めずらしかな野菜を積んだ南蛮船が港についたと聞き、片倉小十郎は早々に仕事を切り上げ、港に行った。 奥州を統べる竜、伊達政宗の失った右目と称されるほどの腹心である小十郎は、野菜作りを趣味とし、その腕前は全国に轟くほどである。滋味に富んだ野菜を育てる事が好きな小十郎が、めずらしかな南蛮の野菜があると聞いて、じっとしていられるわけがない。 雪深い奥州は作物を育てる期間が南の地よりも短い。冬が長いぶん、保存の利く、安定した収穫を見込める野菜が領民には必要だという建前のもと、趣味と実益を兼ねた探究心のために、小十郎は南蛮船の持ち主である商人に話をつけ、その野菜を見せてもらえる事となった。「こ、これは……野菜、か?」 白く、つややかな野菜を渡された小十郎は、呆然としながら両手で包んだ。桃のような色をした、蕪に似た形のそれは、すべすべと手になじむ。ぷつんと赤く色づいたヘタを見て、小十郎の胸は轟いた。「……まるで、女の乳じゃねぇか」 目じりを朱に染めた小十郎に商人が、みずみずしさを長期にわたって失わない野菜なので、船旅の時に水と共に大量に積んでおくのだと説明をする。この国の小判は金の質が良いので、それと交換ならば譲っても良いと言われて小十郎は迷った。それに気付いた商人が、育て方なども教えておこうと言う。ううむと唸った小十郎の脳裏に、ザビー教の育てる妙な野菜の姿がよぎった。あれの育て方は、外に漏れぬようにされている。そのため、求める者は言い値で買うしかない。それが教団の財政を潤していると聞いた。これを育てることができれば、売上げで財政を潤し、飢饉の折の貯蓄も十分にできるのではないか。 そこまで考えた小十郎は、商人に切餅(二十五両)を一つ渡した。商人は手押し車に野菜の詰まった樽を乗せ、水手(かこ)の一人に指示をして小十郎の屋敷に運び入れた。 私室で野菜をためつすがめつした小十郎は、女の乳に似た野菜に口をつけることをためらう。そのままかぶりつくのが一番だと教えられたが、歯を立てるということに抵抗のある見た目をしている。しかし、いつまでも手の中で転がしておくわけにもいかないと、小十郎は意を決してかぶりついた。「んっ」 じゅわ、と汁が溢れ、慌ててすする。柔らかな果肉の奥に、とろりとした汁がたっぷりと含まれている。その汁の中に小さな種がいくつもあった。種ごと食べられると、商人は言っていた。小十郎はそのまま全てを食べ尽くす。後を引く甘さが口内に残り、どこかなつかしさを感じる味に、もう一つ、と手が伸びた。 商人は食べすぎると大変な事になると言っていた。体を悪くするのかと問うたが、悪くはならないが困った事になると、具体的な事は言わずにそればかりを繰り返した。三つ以上は食べるなと言われたが、大変な事が何であるのか気がかりだ。作る以上は、摂取した場合の特性も知っておかなければならないと、小十郎は言い訳のように思いながら食べ続けた。 五つ目を食べ終えた時に、小十郎は違和感を覚えた。胸乳の先が、ムズムズする。けげんに思いながら目を落とせば、着物が濡れていた。汁をこぼしたにしては、妙だと前をはだけた小十郎は、頬を引きつらせる。「これは……」 商人の言っていた大変な事というのは、これだったのかと愕然とした。 すん、と鼻を鳴らした政宗が、妙な顔で小十郎を見る。「……女でも出来たか」「は?」 唐突な質問に、小十郎の口から頓狂な声が出た。「突然、どうなされたのです。この小十郎に女が出来たなど、ありえませぬ」「そうだよなぁ」 にやりとした政宗が小十郎の顎に手をかけた。「女を抱く余裕なんざ、無ぇだろうからな」 蠱惑的にきらめく政宗の瞳に、小十郎の喉が鳴る。すると政宗が鼻をうごめかせた。「匂いが強まったな」「何の匂いですか」「乳くせぇんだよ」「気のせいでしょう」「いいや。こんだけ匂ってんだ。気のせいなわけが無ぇだろう」 鼻を蠢かせた政宗が小十郎の襟を広げた。「何をなさいます」「Ah?」 うろたえる小十郎を、政宗がいぶかった。「何度も抱いているが、そんな台詞を聞いたのは初めてだぜ」「そ、そうでしたか」 怪しいな、と政宗が目を細める。「なんで、晒なんて巻いてやがんだ」「そういう日もございます」「何を隠している」「何も隠してなど、おりませぬ」「ほう?」 にやりとした政宗が、小十郎の頭を抱えて口を塞いだ。「んっ、んんっ」 口腔を舌でなぶられ、小十郎が四肢を強張らせる。晒の上から鍛え抜かれた胸筋を探られ、小十郎は身を捩った。政宗の指が胸乳の尖りあたりで止まる。「ん?」 ひく、と小十郎の頬がひきつった。顔を離した政宗が、小十郎の胸乳に顔を寄せて匂いをかぐ。「ま、政宗様」「なんで濡れているんだ」「それは……ぁあ」 政宗が尖りを絞れば、乳の匂いがふわりと増して晒が濡れた。 悪童の顔になった政宗に、これ以上の誤魔化しは無理だと悟った小十郎は、私室に政宗を招き、事の顛末を語った。「The vegetables which promote mother lactation」 商人がくれた野菜の種の袋に書かれている文字を、政宗が読みあげる。どういう意味かと小十郎が目線で問えば、政宗はひどく楽しそうに答えた。「母乳の分泌を促進させる野菜、だそうだ」「なっ」 絶句する小十郎に、政宗は楽しそうに野菜に手を伸ばす。「政宗様っ」「一個なら、問題ねぇだろ」 ためらいなくかじった政宗が、なるほどなとつぶやいた。「次も食いたくなる味だ」「……」 小十郎が身を小さくする。それを面白そうに眺めつつ食べ終えた政宗が、小十郎の肩に手を伸ばした。「見せてみろ」「……は」 短く答えた小十郎が晒を取る。ピンと尖った胸乳の先から、とろりと乳がにじんでいた。「ふうん」 観察する政宗の視線に、小十郎の心音が高くなる。政宗が尖りを指先で弾けば、ピュッと乳が飛んだ。「あっ」「すげぇな」「袋には、対処法が書かれていたのですか」 小十郎の質問に片頬をゆがめた政宗が唇を舐める。獲物を狙う獣のような様子に、小十郎の腰が疼いた。「俺に身を任せて、じっとしてな」「は」 短く答えた小十郎の乳を政宗が両手で包み、外側から内側へ揉みしだくと、トロトロと乳が溢れる。こぼれる乳に舌を伸ばして政宗が吸えば、小十郎が小さく身をよじった。「はっ、ぁ、あ」「なるほど。甘ぇな」「んぁ、政宗様」「おとなしくしてろよ」「は、ぃ」 乳を味わった政宗が、小十郎の胸筋を乱暴に揉んだ。「いつもより張ってる感じがあるな」「んぁ、あっ、は、政宗様、ぁ」「痛いか」 小十郎が首を振る。揉みしだかれる小十郎の胸からあふれた乳が、筋肉の筋をつたって落ちる。「ずいぶんと溜まっているようだな。全部、出しちまったほうがいい」「え……ひぁ、あ、ああっ」 両の乳首を絞られて、小十郎が高い声を上げた。勢いよく吹き出す乳に、驚愕と羞恥が全身を覆い尽くす。「ぁ、ああ、乳が」 飛び出た乳が政宗の顔を濡らした。「申し訳ごさいません」 恥じ入る小十郎に、政宗が唇を寄せる。甘い香りが鼻腔を埋めた。「自分の乳、味わってみるか」 艶冶な政宗の笑みに、小十郎の意識が吸い込まれる。欲に濁った小十郎の瞳に、政宗の唇が触れた。「政宗様」 うっとりと呟いた小十郎が膝を開く。それに気付いていながら、政宗は乳への愛撫に固執した。「ふっ、ぁ、政宗様……は、ぁあ」 乳を強く吸われ、小十郎は顎を仰け反らせた。伸び上がった政宗が、小十郎の顔を被うように唇を重ねる。政宗の舌を受け入れるために開いた小十郎の喉に、甘いものが流れ落ちた。「自分の乳の味は、どうだ?」 小十郎の顔が熱を持つ。赤くなった小十郎の唇を丹念に味わった政宗が、着物を脱いだ。それにあわせるように、小十郎も着物を落とす。政宗の下帯が膨らんでいるのを目にした小十郎は、手を伸ばして彼の腰を掴んだ。「失礼致します」 いつものように彼の牡をしゃぶろうとした小十郎の唇を、政宗の指が止める。「No、小十郎」 疑問を浮かべた小十郎から、政宗が一歩下がった。「自分で乳を搾って見せろ」 ニヤつく政宗があぐらをかいた。口をひきむすんだ小十郎に、下帯を外しておけよと政宗が言う。頷いた小十郎が下帯を解けば、ぶるんと屹立した牡が現れた。政宗が口笛を吹く。「漏れていたのは、乳だけじゃなかったようだな」「申し訳ございません」「咎めてねぇよ」 政宗が顎をしゃくり、小十郎は膝を立てて足を開き、自分の乳に手を添えた。「んっ、は」 自分で乳をこねる小十郎の牡から、トロリトロリと蜜が流れる。「んっ、ん」 しばらく眺めていた政宗は、おもむろに立ち上がり小十郎の乳に吸いついた。「はっ、ぁ、ああっ」 強く吸われ、のけぞった小十郎が倒れる。そのまま足を抱えられた小十郎は、尻を割られて息を呑んだ。政宗の顔が小十郎の下肢に埋まる。唇が秘孔に触れて、小十郎の体は期待に震えた。「ふ、ぁ」 秘孔に液が注がれる。それが自分の乳だと気付き、小十郎は下唇を噛んだ。 そのまま舌で媚肉を探られ、小十郎は政宗の髪に指を絡める。「は、ぁ、政宗様、ぁ、あ」 呼びかけに応えるように顔を上げた政宗に、小十郎が濡れた目を向ける。艶やかな唇を開いた政宗が、小十郎の牡をしゃぶり秘孔に指を押し込めた。「んはっ、ぁ、政宗様、ぁ……そんっ、ぁ、は、ぁあっ」 身悶える小十郎の胸乳は、とめどなく乳を溢れさせている。それが恥ずかしいのか、小十郎は両手で乳を覆った。「隠すなよ」「ですが」 目を泳がせる小十郎に苦笑して、政宗は身を起こした。「ガキもいねぇのに乳が出るのは、恥ずかしいか」 政宗の指摘に、小十郎の全身が赤くなる。「男が、乳を出すなど」 震える声で小十郎が零せば、慈しむ光を瞳に湛えた政宗が唇を寄せる。「これで、俺の子種をたっぷり注げば、孕んじまうかもな」 政宗のたわむれに、小十郎が稲妻を受けたように硬直する。「It's a joke」 つぶやいた政宗が小十郎の耳朶に唇を寄せる。「俺の子種も、漏れちまいそうだ」 淫靡なささやきに小十郎の胸がわななく。「どうぞ、ご存分に」 小十郎が足を開き、政宗を招いた。応じた政宗の牡が小十郎を押し開く。「ぁぐ、ふ……ぅあ、あ」 腰を浮かせて受け止める小十郎の胸乳から、小刻みに乳が吹き出す。奥まで進んだ政宗が、小十郎の乳を搾りながら腰を揺すった。「んはっ、ぁ、政宗様、ぁ、ああっ」「乳の匂いと牡臭ぇのとが混ざって、妙な感じだな。小十郎」「は、ぁあっ、あ、政宗様、ぁ、そんっ、絞っ……」「張った乳は、絞っちまうのが一番だろう?」「ひふっ、ぁあ」 穿たれ絞られ、小十郎は首を振りながら政宗を求めるように腰をゆすった。怒張した小十郎の牡が揺れて、蜜がふりまかれる。「自分で全身を濡らしながら悶える小十郎が見られるとはな」「んぁあっ、は、政宗様、申し訳ございませ、ぁ」「なんで、謝る」「こんっ、こんな、はしたない」「上等じゃねぇか。もっと漏らせよ、小十郎。I get sexually excited」 クスクスと楽しげにささやく政宗の息に煽られ、小十郎は高く啼きながら主にすがった。「ふぁ、あ、ぁあ、政宗様、ぁ、このままでは、ぁ、おかしく……なってしま、ぁ」「なりゃあいいだろう? 俺しか見てねぇんだ」「んっ、は、ぁ、あああっ」 政宗に促されるまま、小十郎は腰を振りたて熱を求めた。勇躍する媚肉に誘われ、政宗が弾ける。「くっ、ぅ」 短い呻きと共に注がれた熱に、小十郎が極まった。「は、ぁ、ああっ、でるっ、ぁ、ああっ、で、ぁ、ああぁああ」 媚肉で政宗の陰茎にすがりながら、小十郎は勢いよく子種を吹き上げた。それにあわせて乳も吹き出す。「んはぁ、ぁ、ああっ」「Ha! すごいな、小十郎。鯨が三頭、いるみてぇだせ」「ふっ、ぁ、ああ、政宗様、ぁ、ああ」 弛緩しながら、小十郎は物欲しそうな目を政宗に向けた。政宗の唇が、伸ばされた小十郎の舌を吸う。「まだまだ、乳はタップリとあるみてぇだな」「ひうっ」 胸筋を押された小十郎が、乳を零す。「は、ぁ……全て、搾り取っていただけますか」「Of course, you may.……他に、適任はいねぇだろ?」 軽く肩をすくめた政宗に、小十郎が恥ずかしげに「はい」と呟き目を伏せた。「よろしく、お願いいたします」「枯れるまで、搾り取ってやるよ」 その言葉どおり、政宗は小十郎の乳を搾りながら、自分の欲を彼に注ぎ続けた。 新たな性交に味をしめた政宗は、くだんの野菜を人知れず育てるよう小十郎に指示し、小十郎はただ主との戯れのためだけに、めずらしかな野菜の栽培を開始する。 2015/02/08