メニュー日記拍手

春が勃つ

「政宗様。それではお風邪を召されてしまいます」
 立春とはいえ、まだまだ冷える夜気に身をさらして月光を浴びている主・伊達政宗に、火鉢の炭を整えていた小十郎は声をかけた。
 振り向いた政宗の姿が、しらじらと月光に浮かび上がる。彼が元服するより前からの付き合いだが、端正な顔立ちと白く滑らかな肌、艶やかな黒髪が揺れる姿は幻想的で、息を呑んで見つめてしまう。
 そんな小十郎の心境に気づいているのかいないのか、政宗は障子を閉めて大股で小十郎の前に来た。
「たしかにな。まだまだ、冷える」
「当然です。雪も多く残っておりま……っ」
 言葉の途中で指先を頬に当てられ、小十郎は口を閉じた。氷のように冷えた指先が、小十郎の左頬にある古い傷跡をなぞる。
「あたためてくれるだろう?」
 しゃがんだ政宗の声は淫靡に響いて、小十郎の腰を疼かせた。急速に喉の渇きを覚えて開いた口の中に、政宗の指が入る。舌を撫でられ、頬裏をくすぐられる小十郎の息が小さく乱れた。
「なぁ、小十郎……その体で、冷えた俺をあたためられるよな?」
 ゴクリと唾を呑み込んで、小十郎は頷いた。満足そうに、政宗の目が細められる。
「good boy」
 かすれたささやき声に、小十郎の内側で何かがカチリと音を立てて切り替わった。麻薬のような時間が、これから始まる。
「まずは、邪魔なものを取っぱらっちまおうか」
「は、い……政宗様」
 声を上ずらせて、小十郎は従った。一糸まとわぬ姿になった小十郎の肌を、政宗の視線が愛撫する。羞恥と興奮を覚えた小十郎の股間が、わずかに頭をもたげた。
 フフンと鼻を鳴らした政宗があぐらをかいて、アゴを動かし小十郎を無言で促す。何を求められているのかを察して、小十郎は立ったまま己の陰茎を握り、擦った。
「ん、は……ぁ、あ」
 ゆるゆると硬さを増していく陰茎に、政宗の視線が注がれる。自分の手が政宗の指であるかのような錯覚を覚えながら、小十郎は己を乱した。隆々と陰茎がそびえ、先端が湿ると、小十郎はもう片手で先走りを亀頭に塗り広げ、さらに自分の欲を高めた。
「いい光景だ……小十郎。もっと、俺を熱くさせろよ」
「はい……っ、ぁ、ん」
 乱れる息を必死に抑え、小十郎はさらに欲を刺激した。先走りがトロトロと幹を伝うほどにあふれても、政宗は小十郎に手を伸ばそうとしない。鍛え抜かれた肉体が、興奮に赤く染まるのをただ眺めている。
「は、ぁ……んっ、ぁ、はぁ」
「小十郎、そこは、もういい……わかるだろう?」
毒を含んだ甘い声に、小十郎はビクリとした。切れ長の瞳が、違う場所で自分を犯せと言っている。下唇を噛んで、小十郎はうなずいた。
「もっと、よく見せてくれよ……いやらしく興奮している様子を。なぁ、小十郎」
 意識に絡みつく声に従い、小十郎は膝を広げて腰を下ろし、背を壁で支えて尻を浮かした。腰を突き出した格好で、己の先走りで濡れた指を乳首にあてがう。
「っ、は……ぁ、あ」
 乳首の刺激が肌の奥を通って下肢に流れる。脈打ちながら先走りをあふれさせる箇所に、政宗の視線が注がれている。幹をつたって下映えを湿らせるほどに濡れながら、小十郎はどうして自分はこれほど淫猥な体になってしまったのだろうと考えた。
 政宗の視線ひとつで、普段とは違う自分が引き出されてしまう。彼の植え付けられたのか、それとも奥底に潜むものを見つけられただけなのか。
 股間を疼かせ、乳首を自分で犯しながら、小十郎は快楽にぼんやりとする意識で答えの出ない疑問を繰り返す。
「小十郎」
 熱っぽい政宗の声に視線を向ければ、下帯を取り去った政宗の股間が見えた。力強く天を向いている肉欲に、小十郎の意識が弾ける。
「っ、あ……あ」
「欲しいか?」
「は……はい」
「なら、わかるな?」
 受け入れる準備をしろと言っている。小十郎は腰を落として、違い棚に這いよると軟膏を手にして政宗の前に戻った。
「今日は、どのようになさいますか」
「全部、見たい」
「は」
 短く答えて、小十郎はまた、先ほどのように背中を壁で支えて足を開き、腰を浮かせた。こうすれば、政宗に表情も胸の震えも陰茎も尻も、すべてが見せられる。
 軟膏を指で掬った小十郎は、片手で乳首をいじりながら、秘孔に指を押し込んだ。
「ふっ、ぁ……んっ、く……ぁ、あ」
 政宗の視線に犯されながら、小十郎は自分を乱した。乳首が硬く凝り、触れられていない陰茎が震えながら先走りをとめどなく湧き上げている。秘孔がヒクヒクとうごめいて、指を奥へと導くままに、小十郎は政宗を受け入れる箇所をほぐした。
「は、ぁ……っ、く……ぅ」
「いい眺めだ、小十郎。だが、まだ足りねぇな」
 政宗の手が伸びて、小十郎の指の横から細く長い指が押し込まれる。
「んぁっ、は、政宗様」
「そんなヌルい動きじゃ、いつまでたってもほぐれないだろう?」
 ニヤリとした政宗の息を陰茎に感じて、小十郎はめまいを覚えた。
「もっと、たっぷり濡らして広げなきゃ、俺は入らないぜ」
 指を抜かれて、小十郎の手もつられて離れた。ヒクヒクと秘孔の口が物欲しそうに痙攣をする。立ち上がった政宗は、違い棚から張型を取り出して、それを脇息の上に固定した。
「なあ、小十郎」
 うっすらと淫靡にほほえむ政宗に導かれ、小十郎は軟膏を手にして脇息の前に移動した。舌を伸ばして張型をしゃぶり、軟膏を指にたっぷりと掬ってふたたび秘孔をまさぐった。
「んっ、ふ……う、んぅ……うっ、ふ……ぉ、んぅ、うっ」
「そうだ……小十郎……もっと、乱れてみせろ」
 うわずった政宗の声に視線を上げた小十郎は、頭の上に突き出された政宗の陰茎の先に光るものを見つけて興奮した。
(政宗様が、先走りをにじませておられる)
 若い肉体をたぎらせているのだと認識した小十郎の最奥が、キュウッと閉まった。そこを政宗の切っ先で突かれたい。
「ああ、小十郎……いい顔だ」
 張型から顔を離して、小十郎は脇息にまたがった。腰を落として張型を秘孔に突き立て、脇息を抑えながら腰を振る。
「はっ、ぁ、ああっ、政宗様……あっ、あ……ああっ、あ」
「そうだ、もっとだ……もっと、乱れてみせろ、小十郎」
 興奮した政宗が、自慰を始めた。舌を伸ばして、それが欲しいと訴えた小十郎の望み通りに、政宗の陰茎が口内に押し込まれる。
「うぐっ、ぉ……うふ……っ」
 頭を押さえつけられて、喉奥までガツガツと陰茎で口腔を犯されながら、小十郎は体を上下に揺すって秘孔を広げた。快感と息苦しさに涙が滲み、あふれる唾液が口の端からこぼれて顎を伝う。
 冷静沈着な小十郎の乱れる姿に硬さを増した政宗の劣情が決壊し、しぶきが小十郎の喉を叩いた。
「ぐっ、う……げほっ、ぐ、んぅうっ、う……ふ、ううっ」
 衝撃に絶頂を迎えた小十郎は、咳き込みながらも政宗の精液を啜った。
「はぁ、小十郎」
 うっとりとした政宗の声がして、小十郎の口から陰茎が抜かれる。絶頂の余韻でぼんやりとしている小十郎の肩が押されて、ひっくりかえった小十郎から張型が引き抜かれた。
「うっ」
 うめいた小十郎の尻に、さっき達したばかりのはずが、もう硬さを取り戻している政宗の陰茎が触れる。
「Are you ready,小十郎」
「っ、政宗様……ぁ」
 腕を伸ばした小十郎は、政宗の肩を掴んだ。うなずいた政宗の腰が、小十郎の尻に打ちつけられる。
「くはっ、ぁ、ああっ!」
 たっぷりと濡らして開いた箇所がさらに大きくえぐられて、衝撃に小十郎は仰け反った。
「んっ、いい具合だ」
「はっ、ぁ、政宗様、ぁ、ああっ、あ……っ、く、ぁあっ、ひ、ぃ」
 ガツガツと責められて、小十郎はあられもない悲鳴を上げた。焦らされて快感に飢えた体が狂喜して、政宗の陰茎にすがりつく。うごめく媚肉は政宗の熱を締めつけて、もっともっとと欲を求める。
「ぁひっ、く、ふぁあ、あっ、ああっ」
「いい声だ、小十郎」
「んはぁあっ、あ、政宗様……あっ、ぁ、ああ」
 奥の扉を開くほど深く突かれて、小十郎は涙を流しながら身もだえた。揺れる体と共に震える陰茎の先から、蜜がまき散らされる。ふくらんだ蜜嚢は、今にも絶頂を迎えそうだと主張していた。政宗の指がそれを包んだ瞬間、小十郎の最奥に熱いしぶきが注がれる。
「ひっ、ぃい」
 甲高い悲鳴を上げて腰を浮かせた小十郎だが、射精の瞬間に蜜嚢と陰茎を握られて果たせなかった。ドクドクと注がれる政宗の欲液を飲みながら、抑えられた絶頂の快感が逆流して体の隅々にまで満ちていくのを味わう小十郎の視界が淫蕩に濁った。
「は、はぁ……あっ、あ……あ、ああ、あ……は、ふ……ぅう」
 体中に広がり満ちた快楽に痙攣をする小十郎から、政宗が抜ける。絶頂をとどめられた陰茎から指が離れて、小十郎は無意識にそこに手を伸ばした。
「No,小十郎」
 やんわりととがめられ、小十郎は涙と官能でぼやけた視線を政宗に向けた。
「俺が、いいと言うまでガマンしろ。できるだろう?」
 低く艶やかに言いながら、政宗は眼帯を外した。
「俺の右目には、これをつけておかないとな」
 眼帯を先端に押し当てられて、紐で幹と蜜嚢をきつく縛られる。
「俺の右目……小十郎……俺の見たいものを、ぞんぶんに見せてくれ……OK?」
 暗さを含んだ淫靡な問いに、小十郎はとろけた笑みで低く答えた。
「はい、政宗様」

2019/02/04



メニュー日記拍手
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送