「ふう」 腕で額を拭った小十郎は、雑草を取り除いた畑の姿に、やわらかく目を細めた。 この時期、畑の手入れを怠れば、すぐに雑草がはびこってしまう。夜明けと共に畑に出て、雑草を抜き、瓜などを収穫して井戸で冷やすことが、近頃の小十郎の日課となっていた。 よく冷えた瓜は、主・伊達政宗の、夏に渇いた喉を潤すのに丁度いいだけでなく、丹精を込めて作ったものなので、栄養価にも自信がある。小十郎は、今日の政宗の休憩に出す瓜は、どれにしようかと吟味しはじめた。そこに足音が現れ、まげていた腰を伸ばした小十郎は、足音の主に目を丸くした。「政宗様」 懐手をして、のんびりとくつろいだ様子で現れたのは、伊達政宗だった。「Morning、小十郎」「おはようございます、政宗様。どうかなさったのですか」 こんな早くに、彼が起き出てくるのは珍しい。「こう蒸し暑くちゃあ、ゆっくり眠ってもいられねぇ。体にまとわりついた、気だるく重い、湿気まじりの熱気を取り除けるモンを、収穫しようと思ってな」「それならば、仰っていただければ、良いものを吟味し、お持ち致しましたものを」「It won't be necessary. 俺は、自分で欲しいものを収穫する」 ふらりと畑に足を踏み入れた政宗は、小十郎の腰を抱き寄せ、無造作に彼の股間を掴んだ。「なっ」「まだ柔らかいな。まぁ、すぐに食べごろになるだろうぜ」 ニヤリとした政宗の隻眼に、艶冶なものが光る。小十郎は主の若さに唖然とした。 その一瞬のうちに、小十郎は逃れる間を失った。 政宗は短袴の隙間から手を差し入れ、下帯の中にまで指を入れ、何の反応も示していない小十郎の牡を掴んだ。「っ! 政宗様」 慌てる小十郎のアゴに、政宗が唇を寄せる。「うっとうしい空気を吹き飛ばすには、最高だろう?」 淫靡に唇を歪ませた政宗の、熱っぽく低められた声音に、小十郎の腰が疼いた。「なりません。政宗様」 小十郎が政宗の腕を掴み、引き離そうとする。が、政宗は彼の急所を手の内に収めている。強く手を握れば、抵抗はあっけなく力を失った。「おとなしく、俺に収穫されていな」「ぁ、政宗様、こんな早朝から、このような場所で……ッ」「仕方ないだろう? 畑に来なきゃ、欲しいモンが収穫できなかったんだからな」「っは、ぁう」 政宗が小十郎の牡のクビレに指をかけ、裏スジを親指で刺激した。蜜口からクビレまでを擦られ、小十郎の太ももがわななく。「朝露に濡れた果実は、最高に旨いんだろうな」「ふっ、んぁ、お戯れを……っ、おやめくだ、ぁいぃ」 蜜口に爪を立てられ、小十郎は上がりそうになった嬌声を、喉奥で潰した。「イイ? 気持ちがいいんなら、もっとしてやるぜ」「違っ、ふ、んぅう」 容赦なく責めたてられる陰茎は、みるみるうちに熱を持ち、血を凝らせて欲の印を滲ませる。「熟れてきたな」「っ、もう、おやめくださ、ぁ、あぁ」 牡の根元が痺れたように熱く、蜜嚢がもどかしく疼くのに、小十郎は詰まりそうになる息を必死で整え、主の悪戯を諌めようと彼の肩を掴んだ。「ここまで来て、やめろは無ぇだろう? 小十郎。こっちも硬く熟れているくせに」「ふはっ」 歯を見せて笑った政宗が、小十郎の胸元を唇ではだけ、たくましく盛り上がった胸筋に、プツリと膨らんでいる硬い実に舌を伸ばした。チロチロと舌先で転がせば、小十郎が小刻みに震えた息を吐く。「っは、は、ぁ、おやめ、くださ、ぁ」「説得力が、皆無だな」「ふはっ、は、ぁはぁうう」 胸乳はもどかしいほど優しく、牡は嵐のように激しくする政宗の性技に、小十郎の野欲が揺さ振られる。喉を引きつらせ、息を詰まらせ、小十郎は粟立つ肌身を押さえ込もうと、手足の指を握りこんだ。「ふっ、ぅ、うぅ」「強情が過ぎると、苦しい目に遭うってわかってんだろ? ……Oh, I get it 小十郎」 政宗の瞳が、妖艶に暗く光った。「拷問に近い快楽を所望ってワケか」 剣呑な笑みに声を震わせた政宗に、小十郎はビクリと身を強張らせた。「なっ……違います! そのようなことは、望んでなどおりません」「Ok,Ok ……わかってるぜ。小十郎。竜の右目って立場も失うぐらい、乱されてぇんだろ」「違っ、ぁ、ひぁあぉう」 小十郎の腰に回した腕に力を込めた政宗は、彼の胸筋に吸い付き舌を絡め、歯を立てて硬く小さな実を味わい、下肢に熟れる滾りがはじけぬように、けれど狂うほどの快楽を与えるために、先端を指の腹でこねまわした。「はっ、はひっ、ぁ、やめっ、おやめくださっ、ぁ、こんっ、は、誰かが、来たら……っ」「来たら? この畑で収穫できる、最高の果実を食らう姿を、見せつけてやるまでだ」「そんっ、は、ぁあ、おやめっ、おやっ、ぁ、ひぁううっ、も、おやめくださっ」 政宗の着物を握り、小十郎が涙目で訴える。それを無視して、政宗は彼を責め続けた。「はひっ、は、はふぁあ、ぁ、もぉ、ま、まさむねさまぁ、あ」 ガクガクと小十郎の足が震え、今にもくず折れそうなことに気付き、政宗は彼を責める手を止めぬまま、ゆっくりと体を動かし、畑のへりに移動して、小十郎を草の上に寝かせた。「はふっ、ぁ、政宗様ぁ」 過ぎた快楽に涙を溢れさせ、唇を震わせている小十郎に、竜の右目としての威厳は見当たらない。たくましく鍛え抜かれた四肢をくねらせ、快楽にもだえる姿に政宗の牡は隆起した。「最高だぜ、小十郎」「ふはっ、ぁ、はぁあ」 小十郎の頬の傷を舌でなぞった政宗は、彼の着物を剥ぎ取った。帯で彼の両手を縛り、左肩と結びつけて固定する。「ふっ、ぁ」 達せぬ牡が切なくて、小十郎は太ももを擦り合わせた。それを眺めつつ、政宗は着物を脱いだ。自分の帯で小十郎の右ひざを縛り、それを彼の右肩に固定する。「あぁっ」「旨そうだ」 政宗は舌なめずりをし、下帯からはみでた小十郎の牡先を爪で弾いた。「ひんっ」「たまんねぇぜ、小十郎」「ぁ、もぉ、これ以上はっ、ぁ、は、ぁあ」 達せぬ責め苦を続けられてはたまらないと、小十郎は首を振る。髪を包んでいた手ぬぐいが外れ、きっちりと後ろになでつけ、整えられていた髪が乱れた。「まだまだイケんだろ? もっと蜜を出さねぇと、種付けが出来ないだろう」「ひっ、ぁ、種付け、ぁ、は」「そうだ。オマエの蜜でオマエを潤わせて、俺の種を植える。野菜を育てるには、しっかりと土を耕し、肥料と水を与えてやんなきゃならねぇんだろ? その為に必要なモンを、この果実から絞っているんだ」「はひっ、ぁ、そんっ、は、はぁあ」「俺が十分だと思うまでは、イカせねぇぜ?」 一段と低くなった政宗の声に、小十郎は涙を溜めた目を見開いた。冗談とは思えぬ政宗の顔に、自分が何をされるのかを悟る。「そんっ、ぁ、おやめくだっ、ぁ、狂う、っ、は、狂ってしまいますっ」「狂わせるつもりだ」「やめっ、ぁ、は、はぁあっ」 政宗は小十郎の牡を責め、粘着質のある透明な液体をたっぷりと湧かせた。「はひっ、んはっ、は、や、ぁあう」「イキのイイ果実だな、小十郎。果汁をしたたらせながら、ビクビク痙攣してやがる」 溢れるものを指に絡め、政宗は小十郎の秘孔に塗り込めながら会陰を刺激し、射精を止める。逆流する子種と、空虚な絶頂に責められ、小十郎の意識が崩壊した。「は、はひっ、はぁあううっ、やめぁ、あ、もぉ、や、ぁあ」 過ぎた快楽に脳髄まで犯された小十郎が、小さな子どものように泣きじゃくる。理性も何もあったものではない彼の姿には、普段の獰猛な気配を押さえ込んだ沈着な様子は欠片も見当たらなかった。「どうだ、小十郎」「もぉ、こんっ、ぁ、はっ、はぁ、やめっ、やめぁあ」 快楽に屈した小十郎は、もはや周囲をはばかる余裕など持ち合わせていない。終わりのない快楽に腰をくねらせ、自由にならぬ手足に身もだえながら懇願した。「も、イカせ、っ、イカせてくださっ、ぁ、ああ」 さんざんに絞った蜜を使い、小十郎の秘孔をほぐした政宗は、彼の望みを叶えることにした。「いいぜ、小十郎。好きなだけ、ぶちまけろ」 小十郎の腰を掴み、政宗が猛りきった自身を押し込む。「はひっ、ひぁあおおぅっ」 小十郎は背を反らして高く啼き、腰を震わせ絶頂を迎えた。「くっ」 媚肉に陰茎を引き絞られた政宗が、流されぬよう奥歯を噛み耐える。「はっ、はぁ、あ、は」 恍惚としながら震える小十郎に口付け、政宗は彼が絶頂の終わりを見る前に、腰を激しく打ちつけた。「はひっ、はんっ、はっ、ぁ、ああ」「一人だけ、気持ちよくなってんじゃねぇよ」「ひはぁうっ、ぁ、はぁおおくっ、おくぅうっ」 容赦なく媚肉を抉る熱に、小十郎の肉壁が縋る。それを振りほどくように、政宗は若さにまかせて揺さ振った。「そうだ、奥だ。小十郎……奥に、俺の種を植え付けてやる」「ふっ、ふぁ、あ、ま、さむねさまぁ、あ」「欲しいだろう? こんだけ耕されてんのに、種を植えられねぇんじゃ、意味がないからな」 耳朶を噛み、声を耳に注ぐ政宗に、小十郎は揺さ振られながら頷き、求めるように実をくねらせた。「奥にっ、ぁ、あ、政宗様の種を、奥にっ、は、ぁあ、この小十郎という畑に、政宗様の種を――っ」「たっぷり植えてやるよ。俺を酔わせる媚薬の蜜を、溢れさせる果実を育てるためにな」「はひっ、は、はぁああぁああっ!」 媚肉という名の畑を耕していた政宗が、小十郎に淫靡な果実を実らせる種を植えた。熱く吹きつけた種に、淫蕩の実はすぐに熟れ、弾けて媚香の果汁を撒き散らす。「は、はぁ……は、はひっ、ぁ」 全身をわななかせる小十郎の戒めを解き、政宗は浅く荒い息を吐く唇を、自身の唇で覆った。「んふっ、ふ、んんぅ」 気だるく甘い小十郎の呼気を味わい、あえぐ胸筋に手のひらを滑らせて、硬い実を摘む。「ふっ、は、ぁ、政宗様、もぉ……」「終わり、だなんて言うなよ? 小十郎。まだまだ、食い足りねぇんだよ。俺の種で、淫靡に熟れ続けさせてやる」「は、ぁ、そんっ、ぁ、も、おやめください」「小十郎」 熱っぽくささやかれ、小十郎の脳が揺れて姦濫に沈む。「Mature in lasciviousness 小十郎」「ふは、ぁ、は、も、ぁあ――〜〜〜〜っ!」 グズグズに溶けてしまうまで、小十郎は政宗に耕され、あふれる果汁を収穫され続けた。 2014/08/03