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M十郎と藁

 暇を持て余した政宗が、ふらりと囲炉裏を囲んでいるものたちの間に顔を出せば、酒をチビチビ飲んでいた彼等が、やに下がった顔をつき合わせて、なにかをながめていた。
「あ、筆頭」
 気づいたひとりが、慌てて手にしたものを隠す。咎めはしないから見せてみろと政宗に言われ、彼等が取り出したのは春画だった。それもただの春画ではなく、縄や藁束などを使った特殊な構図で、聞けば「女を年神様になぞらえて、注連縄を飾っている」という趣向のものらしい。
「fum」
 ニヤリと唇をゆがませた政宗は、おもしろいものを見せてもらったと手を振って、機嫌のいい足取りでその場を離れた。
 おそらく私室で書物を紐解いているであろう、自分の失った右目と称されるほどの腹心、片倉小十郎のもとへ、ちょっとした道具を携えて向かう。
「いるか、小十郎」
 声をかければ、すぐさま襖が開かれた。
「政宗様……いかが、なさいました」
 政宗の手にある藁束に眉をひそめた小十郎に、政宗はたのしげな笑みをひらめかせた。
「たのしい遊びを教えてもらってな」
「遊び?」
 踏み込んだ政宗は、しっかりと襖を閉めると先ほど目にした春画の説明をした。小十郎の眉間にシワが刻まれ、目元が赤くなる。胡坐をかいた政宗の横にある藁束に視線を乗せた小十郎は、秀麗な顔立ちの主がなにを望んでいるのか察していながら、あえて思惑とは違う言葉を口にした。
「毎年のことですが、雪に埋もれて体を充分に動かせないのであれば、体力を余らせてそちらに意識が向きやすくなるのでしょう。よもや、無体を働きに出るものもいないとは思いますが、様子を見ておきましょう」
 腰を浮かせた小十郎の手首を、政宗は握った。
「体力を余らせている若い体は、俺もおなじだぜ? 小十郎」
 政宗の左目が妖しく光る。劣情の炎を揺らめかせた政宗に、小十郎の喉は鳴り、股間にじんわりと熱が走った。
「政宗様」
「おまえは、違うのか?」
「いえ、ああ……その」
「脱げよ」
 艶やかな声音に逆らえるはずもなく、目元を赤らめた小十郎は唇を引き結ぶと、帯に手をかけた。政宗はあぐらに肘をつき、頬杖をついてニヤニヤとながめている。
 普段なら鍛え抜かれた肉体をさらしても、なんとも思わぬ小十郎だが、政宗の望むことを意識すれば、まるで年若い生娘のような恥じらいの動きになった。それが政宗の愉悦をたぎらせる。
 下帯まで取り去った小十郎に、政宗は目を細めて己も着物を脱いだ。下帯の前はしっかりとふくらんでいる。
「座れよ、小十郎」
「は」
 裸身で、折り目正しく正座した小十郎の鎖骨に、政宗は用意してきた丁子油を垂らした。冷たい油に、小十郎の肩がちいさく跳ねる。政宗は鎖骨から胸筋の谷をすべり、股間へ流れる油の動きに目を細めた。
「小十郎。しゃぶれ」
「は」
 短く答えた小十郎は、政宗の下帯を取り、隆々と猛っている魔羅を口に入れた。小十郎のすぼめられた頬を、政宗の陰茎の先が内側から押している。ふくらんだ左頬の傷跡に、政宗は指を這わせた。
「んっ、ふ……ぅむっ、んっ、ぅ、う……っ」
 政宗の尻を掴んで、小十郎は頭を動かし舌を絡めて、魔羅を味わう。擦れる口内が心地よく、小十郎の陰茎は脈打つほどにたくましくなった。
「Lewd……いい顔だ、小十郎」
「んぐっ、く、うう」
 顔を掴まれ、喉奥にまで呑まされて、小十郎はうめいた。
「せっかく垂らした油だ。自分で胸をいじくれよ。疼いているんだろう?」
 笑みに揺れる政宗の言葉に、小十郎は従った。陰茎をしゃぶりながら、肌に垂れた丁子油を胸に塗り広げて乳首をつまむ。指の腹でクルクルと転がした小十郎の喉が、快感に震えた。政宗はそんな小十郎の息遣いを魔羅で味わう。
「うまいか、小十郎」
「んぅっ、むぐ……んふぅっ、んっ、んぅう……ふっ、ぅ」
 小十郎の膝が崩れる。陰茎の先に先走りをにじませて、小十郎は政宗の魔羅をしゃぶり、自分の胸を愛撫した。
「ふ……んぅうっ、んっ、ぅ……ううっ、んっ、んぅ」
「出すぞ……飲め」
「ぉぶっ、んぐっ、ん……んんっ、ん……んふぅ……は、ぁ」
 ごくりと喉を鳴らした小十郎の顔から、普段の冷静沈着な軍師であり、勇壮な武将でもある気配は消え去り、濃艶な笑みが滲んでいた。放ったばかりの政宗の股間に、ふたたび熱が戻ってくる。政宗は小十郎の口を吸い、彼の胸に手を這わせた。乳首をつまみ、クルクルと転がせば、小十郎の喉から歓喜の声があふれ出る。それをたっぷり味わってから、政宗は用意してきた藁束に手を伸ばした。
「こんだけ硬く尖っていれば、縛るのも簡単だな」
 藁を抜いた政宗は、小十郎の両方の乳首を藁で縛った。
「んぅっ、ぁ……はぁ」
「あとは……ここだ。じっとしていろよ、小十郎」
「は、い……っ」
 薄暗い笑みを浮かべた小十郎の陰茎を片手で支え、政宗はその先端に藁を当てた。先走りをにじませている狭い場所に、ゆっくりと藁を差し込む。
「ひっ、ぅ……は、ぁあう……っ、ぅ、く」
 喉の奥でつぶれた小十郎の嬌声に、政宗の獣欲がたぎった。藁を呑まされた小十郎の陰茎が脈打ち、奮えている。その根元に細縄をかけてグルグルと縛りつけると油を垂らし、たっぷりと湿らせた。
「ぁ、ああ……政宗様」
「注連縄play、と言うにはお粗末だが……悪くはねぇな」
 そう言いながら、政宗は首をかしげた。
「悪くはねぇが……物足りねぇな」
 小十郎は浅く息を乱して、これから政宗にほどこされる淫技を待っている。胸筋から臍にかけてを撫でた政宗は、陰茎に射した藁を抜き差しした。筒内を刺激された小十郎が喉奥でうめく。
「ぅくっ……ふ、ぅう……んっ、ぅ、ぁあ」
 そこで快感を得るよう教育された肉体は、射精に似た悦楽に震えた。熱を増した小十郎の陰茎に、細縄がわずかに食い込む。その痛みさえ、油でたっぷり濡らされた場所は快楽と受け止めた。
「んぁ、は……っ、く……ぅうんっ」
「いい声だ」
 低くつぶやいた政宗は、小十郎の胸に顔を寄せた。胸の藁を噛み、軽く引く。
「ひぅっ、く……ぁ、政宗様」
「気に入ったようだな」
「ぁ、それは……っ」
 恥じらう小十郎の鼻先に唇を押しあてた政宗は、あおむけになれと命じた。従った小十郎の膝を折り曲げ持ち上げて、彼の膝裏に自分の膝を重ねてまたがる。尻を向き合わせる格好になった政宗は、小十郎の目に自分の陰茎を見せつけた。
「俺がなにを望んでいるのか、おまえならわかるだろう? 小十郎」
「は……っ」
 短く答えた小十郎の手が、政宗の陰茎に伸びる。淫らに濡れた目で、小十郎は政宗に手淫をほどこした。政宗はニヤニヤと小十郎を見下ろし、乳首を縛った藁を引く。
「んぁっ……は……ぁ、政宗様」
「これじゃあ、つまらねぇな」
 政宗は残りの藁を拾って、小十郎の喉元や鎖骨をくすぐり、乳首をつついた。淡い刺激に小十郎の肌が震える。短く切れ切れに啼く小十郎の反応に、政宗は目を細めた。
「いい顔だ……小十郎」
「っ、は……政宗様……ぅ……はぁ」
 縛られた乳首を藁の先でくすぐられて、小十郎はちいさく震えた。陰茎は激しく脈打ち、細縄を食いこませる。政宗に手淫をしながら、小十郎は劣情の渇きを覚えて口を開いた。舌先を唇から覗かせた小十郎の昂りに、政宗は唇を舐める。
「どうした、小十郎」
「は……いえ、なにも」
「Don't lie なにもって顔じゃないだろう?」
 ゴクリと喉仏を動かした小十郎が、渇きの理由を口にした。
「政宗様の御槍を、この身に突き立てていただきたく」
「ながめていたら、欲しくなったか」
 うなずいた小十郎から離れて、政宗はニヤニヤした。丁子油を投げ渡し、胡坐を組む。受け取った小十郎は政宗の股間に顔を伏せ、たぎったものをしゃぶりながら、自ら尻を濡らして開いた。
「んっ、ふ……ぅん……むっ、ふ……ぅ」
 己で己を開く小十郎に目を細め、髪を撫でた政宗は指を彼の乳首に伸ばした。背中を唇でくすぐりながら、乳首をつまんで指の腹でつぶし、捏ねる。腹の下でうめく小十郎の指が、尻の谷に埋まるのを見た政宗は、口淫に息を乱して指で小十郎の乳首とたわむれた。
「むっ、ぅふ……んぅっ、ふ……おぅ……んっ、ふぅ……んっ、んん……ぅむう……んっ、ん」
 苦し気な息を漏らして、小十郎は口内にあるものが、己の指で広げている場所に埋められる期待に体をふくらませた。政宗の手が小十郎の顎にかかる。顔を持ち上げられた小十郎は、尺八の息苦しさで滲んだ涙を浮かべた目で、政宗を見上げた。
「そろそろ、いけるか?」
「政宗様の望むように、なさってください」
 そう言いながらも、小十郎は体中でよろこびを示した。額に唇を当てた政宗は、小十郎をあおむけに寝かせてのしかかる。小十郎の秘孔はヒクヒクとうごめいて、政宗を待ち受けていた。
「小十郎」
 悩ましく呼んだ政宗は、勢いよく小十郎に己を突き立てた。ほぐしきれていなかった秘孔が、ミチミチと拓かれる。
「ひぐっ、ぁ、おお……っ、くふぅう」
 顎をそらして悲鳴を上げた小十郎の肩を掴み、政宗はそのまま狭い肉壁を蹂躙した。油で滑る肉壁は、すぐに政宗の熱にとろけて媚肉となり、もっともっととすがりつく。誘いに呑まれて、政宗は勇躍した。
「んはっ、はぁあうっ、まっ、ぁ、政宗様ぁあっ」
「どうした、小十郎……この程度で音を上げるのか?」
 奥を突かれて乱れる小十郎の陰茎が、ブルンブルンと振り回される。ギチギチと細縄が食い込んで、怒張したそれは哀れなほど苦し気だった。先走りは藁の栓の隙間からトロトロと漏れるばかりで、筒内にたっぷりと溜まっている。吐き出せぬ欲に苛まれ、小十郎は身もだえた。
「んはぁあっ、は、ぁあお、おぅうっ、まっ……さむ……さまぁっ、あぁはぁああっ」
 ひときわ深く突き入れた政宗が精を放つ。
「おふぅうっ!」
 熱で最奥を叩かれた小十郎は雄たけびを放ってのけぞった。腰を痙攣させる小十郎の陰茎は、放てずに凝ったままで震えている。恍惚の余韻を味わいながら、政宗はゆるゆると腰を動かし、小十郎の陰茎を指でなぞった。
「んふ、ぉ……あ、ああ……は、ぁあ……あ、あぁう」
 細かく震える小十郎が、うっとりとした息を吐く。苛まれる陰茎を撫でられるのが、よほど心地いいらしい。政宗は筒に射した藁を抜き差しした。溜まっていたものが、ゆるゆるとこぼれ出る。
「ぅは……ぁ、ああ……は、ぁあ、う」
 意識を火照らせる小十郎の姿に、若い政宗の体は精をよみがえらせた。本能の赴くままに、政宗はふたたび小十郎を突き上げる。
「ぁひぃ……っ、んぁあっ、は、はぁうううっ、んぁっ、あ、政宗様っ、ぁ、ああっ」
 今度は壁をえぐるように腰をまわして、政宗は小十郎を追い立てた。そしてまた、肉壁に情を吹きかける。そうして自分が満足するまで小十郎の内側を濡らし続け、けれど小十郎の射精は許さなかった。
「ふう」
 充足の息を漏らして、政宗はようやく小十郎から己を抜いた。小十郎はぐったりとして動かない。しかし腰のものは、哀れなほどに細縄を食いこませて、ビクビクと脈打っていた。
「いい光景だな、小十郎」
 つぶやいて、政宗は小十郎を縛る細縄と肉欲の隙間を指でなぞった。
「ぁひぅ……んっ、は、ぁあ……あ、あ」
 鼻にかかった悲鳴が、小十郎の喉から漏れる。政宗はいつくしむ視線で小十郎の陰茎をながめ、藁を差している先端を舐めると、軽く歯を立て、藁を抜いた。
「ひぅっ」
 先端を口に含み、チロチロと切れ込みから漏れる液を舐めとって顔を上げた政宗は、小十郎の頬を両手で包んで接吻をした。
「んっ、ふ……ぅ……んは……んっ、んぅ、う」
 舌を伸ばして、小十郎はぼんやりと政宗の舌を受け入れる。やさしく口腔を乱される小十郎の乳首に、政宗の指がかかった。
「んふぅっ、ん……ぅうっ、んっ、んっ、んんっ」
 身もだえる小十郎に目を細め、政宗が顔を離す。小十郎は陶然とした焦点のぼやけた目に、政宗のほほえみを映した。
「悪くはなかったが、物足りないな」
 そう言って、政宗は小十郎にからめていた藁や細縄をすべて外した。射精の期待に小十郎の魔羅が跳ねる。
「小十郎」
 やさしい吐息を唇にかけられた小十郎は、うっとりと目を閉じた。政宗の指が小十郎の陰茎にかかる。ゆるゆると扱かれて、小十郎は恍惚の息を漏らした。
「しばらく、このままでガマンしていろ」
「――え」
「イカず、萎えさせずに、夜まで過ごせ」
「そ……れは」
 小十郎の目が泳ぐ。政宗は愉快ないたずらを思いついた子どもの顔で、小十郎から離れた。
「夕食後、雪見をしながら食ってやる。――All right? 小十郎」
 下帯をつけながらの政宗に、小十郎は気だるい体を起こして答えた。
「奥も……すぐに受け入れられるよう、しておけばよろしいか」
 政宗の頬が持ち上がった。
「Excellent! 夜は、枯れるほど搾り取ってやるから、たのしみにしていろよ? 小十郎」
「は」
 身支度を整えた政宗が、上機嫌で去っていく。残された小十郎はほの暗いよろこびに体を震わせ、疼く体の維持に努めた。

2018/01/09



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