ちょっと……いや。大分かわった祭があると聞いて、前田慶次は相棒の小猿・夢吉と共に山深い集落を訪れていた。その山の女神は女が入山する事を嫌い、代わりに美麗なる男を歓迎するらしい。その理由は神代の時代にまでさかのぼるらしく、妙な祭は神話に由来をするのだとか。「どんな祭りなんだろうなぁ、夢吉」「キキィ」 これは神聖な儀式でもあるので、よそ者は参加できないと始めは断られた。だが、慶次の容色が役者のようである上に、屈強に鍛えられた肉体を備えているので、山の女神もお喜びになるだろうと、村長が許可を下ろした。そうして祭の行われる神社に連れて行かれ、神木に奉納される若い男衆と慶次は準備を申し渡された。「夢吉は、村の人たちと祭見物だな」「キイィ」 夢吉を村の男に預け、慶次は他の男衆と共に真っ白な単衣に着替え、神社の裏にある滝で身を清めた。水を含んだ単衣はぴたりと体に吸い付き、慶次の優男風な顔とは裏腹に、たくましく鍛え抜かれた武士としての肉体を周知させる。裸身よりも単衣に包まれているほうが、その力強さが強調され、他の男衆は羨望のまなざしを慶次に向けた。「おいおい、兄さん方。そんなにじろじろ見ないでくれよ。恥ずかしい」 慶次以外の者たちも、山師を生業としているので隆々とした肉体をしている。けれど体躯の良い慶次と比べれば、彼よりも若いということを差し引いても、見劣りしていた。「おっ! こりゃまたずいぶんと、山のお姫さんもオメカシしたもんだなぁ」 てびさしをして、慶次が神木に軽口を叩く。神木は色とりどりの反物で飾られ、そこだけが都のような華やかさを放っていた。「それじゃあ、はじめるとするか。供物は神木の傍の、定められた位置に立ってくれ」 わくわくと、慶次は指定された場所に立つ。神木に体を向け、根を踏まぬようにとの配慮で作られた、神木を囲む台座に足を入れて固定をされる。「このあたりに手を付いて」「ここかい?」 言われた通りに幹に手を置けば、神木を包む反物で手を固定された。少し尻を突き出す格好になり、慶次は少し気恥ずかしくなる。尻に、ぬれた着物がぴったりと貼り付き、その形がくっきりと浮かびあがっている所を想像しつつ横を見れば、隣の男衆の肌に単衣が貼り付き、どうにも妖しいなまめかしさを漂わせていた。 ごくり、と慶次が喉を鳴らす。「それでは。山の女神様にご満足いただけるよう、しっかりと奉仕をいたさねばな」「どうすりゃいいんだい?」 山の女神は、未婚であるらしい。若く麗しい男に慰められれば、山の安寧と民の平穏を約束してくれると言う。まさか神木に甘い言葉をかけて、慈しむわけでもあるまいと慶次が言えば、もっと即物的なことだと答えられた。「即物的?」「そうだ。山の女神は、女神というのだから女だ。女は男の子種を受けて、子を宿す。山の恵みは女神の子どもだ」「それって、もしかして神木とまぐわうってことなのかい」 ひく、と慶次が片頬をひくつかせた。「まあ、そのようなものだな。供物の男は、何もしなくてもいい。ただそこで、与えられるものを受け取り、神木に何もかもをゆだねるだけだ」「ゆだねるだけって……うわっ、ちょっと」 村の男たちが、供物の男衆の単衣の裾をまくる。むろん慶次もめくられて、あわてた。「えっ、えっと……な、何をする気だい?」「神事に決まっているだろう。なぁに、すぐに恍惚となり、女神と天に昇ることになる」「天にって……おわぁあっ」 下帯を外され、やわらかなままの魔羅がこぼれおちる。他の供物の男衆は、平然とした顔でその状態を受け入れていた。大騒ぎをしている自分が、ちょっと恥ずかしくなって慶次は口をつぐむ。が、次の瞬間、また騒ぎ声を上げることとなった。「ひぁあっ、ちょ、何を」 冷たいものが尻の中に流し込まれる。横を見れば尻からトコロテンを作る天付きという道具に似た形状の、細い竹筒が伸びていた。その中に詰まっているものを、背後の男がトコロテンをひりだすように、押し出しているらしい。自分の尻にも、そんなことがなされていると知って、慶次は目を白黒させた。「んぁあ、ちょ、タンマタンマ! 何、入れてんだよ」「神木の樹液。いわば、女神様の愛の液だ」「ひんぅっ、ぁ、ま、ぁあう」 神木の樹液をたっぷりとそそがれ、慶次はぶるりと背骨を震わせた。なにやら甘いものが体の芯に沁み込んでくるようで、妙な心地がする。「ふ、ぅん、んっ」 樹液を注ぐ竹の天付きが抜かれ、ぶるっと慶次は胴震いした。つ、と秘孔から樹液が垂れて内腿を伝う。「次は、神木よりこしらえた神器を押し込むぞ」「押し込むって、まさか」 さっと慶次の顔が青くなった。「参加したいと言い出したのは、そっちだろう。覚悟を決めろ。それに、神器はそれほど太くないから安心しろ。あちこち凸凹しているがな」「んひぃっ」 ずぷん、と神器を秘孔に押し込められ、慶次は目を見開いた。確かにそれほど太くは無く、すんなりと持ち手より先が全て挿入されたのが、男の指が尻に当たった事でわかった。「そいじゃ、しっかり女神様に子種を降らせぃよお」「おおっ」 村長の声に、村人たちが応じる。「キ、キィイ」 その異様な光景と、静かに沸きあがる淫湿な気配に夢吉は怯え、心配顔を慶次に向けた。だが、夢吉には眺める以外、どうすることもできない。「んっ、くぅうっ」 押し込まれた神器で、内壁をかき回される。たしかに太くは無いが、表面が凸凹としていて妙な刺激を与えてくる。慶次の秘孔の具合を見ながら、神器を操る男は突き、抉り、擦り、縦横無尽に強弱を付けてかき回した。「んっ、ふ、ふんぅうっ、く、ぅう」 こうなっては、堪えるしかないと慶次は歯を噛みしめる。足はしっかり固定されているし、手も神木にぴったりと結ばれている。逃れようにも、動けそうに無かった。それに自分から参加したいと無理を言ったのだし、他の供物の若者らは素直に声を上げ女神である神木に唇を寄せている。こういうものだと諦めて、終わるのを待つしかないだろう。「く、ぅうっ、んぁ」 神器に擦られるたび、熱く甘やかな痒みがはじける。それは骨髄をめぐり慶次の脳を刺激して、全身へと広がって行く。いつしか慶次の魔羅は頭を持ち上げ、かき回される動きに合わせて力強く揺れていた。「ぁ、んぅうっ」 人前で、このような状態をさらしている。尻を突き出しかき回されて、魔羅をおっ勃て揺らしている。その事実が、言い知れぬ淫靡さを慶次の意識にもたらした。それを助けるように、他の男衆のあえぎとヌチャヌチャと響く樹液の濡音が、慶次の耳を打つ。「んはっ、ぁあ!」 神器が内壁の一点を強く押したとたん、慶次の目の前で火花が散った。今まで感じたことの無い快楽が、体の中で弾けた。そこから神器の動きは変化し、その一点を集中的に擦りだす。「んぁはぁああ、ああっ、そこっ、ぁ、そこぉおおっ」 あまりの刺激に、慶次は奥歯を噛みしめることも忘れ、声を上げて尻を揺らした。じわりと魔羅の先から液があふれ、ぱたぱたと神木の根元にしたたった。「そうそう。その調子だ。女神様も、お喜びになっておられる」「ひんっ、ひぃああ、そこっ、変に、ぁ、なるっ、ぁ、ああっ」 絶頂を迎える寸前の状態で留め置かれているというのに、射精中の快楽が永続しているような心地よさが慶次を襲う。「変になるんじゃない。女神様と、ひとつになるんだ」「はっ、はひぁ、あはぁううっ」 慶次の腕に、足に力がこもり、筋肉がたくましく盛り上がる。ぐんと重厚さを増した胸筋の先が、ツンと固くなり魔羅のように震えていた。慶次も他の供物ら同様、神木の幹にすがる。すれば、胸の尖りが幹に擦れて、えもいわれぬ心地よさが訪れた。「んはぁ、こん、こんなっ、ぁ、俺」 そんな自分に戸惑いつつ、慶次は胸を幹に擦りつける。「いい調子じゃねぇか。ほらほら、もっと女神様に子種を差し上げろ」「んはぁひぉおおっ」 ぐりん、と内壁で神器が円をかき、慶次の魔羅が子種を吹き出した。「まだまだ出るだろう」「ぁはぁああっ、ひっ、尻、ぁ、おかしくなっちま、ぁあっ」 吹き出しても垂れ流しても、慶次の魔羅は満足をせずに凝ったままだ。神器でかきまわされるにまかせ、子種を産んで女神へ注ぐ。おかしくなりそうなのは尻だけではなく、魔羅もそうだ。とめどなく子種をあふれさせ、飽きることなく神木の根を潤わせる。「んはっ、はぁあ、あ、魔羅ぁ、擦ってくれよぉ、ぁ、これじゃ、ぁあ、終われねぇっ」「まだ、祭は始まったばかりだ」「んひぅううっ」 はじまったばかり、ということは、まだまだこの甘美な責め苦は続くのか。これがこのまま続いてしまえば、自分の体はどうなってしまうのだろう。そんな慶次の恐怖に似た疑念の声が聞こえたように、神器を操る男が言った。「山の女神様と融合する心地は、忘れがたくすばらしいものになるだろうぜ」「ぁは、はひぃいっ、こんっ、ぁ、終わったら、ぁあ、ど、なっちま、ぁ」「どうも何も、そいつ次第だ。女神様と深く繋がる事が出来た奴ぁ、そのお力を体に宿し、折々に村人に力を分け与える」「んひっ、ぁ、力、ぁあっ」「そう。こんなふうにして、力を分け与えるんだ」 神器が抜かれ、媚肉と化した慶次の秘孔が求めるように蠢動する。くちくちと濡れた音をさせる自分の秘孔に、慶次は知らなかった淫蕩の扉が開かれた事を知った。寂しげな慶次の濡れた孔に、神器よりも熱く太いものがあてがわれる。「ぁ、何」「女神様と融合した者と繋がることによって、恩恵をいただけるんだよ」 説明をしながら男が慶次の腰を掴み、怒張したイチモツを慶次に突き立てた。「がっ、ぁひぃいいいっ」 仰け反った慶次の胸が、神木の幹に擦れる。貫かれた刺激とそれが相俟って、慶次の魔羅が大きく震え、子種を飛び散らせた。「神器は、ぜんっぜん細かっただろう」 言いながら、男が容赦なく慶次を突き上げる。たしかに、神器に比べれば質量は段違いだ。そして神器には無かった脈動と熱がある。きゅうんと締まった肉壁で、慶次は体内にある熱の形を脳裏で形作った。それは自分にもついている男の証に違いなく、供物として女神と融合した者は女神とまぐわう神器と化すことを、体感で知った。「んぁあっ、ぁ、もぉ、ぁ、ああっ」 たっぷりと樹液で濡らされ神器で準備をされたので、痛みは少しも感じない。不快どころか今まで知っていた快楽を幾倍も掛け合わせたほどの快感に、慶次の意識が侵食されていく。「はんっ、はぁううっ、お、おぁあっ」 このままでは大変なことになってしまう。そう思うのに、いつのまにか自ら腰を振りたてている自分に、慶次は気づいていた。「まずは、ひとーつ、くぅ」 ぐん、と奥底まで突かれ、熱の奔流が慶次を襲った。「っ、はぁあああああ――っ!」 背を反らし声を上げてそれを受け止め、慶次の魔羅がはじける。吹き出した子種が残滓をこぼし終える前に、しぼんだ牡が引きぬかれ、別の牡が突きいれられた。「んぁひぃいいっ」 そこで、慶次は自分が子種を注がれたのだと認識した。認識した意識が、次の男の突き上げで乱され砕かれる。「んはぁっ、ぁ、らめぁ、あっ、こんらのっ、お、おかひくなっちま、ぁあ」 幾人目かの魔羅で乱され子種をこぼしながら、慶次は涙とよだれで濡れた顔を背後の男に向けた。「それこそ、女神様と繋がっているという証拠だ。素質あるぜ、兄ちゃん」「ひぁおおっ、おふぅう、子種っ、ぁ、止まらねぇよぉおっ、ぁひっ、尻もっ、ぁ、乳も妙で、ぁ、ああ」「気持ちがいいだろう? アンタだけじゃねぇさ。ここいる連中、全員が気持ちよくなってる。そんなら、怖がってねぇで身をゆだねて狂っちまったほうが、ずっと楽しいじゃねぇか。祭っていうのは、そういうモンだろう」 自分を揺さぶる男に言われ、淫靡にとろける思考で慶次は思う。そうだ。踊る阿呆に見る阿呆。同じ阿呆なら、踊らなきゃ損だ。「んっ、は、はぁ、ぁ、き、きもちぃ」「おっ?」「きもちいぃっ、ぁ、尻ん中っ、ぶっこまれて、すげ、ぁあ、きもちいいっ」 声に出して認めてみれば、今まで以上の快感に包まれた。それと同時に、どうしようもない飢餓感にも襲われる。もっと、もっと熱くなりたい。疼く体の全てを乱しつくされたい。「んぁあっ、足りねぇ、ぁ、足りねぇよぉおっ、乳も、魔羅もっ、ぁ、触りてぇ、ぁ、はぁああ」「まだまだ、堪えろよ兄ちゃん。ひとめぐり終わったら、女神様とひとつになった体を全員でむさぼるって寸法なんだ。まだあと十数人はいる。そいつらの子種が全部、アンタの中に注がれるまでは、ガマンだぜ」「はひぁおおっ、もっとぉ、ぁあ、早くっ、ぁ、早くぅうっ」 ひとめぐり終わる頃には、慶次は荒く胸をあえがせ身もだえ、髪を振り乱して哀願するほど欲を求めた。「この兄ちゃんが参加させろって言った時は、どうしたもんかと困ったが」「ひぎぃっ」 尖った胸乳を引き絞られて、慶次が背を反らす。「こんだけの色男だ。女神様が気に入らねぇワケが無ぇ」「ふはぁあっ」 魔羅をしゃぶられ、慶次はうっとりと笑みを浮かべて舌を覗かせた。「見かけどおり体力があるみてぇだし、ぞんぶんに女神様の依代をしてもらおうぜ」「んぶっ」 魔羅を口に押し込まれて、慶次はうまそうに喉を鳴らして首を揺らした。 本能をさらけ出した淫猥な祭を、どうすることも出来ずに眺める夢吉の目に、恍惚な笑みを浮かべた慶次が腰を振りたて手を伸ばし、たかる男のイチモツを喜び勇んで貪る姿が焼きついた。2014/02/10