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官能語り

 何ゆえ、そのようなことになったのか。
 某にも、わけがわかり申さぬ。いつもの通りに、屋敷の裏山で鍛錬に励んでおったはずなのだが、ふっつりと意識が途切れ、気付けば身知らぬ小屋の中におった。
 小屋の中には甘ったるい花のような香りが漂っておった。
 ここはどこなのかと身を起こそうとしたが、四肢は軽い痺れに包まれて力が入らぬ。意識は靄がかかったようになっており、深く物事を考えようとすれば痛んだ。
 ままならぬ体をもてあましておると、扉が開き、数人の男が入って参った。貴殿らは誰だと声を出そうとしたが、舌がうまく回らぬ。男らは某を取り囲み、顎に手をかけ顔を確かめると、おもむろに着物を脱いだ。裸身となった彼らは某を掴み、某の着物を脱がしたかと思うと、ぞろりと舌で某の肌を舐めはじめた。
 何をする、と叫ぼうとしても声が張れぬ。逃れようとしても力が入らぬ。それでも残る力をふりしぼり、逃れようと試みた。だが、男たちはそんな某をあざ笑うかのように、指をねぶり腕を舐め、腹を、胸を筋肉の筋を確かめるように舌を這わせていく。
 某は唸った。そうする以外の抵抗ができなかった。
 歯がゆさに堪えていると、妙な感覚が肌の奥に走った。一体これは何なのだろうかと思った先から、その感覚が身に起こる。戸惑う某を、男たちは笑った。
 心地よくなってきたかと。
 何のことかと問えば、髪を掴まれ引き起こされた。痛みに顔をしかめれば、体を折られた。足の間に顔を突っ込むように頭と肩を押されて、某は目の前につきつけられたものに目を見開いた。
 大きく開かれた某の足の間で、魔羅が頭をもたげていたのだ。
 某を囲む男たちが喉の奥で笑いながら、某の口に指を入れた。口を開かされた某は、さらに頭を押されて自分の魔羅の先を口に押し込まれた。
 これは、どういうことなのか。
 成すすべもなく、某は自らの魔羅の先をしゃぶった。男たちの下卑た笑いが某を包んでいる。男の一人が某を背後から抱え上げた。某は魔羅をしゃぶったまま、両足を広げる格好となった。
 某の足の間に、男の顔が近付く。荒く熱い息が、某の下生えをそよがせた。ニタリと開いた口が、某の蜜嚢をしゃぶり、指が魔羅に絡んだ。
 某の脳裏に、気持ちいい、という単語が閃いた。閃いた瞬間、四肢に絡む舌に感じたものが何なのかを、某は知った。男たちに肌を舐められ、某は性的な喜びを浮かべていたのだ。
 なんと浅ましく、破廉恥なことか。
 某は見も知らぬ男どもに肌身を蹂躙され、猥らな喜びを浮かべていたのだ。
 気付いた瞬間、愕然としたと共に、得体の知れぬ感覚が意思を持って某を苛んだ。
 それはすなわち、快楽だ。
 某は男どもに触れられるごとに、身の内より湧き起こる、おぞましい快楽に侵食されていった。どれほど抗おうとも、自身の内側から生まれ来るものは尽きることなく、某のすみずみにまで広がっていく。
 やめろと叫ぶ自分の声が、ひどく遠く感じられた。
 某の肌身に絡む男どもに言っているのか、身の内から湧き起こるものに言っているのか、わからなくなっていく感覚は、自分自身に裏切られたようだった。
 恐怖というには生ぬるいものに、某は抱きすくめられた。
 そしてそれは全て、快楽となった。
 某は咥えた魔羅から、快楽の証の味を吸った。まごうことなき己の味だ。
 眩暈がした。
 それと同時に、湧き上がる情動を抑えきれず、自分をしゃぶる己に気付いた。
 某は、男どもに咥えさせられた自分の魔羅を、嬉々としてしゃぶっていたのだ。
 自分のものとは信じられぬ声を、某は放っていた。男どもの息は荒さを増して、某に絡みついた。
 鍛え抜かれた某の四肢を褒め、みっしりと盛り上がった胸筋を愛で、腹筋を慈しんだ。引き締まった尻だと言いながら、某の尻を左右に割り、顔を埋めた。
 ぬめるものが、某の尻の割れ目を這った。
 某の喉の奥が鳴った。男どもはそれを喜び、かわるがわる某の尻を舐めた。
 いやだと叫んだ某の口から、己の魔羅がはずれた。それは与えられる行為に喜び、屹立していた。
 舐め尽くされた尻の穴がひくつくのを、某は知った。開いてはすぼむそこに、男どもの舌が触れる。吐き気のようなものが這い上がるというのに、某の魔羅は快楽の汁を零し続ける。
 某の体は、某の魂を完全に裏切っていた。
 男どもが尻の間に顔を突っ込むことをやめ、小瓶を取り出した。某は床に這わされ、尻を持ち上げられた。甘い香りが強くなる。尻が割り広げられ、冷たいものが尻の穴に注がれた。思わず跳ねた某の腰が、しっかりとつかまれる。そのように押さえつけられずとも、某の四肢は抵抗するほどの力を有してはいなかった。
 尻の中に冷たいものが流れ込む。かと思えば、何かを突っ込まれた。グニグニと動くソレが指であることは、すぐに知れた。
 某は不快に身を震わせた。それに気付いたのか、誰かが某の魔羅をつかんだ。クビレより先を手のひらにつつまれ、某はうっとりとした声を出した。
 そう。某は、心地よさげな音を吐いたのだ。
 指が某の尻を探る。手のひらが某の魔羅をこねる。
 某はただ、肌身を震わせて声を上げた。
 男どもの指は、慎重だった。壊れ物を扱うように、某の尻の穴を探っている。某は探られる内部の肉が、熱く蕩けてゆくのを知った。
 男どもも某の変化に気付いたのだろう。某はふたたび、背後にいる男に抱え上げられた。
 ひたりと硬いものが尻にあてがわれる。前に回った男が、某の胸乳に吸いつき、魔羅を擦った。
 体が蕩ける。
 顎を仰け反らせ、おもわず高い声を上げてしまった某を、何かが貫いた。
 喉が詰まり、目の前に火花が散る。それを和らげるように、胸乳がくすぐられ、魔羅が擦られた。
 じわじわと衝撃が消えてゆくと共に、某は尻に何かを埋め込まれていることを知った。そしてそれが、男の魔羅であるということを――。
 信じられぬ思いで、某は男どもを見た。男どもは楽しそうに、すぐに好きになると言った。好きになるとは何をだ。何ゆえ貴殿らは、某に魔羅を突きたてるのだ。
 男の一人が某の筋肉を確かめるように、手のひらで撫で回した。そして言った。
 虎の若子として鍛え抜かれた肉体は、戦場で働く男どもの性欲を慰めるためにあると。
 違うと叫ぶ某の声は、男の指にふさがれた。口腔を指で蹂躙されながら、某は揺さ振られた。
 尻の中を魔羅が動く。
 圧迫が苦しいはずなのに、塗り込められた液体のせいなのか、なめらかに魔羅は動く。そして某の内壁は魔羅に絡み、その形状を意識に知らせてくる。
 某の肌は泡立ち、自分の体が自分のものではないような感覚に陥った。触れられるどこもかしこもが心地いい。内壁が魔羅を求めて蠢いている。なんと浅ましい体か。
 某が鍛え続けたこの肉体は、本当に戦場で働く者どもの性欲を慰めるためのものなのだろうか。
 某の口から指が抜かれ、雄々しくそそり立つ魔羅が差し出された。しゃぶれと命じられる。
 某の意識が滲んだ。自身の魔羅の味が口内に蘇る。それと同時に、自らの射精欲と目の前の魔羅の姿が重なった。
 某は尻を突かれながら魔羅をしゃぶった。喉の奥をつかれ、えづきながら魔羅に吸いついた。すると某は、口腔を乱されて得る快楽があることに気づいた。
 某はそれを求め、牡臭い魔羅にむしゃぶりついた。胸の奥が満たされ、乳首が疼き、魔羅が震える。熱に擦られる内側の肉が勇躍し、某は身をくねらせて喜びを示した。汗で某の後ろ髪が背にはりつく。尻の中と口の中で、魔羅が弾けた。
 某も身を震わせて絶頂を迎える。
 その瞬間、戦場と同じように血湧き肉踊る恍惚を味わった。
 ああ、そうか。
 某が鍛錬を積んできたのは、お館様のため縦横無尽に駆け巡り、敵を屠るだけにあらず。
 猛りを持て余した者らを慰め、さらなる働きを行わせるために、こうして身を捧げ奉仕するためでもあったのだ。
 白濁とした恍惚に包まれながら、某は自分の中でくだける何かの音を聞いた。

 闇に包まれた幔幕の内側は、真田幸村の陣所。そこから獣のような声が響いていた。
「はぁ、幸村様ぁ」
 裸身の兵士らが汗を滲ませ、一人の青年に群がっている。
「はんっ、は、はぁあ、ああ、もっとぉ、ぁ」
 嬌声を上げ、男に貫かれて身を捩っているのは、まごうことなき真田幸村。戦場では紅蓮の鬼と称されるその人だった。
「んはっ、ぁ、ああ、魔羅ぁ、もっと、は、足りねばしゃぶる……遠慮なく、出してみせよ」
「幸村様っ!」
「はぁあ、旨いっ、ぁ、もっとたぎらせよ……もっと、某を追い詰めてみせよ」
 肌を赤く染め、大きく足を開いて誘う若き四肢に、兵らが絡み付く。
「んぁあっ、奥、もっと腰を入れて突かぬか……っ、は、そのような動きでは、足りぬぅう」
「はいっ、幸村様ぁあっ」
「ひふっ、ぁ、乳首ぃ、そんっ、ぁ、捻……っは、ぁあ」
「幸村様、魔羅もしゃぶってさしあげますね」
「ひふぅうんっ、ぁあ、もっとぉ、ぁ、もっと励み、明日の合戦……存分に、心置きなくぅう」
「もちろんですっ! ぜってぇ勝って、また幸村様とこうして……くううっ」
「ぁはおぉおうっ……はっ、はぁ、まだまだぁ……挑んでおらぬ者は、遠慮せずかかって来い」
「よろしくお願いしますっ! 幸村様」
「うぐっ……は、ぁあ、深いぃ」
 ある日、行方をくらませた幸村は、ふらりと戻ってきた翌日から、合戦の前に兵らの士気を上げるため、自らの足を開き身を捩るようになった。
 はじめの頃は戸惑っていた彼らだったが、見目麗しく武人としての力量も申し分の無い幸村を、好きに蹂躙できる喜びを受け入れた。
「はんっ、はひぁうっ、まだまだぁあ」
「幸村様ぁあ」
 身も心も一つとなった幸村の部隊は、尋常ならざる覇気を放つと、今まで以上に戦場で恐れられる存在となった。

2015/01/08



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