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小生、掘られる

 一日が終わる頃には、砂埃まみれになる。
 掘削作業を終えた黒田官兵衛は、やれやれと作業を終えて、手かせの先にある巨大な鉄球を引きずり、休憩所へと戻った。その先に作られた石室が、蒸し風呂になっているのだ。掘削中に地下水を引き当て、それを使って湯を沸かし、蒸気を立てている。蒸気は石室に作られた煙突から外へと流れる仕組みとなっていた。
 ずるずると鉄球を引きずり戻った官兵衛に、彼をとりまく屈強な男たちが、人懐こい笑みを浮かべた。
「ああ、官兵衛さん。いい加減だったぜ。お先に、いただいたよ」
「おう」
「官兵衛さんで最後だから、ゆっくり疲れと汚れを落として休んでくれよ」
 男たちが寝床へと戻っていく。それを見送る官兵衛に、見慣れぬ男が声をかけた。
「官兵衛さん。俺に風呂の手伝い、させてください」
「うん?」
 官兵衛が目を向ければ、声の主はきらきらと目を輝かせ、頬を紅潮させていた。
「おまえさん、風呂番か」
 はいと元気よく返事をした男は、青年になりたてのようで、頬の辺りに幼さを残していた。巌のような肉体の男たちばかりの中で、彼は華奢に映る。
「まだ、ここに来て日が浅くて、力仕事なんかは不得手なんですけど、細かい作業とか按摩は得意なんです」
 親が年老いてから出来た子どもなので、よく父親に按摩をしていたので上達したのだと、彼は言った。
「ほうん?」
「その親父も死んでしまって、他に行く所が無かったときに大きな穴を見つけて。迷っていたら、ここに行きついたんです」
「そうかい。飢える前にたどり着いて、運が良かったな」
「はいっ」
 嬉しげな彼の姿に、官兵衛は悪くない感情を浮かべた。人は慕われていると感ずることを、不快に思うことは少ない。無垢そうな青年に全身でそれを示されて、官兵衛は気持ちを解した。
「そんなら、手伝ってもらおうかねぇ」
「はい!」
 いそいそと青年は官兵衛を脱がしにかかった。
「手かせが邪魔で、隅々まで洗うのは難しいでしょう。俺が、しっかりと手の行き届かないところまで、磨きますから」
「そいつぁ、ありがたいな」
 官兵衛を裸身にした青年が、感歎の息を漏らす。
「すごい。立派ですねぇ」
 青年が官兵衛のたくましい胸に手のひらを乗せた。盛り上がった胸筋に蔦のように生え広がる胸毛を、うっとりと撫でる。
「俺も、こんなふうに早く逞しくなりたいです」
「なぁに。ここで働いていれば、嫌でもこうなるさ」
「こんなに男らしい体毛も、生えて来るでしょうか」
 不安そうな青年の顔を眺め、官兵衛は彼がひげも生えそうに無いほど、端正で愛らしい顔立ちをしていることに気付いた。
「さあ。それは、どうかわからんがね。西海の鬼も色が白く毛は薄い。生えようと生えまいと、どっちでもかまわんというくらいの気で、いたらいいんじゃあないか」
 それに青年は残念そうに目を伏せ、くるくると官兵衛の胸毛をなでて吐息を漏らした。そのうなだれた様子が哀れで、官兵衛は気を取りなおさせるように、わざと声を明るくした。
「さあさあ。あまりのんびりとしすぎていたら、風呂の薪を無駄にしちまう。小生を磨いてくれるんだろう?」
「……はい。そうですね。じゃあ、まずは髪にこびりついた汚れを流してから」
 どうぞと官兵衛は割る前の太い木材の上へ、仰向けに寝るように指示された。
「水を流して、髪の汚れを落とします」
「なるほどねぇ」
 人の世話をするのに慣れているらしい青年に、官兵衛は感心した。言われるままにすれば、顔に水がかからぬよう、青年は丁寧に官兵衛の髪に水を含め、炭の粉を擦りこむように官兵衛の髪を揉む。頭皮もしっかりと揉まれ、官兵衛は心地よさげに呻いた。
「ああ、い心地だ」
「そう言ってもらえると、嬉しいです」
 たっぷりと時間をかけて髪を洗われ、水で流される。体の汚れも水を流しながら布で擦られた官兵衛は、それだけでもさっぱりとした心地になった。
「ああ、いい気持ちだった」
「まだですよ。もっと、もっと心地よくさせてください。体の隅々まで、磨きますから」
 今この状態でも十分に心地いいのに、これ以上の心地よさがあるのかと、官兵衛はわくわくとした興味に笑みを浮かべた。こういう、かいがいしく世話をしてくれる者が傍に現れたというのは、自分にも運が向いてきたのではないかと思いつつ、官兵衛はもうもうと湯気が立ちこめる湯殿へ入った。
「体が温まる頃に、入りますから」
 それまでは火の番をして、良い湯気を送ると言われ、官兵衛は頷き座った。
 じわりじわりと心地よい湯気に焙られ、官兵衛の毛穴から汗がにじみ出る。しっとりと肌が濡れ、疲れが毛穴からこぼれ出てきたような気になった頃、青年が水をたっぷりと抱えた桶と垢すり用の竹べら、手ぬぐい、丁子油を手にして入ってきた。
「そろそろ、汗で垢が浮いた頃かと思って、来ました」
「おう。そんなら、磨いて貰おうか」
「はい」
 うれしげに青年が官兵衛の傍に寄り、早速、竹べらで垢をこそぐ。その絶妙な力加減に、官兵衛は目を細めた。
「ああ、いい心地だ」
 青年は微笑み、垢をこそいでは濡らした手ぬぐいで官兵衛の体を拭く。その繰り返しをする合間に、うっとりと官兵衛の隆々とした筋骨を褒めた。
「ほんとうに、たくましくてうらやましい。盛り上がった胸筋の谷も、腕の肉の筋も硬く張って。これほどに大きな鉄球を軽々と振り回し、大岩を砕くだけのことはありますね」
「そんなに褒めてくれるな。照れくさい」
「褒めているのではなく、事実を言っているのです」
 そんなふうに褒め続けられ、官兵衛はますます自分に運が向いてきたのだと悦に入った。
「ところで、おまえさん。なんで丁子油なんか、持ってきたんだ」
「ああ、これですか? これは」
 トロリと丁子油を手に乗せた青年が、磨き終えた官兵衛の肩にそれを塗り、指圧する。
「ん、これは」
「油を使って揉めば、強くしてもよい塩梅になるんです」
「なるほどなぁ」
「これで、全身を磨きながら解していきますね」
「よろしくたのむ」
「まかせてください」
 青年の所作は、体の奥に蓄積された疲れまでも洗い流すようで、官兵衛は心地よさに眠気を覚えた。うつらうつらとしている官兵衛の耳に、青年がしきりに褒める声が滲む。
「腹筋も、ほどよい弾力があって、すごいですね。太ももなんて、女の腰ほどもありそうだ。ああ、下生えも黒々として、そこに包まれているチ○ポもすごく太い」
 眠りに入りかけていた官兵衛の意識が、下肢にゆるゆるとした刺激を感じ、その甘さに息を吐いた。半分ほど眠りに落ちている官兵衛の意識が、もうろうと妄想を広げる。官兵衛の脳裏には、すっかり出世を果たした自分が妓楼で遊女に囲まれ、もてなされている姿が浮かんでいた。当代一の美女が、官兵衛の肉体を褒めたたえながら、チ○ポを至宝のように細い指先でもてあそんでいる。
「ああ、起き上がってきましたね。思った通り、こちらもすごく、たくましい」
「んっ、ぅう」
 にちゃりと粘着質のある濡れた音は、丁子油が揉みこまれているせいだろう。青年は意識を半分以上手放している官兵衛に、くすりと鼻を鳴らして蜜嚢を揉み、下生えを探り陰茎を擦った。
「こんなところにいては、こちらを放つ機会も少ないでしょう。たっぷりと溜まったものを吐き出させてあげますね」
「んっ、は、ぁあ」
 官兵衛の脳みそは、すっかり妓楼の中での淫靡なもてなしと認識してしまった。白粉の香りも甘い美女が、自分の子種を絞ろうとしている。にへらと官兵衛の口元が、だらしなく歪んだ。
「何もかも、そのまま身を任せてください」
「ぁ、はぁあ、ふ、あ」
 青年の指が陰茎のクビレをくすぐり、鈴口を抉った。
「ひっ」
「心地よいでしょう」
「あ、ああ、あ」
 官兵衛の陰茎が先走りをこぼし、心地よさにこわばった体が筋肉を盛り上げる。
「すごい。胸筋が盛り上がって、二の腕がふくらんで、太ももがわなないて……思う以上にそそられますね」
「ぁ、んぅうっ」
「チ○ポもこんなに硬くして。すぐに、子種を絞ってさしあげますよ」
「はぁあああっ、ひっ、ぁ、あはぁう」
 青年が激しく陰茎を扱き、官兵衛の腰が浮く。浮いた尻の割れ目に手を伸ばした青年は、迷うことなく官兵衛の菊座に指を押し入れた。
「ひっ、ぁ、あ、何」
 その衝撃に眠りのふちから戻った官兵衛は、ぎょっとして青年を見た。
「お、おまえさんっ、何をして、ぁあっ」
「何って。言ったでしょう? 心地よくしてさしあげます。手の届かないところまで、磨きますって」
「ふ、ふぁ、あっ、だからって、んぁ、そんっ」
 ふふふと青年は微笑み、官兵衛が抵抗をするそぶりを感ずれば、それを阻止するように鈴口に爪を立てた。
「やみつきになるくらい心地よく、奥底にある淫靡な官兵衛さんを、磨き上げますよ」
「ひっ、ひぃいっ」
 秘孔を探る青年の指が、難なく官兵衛の淫点を発見する。腰を跳ねさせる官兵衛の陰茎から手を離した、青年が、くすくすと喉を鳴らした。
「ふふふ。官兵衛さんのチ○ポ、ぶるんぶるん震えて、犬の尻尾みたいだ」
「ぁひっ、やめっ、ぁあ、もう、やめっ」
 逃れようとする官兵衛の陰茎を、青年が握った。
「ひっ、いいいっ」
「気持ちよすぎて怖いんですか? 穴堀が得意な官兵衛さんに、穴を掘られる気分を教えてあげたいだけなんですよ。キレイに、キレイに奥まで擦って広げて、たっぷりと、ね」
「はっ、はぁああ、い、ぁ、やめっ、小生はっ、ぁ、そんっ、あぁあああぅう」
 ぐんと強く秘孔を押し広げられ、官兵衛の目の前で火花が散る。ぶるりと腰を震わせた官兵衛は、盛大に子種を吹き上げた。
「すごい! よっぽど溜まってたんですね。官兵衛さん。こんなに濃くて臭いなんて」
「はひっ、はっ、ぁ、あはぁあ」
 楽しげに、子種を噴き上げる官兵衛の陰茎を、青年は扱き秘孔の指を増やした。
「ふっ、ふぁ、あ、もうやめてくれっ、ぁ」
「まだまだ。これからもっと、心地よくなりますよ、官兵衛さん」
「ひっ、ひぃい」
 放つ陰茎を扱かれ秘孔を解される官兵衛が、涙目になる。全身が妙な浮遊感に囚われ、触れられていない乳頭が痺れて疼くのに、官兵衛は戸惑った。
「は、はぁあ、もう、じゅぶんっ、ぁ、十分だから、ぁ、やめてくれ」
「十分? そうは見えませんよ。チ○ポは子種をダラダラとはしたなく零しているし、おっぱいは揉んで欲しそうに震えているし。お尻の穴は、俺の指を歓迎しているし」
「ひふっ、ひぁおううっ」
 官兵衛が腕を振り上げ顔を隠せば、じゃらりと鎖がなった。
「恥ずかしいんですか? 官兵衛さん、可愛いなぁ」
「ひっ、は、恥ずかしいわけじゃ、ぁあ」
「じゃあ、何です? 心地よい顔を見せてくださいよ」
「んひぃ」
 終わりの無い快楽に、官兵衛が啼く。ほらほらと青年が顔を見せるよう促しながら、官兵衛の快楽を途切れさせぬよう、愛撫を続けた。
「はひっ、は、ぁは、もぉ、あぁ」
「ほら、恥ずかしくないのなら、顔を見せてください。――あ、そうだ」
 思いついた青年が秘孔から指を抜き、官兵衛の膝を押し広げた。
「俺が、顔を覗けばいいんだ」
「ぁ、何を、ぁ、お、おまえさん、まさか」
 秘孔に硬い物が触れて、官兵衛はそれが何かを察し、頬をこわばらせた。にっこりとした青年が、ぐんと腰を突き出し官兵衛の秘孔に突入した。
「がっ、ぁはぁおおっ」
「どうですか。官兵衛さん。穴堀官兵衛が穴を掘られる。なんて」
「んぁあ、ぬ、抜けっ、ぁ、は」
「ダメですよ。この上もない心地良さを、味わって貰うまでは抜けません」
「は、もぉ、十分っ、ぁ、だから」
「満足していないと、体は言っています」
「ひんっ」
 青年が官兵衛の乳頭を摘んだ。油でぬるつく指で強くされ、腰を突き抜ける快楽に官兵衛が高い声を上げた。
「官兵衛さん、そんな可愛い声を出すんですね。ふふ。汗と油で湿った胸が、色っぽいです」
「はぁあ、何をばかなことをっ、ぁ、んううっ」
「気持ちいいんでしょう? 乳首をひねると、俺のチ○ポに縋るみたいに、尻の肉がキュウキュウする」
「ひっ、ぁ、もぉ、やめっ、ぁ、ああ」
「素直に、気持ちがいいと言えばいいのに。年下の男に掘られるのが、そんなに恥ずかしいですか? それじゃあ、そんな気持ちもなくなる位にしてあげます」
「んぁあっ、ひっ、ひぃいっ」
 グリグリと乳頭を刺激され、官兵衛が腰を躍らせる。
「そんなに腰を振るなら、応えなくちゃいけませんね」
「何、ぁ、やめっ、動くな、ぁあ」
 青年が腰を動かし、官兵衛が首を振った。
「先に動いたのは、官兵衛さんですよ」
「ひっ、ひぃいっ、ぁは、違うっ、ちが、ぁあ」
「じっくりと、磨いてあげます」
「い、いいっ、ぁ、遠慮するっ」
「遠慮なんて、しないでください」
「ひはぁううっ」
 青年は若者らしい性急さなどみじんも見せず、ゆるゆると官兵衛の秘孔に自分の陰茎を擦りつけ、乳頭をこねまわし胸毛を指に絡めて遊ぶ。
「ふふ。官兵衛さん、そろそろ、子種を飲んでもらいますね」
「っ! い、いやだっ、ぁ、それだけは、それだけはぁあああっ」
 暴れようとする官兵衛を快楽で拘束し、青年は腰を振りたて官兵衛を乱した。
「ひっ、ひぃいっ、ぁ、やめあぁああっ」
 どくんと青年が官兵衛の内側で弾け、欲液を注ぎ込む。目を見開いて仰け反り受け止めた官兵衛は、自分の中で何かが砕けた音を聞いた。
「は、はぁ、あ、あ、あぁ」
 声を震わせる官兵衛に、青年はやさしい笑みを浮かべる。
「まだ、序の口ですよ。官兵衛さん」
 抜かぬまま、青年は官兵衛の乳頭を執拗に攻めた。肉体のみならず意識も弛緩した官兵衛の肌に、快楽の波が寄せては返す。
「官兵衛さん。ヨダレ、垂れてますよ。だらしないけど、可愛いですね。ふふ」
「ぁ、はぁうう」
「乳首、気持ちいいですか? 言ってくださいよ、官兵衛さん」
 ねぇねぇと催促されながら快楽に浸され続けた官兵衛は、抗うことを放棄した。
「ぁ、は、きもちぃ、ぁ、あっ、乳首っ、ぁ、コリコリぃ、ぁ」
 わななく官兵衛の顔が、恍惚に染まっていく。それに胸と股間を高ぶらせ、青年はさらに励み官兵衛から言葉を引き出した。
「ひっ、ひいぃ、はぁあ、チ○ポぉ、ゴリゴリぁあ、ケツ、きもちぃ」
「子種で、ぐちゅぐちゅなのに、まだ欲しがって動いて。官兵衛さんの助平穴、最高です」
「はひぃいっ、チ○ポぉ、すご、ぁはぁあ」
「もっと深く繋がりましょう。もっと奥まで、磨かせてください」
「ぁふっ、ん、ぁあ」
 青年が官兵衛から離れ、うつぶせになるよう促す。考えることを放棄した官兵衛は、のろのろと従い尻を持ち上げた。
「ほら、いきますよ」
「ぁひぃいいっ」
 ずちゅん、と青年の陰茎が官兵衛の秘孔に溜まった自分の子種を押し出しながら、深く刺さる。
「ほらほら、官兵衛さん。どうですか?」
「んはぁあ、きもちぃ、ぁあ、いいぃいいっ」
 ぱぁん、と乾いた音を立て、青年は官兵衛の尻を叩いた。
「ひんっ」
「あはは。官兵衛さん、叩かれるのが気持ちいいんですね。すごく、締まる」
 ぱぁん、ぱぁんと官兵衛の尻を平手打ちしながら、青年は腰を打ちつけた。
「ひぃいっ、ひっ、ひぃいんっ」
「馬みたいですよ、官兵衛さん。ふふふ、尻エクボが出て、可愛いですね」
「ふはぁううっ」
 鉄球をも軽々と振り回し、大岩を砕き掘削をする官兵衛が、自分の半分も無いほどに華奢な青年に犯され、求めるように腰を振る。
「官兵衛さんの如水穴、ほんとうに猥らですね。満足させる前に枯れてしまいそうです」
「ぁはぁううっ」
「気持ちいいですか? じゃあ、言ってください。官兵衛、如水穴を掘られるの、気持ちよくて大好きって」
 ねぇ、と青年が腕を伸ばして官兵衛の陰茎を掴んだ。
「はぁあんっ」
 うっとりと官兵衛が啼く。
「上手に言えたら、扱いてあげます」
 先端をこねて青年が促し、官兵衛はあっさりと陥落した。
「か、かんべぇの、にょすいあなぁあ、ほられるの、きもちぃ、ぁあ、すきぃ、すきぃい」
「良くできました」
「んはぁああっ」
 褒美にとろけるほどの快楽を与えられた官兵衛は、淫蕩に満ちた極楽へと旅立った。

 掘り出した土を運ぶ手押し車を片付けて、男たちが本日の仕事を終える。
「ふう。官兵衛さんの鉄球のおかげで、邪魔な岩が砕けて良かったな」
「まったく。あれがなけりゃあ、穴が掘り進めらんねぇぜ」
 朗らかな笑みを浮かべる男たちの全身は、汗と砂埃にまみれていた。
「そんなら、すっきりさっぱりと汚れを落として、酒でも呑みながら休もうか」
「そうだな」
 笑みを交わす男たちが、風呂へと向かう。
「そういえば、官兵衛さん。ますます俺らに気を使うようになったよな」
「そうそう。誰も彼もが風呂を終えてからじゃなきゃ、入らなくなったもんな」
「なんでも、風呂焚きをしている新入りが、官兵衛さんの垢を擦ったりしてるらしいぞ」
「ああ、そりゃあいい。官兵衛さんは、手かせがついているからな。なるほど、そうか。だから俺らに遠慮してんのか」
「自分だけが人に垢を擦らせてるってのを、気にしているんだろう」
「気にする必要なんか、ねぇのになぁ」
 あははと笑いながら、男たちが風呂で汚れを落とし去っていく。それを見送ってから、官兵衛は青年に服を脱がしてもらい、ざっと汚れを落とされてから湯気の中に身を投じた。
 その体が十分に温まったころに、青年が水をたっぷりと抱えた桶と垢すり用の竹べら、手ぬぐい、丁子油を手にして入ってきた。
「官兵衛さん」
 求めるように青年が呼ぶと、官兵衛は惚けた顔で物欲しそうに青年を見上げ、身をくねらせた。
「小生の如水穴、今日もおまえさんのチ○ポで、ゴリゴリ磨いてくれるんだろ」
「その前に、たっぷりと乳首をいじって、子種を絞ってさしあげますよ。官兵衛さん」
 剣呑に光った青年の目に、ぶるりと身を震わせた官兵衛の陰茎が、嬉しげに跳ねた。

2014/05/17



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