凍える冬の風の寒さから、酒気と料理の湯気に体内から温められると、凍えていた心もゆるむ。陽気な気分になれば人をからかいもしたくなる。そういう場合、えてして犠牲になるのは、若く気真面目で初心な者と、相場は決まっていた。 甲斐は武田の屋敷の広間で行われている宴会でも、例に漏れずに若く初心な者が、年配者の餌食となっていた。「槍を持てば紅蓮の鬼と言われる真田殿は、こと色の道になれば年端もいかぬ子どもと同じにござるな」「睦言は、ある意味、戦にござるぞ。あれほど血沸き肉踊り、猛るものを知らぬとは」「若き魔羅がたぎらぬわけでは、ござるまい。いかにしておられるのか」 そんな言葉から始まった戯言は、やれどこの遊女の肌はすばらしかっただの、どのような技でもつれあっただの、具体的な話に変わっていく。その場から逃れるときを逸してしまった真田幸村は、顔どころか体中を真っ赤に染めて、耳を塞ぎたくなるような痴語の渦の中、身を小さくして堪えていた。その姿が、酒酔いの者たちの興をかきたてて、いよいよ会話は具体的になってくる。「魔羅をしゃぶられるというのは、えもいわれぬ心地ですぞ。真田殿。今度、上手の者を紹介してさしあげましょうか」「けっ、結構にござりまする」「英雄、色を好むと申すもの。真田殿ほどの猛将であれば、さまざまな色事を覚えておいて良うござろう」「いや、某はまだまだ未熟ゆえ」「あれほど猛々しく戦場を駆けまわられるというに。こういうことになると、ねんねと同じになられる。いや、不思議不思議」「なぁに。一度、知ってしまえば戦場と同じく、すばらしき槍さばきをなされるのではないかな」 実に楽しげな年嵩の先輩武将たちに囲まれ、幸村は早く抜けだしたいと願いつつ、ちらと周囲に目を配る。こういう時に、幸村が頼れる相手はただひとり。「旦那ぁ。そろそろ寝たほうがいいんじゃないの。明日も、朝から大将と鍛錬、するんでしょ」 のんきな声に、幸村は助かったと顔を輝かせた。「おお、そうであったな。寝不足の状態でお館様と対峙するは無礼千万。では、おのおの方。某はこれで失礼仕る」 ほっとしながら挨拶を済ませた幸村は、にこにこと穏やかな笑みを浮かべた腹心の忍、猿飛佐助の後について宴会場を後にし、私室に戻った。 幸村の私室に入り、障子を閉めて次の間の襖もぴっちり閉め切ってから、佐助が肩を震わせる。「なっ、何を笑っている。佐助ぇ」「んっ、だって。旦那ってば、あんなに小さくなって、真っ赤になって震えて……っ、ぶは」 堪えきれなくなった佐助が、声を立てて笑う。むう、と唇を尖らせた幸村は、忍の無礼を咎めずに、ふくれて顔を背けた。「ああ、もう。そんな拗ねた顔、しないでよ」「うるさい。あのような会話は、俺は苦手だと知っているだろう」「うん。知ってる」 ぷに、と佐助の長く細い指が、幸村のふくれた頬をつついた。「でも、もう少し受け流せても、良かったんじゃないの」 ぷに、ぷにっとつついてくる佐助の手を、ハエを払うように幸村が手のひらで打った。「そのようなことが出来れば、苦労はせぬ」「出来るようになれると、思うんだけどなぁ」 ふふんと鼻を鳴らした佐助を、幸村は丸い目に問いを乗せて見た。「だって、旦那は知ってるだろ?」 イタズラに誘うような含み笑いを浮かべた佐助が、幸村の耳に唇を寄せた。「魔羅しゃぶられる気持ちよさを、さ」「なっ!」 零れ落ちそうなほど目を丸くした幸村の唇に、ふふんと楽しげな佐助の唇が触れた。「しゃぶって気持ちよくなっちゃえるしね。旦那、口の中、気持ちいいんだもんね」 にっこりときれいな笑みを浮かべる佐助を、えさをねだる鯉のように口をパクパクさせて見つめ、幸村は満面に血を上らせた。「ほら」「っ!」 幸村のアゴに手をかけた佐助が、開いた幸村の口内に舌を差し込んだ。「んんっ、ぅ」 幸村が驚いている間に、彼の舌に舌を絡めて吸い、口内を探る。佐助を止めようと、彼の肩を掴んだ幸村の手は目的を果たせず震えた。切っ先のように鋭く細められた佐助の目が、艶冶にきらめいている。それに見つめられながら口内を蹂躙され、幸村はポウッと意識をとろかせた。「ふっ、んっ、ぅう」 幸村の瞳が濡れたのを確認し、佐助が唇を離す。「ふはっ、はぁ、は」 赤く濡れた幸村の吐息が甘く熱い。含み笑いを浮かべた佐助が幸村の腰をなでれば、ぞくぞくと幸村は肌を粟立たせた。「はっ、ぁ、佐助」「ほら。口の中、すごく気持ちいい」 はっとした幸村が文句を言いかけ、佐助は口内に指を入れてそれを止める。「んぅっ、う」「噛まないでよね、旦那。俺様の指ってば、とっても繊細だから」 にっこりとした佐助が、すぐに獲物を狩る獣の気配となり、唇を舐めて幸村の口内を指で探った。「ふんっ、んぅ、ふっ、ふんぅう」 顔を振り、身をよじり逃れようとする幸村を壁に押し付け腰を抱き、足の間に足を入れて動きを封じる。「ふふ。旦那、かわいい」「んぅうっ、ふぁ、んっ、んうう」 ぐ、と佐助が足の間に入れた太腿を、幸村の下肢に押し付け、そこが硬くなっているのを確認した。「こんなに硬くして。そんなに口の中、気持ちいい? それとも、色々な事を言われて、俺様との助平なコトを思い出して、熱くしてたのかな」 意地悪くささやく佐助を、幸村が睨む。その目の光の強さと、淫蕩に濡れた揺らぎが佐助の胸を熱くした。「ふふ。旦那、可愛い」「んううっ」 ぐり、と太腿で下肢をつぶされ、幸村の腰が跳ねる。「旦那がこんなにヤラシー顔が出来るなんて知ったら、びっくりされるだろうなぁ」「んぅっ、んふぅうっ、んはっ」 佐助の指が幸村の口から抜けて、顎を伝い首を滑り胸乳に届く。色づきを指の腹で撫でられて、ひくりと幸村の喉仏が動いた。そこに、佐助が喰らいつく。「旦那」 佐助の息が、熱く甘い。意識を愛撫され震えながら、幸村は流されまいと理性をかき集めた。「聞いていたのなら、何故、早く助けに来ぬ」 小首を傾げ、幸村の鎖骨に唇を寄せたまま佐助が見上げる。不思議そうな瞳を見下ろし、幸村は憮然とした。「俺が困っていたことに、気付いていたのだろう」 しばらく幸村の怒り顔を見上げてから、佐助は応えず幸村の胸乳に彼の唾液で濡れた指を這わせ、もう片方に舌を伸ばした。「っ、ふ、佐助! 答えろ」 佐助の指が、舌が胸乳に快楽の波紋を作り、幸村の肌身に広げていく。甘い刺激に身をよじった幸村は、下肢に押し付けられた佐助の太腿に、牡が擦れる野欲に息を呑む。そこから広がる波紋と胸乳から伸びる波紋が、さざめきあって幸村の意識の奥を愛撫した。「んっ、ぁう、く、ぅう、佐助ぇ」 堪えようと喉を締め、内腿に力を込めて震える幸村に、佐助は野欲に潜む嗜虐に胸を高鳴らせた。「答えぬかっ、ぁ、んぅうっ」 きゅう、と強く佐助が胸を吸えば、幸村が目も口も堅く閉じて声を堪える。空いた手で佐助が腰をなでれば、幸村は必死に歯を食いしばり、声を堪えた。たまらず佐助が熱い息を漏らし、それが濡れた尖りに触れた。そんなわずかな刺激にも、幸村は身を震わせる。「どうして俺様を、咎めるのさ」 幸村から少し離れた佐助の声が、静かに澄んでいる。え、と瞳で言った幸村に、佐助は不思議そうに色のない顔をしてみせた。「かわせないのは、旦那の未熟だろ。それを、どうして俺様に助けてくれなかったって文句に変えるのさ」 ぐ、と幸村が言葉に詰まり、視線を落す。罪悪感を兆した幸村の胸に、佐助は追い討ちをかけた。「戦になると、連携が大切だからね。ああいう冗談をうまくこなして、親密さを上げたりとか。そういう修行になるだろうって思って、気付いていたけど心を鬼にしてガマンしてたのに」 大げさな溜息をつき、佐助は肩を落とした。その気配に、幸村はますますうなだれる。「旦那が真っ赤な顔して小さくなってるから。俺様ってば、ガマンできなくて声をかけちゃったんだよ」 心底の後悔を匂わせ、ちろりと佐助が幸村を見れば、彼が拳を握り快楽ではなく反省に震えている。こっそりとほくそ笑んで、佐助は頭(かぶり)を振った。「本当。旦那のことになると、どうしても甘くなっちゃう自分が、情けないよ」「佐助」 幸村の呼び声に、申しわけなさが滲んだ。「旦那が苦しんでいるところを、見たくないんだ。忍としても、補佐役としても、失格だよね」「佐助、そんなことは」「旦那のことが、苦しいくらいに大切なんだ」 眉寝を寄せ、胸元の衣を握って訴える佐助に、幸村が下唇を噛んだ。「すまぬ、佐助。俺が不甲斐ないばかりに、佐助にそのような思いをさせてしまった」 すまぬ、と頭を下げる幸村に、佐助は手を伸ばした。頬を両手で包み、優しく顔を上げさせる。「旦那。俺様で、いいの?」 不安げにつぶやけば、幸村がきりりと眉をそびやかした。「佐助でなくば、何もかも務まらぬ」「よかった」 心の底からの安堵を吐き出した佐助が、幸村を抱き締める。幸村も腕を回し、佐助を抱き締めた。ぺろり、と佐助が舌を出す。「旦那」 甘くささやき耳朶を噛めば、ぶるりと幸村が震えた。「欲しい」 こく、と幸村が唾を飲む。「旦那が欲しくて、たまんない」 幸村の手を掴み、佐助は自分の股間に押し当てた。びく、と幸村がこわばる。「こんなにしちゃう俺様を、いやらしいと思うよね。破廉恥でごめんね、旦那」 ぶるぶると幸村が首を振り、佐助の目を覗きこむ。「謝る必要などないぞ、佐助。俺も、その、お、同じだ」 目じりを赤くして、幸村が佐助の手首を握り、自分の下肢に彼の手を導く。「オマエの言う通り、会話の折、少し、その、佐助とのコトを思い出しておった」 言い終わると同時に耳まで赤く染めた幸村が、うつむく。幸村の頭に唇を寄せて、佐助がねだった。「旦那に、しゃぶられたいな」 唇を引き結んだ幸村が、おそるおそる頷いた。ありがと、とささやいた佐助が着物を脱ぎ、下帯をほどく。天に向かっている佐助の牡を目にし、幸村は喉を鳴らして膝をついた。手を伸ばし、口を開いて口内に佐助の牡を招く。「んっ、ふ」 両手を添えて幹を扱き、先端をしゃぶる幸村の揺れる頭を、佐助は撫でた。性的な雰囲気など有さぬ幸村が、乱れ着衣で瞳を潤ませ牡をしゃぶる。それがどれほど男の野欲をそそるのか。彼はまったく無自覚であった。だからこそ、佐助は独占の優越に魂を膨らませ、悦びに浸る事が出来る。「んふっ、ん、ちゅ、は、佐助」「旦那。きもちいいよ」 体を折った佐助が髪に口付ければ、幸村は喉奥まで牡を飲み込み、佐助を高めた。「んふっ、んっ、んむっ、は、んじゅっ」「はぁ、旦那」 幸村の口内に、佐助の味が滲む。口内の牡が硬さと熱を増すごとに、幸村の下肢も膨らんだ。「ぁ、旦那――出すよ、っ」「んぶっ、ぐ、げふっ、ぅ、んううっ」 幸村の頭を抑え、喉奥に佐助が放つ。むせながらも、なんとか堪えた幸村は、佐助の粘つく欲液を苦労して飲み干そうとした。「ああ、いいよ。旦那」 佐助が幸村の口内に指を入れ、自分の欲液を掻き出す。涙目で口を開け、おとなしくしている幸村の姿に、佐助の野欲が理性を食いつくした。「これ、潤滑油がわりに使うね」 呆けていた幸村が、羞恥と期待に目を泳がせて頷く。愛おしさを沸きあがらせた佐助が、幸村の額に唇を押し付けた。「旦那。着物を脱いで、繋がる場所を見せて?」 こくりと小さな子どものように頷いた幸村が、着物を脱いで下帯を落とす。あらわになった彼の牡先は、ほんのりと濡れていた。羞恥を堪え、唇を噛み、幸村が膝を立てて寝転がり、足を開く。膝頭に唇を乗せて、そこから内腿を滑りおりた佐助は、幸村の茂みに舌を絡め、奥まった場所に隠れている秘孔を、自分の欲液をからめた指で探った。「あっ、ん、ぅ」 佐助の指が秘孔に沈み、幸村が身をこわばらせる。それをほぐすように、佐助は彼の陰茎を唇であやし、秘孔をほぐした。「はっ、んぁ、あ、は、さ、すけぇ」「ん、旦那。きもちい?」「んぅっ、ふ」 恥ずかしそうに、幸村が頷く。ふふっと笑みを漏らした佐助が、良かったと呟き牡の裏筋を舐め上げた。「っ、はぁあああ」 幸村が心地よさそうにアゴをそらせ、甘い声を漏らす。指を増やし秘孔を淫靡な花と開かせながら、佐助は達さぬ程度に幸村の牡に舌を絡める。滲む蜜を吸い、口内に引き入れ扱き、軽く歯を立て味わうたびに、幸村の息が上がり、声の押さえが取れていく。「ぁはっ、んっ、は、はぁあう、さすっ、ぁ、はぁ」 切羽詰った嬌声に、そろそろかなと佐助は指を抜き、幸村に覆いかぶさった。「旦那、いい?」「早う、来い」 胸をあえがせ首に腕を絡める幸村に、佐助は唇を押し付けた。「うん。旦那」「ぁ、ひ、ぁお、ぅ、んぅうっ」 佐助が幸村を貫き、身を沈める。息を詰める幸村の瞼に口付け、胸乳をいじりながら根元まで押し込んだ。「っ、は。ぜんぶ、入った」 わかるよね、と耳元でささやけば、幸村が頷く。「動いていい?」「聞くな」「教えて」 甘えた響きの佐助の声に、唇をわななかせながら幸村が答えた。「動け」「りょーかいっ」 声を弾ませ、佐助が踊る。それに促され、幸村も舞った。「ぁ、はっ、んぁ、はぁあうっ、さすっ、ぁ、さすけぇ」 とろける声に、佐助の胸が溶かされる。「ああ、旦那。すごく熱い。俺様、溶けそう」「ぁはっ、んっ、ぁ、さすっ、ぁ、も、ぁ」「うん。もっと、もっと熱くなろう。一つに溶けちゃおうね、旦那」「ひんっ、はっ、はんっ、はん、あっ、さすけぇ」 涙をこぼす幸村の目じりを吸い、唇に舌を伸ばす。佐助の舌を迎えるように、幸村も舌を覗かせ唇を求めた。「んふっ、んっ、はぁ、あっ、さすっ、ぁ、ん」「旦那っ、は、も、限界」 佐助が、腰の動きを速めた。「ひあぁあっ、はっ、さっ、さすっ、ぁはぁう、さすけぇえっ」 あえぎ、しがみつく幸村の牡が自分の腹と佐助の腹に潰されて、蜜をあふれさせる。穿たれる心地よさとすり潰される牡の快楽に、幸村の腰がうねった。「ぁはっ、はんぁ、も、ぁ、もぉ」「うん。俺様も、でるっ」 早く早くと求める媚肉に促され、佐助が果てる。脳髄まで溶けそうなほど、熱い奔流に捉えられ、幸村の腰が弾けた。「ぁはぁあああっ!」 背を反らして果てる幸村の秘孔が締まり、佐助の残滓を搾り取る。眉根を寄せてそれを味わいながら、佐助は放つ幸村の牡を扱き、蜜筒の全てを吐き出させた。「ぁ、は、はぁ、は」 絶頂の余韻に虚脱する幸村の、汗で湿った額に前髪が張り付いている。それを優しく掻きあげて、佐助は唇を寄せた。「旦那」 呼べば、気だるそうに目を動かして、幸村が佐助を見る。心の底から、最高に幸福な笑みを浮かべた佐助が、幸村の唇に唇を押し付け、鼻先を重ねた。「やっぱり、旦那はずっと、あぁいう会話に耐性が出来なくても、いいや」 幸村が、瞳で問う。「旦那が助平なことは、俺様だけの秘密ってね」 んふふと心をとろかせる佐助に、幸村がむうっと唇を尖らせた。「ずるいぞ、佐助」「何が」「佐助のみが、俺の秘密を知っているということがだ」 きょとん、と佐助が瞬いた。「え? じゃあ、旦那。助平なこと知ってますって、こんなふうにメロメロになっちゃいますって、誰かに言うつもりなの?」「違う!」「痛ぇっ!」 幸村が、力任せに佐助の後頭部の髪を掴み、佐助が涙目になった。「ちょ、旦那。ハゲるっ、ハゲるからっ」 佐助のあまりの痛がりように、幸村が慌てて手を離した。「す、すまぬ」「あぁもう。後頭部むしられハゲになるとか、かっこわるいったら。――で? なにが違うのさ」 むうっと再び不機嫌になった幸村が、ふいっと顔をそらした。「佐助が助平なことを、俺だけの秘密にさせろ」 怒ったように拗ねて照れる幸村の横顔を、言われた言葉が脳に浸透するまで、佐助は見つめた。「えっと……」「それで、あいこだろう」 そっぽを向いたまま、目だけを佐助に向けた幸村がぎょっとする。見えた佐助の笑みが、かつてないほど幸せそうで、ぽかんとして顔を戻した。「佐助?」「んもう! そんなの、当然に決まってんだろ。俺様が、こんなヤラシーことしたくなるの、旦那だけなんだからっ」「うわっ。佐助」 全身をウキウキさせて抱きついた佐助が、幸村の顔中に唇を押し付ける。「旦那ぁ」 ネコが餌をねだるような、甘えた声の佐助を幸村が撫でた。「なんだ」「もっかい、しよ?」 獣であれば、尻尾を上機嫌に振り躍らせているだろう。そう思うほどに機嫌よく、佐助が甘えてくるのは珍しい。ほっこりと、幸村は口元をほころばせた。「かまわぬ」「やった。じゃ、たっぷりと、俺様がどんだけ旦那に助平な気持ちを持ってるか、味わって覚えてくれよな」「えっ、わ――んぅっ、は、さすっ、ぁ、ああっ」 じゃれつく忍の手玉に取られ、好きに乱され吼えながら、幸村は愛おしさに包まれ溶けた。2013/12/24