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穿絆杭

 いくつかの肴を前に、しみじみと徳川家康は唇に笑みをたたえ酒を飲み、伊達政宗がそれを眺めつつ酒で唇を濡らしていた。
「やっと。これからだ」
 聞きようによっては間逆の言葉に思えるが、それが示すものを、政宗は彼の隣で天下分け目の戦に身を投じていたので、理解できた。
 やっと、大きな戦の終末を迎える事が出来た。日ノ本を穏やかな、人々が安寧を抱き笑みを忘れぬ国にするのは、これからだ。
「ありがとう、政宗」
 まっすぐに自分を見る家康を、政宗は斜に構えて眺める。何の憂いも屈託も無く思える彼の胸に、翳りがあることを政宗は気付いていた。絆というものの矛盾を抱え、それを飲み干し乗り越える不安。そして、かつての盟友である石田三成に生きる気力を持たせるために、いつか手を取り合えるのではないかという淡い期待を持ち続けたいがために、彼を生かし憎まれる道を選んだ哀切。
 この男は、何の暗さも無いような顔をして、誰に頼る事も無く、人々に明るい道を示しながら、自分だけは光の差さぬ道を進むつもりなのだ。人々に見せる光が明るければ明るいほどに、闇を濃くする道の中に身を置くつもりなのだ。
 チッと政宗は心中で舌を打ち、面白くねぇなと酒を舐める。絆を謳いながら、自分自身は絆の外側にいようとする家康の気高く独りよがりな決断が、政宗には不満だった。人に光を見せようとする人間が、闇の中でそれを微笑み眺めているなど、ばかげている。
「おい、家康」
「ん。どうした、政む――」
 手を伸ばし、家康の顎を掴んだ政宗は音もなく膝を滑らせ、彼の口を吸った。あまりの速さに何が起こったのか理解できない家康の後頭部を掴み、舌をねじこみ口腔を貪りながら押し倒す。
「んぅうっ?! ん、んふっ、んぅううっ」
 はっと気付いた家康が政宗の腕を、背を叩き足をばたつかせて抵抗するが、圧し掛かった政宗はびくともしない。家康の方が腕も太く胸も厚くたくましいのだが、呼気を乱され覆いかぶさられていては、どうしようもない。
「んんっ、んっ、んふっ、ふ、んんぅ」
 片手にそれぞれ三本の刀を掴み振るう政宗の、指の力は尋常ではない。その手に固定をされてしまえば、顔を振り逃れる事もできなくて、家康は政宗の舌の蹂躙を、なすすべもなく受け入れざるを得なかった。
「んっ、んぅううっ、んっ、ぁふっ」
 舌を絡めとられ、きつく吸われた家康の腰が疼く。息苦しさと、下肢に熱が走ることに羞恥か情けなさを浮かべているのか、家康の目に涙が滲んだ。どうして、と濡れた瞳が問うてくるのを、政宗は鋭い光で見据えたまま、無言で家康の呼気を貪る。
「ふっ、んふぅうっ、んはっ、はぁ、はっ、はぁ、政宗、何を」
 やっとのことで解放された家康が、目じりから涙をこぼし赤く熟れた唇を手の甲でぬぐう。ニヤリと唇をゆがめた政宗は、家康の盛り上がった胸筋を掴んだ。
「どんだけ立派に育ったのか、確かめてやろうと思ってな」
「えっ」
 意地の悪い笑みを深めた政宗が、家康の袴の脇から手を入れて陰茎を掴む。びくんと震えた家康は、頭の中で疑問符をグルグルと回転させながら圧し掛かる政宗を見た。
「こういうことを、したことが無ぇなんざ言わないよな?」
「こ、こういうことって」
「いちいち、口に出して言って欲しいのか?」
 耳まで赤くして、家康はブンブンと首を横に振った。
「なら、おとなしく俺に抱かれろ」
「へっ? だ、抱かれろって、政宗、ぁあ」
 政宗が長い指を家康の陰茎に絡め、捏ねる。素直な反応に唇を舐めた政宗は、家康の弾力ある胸筋に歯を立てた。
「痛っ、あ、政宗、どうして」
「どうもこうも。絆で天下を治めるんだろう? 俺と、より深く絆を結んでおいて、損は無いと思うがな」
「ぁ、だからって、こんな、ぁ、方法で」
「気持ちよくさせてやる」
「ぁはっ」
 ぐり、と陰茎の先端を潰し、胸筋の尖りに吸いつけば家康が喉を反らせた。片手で彼の帯を解き下帯を外し、先走りの液を空気と混ぜるように指の腹で捏ねれば、クチクチと濡れた音が響く。
「ヤラシー音、させてんぜ? 家康」
「んっ、んんっ、もう、止めてくれ、政宗」
「Ah? まだ、はじめたばっかだろう」
「ぁはぁううっ」
 きゅっと胸の尖りを吸い、蜜嚢を揉み幹を扱けば、家康が甘い声を発する。あわてて口を抑えた家康に、政宗はクッとからかうように喉を鳴らした。
「無駄な抵抗はよせよ、家康。楽しめ」
「ぁ、楽しめるわけが、んぅっ、無いだろう」
「体は、ずいぶんと楽しんでいるみてぇだがな」
「はひっ、ぁ、んぅうっ」
 家康の陰茎を掴み、先端を爪で弾けばプシッと蜜が吹きあがった。
「立派に育ったようだが、ちゃんと使えんのか確かめてやらねぇとな」
「た、確かめるって、何、ぁ、ま、まま、政宗っ、あふっ」
 何のためらいも無く政宗が自分の陰茎を口に入れて、家康が慌てる。
「っ、ぁ、そんな、ぁ、は、政宗」
 眉根を寄せて困惑と快楽を政宗に示す家康に、口淫を見せつけるように政宗は彼の瞳を視線で捕らえ、ゆっくりとクビレから根元までを口内に沈めた。そしてその逆もしてやれば、家康は泣きだしそうに唇をわななかせて政宗を見続ける。あわあわとうろたえる家康に、今度は根元を掴み先端を舌でくすぐってみせた。
「ぁ、は、はぁ、政宗、ぁ」
 家康の顔が、困惑よりも淫蕩を強く示す。
「ひんっ、ぁ、政宗っ、ぁ、あ」
 蜜口に歯を立て弾力ある先端を優しく噛みほぐしながら幹を扱けば、家康の腰が揺れた。
「嗜虐嗜好があんのか?」
「んふぅうっ、ぁ、はううっ」
 からかう政宗に、家康が首を振る。否定や肯定ではなく、わからないという意味だろう。まっさらな相手に猥らな行為を教えているようで、政宗は野欲を滾らせ家康を責めた。
「はひっ、ぁ、政宗ぁ、あはぁううっ」
 指で、舌で好き放題にもてあそべば、家康の陰茎は面白いほど素直な反応を示し、脈打ち震える。どうしてよいのかわからぬらしい家康は、両手で口を覆い、政宗の行為から目を離す事ができずに震えていた。
「はっ、はぁ、あ、政宗っ、ぁ、だめだっ、ぁ」
「Why?」
 ぎゅっとクビレを指でつぶせば、蜜口から液が吹き出した。
「んっ、ぁ、で、出てしまう、から」
 羞恥に体を丸めて震える家康に、政宗は獲物を見つけた獣のように、獰猛に頬を歪ませた。
「出せよ。見ていてやるから」
「っ! な、何を言っているんだ」
「ここまでヤッといて、今更止めるなんざ、有り得ないだろう。お互いに、な」
「ひぁうっ、ぁ、政宗っ、ぁ、あは、はぁあううっ」
 蜜嚢を揉み、幹を扱きながら政宗は家康のあえぐ顔を眺める。盛り上がった胸筋の先にある顔は、体躯と比較すればひどく幼く見えて、その不均衡なさまがたまらなくそそられる。
「ぁ、はぁあ、政宗っ、ぁ、でるっ、ぁ、でるから、ぁ、もうっ」
「ああ。存分に噴き上げな」
「っ、は、ぁはぁああああっ」
 クシャリと顔を歪ませて、本能に逆らえぬまま家康が子種を噴きあげる。震える陰茎を絞り、政宗は舌を覗かせ快楽に意識を飛ばす家康を眺めた。
「は、はぁ、あ、はぁう、は、はぁ」
「It was an aroused face」
 ささやき、政宗は家康の目じりに唇を押し付けた。
「ずいぶんと、貯まっていたみてぇじゃねぇか」
 ふふんと鼻を鳴らせば、家康は湯気が出そうなほどに赤くなる。そんな彼の鼻先に唇を寄せ、政宗は家康の子種で濡れた指を、彼の尻の谷に沿わせた。
「政宗――?」
「こっから先、どうするか知らないわけじゃ、ねぇだろう? それとも、自分だけスッキリして終わるつもりか」
 言い終わらぬうちに、政宗は家康の秘孔を探り指を入れた。
「んあっ、ぁ、は、ぁあ、政宗、そんな、ぁ」
「そんなもこんなも無ぇだろう。いきなり突っ込んだら、怪我すんだろうが。それとも何か? まさか自分が突っ込まれる側だとは思わなかったって、言うんじゃねぇだろうな」
「んっ、は、はぁ、そん、ぁ、思う前に、ぁ、こんなことをするとは、ぁふっ」
「ああ、俺も思わなかったぜ」
「ぁひうっ」
 指で探れば、家康が腰を跳ね上げ鋭く叫ぶ箇所があった。そこを執拗に攻めれば、ガクガクと腰を揺らして家康が身悶える。
「はっ、はぁあうっ、そこっ、ぁ、政宗っ、ぁ、はひっ、ぁ」
「スゲェんだろう? 遠慮すんな。たっぷり、可愛がってやる」
「んぁひぃいっ」
 ぼろぼろと涙をこぼす家康の陰茎も、どろどろと蜜をあふれさせる。時折それを噴き立たせて震える牡を、政宗が指で弾いた。
「ひんっ」
「ケツいじられて、こんなに乱れるなんてな。素質、あるんじゃねぇか」
「はひぁうっ」
 味わった事のない快楽の波に飲まれ、あえぐことしかできぬ家康から指を抜き、政宗は猛る牡をあてがった。
「しっかり、咥えろよ」
「がっ、ぁ、は、はぁあぉううっ」
 一気に貫けば、入り口は狭く拒むようであるのに、内壁はやわらかく政宗を歓迎する。熱く蠢動し絡みつく肉筒に、ふうっと息を吐いた政宗は、縋るように見上げてくる家康に唇を押し付けた。
「なんてぇ顔してんだ」
「は、はぁ、あ、政宗ぇ」
 ん? と政宗が瞳で問えば、うわずりながら家康が声を出す。
「つ、繋がっているのか、ぁ、ワシと」
 目じりを柔和に細めた政宗が、家康の瞳に口付けた。
「体感させてやる」
「んあっ、ぁあ」
 政宗が腰を動かせば、家康は政宗の背に腕を回し、肩に顔を押し付ける。すりよる家康の髪に唇を寄せ、政宗は自身の熱を穿ち、家康に繋がっている事を存分に示した。
「わかるだろう、家康」
「ぁ、はぁあ、あ、政宗っ、ぁ、熱い、ふ、ぁあう」
 微笑み、政宗は家康に口付けを繰り返しながら身を討ち付けて、繋がりを家康に示し刻んだ。
「んぁあっ、は、はぁううっ、はんっ、はひぃい」
 あられもない声を上げる家康がひときわ高く啼きながら腰を突き出し、絶頂を迎える。きつく媚肉に絞られて、政宗の熱がはじけた。
「はっ、はぁ、あっ、ぁあ、政宗」
 ちゅっと軽い音を立てて家康の唇を吸い、政宗は彼の頭を包むように抱きしめ、額を重ねた。
「しっかり覚えておけよ、家康。俺の熱を、繋がりを。一人で、なんでも背負い込もうとすんな。泣き言を言える場所は、一つだけでも持っておけ」
 ぱちくり、と前を丸くした家康が、はじけたように笑い出す。
「っ、はははははっ、ぁんっ、ぅ」
 笑って腹に力がこもり、政宗の牡を絞る事になった。ぶるっと震えた家康の耳に、政宗が噛みつく。
「死んでも忘れられねぇように、たっぷりと教え込んでやる。覚悟しろ、家康」
「ああ、政宗。ワシが惑い弱っても、支えてくれる人がいると、この身に刻んでくれ」
 腕を絡め身を添わせ、二人は唇を重ねあう。

2014/02/14



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