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薬よりも

 目を開けると、ひどく喉が渇いていた。横に顔を向ければ、穏やかな顔をした腹心の片倉小十郎がいる。
「お加減は、いかがですか」
 身を起こした伊達政宗に、小十郎が薬湯を差し出した。受け取り、湯気を吹き分けてから口をつける。独特の臭みと苦味に、政宗の眉間にしわがよった。
「口直しに、大根のはちみつ漬けを用意しております」
 器に、とろりとした液体が輝いている。それに匙を添えた小十郎の手を、政宗が掴んだ。
「俺は、どれぐらい眠っていた」
「一刻ほどです。何か、お召し上がりになられますか」
 いや、いいと口内で呟き、政宗は息を吐いた。熱っぽさの残る呼気に、手のひらを額に当てる。
「風邪をひいちまうなんざ、情けねぇな」
「ご無理をなさるからです」
「無理をした覚えは、無ぇんだが」
「雪崩にあった村を視察に行くだけと仰られていたはずが、村人に混ざって復旧作業を行うというのは、この小十郎からすれば無理をしたとしか思われません」
 ぴしゃりと言った小十郎に軽く肩をすくめ、掴んだ彼の手を持ち上げて自分の額に当てる。この手に触れられていると、気だるさが抜けるような気がした。
「氷嚢をお持ちいたしましょうか」
「いや、いい。小十郎」
「は」
 政宗は小十郎の胸に頭を預けた。いつだって、この胸が弱った政宗を受け止め、癒してくれる。自分も大人になったと思っていたが、この胸に顔を寄せるとまだまだだな、と感じてしまう。
 細く息を吐き、政宗が小十郎の腰に腕を回せば、小十郎は政宗の体をくるむように、綿入れを彼の背にかけて抱きしめた。小十郎の胸に寄せた政宗の耳が、彼の鼓動を捉える。その音色の心地よさに頬をゆるめ、政宗は唇を寄せた。
「っ、政宗様」
 そのまま小十郎の剣と農作業で鍛えられた胸筋に歯を立て、吸いつく。歯で着物の合わせ目を広げて胸の尖りに舌を伸ばせば、小十郎が政宗を引きはがしにかかった。
「おたわむれは、おやめください」
「No 俺は本気だぜ、小十郎」
「なお悪いです、っ、政宗様」
 腰に回していた手をおろし、小十郎の着物の裾をたくし上げた政宗は、下帯の隙間から指を差し込み小十郎の双丘の谷を撫でた。ぞく、と小十郎が腰を震わせたのが、触れている肌から伝わる。片手を伸ばし大根のはちみつ漬けを掴んだ政宗は、さいころ程度に刻まれた大根をつまみ、小十郎の秘孔を探って押し込んだ。
「っ、な、何を、政宗様っ、おやめくださ――っ」
 小十郎の抵抗など、秘孔を抑えていれば容易く無意味にさせることが出来る。うっかりと油断をしていた小十郎が悪いのだと、政宗は小十郎の内壁の泣き所を擦りながら、次々と大根を詰め込み掻きまわした。
「っ、は、政宗様、んっ、何をお考えにっ、ぁ」
「何って、ひとつに決まってんだろう? 小十郎の熱であったまって汗をかいて、一気に風邪を治そうとしてんだよ」
「っ、ご病気の身でこのような、ぁ、くぅ」
「こういう余裕があるぐれぇには元気だと、喜べよ小十郎」
 小十郎が政宗に食べさせるために用意をした大根は、全て小十郎の秘孔に押し込められた。小十郎が身じろげば、秘孔で大根が動き内壁を刺激する。くっと奥歯を噛み締める小十郎の顎に吸い付き、政宗が悪戯に瞳を光らせた。
「せっかく作ってくれた大根のはちみつ漬けだ。美味しくいただかせてもらうぜ」
 言うやいなや、政宗は小十郎を床に倒し、足を開かせ下帯をずらし、彼の陰茎をむき出しにして、大根の汁と混ざった蜂蜜を、そこに垂らした。
「なっ、政宗様」
「俺に食わせるために、作ったんだろう? 動くなよ」
「なんというっ、ぁ、んぅ」
 ぬれて光る小十郎の牡に、政宗がしゃぶりつく。蜂蜜の甘さの奥に、大根の苦味があった。そのまましゃぶりつづければ、それとは違う生臭い牡の香りがにじみ出る。しゃぶりながら政宗が目をあげれば、目じりを朱に染め顔を背けた小十郎が、快楽を堪え震えていた。ぞくん、と政宗の腰が疼く。
「小十郎。もっと、足を広げろよ。流れ落ちたぶんも、食わせろ」
「貴方というお方は」
 喉を震わせつつも、小十郎が足を開く。ぬらりと濡れて光る小十郎の下生えが、政宗を誘う。唇を舐めた政宗は、茂みに吸い付き蜜嚢を口に含むと、ふたたび秘孔に指を入れて掻きまわした。
「っ、は、んっ、んぅうっ」
「声を抑えるなよ、小十郎。観念したんだろう」
 ぴん、と脈打つ小十郎の牡を政宗の指先が弾く。ぶるっと身を震わせた小十郎が、奥歯を噛み閉めたまま声を漏らした。
「っ、政宗様を無用に疲れさせたくはないと、ぁ、思ったまで。は、観念をしたわけでは、ございませ、んっ」
「同じだろうが」
「ひっ」
 蜜口を爪で抉れば、小十郎が鋭く啼いた。
「なあ、小十郎。俺を疲れさせたくねぇんなら、言うこと、聞いてくれるよな」
「え」
「出すモン出さなきゃ、俺は治まりがきかねぇし、お前だってそうだろう。なら、俺が疲れる前に終わらせるのが、得策じゃねぇのか」
 悪い顔で提案をする政宗に、小十郎が淫蕩の熱に浮かされた顔を悔しげに歪ませる。年上の、常に自分の傍にいて支え、叱咤してくれるこの男は、なんだかんだで政宗に蹂躙を許す。政宗のわがままを、受け止める。そう確信をしている政宗の提案に、小十郎はやはり頷いた。
「致し方ありません」
 口惜しそうに唸る小十郎に、政宗は唇を歪ませた。
「Ok なら、尻を突き出して這ってくれよ。垂らしたモンはしゃぶったが、突っ込んだ分は食ってねぇからな」
 音もなく驚愕した小十郎に、早くしろよと政宗が膝を叩く。羞恥を堪えて言われた通りにした小十郎の尻を掴み割り開き、ひくつく秘孔に政宗は舌を差し込んだ。
「んっ、ふ、ぅう」
 ぐにぐにと、政宗の舌が小十郎の媚肉を探る。すぼまる入り口は政宗の舌を捉え、内壁がさらに奥へと導こうとする。わざと音を立てるように政宗は尻を吸い、小十郎は総身に力を入れて羞恥と快楽を堪えた。
「んっ、んぅ、うっ、ふ、ん、んぅ」
 頑なに声を抑える小十郎の腰が、もどかしげに揺れている。政宗が手を伸ばし、彼の陰茎を扱いた。
「ふっ、は、はぁ、あっ、く、んぅうっ」
 小十郎が絶頂を迎えてしまわないように、絶妙に快楽を逃しつつ指を絡め、彼の野欲を引き出して行く。小十郎の体で、政宗がわからぬことは何も無かった。
「ふっ、ふん、ぁ、は、はぁお、ぅふ」
 やがて小十郎の声がたまらぬ甘さを滲ませる。そろそろか、と政宗は秘孔から舌を抜き、猛る牡をあてがった。
「舌じゃ、突っ込んだ大根までは届かなかったからな。今度はコッチで探るぜ、小十郎」
 ひたりとあてがわれた熱に、小十郎があわてて振り向く。
「政宗様、それではナカで――っが、ぁはぁおお、うっ」
「くっ、ぅ、ああ、大根が、奥にまで入っちまったな」
「はぁ、あ、はぁお、うふ」
 政宗がゆっくりと腰を回せば、彼の牡と肉壁に挟まれた大根がゴロゴロと動いて擦れる。ぶるぶると震える小十郎の腕を掴み引き寄せ、政宗は座りながら小十郎を起こした。
「んはっ、は、ぁ、あはぁう」
 背面座位となり、自分の重さで深まった繋がりに小十郎が天を仰ぐ。開いた口に指を入れ、口内をまさぐる政宗が小十郎のうなじに口付け、腰を揺らした。
「はっ、ぁふ、んっ、ぁお、ぉ」
「すげぇな。こんだけドロドロに熱くて甘いんだ。俺の風邪も、すぐに治るだろうぜ」
「んはっ、ぁ、政宗様」
 小十郎の目じりから、生理的な涙がこぼれる。きゅうきゅうと締まる媚肉と大根に擦られ、政宗の熱が高まる。
「俺を、疲れさせないようにするんだろう? 動けよ、小十郎。でなきゃ、俺が全力で暴れるぜ」
「んはっ、ぁ、は」
 ゆさ、と揺らせば小十郎が腰を振る。抱き締めるように小十郎の胸乳を掴み、尖りを指の腹で潰せば、絡む媚肉が蠢動し、ゴロゴロと大根が動いた。
「はっ、はぁ、お、ま、さむねさまっ、ぁ、い、一旦、ぁ、抜いて、くださ」
「Ah?」
「だ、大根が、擦れて」
「気持ちがいいだろう?」
「っ、はぁ、なりませっ、ぁ、政宗様っ、ぁ」
 起こした小十郎をふたたび倒し、政宗は彼の尻を掴みガムシャラに牡で突き上げた。
「ぁひっ、ぁ、はぁおおぉっ、おやめっ、ぁ、くらさっ、ぁはぁ」
「ろれつが回ってねぇぜ、小十郎」
「んひぃっ、ぁ、も、ぁあ」
 首を振る小十郎の髪が乱れる。拳を握り快楽に堪えようとする広い背中を見下ろしながら、政宗は容赦なく腰を打ち付けた。
「っ、すげぇな、小十郎」
「はひっ、は、はぁあ、政宗様っ、ぁ、大根がっ、ぁ、ご、ごりごりっ、ぁ、から、も、おやめくらさっ、ぁ、はひぃい」
「止められるかよ、くっ」
「んはぁおおぉおっ」
 抉りながら深く貫き政宗が放てば、小十郎が背を反らして絶頂を迎える。ぶるぶると震えながら子種をしたたらせる小十郎の余韻が終わらぬ間に、政宗は彼を仰向けに転がし、再び圧し掛かった。
「ぁはっ、ぁ、政宗様っ、ぁ、そんっ、ぁ、はぁあっ」
「こんなもんで、根を上げるお前じゃねぇだろう、小十郎」
「ひぁおううっ」
 穿ちながら胸乳の尖りをひねり上げれば、小十郎が吼える。
「はぁ、小十郎。すげぇ、熱い。大根のはちみつ漬けなんかより、お前のほうが風邪によく効くんじゃねぇか」
「はぁ、あ、そん、そんぁ、こっ、ぁ、ございませっ、ぇあ、うぅ」
 淫蕩に浸り乱れた小十郎の顔に、政宗が唇を寄せる。
「たまんねぇ。もっと、もっとグチャグチャに乱れて見せろ、小十郎」
「んひっ、ぁ、あはぁ、大根っ、ぁ、政宗様、抜いっ、ぁ、は」
「All right 小十郎。次イッたら、箸で掻きだしてやる」
 にやりと剣呑に了承した政宗に、小十郎が目を剥いた。
「そんっ、ぁ、なりませっ、ぁ」
 ぶるぶると首を振る小十郎に、クックと政宗が喉を鳴らす。
「遠慮すんなよ、小十郎。お前が俺の世話をするように、お前の世話も、たっぷりとしてやる。箸で広げて奥まで見ながら、全部、掻きだしてやるからな」
「ひっ、ひはっ、ぁ、そんっ、らめぁ、なりませ、ぁ、政宗様っ、ま、ぁはぁああああっ」
 想像したのか、激しく胴震いをした小十郎の媚肉が締まり、政宗を絶頂へと導く。促されるまま放った政宗の熱と呼応し、小十郎も弾けた。
「はひっ、は、はぁ、あ、なりませ、ぁ」
 余韻に体を小刻みに震わせながら、快楽の涙をこぼし首を振る小十郎の額に、政宗が唇を押し付ける。
「なら、それはガマンしてやる。変わりに、俺が枯れるまで付き合えよ、小十郎」
「ひんっ」
 足を抱えて軽くつつけば、小十郎が高く細く啼いた。
「風邪も、俺たちの熱に焼き尽くされて、退散するだろうな」
 政宗の予想通り、ぞんぶんに乱れて疲れ果て眠り、目を覚ますと政宗の体はすっかりと良くなっていた。それはよろしゅうございました、と刺々しく言い放った小十郎は、数日の間、政務以外では政宗の言葉を無視し、ひとことも喋らずに政宗を避けて過ごし、怒りを示しつつ妙な趣向にこの上もなく乱れた自分を自戒した。

2014/02/14



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