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蛇に噛まれたM十郎

 畑の雑草抜きをひと段落させ、さて帰ろうかと小十郎があぜ道に上がると、きゃあっと短く黄色い悲鳴が聞こえた。
「蛇っ!」
 見れば、村娘が草むらに向かって身を震わせている。
「じっとしていろ」
 小十郎は大股で近寄り、娘の足元に蛇の姿を確認すると、蛇の頭を草むら方向へ蹴った。蛇は驚き飛び跳ねる。あと一回で、蛇は草むらに入る。そう判断した小十郎は足を草に滑らせて蛇を蹴ろうとし――、蛇はシュルリと飛び上がって、小十郎の四幅袴の裾から入り込み、下帯ごしに小十郎の宝袋にかぶりついてしまった。
「むうっ」
「片倉様?」
 娘の心配そうな疑問の声が、小十郎の背中に触れる。
「なんでもねぇ」
 娘の前で袴を脱いで、蛇に噛まれている姿をさらすわけにはいかないと、小十郎は草むらに踏み込んだ。
「蛇を追い立てるついでだ。奥の川で汗を流してくる」
 そう言って奥に入った小十郎は、木々が娘の視界から自分を隠すまでは悠々と、隠れてからは足早に河原に向かった。
 その間にも、蛇はきつく小十郎の宝袋を噛んでいる。幸い、いついかなるときでも賊に対応できるよう、硬く厚めに下帯を撒いていたので、蛇の牙は布に阻まれ肌に到達していなかった。しかし、それだからこそ、圧迫が妙な刺激となって小十郎を襲ってくる。
「んっ」
 小十郎の陰茎に血が集まる。小十郎は河原に立つと、慌てて袴を落として着物の前を開いた。蛇が股間にぶらさがり、身をくねらせている。ぬらりとした蛇肌が太ももを擦って、ジワリとにじむ淫らな気配をあおった。
「ふっ……」
 小十郎が蛇に頭を掴もうとすると、
「小十郎!」
「ま、政宗様」
 ザッと草を慣らして、小十郎の主であり奥州の領主でもある伊達政宗が現れた。
「っ! ヤロウ」
 政宗の出現に小十郎が驚いている間に、蛇に気づいた政宗が腰の刀を一閃。蛇の胴が地面に落ちた。
「政宗様、どうして」
「後にしろ」
 忌々しげに足を踏み鳴らして小十郎に近寄った政宗が、乱暴に蛇の頭を掴んで川に放り投げた。
「小十郎にかみついていいのは、俺だけだ」
「政宗様……」
 小十郎は、どう返事をすべきか困った。政宗はさっさと小十郎の足元に膝をつき、手のひらでそっと小十郎の宝袋を持ち上げる。
 ゾクリと小十郎の腰に甘美なものが走った。
「下帯で牙を抑えられたので、問題ありません」
「Hold your tongue、小十郎。平気かどうかは、俺が判断する」
 政宗が隻眼を鋭く細め、唇を舐めた。艶やかな気配をまとった表情に、小十郎の心臓と股間が跳ねる。
「ずいぶん、しっかりと噛まれたみてぇじゃねぇか。わずかに布に、へこみができてるぜ」
 政宗の指に噛まれていた箇所を擦られ、小十郎はうめいた。
「政宗様……」
 息を詰めた小十郎の声に、政宗は嫣然と言った。
「俺の右目の具合は、俺が確かめる。――わかったな」
「……はい」
 あらがう理由を、小十郎は持っていなかった。政宗は下帯ごしに、やわやわと小十郎の宝袋を揉んで具合を確かめる。
「っ……、ん」
 ジワジワと広がる甘い刺激に、小十郎の総身に力が入った。
「たしかに、肌に牙は到達してねぇみたいだが」
 言いながら、政宗は小十郎の下帯を解いた。立ち上がりかけている小十郎の陰茎に、政宗の息がかかる。
「念のため、毒を吸い出しておかねぇとな。――そうだろう? 小十郎」
「――は」
「毒を吸い出してくれって、そう言えよ」
 政宗の目がいたずらっぽく光る。
「ど、毒を吸い出していただけますか、政宗様」
「OK」
 政宗の薄く形のいい唇が開き、小十郎の宝袋を咥える。
「んっ、ぅう」
 温かな口内に宝袋を含まれて、吸いながら舌で押したりはじかれたりする。政宗はたのしげに小十郎のやわらかなそこを味わった。
「っ、は……、政宗様」
 小十郎が下を向くと、勃起した己の陰茎ごしに主の淫らな瞳があった。淫靡な光景に、小十郎は身震いする。
「っは……、政宗様」
「どうした、小十郎」
 政宗がニヤリとして、小十郎の鈴口に人差し指を当てた。つつう、と根元まで撫で下ろされて、小十郎の喉奥から熱い息が漏れる。
「は、ぁ……」
 政宗は猫のように目を細め、小十郎の宝袋を吸いながら、陰茎のくびれを指の腹でくすぐった。擦られるたびに官能に苛まれる小十郎の膝から、じょじょに力が抜けていく。
「ま、政宗様」
「どうした」
 どう言えばいいのか、小十郎は迷った。政宗はニヤニヤしている。
「これ以上は……」
「なんだって言うんだ?」
「それは、その」
 目をさまよわせる小十郎が言いたいことを、政宗は察していながらとぼけている。言わなければこのままだと、小十郎は観念して羞恥を腹の奥に抑えた。
「これ以上、確かめられては……、立ってはおれなくなりますので」
「Why?」
 たのしげな政宗に、小十郎は息を詰めた。心音が高く大きくなっていくのを自覚しながら、小十郎は答えた。
「このまま、ふぐりを吸われていては、勃起をし、先走りを出してしまいますので」
「出たら、俺が飲んでやるよ」
 グッと小十郎は息を呑む。この返答では、政宗の満足には至らなかった。ならばと再び、興奮していく自分を意識しながら口を開く。
「脚から力が抜けて、立っていられなくなります」
 触れられていない乳首が疼くのを、小十郎は感じた。肌が粟立ち、呼吸が浅くなる。
「どうして、そうなる? もっと具体的に、俺にわかりやすく言ってくれよ、小十郎」
 言わされている間にも、政宗の息が濡れた宝袋や陰茎に触れて、淡々とした刺激を小十郎に与えていた。小十郎の陰茎はもはや立派に屹立し、たくましく脈打っている。
「き、気持ちがよすぎて股間が張りつめ、脚に力が入らなくなるのです」
「Fun……」
 満足そうに、政宗が鼻を鳴らす。
「なら、そこの岩にもたれかかりな」
 政宗が顎で示したのは、川中にある大岩だった。小十郎はひざ下ほどの川に踏み込み、示された大岩に背中を預けた。政宗は手早く裸身になって、小十郎に続いた。政宗の透けるように白く、引き締まった肌が陽光に輝いている。その股間にあるものは、力強く天を向いていた。ゴクリと小十郎の喉が鳴る。
「脚を広げろ、小十郎」
「……はい」
 かすれた声で答えた小十郎は、岩の斜面に体重をかけた。自然と腰を突き出す格好になる。政宗が小十郎の脚の間にしゃがみ、ふたたび宝袋にしゃぶりついた。
「っ、は……、あっ、んんっ」
 先走りがこぼれ出る。宣言通りに、政宗が舌を陰茎に這わせて舐めとった。そのままチロチロと鈴口をくすぐられ、小十郎は指をさまよわせた。
「掴むところが欲しいなら、自分の乳首をいじっていろよ。どうせ、立ってんだろう?」
 図星を指され、小十郎は唇を噛んだ。
「ほら……、小十郎。俺の背中を守るために、鍛えた胸筋を出して見せろ」
「はい」
 小十郎は震える指で襟をくつろげた。盛り上がった胸筋の先の色づきが、存在を主張するように膨らみ震えている。小十郎はそこに指をかけ、つまんだ。
「んっ……」
「濡れているほうが、いいか」
 立ち上がった政宗が、小十郎の指の間に舌を差し込んだ。
「ぁ、は……、政宗様」
 そのまましっかりと味わってほしい。
 小十郎は指を離した。
「ちゃんと自分でいじりな、小十郎」
 政宗の唇は、もう片方を濡らすとあっさり離れた。
「ほら、小十郎」
 一歩下がった政宗が腕を組む。小十郎はソロソロと乳首をつまみ、指の腹でこねた。
「っは……、んっ、ぅ」
 ジンと浮かんだ淫らなしびれが、ゆっくりと全身に広がるにまかせて、小十郎は己の欲望を高めた。乳首の刺激に呼応した陰茎から、ダラダラと欲汁がこぼれ出る。政宗は薄い笑みを浮かべて、明るい太陽の下で乳首を自慰する小十郎をながめた。
「政宗様」
「どうした」
「……っ」
 股間がうずいてたまらない。小十郎は政宗が求めている言葉を理解していたが、羞恥のために言えなかった。政宗は、それを言わせるためにとぼけている。
「ああ、政宗様」
 小十郎はジリジリとあぶられる快感に、うっとりと目を細めた。数度擦れば、あっけなく放てそうなほどに陰茎は凝っている。政宗の視線に犯されるよろこびに、小十郎はめまいを覚えた。
「っ、政宗様……、ああ、あっ」
 しかし、いつまでも耐えてたのしめるものではない。小十郎は手を陰茎に伸ばした。
「No、小十郎」
 ビシリと手を打たれる。
「そっちを触っていいとは、言ってねぇぜ」
「ああ……」
 小十郎の意識は本能に従い、射精に向かって流れていた。四肢に力がこもり、筋肉が盛り上がる。
「政宗様……、もう、もう」
「なんだ? はっきり言えよ」
 小十郎は硬く目を閉じると、望みを放った。
「ガマンなりません。どうぞ、己を慰めさせてください」
「No, he's not,小十郎。違うだろう? ここに、この俺がいるんだぜ」
 政宗が片頬を持ち上げる。小十郎は心臓が破れそうなほど興奮しながら、政宗の望む言葉を口にした。
「この小十郎のあさましく勃起した魔羅を、おもうさましゃぶりつくしていただきたいっ」
 自分の言葉に意識を乱され、小十郎の陰茎から先走りが吹きあがる。舌なめずりをした政宗が、低く「Ok」と喉を震わせ小十郎の陰茎を咥えた。
「あっ、ああ……っ、は」
 温かく湿った口腔に包まれて、小十郎は恍惚の息を漏らした。政宗の舌は怒張をなぐさめるように陰茎に絡み、赤子が乳を求めるように吸われる。えもいわれぬ快感に、小十郎はうっとりと政宗の髪に指を沈めた。
「は、ぁあ……っ、あ、政宗様、あっ、あ」
「乳首、いじってろって言っただろう?」
「は――、んっ、んんっ」
 小十郎は指を胸に戻して、己の乳首をもてあそんだ。すると政宗は小十郎の陰茎に、軽く歯を立てた。
「っ、はぁあああっ」
 強い刺激に目を見開いた小十郎が、絶頂寸前だった陰茎を破裂させる。政宗は吹きあがるそれに喉を突かれないよう、舌を丸めて受け止めると、筒内にあるものを吸い上げた。
「ふはっ、はぁ、ああっ、あ」
 ぶるる、と震えた小十郎の指は、きつく乳首を押しつぶしていた。絶頂の余韻に胸を喘がせながら、小十郎の指は無意識に動いて己の乳首をやさしく撫でる。恍惚に浸る小十郎の唇に、政宗の唇が押しつけられた。
「んっ、ふ……」
 互いの舌が絡み、小十郎は自分の精液の味を教えられる。生臭いそれが、政宗の口内に放った事実を脳髄に知らしめて、小十郎の股間はふたたび熱を帯びはじめた。
「ふはっ、んっ、ん……、はぁ、政宗様」
「次は、俺の魔羅をしゃぶりな、小十郎。――好物だろう?」
「……はい」
 熱に浮かされたように、小十郎は答えた。ストンと小十郎の腰が落ちて、水しぶきが上がる。小十郎は目の前で隆々とそびえている政宗の陰茎に喉を鳴らし、口を開いた。
「はむっ、んっ、んふ……、んっ、う」
 欲の熱を宿したそれを、小十郎は夢中でむさぼった。政宗の腰を掴み、深く口内に引き入れて頬をすぼめ、頭を上下させながら舌を這わせる。
「んふっ、ふっ、んううっ、んっ」
「うまいか、小十郎」
「んはっ……、はい、んんっ、政宗様の魔羅……、ああ、おいしゅうございますっ、は、ぁあ、熱くて太く、食べごたえが……、んむぅ」
 舌鼓を打ちながら、小十郎は己の股間がたくましさを取り戻したのを知った。政宗も察しているだろうと思うと、小十郎の興奮はさらに増す。
「んっ、んふ……、はむっ、ぅ……、ああ、おいしゅ……、ござ、はふぅ」
 あふれる先走りを喉に通せば、小十郎の尻穴がキュウッと締まった。そこも政宗の陰茎の味を知っている。唇で味わうよりもずっと、そちらでしゃぶりつくほうが好きな体になっていた。
「ん、むっ、んぐっ、んっ、んぅうっ、ふっ」
 しゃぶればしゃぶるほど尻穴がヒクついて、小十郎はたまらなくなった。はやく政宗の精液を喉に通し、体の奥で味わいたい。淫奔に染まった意識で、小十郎は必死に政宗の陰茎に口淫をほどこした。
「んふぅ、ん、んぐっ」
 ぐっと手のひらで後頭部を押されて、小十郎は舌を丸めて鈴口に当てた。次の瞬間、政宗の低いうめきが頭上にこぼれ、口内に熱く生臭いものが広がった。
「んっ、んぐっ、んっ……、はぁ」
 こぼさぬように吸い上げて飲み干し、口内に残る味と匂いを舌を上あごにこすりつけて堪能する。
「おいしゅうございました」
 見上げると、政宗が目じりを淫らな熱に染めて、獰猛な気配をにじませ微笑んでいた。
「――ああ」
 小十郎の羞恥はとっくに消え去り、欲望だけが心身に満ちている。
「政宗様」
 小十郎の切なげな訴えに、政宗は彼の顎に指をかけて聞く姿勢を示した。
「体の奥が、空虚にうずいております。それを、どうぞ政宗様でなぐさめていただきたい」
 小十郎は濡れた瞳を、ヒタリと政宗の視線に当てた。政宗は静かにうなずき、小十郎から離れて脱ぎ捨てた着物へ戻る。そして手に軟膏入れを持って、戻ってきた。
「傷用の軟膏をいつも持たせているのは、こういう用途を期待してか? 小十郎」
「そのようなつもりは……」
「そうだって言えよ、小十郎。俺は、いつでもChanceがあれば、おまえに乗りたい。――なあ、小十郎。おまえは、どうだ」
 政宗の瞳が鋭く細められる。そこに込められた凄絶な淫猥に、小十郎の背骨は焼けるような劣情に爛れた。
「政宗様……」
 ゆっくりと小十郎は立ち上がり、見事に勃起した己の陰茎を掴んだ。
「政宗様の鞘となったこの小十郎に、お腰の猛る刀をお納めいただくは当然のこと。小十郎はいつでも、政宗様の鞘として奥まで刀を受け止める覚悟にございます」
「……まあ、いい」
 言葉は満足できないまでも、淫らにゆがんだ小十郎の微笑みと、鍛え抜かれた肉体にみなぎる淫乱な気配に、政宗は納得をした。
「這えよ、小十郎」
「はい」
 小十郎は政宗に尻を向けて這った。水面に己の顔が映る。
「政宗様」
 肩越しに振り返り訴えると、尻が割られて秘孔の口を撫でられた。
「は、ぁ……」
 期待に、小十郎は息を漏らした。軟膏をすくった政宗の指が秘孔に沈む。
「ぁふっ、ん、ぉお……、あっ、くぅ」
 どれほど求めていても、はじまりに湧き上がる嘔吐感に似た不快はぬぐえない。小十郎は目を閉じて内壁を探る政宗の指に集中した。
「相変わらず、普段の態度みてぇに硬いな」
「んあっ」
 ピシャリと尻を叩かれて、小十郎の腰が跳ねた。
「だが、すぐに乱れる。――そうだろう? 小十郎」
「はい……、政宗様。あなた様の指にて、ひとつ残った小十郎のかたくなな箇所を、ごぞんぶんに」
 言うと、政宗の指はたっぷりと小十郎の秘孔に軟膏を押し込め、塗り広げた。
「あっ、ぁふっ、んぁ、あっ、ぁおお……、おおぅっ」
 軟膏が熱で溶けはじめるころ、小十郎の肉壁は淫靡に収縮し、政宗の指にすがった。それを政宗はふりほどき、指を増やして孔を広げる。
「ぁはぁおおっ、あっ、ああ、あっ、政宗様、ああ、もう……、どうぞ、政宗様を」
「まだだ、小十郎。水の流れに魔羅が冷やされてんだろう? もっとタップリ、熱くさせてやるよ」
「ヒッ、ああ……、冷えてなどっ、ああっ、ございませぬ……、小十郎の魔羅はたぎり、熱く、ああ、水になど冷やされぬほど、やけどを負ったかのように……、熱く、あっ、ああ、淫らに……、ですから、どうか、政宗様の熱杭で、指でさぐっておられる箇所を、淫らに爛れさせてくださいませ――っ!」
 絶叫するように小十郎は求めた。水にさらされている陰茎は、もどかしさを募らせるばかりですこしも癒えはしない。川の流れに先走りが混じるのみだ。
 それをわかっていながら、政宗はあえて焦らしていた。肉壁にある快楽点を擦れば小十郎が弾けるとわかっていながら、たくみにそこを交わしている。小十郎もそれを知りながら、政宗の望みと自分の欲を口に上らせていた。
 ジリジリとあぶられるもどかしさが、たまらなく心地いい。魂をも愛撫され、支配される快感に浸る小十郎は、川面に浮かぶ自分のあさましい乱れ顔を、これが伊達軍の面々に恐れられている男の顔かと笑った。それがまた、なんともいえぬ甘美を引き出す。そしてそれを己に与えているのが、政宗だと思うと小十郎の胸は幸福に押しつぶされそうだった。
「ああっ、政宗様……、は、ぁあ、あっ、もう、ガマンなりませぬっ、はやくっ、あっ、ああ」
「しかたねぇな」
 指が抜かれ、政宗の陰茎があてがわれる。小十郎は暴れ馬のように逸った。
「ああ、政宗様……、政む……っ、あがっ、お、ぐぅううっ」
 圧倒的な質量に貫かれ、小十郎の四肢がこわばった。力のこもった尻にエクボが浮かぶ。政宗の手のひらが、ピシャリとその上を打った。
「んはぁっ」
 尻が揺れた拍子に、政宗の切っ先が肉壁の快楽点を掻いた。目の前に火花が散り、小十郎は棹立ちになった。
「ぁはぁああああっ!」
「くっ、ぅ」
 盛大な絶頂を迎えた小十郎の媚肉が、政宗の陰茎を絞る。こらえた政宗は、小十郎が開放感に弛緩したスキを狙って、深く激しく突き上げた。
「んほぁあっ」
「ひとりで先に、イクんじゃねぇよ、小十郎」
「もっ、もうしわけ……っ、あはぁああ、んおっ、は、はううっ」
 荒馬を乗りこなすように打ちつけられて、小十郎は雄たけびながら身もだえる。突かれれば突かれるほど、乳首はうずいて陰茎がよろこんだ。
「はんっ、はぁあっ、あっ、政宗様ぁあっ、あおっ、おっ、おふぅうっ、はっ、はぁあ」
「どうした、小十郎。降参だとでも言うつもりか」
 汗をにじませ勇躍する政宗の声は、うわずり掠れていた。それが小十郎の意識を愛撫し、腰をくねらせる。
「あぅうっ、ぁはっ、は、ま、まさむっ……、んぁあっ、ああ」
「うまいだろう?」
「はいっ、ああ、おいしっ……、おいしゅうござ……、あっ、ああ、政宗様の魔羅ぁ、あっ、好物……、なれば、ああっ」
「好物だから、なんだ?」
 弧を描くように内壁をえぐられて、小十郎は啼いた。
「ぁひぃいっ、は、はぁあ、政宗様ぁ、あっ、もうっ、あ、ああ」
「だからなんだよ、小十郎」
「子種をっ、ああ、政宗様の子種を……、奥に、注いで……、はふっ」
「飲みたいか?」
「のっ、飲みたい……、政宗様の子種を、飲ませてくださ……、っあぁあ」
「いいぜ。――ぞんぶんに味わいな!」
「ぃひぁああああっ!」
 深く強くえぐりながら放たれて、小十郎は意識が焼き切れるほどの快楽によろこんだ。媚肉はしっかりと政宗の陰茎を掴み、精液をすするようにうごめいている。それを自覚しながら三度目の絶頂を迎えた小十郎は、空に向かって笑っていた。
「ああ――」
 淫蕩にとろけた小十郎の笑顔を、太陽が眺めている。
 その高みに魂を飛ばした小十郎は、激しい水音を立てて倒れ込み、政宗に引き起こされた。
「小十郎」
「ああ、政宗様」
 唇が重ねられる。
「物足りねぇな」
 政宗の瞳がいたずらっぽくきらめき、小十郎は慈愛に満ちた苦笑を浮かべた。
「どうぞ、ごぞんぶんに。――この小十郎も、まだ満たされてはおりませぬ」
 河原に戻ったふたりは、濡れた体に着物をまとわせ屋敷に向かう。
 さらなる嬌態を求められる予感に、小十郎はうっすらとほほえみながら、体の芯に淫らな熾火を抱えて歩いた。

2016/06/19



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