を見る。小十郎は、彼から顔を背けた。
「誰にも言うなよ?」
 言うや否や、政宗は自分の陰茎を袴の裾から取り出して、小十郎に突きたてた。
「ひぎっ」
「あっ、ああ!」
 兵士が目を丸くする。
「しゃがんで、見てみろよ。俺の魔羅と小十郎が、しっかり繋がってんのを」
 小十郎が歯を食いしばり、羞恥と快楽を堪えている。あらわになった胸乳は震え、色づきは硬く凝り震えていた。陰茎はこれ以上無いほど怒張し、糸が食い込んで痛々しい。蜜口を塞ぐ銀の栓は濡れて月光を反射し、蜜嚢はふくらみきって揺れている。その先の秘孔がしっかりと政宗の陰茎を咥えこんでいる所までを順番に眺めた兵士が、我に返った。
「みっ、見てねぇっス! 俺、なんも見てねぇっスから!」
 両手で顔を覆った兵士が、失礼しましたと障子を開けて飛び出し逃げる。遠ざかる足音を聞きながら、小十郎は緊張を緩めた。
「は、ぁ――」
「もう少し、見せつけてやっても良かったんだがな」
「政宗様っ、んぅ」
 残念そうに耳元でささやく政宗をしかりつければ、腹に力を込めたせいで秘孔が締まり嬌声が漏れた。
「俺の手で、小十郎がこんなふうになっちまうのを、自慢してぇんだよ」
 艶めいた声に耳朶を愛撫され、小十郎が肌を震わせた。尖る胸乳をつまんだ政宗がそれを指の腹でつぶし捏ねながら、甘くささやく。
「途中で落としちまったんだから、仕置きをしねぇとな」
 ぶるる、と小十郎が胴震いした。
「っは、ぁ、政宗様」
「そんな、期待に満ちた声で呼ぶんじゃねぇよ」
 軽く耳裏に口付けて小十郎を離し、陰茎を抜く。四つんばいにさせた小十郎の腰帯を解いて、彼の首にゆるく巻いた政宗は、開け放たれたままの障子に顔を向けた。
「庭に出ようか」
「っ、それは――」
「仕置きなんだ。拒絶すんなよ」
 ごくりと唾を飲み込み、小十郎が頷いた。張型を拾い、小十郎の鼻先に突き付ける。
「口を開けろ」
 小十郎が従い、政宗は彼の尻にあった張型を押し込んだ。
「んぐっ」
「今度は、落すなよ」
 小十郎が頷き、政宗は彼の首に巻いた腰帯びの端を掴んで部屋を出て、庭に下りた。裸身の小十郎が四つんばいで後に続く。庭の中ほどまで来た政宗が宴会場に近い場所まで進み、低木の影に小十郎を入れた。宴会はまだ続いているらしく、賑やかな声が響いてくる。
「ここで、しようか」
 政宗が袴を落とし、腰帯を解いて着物の裾を割った。若々しい陰茎が、雄々しくそそり立っている。喉を鳴らした小十郎が、張型を外して政宗の陰茎をしゃぶろうとするのを、政宗は彼の額に手のひらを当てて止めた。
「オマエは、その張型をしゃぶってろ」
 庭影に這わせた小十郎の背後にまわり、政宗は彼の腰を掴んで、一気に貫いた。
「んひぃいっ!」
「張型しゃぶって、声を抑えてろ」
「んはっ、は、ぁんむぅ」
 小十郎があわてて張型を口に入れたのを確認し、政宗は野欲のままに腰を振りたて小十郎を突き上げた。
「っ、は、すげぇな。絡みついて、すぐにでも気をやっちまいそうだぜ」
「んふっ、んふぅうっ、んっ、ぁはんぐっ、んぉふぅう」
 乱れる小十郎の耳に、宴会の声が届く。声を抑えなければと必死に張型をしゃぶる彼の口の端から、唾液が漏れてあふれた。
「はぁ、小十郎。溶けそうだ」
「んんぁふぅうっ、んぅうっ、んぅっ」
 政宗に応えるように、小十郎が腰を振る。鍛えられた尻にえくぼが浮かび、政宗を強く締め付けた。
「くっ」
 政宗が果てて、小十郎は張型に歯を立て声を堪えながら、放てぬままに射精した。ビクンビクンと震える小十郎の腰を、あやすように政宗がなでる。すがる媚肉をあやすように、やわらかく腰を揺らした政宗は、秘孔から抜け出て小十郎の口から張型を抜いた。
「おいおい」
 くっきりと歯型のついた張型を、政宗が呆れたように眺める。
「俺のは、食いちぎってくれるなよ? Suck it」
 促され、熱に浮かされたように涙で濡れた目で政宗を見上げた小十郎が、口を開く。自分の中で暴れていた陰茎に舌を絡め、口内に引き入れて味わう。
「んっ、ふ、んぅ、ふんぅうう」
 小十郎のすぼめた頬を、政宗の陰茎が内側から押して顔を歪ませる。きちんと整えられていた小十郎の髪がほつれ、額にかかっているのを搔きあげて、政宗は自分よりも体躯の良い、たくましい彼が幼子のように自分の陰茎をしゃぶる姿を愛おしそうに見下ろした。
「旨いか」
「んふっ、ん、はんっ、お、おいしゅうございます」
「何が、旨い」
「ぁはっ、んっ、政宗様の、魔羅は、ぁ、おいひゅうございまふ、んじゅっ、はむ」
 しゃぶりながら応える小十郎を撫でる政宗の耳に、どっと沸いた宴会の声が届いた。
「まだまだ、盛り上がってるらしいな。俺たちも、もっと楽しもうぜ。小十郎」
「んふっ、んじゅっ、んっ、んぅうっ」
 政宗の呼びかけに応えるように、小十郎が口淫を速めた。彼の喉奥で先端をくすぐられ、舌と上あごで幹をすり潰され、唇で扱かれて、政宗は高みへと駆け上がっていく。
「小十郎。こぼすなよ」
 両手で小十郎の頭を固定し、政宗が放つ。
「ぐぶっ、がふっ、んぐっ、ぉ、ぶぅ」
 弾けた政宗にむせながら、小十郎は残滓も吸いあげ飲み下した。
「はんっ、は、ぁ、あ」
 激しく胸をあえがせ、涙と唾液で濡れた小十郎の顔を撫で、政宗は褒めるように唇を寄せた。
「部屋に戻ろうか。そろそろ、イカせてやるよ」
 小十郎の顔が安堵に輝く。破顔し、再び唇を寄せた政宗は小十郎を連れて部屋に戻り、障子をぴったりと閉めた。
「Well……」
 淫靡な期待に顔を輝かせ、小十郎が床にうずくまっている。軽く音を立てて唇を吸い、政宗は陰茎と蜜嚢を縛る糸を外した。
「んはっ」
 ぶる、と小十郎が身震いをする。小十郎の頬に口付けて、政宗は蜜口にある銀の玉をつまみ、引き上げた。
「はんっ、ぁ、あっ、あ、あ」
 腰をゆらして、小十郎が甘い声を漏らす。銀の玉の先には、長い棒が繋がっていた。それを抜ききる前に、政宗は再びそれを沈め、また抜き出す。
「はんっ、ぁ、は、ま、さむ、ねさま、ぁ、もぉ、あ」
「イキたくて、仕方ねぇか」
 こっくりと小十郎が頷いた。
「そうか」
「ひんっ」
 蜜筒を塞いでいたものを抜いた政宗は、小十郎の足を掴み媚肉にある野欲のツボをえぐるように、陰茎を突きたてた。
「ひぎぃっ、ぁ、あはぁああああっ!」
「くっ」
 奥まで突かれると同時に、小十郎が果てる。溜まりに溜まった蜜液を拭き上げる小十郎が全てを放ち終える前に、政宗は銀の棒を蜜筒に突きたて、塞いだ。
「ひっ、ひぃい」
「まだだ。小十郎。もっと、もっと狂え」
 放つ小十郎に引きずられぬよう堪えた陰茎で、ゆるゆると媚肉を擦りながら、政宗は蜜筒を銀の棒でかきまぜる。
「ぁひっ、ひぁ、まっ、ぁ、まさむっ、さ、ぁはぁあ」
 身をくねらせ、小十郎が訴える。若い性が猛り、小十郎を貪りつくしたいと望む。そんな自分を押さえ込み、政宗は緩慢に秘孔を犯し、蜜筒を乱した。
「たまんねぇだろう? 小十郎。どっちの孔も」
 促しながら、政宗は小十郎の胸乳に舌で甘えた。
「はひっ、ぁ、は、んぅ」
「尿道犯されながら、尻を突き上げられんのは、気持ちがいいだろう? Confess it 小十郎」
 蠱惑的な政宗の声に、小十郎の脳髄が愛撫された。
「はひっ、ぁ、きもちぃ、ですっ、ぁ、にょぉど……っ、されながら、ぁ、政宗様のっ、は、ぁ、もっと、ぁあ、奥に」
「OK」
 唇を舐めた政宗が、秘孔をえぐるように責め突き上げる。
「ひんっ、ひぃああっ、あっ、は、まさっ、ぁ、むねっ、さ、まぁ、んぁあっ、ぁはぁおおおっ」
 髪を振り乱し吼える小十郎が、もっともっとと求めるように腰を振りたてた。
「はっ、とんでもねぇな」
 政宗の息が野欲に乱れる。それに胸を突き上げられて、小十郎はさらに乱れた。
「はんぁあっ、らめぁ、ま、さむっ、さまっ、ぁはああ、も、ぁ、でるっ、ぁ、ゆるしっ、ぁ、はぁあ」
「Ah? イクのを許して欲しいってことか」
 ガクガクと、涙を溢れさせて小十郎が訴える。
「まさっ、ぁ、ねさまもっ、ぁ、このっ、こじゅろのっ、ぁ、おくっ、おくにっ、おくぅううんぁ、はぁおおおっ」
 深くえぐられ、小十郎が快楽の遠吠えを上げた。
「言われなくとも、奥底に熱いモンを、ぶちまけてやるぜ。小十郎」
「ひんっ、ひっ、ひうっ、っさ、ねさまっ、ぁ、はぁあ、くださっ、ぁ、熱いものをっ、ぁ、貴方のっ、は、子種を」
「はぁ、小十郎――ッ!」
「っ! ひはぁおおおおおっ」
 海老反りにしなり、目を見開きガクガクと震えながら、政宗を受け止めた小十郎が果てる。蜜筒に何も残らぬよう放つ小十郎の陰茎を扱きながら、政宗は秘孔に陰茎を擦り付けて全てを注いだ。
「は、ぁ」
 放ち終えた政宗が息をつき、激しく上下しあえぐ小十郎のたくましい胸に唇を寄せ、心臓の上に痕をつけた。
「んぅ、ぁ……政宗様」
「今夜は、冷える。朝まで付き合えよ、小十郎」
 胸に唇を当てたまま、見上げる政宗の瞳に甘えを見つけて小十郎は微笑した。
「ただ眠るだけならば。これ以上は、身が持ちません」
 汗で濡れた政宗の艶やかな黒髪を、小十郎がなでる。安堵したように口元をほころばせた政宗が伸び上がり、小十郎の唇をやわらかく押しつぶした。
「I hand it to nobody. You only for me。小十郎」
 甘いささやきに、小十郎が唇を寄せて応える。
 このようなことで繋ぎとめようとせずとも、私が貴方から離れる事などあり得ぬことです。
 音にしない気持ちを乗せた唇を、政宗は満足そうに受け止めた。

2013/12/22



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