元気一杯に木陰の道を進んでいく真田幸村の、ひとふさだけ長い後ろ髪が、うれしげに揺れている。それを眺めつつ、後を追っているのは、幸村の忍であり副将でもある猿飛佐助。それと、奥州を統べる伊達政宗のふたり。 ここ甲斐に政務の一環としてやってきた政宗が、蒸し暑くてならねぇな、とこぼしたので、幸村は屋敷奥の林にある小川へ案内をしようと提案した。それはいいと政宗が腰を上げ、ふたりで出かけようとしていたところに、ひょいと佐助が顔を出し、どうせなら外で茶を喫しようと、いつの間に用意したのか、茶の入った竹筒と笹の葉にくるんだ団子を幸村に見せた。 さすがは佐助だ、と幸村は喜色満面になり、政宗は心中で「余計なことを」と文句をつけた。隻眼をわずかに細めた政宗に、佐助は不敵な笑みを向ける。大切な主、幸村に対して、政宗が不埒な感情を持っていることを知っている。ひと気のないところで、ふたりきりにするなぞ、とんでもないと、佐助の瞳は語っていた。 自分を挟んで、静かな火花が散っているとは思いもせずに、幸村はご機嫌で散歩に出かけ、その後を佐助と政宗が進んでいた。 川のせせらぎが耳に届くと、幸村は足を速めた。「大将。そんなに急がなくても、川は逃げないよ」「わかっておる」 佐助の注意に、幸村は嬉々とした声を返した。戦場では紅蓮の鬼と称される幸村だが、ふだんの所作は年よりもあどけない。庇護者的な苦笑を浮かべた佐助の横で、政宗が満足そうに唇をゆがめる。自他共に認める好敵手のそういう無垢な様子を、気に入っているらしかった。 川は清らかに陽光を反射し、涼やかに流れている。幸村がクルリと振りむけば、佐助が懐から手ぬぐいを出して見せた。足を川につけてもいいよ、と目顔で示す。幸村は袴の裾をはしょり、水に足をつけた。心地よさげに目を細める彼の笑みに、佐助も政宗もふっくらとした笑みを浮かべた。そして幸村をはさんで、左右に腰かけ流れに足を浸す。「It is the best here to enjoy the cool air」 政宗のつぶやきに、幸村はニコニコと首を傾げた。南蛮語の意味を問うている瞳に、政宗は極上の笑みを向けた。「涼むには最高の場所だな」 日本語で言いなおした政宗に、幸村は心なしか誇らしげに胸をそらした。「お気に召していただけて、ようござった」「大将。ほら、団子」 政宗とばかり会話させてなるものかと、佐助が笹の葉の包みを幸村の膝に置いた。「おお。すまぬな、佐助」「どういたしまして」 政宗が幸村にはわからぬよう、そっと佐助を睨む。佐助はそれを受け流し、包みを開いて団子をつまむ幸村を、優しげに見つめた。「うむ。うまい」「よかった。木の実を練りこんでみたんだけど、どうかな」「もちもちの中に、良い歯ごたえがあって、うまいぞ」 しあわせそうな幸村の笑みに、佐助は幸福を味わう。「政宗殿も、お召し上がりくだされ」「Ah、それじゃあ」 勧められた政宗は、不敵な笑みを浮かべて幸村の顎に長い指を添え、顔を近付けた。「あっ!」「んむっ?!」 佐助が声を上げるのと、政宗が幸村の口を塞ぐのとは同時だった。目を白黒とさせる幸村の腰をしっかりと抱き、政宗は彼のまんまるい目を視線で捉え、口腔を味わう。「んふっ、んううっ、う、ふ」 上顎をくすぐられ、舌を吸われる幸村の鼻から息が漏れる。「ちょっと、何やってんのさ」 佐助の腕が幸村の肩にまわり、もう片手が政宗の首に触れる。「んふっ、は、ぁ」 危険を察した政宗が顔を離すと、幸村は軽くあえぐ胸に手を当て、うるんだ瞳で咎めるように政宗を睨んだ。「何を、いきなり……」「味見、だ」 政宗が艶冶に微笑み唇を舐める姿に、幸村が頬を染める。それにカチンときた佐助が、幸村の首を自分へ向けさせた。「せっかく、おいしく団子を食べてたのに、邪魔されちゃってかわいそうに。大将の口、消毒しなきゃねぇ」「消ど……っ、ふ、んむ」 今度は佐助が幸村の口を塞いだ。政宗の唐突な口付けに、ほんのりと目覚めかけた幸村の官能が、佐助の口淫によって引き出される。「んふっ、ふ、んぅうう」 佐助の舌は器用に動き、幸村の抵抗を静かに剥がして悦楽を呼び起こす。下肢に疼きを覚えた幸村が、ふとももを擦り合わせるのに、政宗は気づいた。佐助の口づけに震える幸村のうなじに、政宗の薄い唇が触れる。「んふっ」 びくん、と跳ねた幸村を宥めるように、政宗は彼のふところに手を差し入れて、鍛えられ盛り上がった褐色の胸筋を、白く長い指で撫でた。「んふっ、ふは、ん、ぅう」 政宗の指が幸村の胸の尖りに触れて、たわむれる。モジモジと太ももを動かす幸村に、佐助は淫靡な笑みを向けて舌の動きを早くした。「んふぅうっ、う、ぅふう」 幸村の瞳が官能にうるみ、眉根が寄せられる。意思よりも本能に従順な体に戸惑う幸村は、佐助の着物を掴み、政宗の腕を握った。止めてくれ、という意思表示だったのだが、抵抗にもならぬ動きに、佐助も政宗もいじらしさを感じて野欲を閃かせる。「んふっ、ふんぅうっ」 幸村は熱を持った下肢の疼きを堪えようと、ピッタリと足を重ねて膝を折った。下帯の中で頭をもたげた牡が、窮屈だと告げている。脈打つソコをどうにかしたいのだが、どうすればいいのかわからぬ幸村は、佐助の舌技と政宗の愛撫に肌を震わせながら困惑した。「ふは、ぁ……は、ぁ」 息苦しさに涙があふれてようやく、佐助の唇が離れる。佐助は幸村の目じりを舌で拭い、彼の首に唇で甘え、胸乳を探る政宗を見て、鼻の頭にしわをよせた。「ああ、もう。淫乱な竜にまとわりつかれちゃって、かわいそうな大将」「変態猿が、なにを言ってやがる」「佐助、政宗殿、その、もう……」 止めてくれ、と言おうとしたのだが、ふたりは自分たちに都合のいいように、幸村の言葉を遮った。「ガマンできなくなっちゃった? さっきから、ふともも擦りあわせてるもんねぇ」「I'm excited, too。最高に楽しもうぜ」「えっ、いや、違……っ!」 着物を引き下げられて、幸村が息を呑む。驚きに言葉を途切れさせた彼の、鍛え抜かれた健康的な肌に、上天気の光がふりそそいだ。そこに情欲の陰りを含ませた唇が触れる。「っ、あ、佐助、政宗殿……このようなところで、なにを」「なにって、気持ちいいことに決まってんだろ? 大将」「わからねぇんなら、教えてやるぜ。体でな」「は、ぁ、ああ」 幸村の抵抗の力を、扇情的なふたりの指と唇が散らす。背には政宗の唇。鎖骨には佐助の舌。胸乳と腹にはふたりの指が這い回り、幸村は官能におののいた。「ぁ、なりませぬっ、政宗殿……っ佐助、ぁ、そこ」「ならねぇって言うわりには、ここをずいぶん硬くしてんじゃねぇか」 政宗の爪先が幸村の乳頭を弾く。「ひっ」 小さく息を呑んだ幸村に、佐助が目を細めた。「そこって、ここのこと? んふふ。ビンビンに硬くしちゃって震えてるの、かぁわいい」 佐助の舌が胸乳の色づきに絡んだ。「ふぁっ」 口を開いた幸村に、政宗が剣呑な笑みを浮かべる。 右側を佐助の舌に、左側を政宗の指にからかわれ、幸村は硬く目を閉じ快楽に堪える。足の間で主張するものの先が湿り気をおびはじめ、幸村は体中を羞恥に赤く染めた。「そう緊張すんなよ。幸村、Let's get it on」「助平な竜に触られてちゃあ、仕方ないよねぇ。いいよ、大将。俺様がたっぷり、とろかせてあげるから」「はんぅうっ、や、ぁ、佐助っ、それ、ぁ、ああ、政宗殿も、そんっ、は、胸、ぁ、そんっ……くぅうん」 犬の甘え声のような息をもらして、幸村は内腿を擦りあわせた。触れられてもいないのに、足の間で本能に忠実な箇所がいきりたち、脈打っている。「ふっ、ふぅう、ぁ、あは、ふ、ふたりともっ、もぉ、ぁあ」 胸乳をいたぶられ、筋肉の筋に沿って撫でられるごとに、下肢の切なさが増していくのをどうにもできず、幸村は首を振って体をゆすった。「ふふ。大将、かわいい」「ひんっ」 佐助が、幸村の乳首をやわらかく噛んだ。「最高にCuteだぜ、幸村」「はふぅ」 政宗が指の腹で、幸村の乳首を押しつぶす。 執拗に同じ箇所を責められて、幸村は小刻みにあえいだ。痒みにも似た悦楽が、そこから全身へととめどなく広がり、幸村を淫蕩の沼に引きずり込む。下帯の中では、どうしようもなく猛った牡が、先走りをあふれさせていた。「はふっ、ふぅ、ぁ、ああ、もぉ、ぁ、ああ、あ」 やめてくれ、とは言えない状況にまで追い込まれた幸村が望むのは、ただひとつ。それを察した佐助が政宗よりも早く、唇を滑らせて幸村の帯を解いた。「あぁらら。こんなにしちゃって。辛いねぇ、大将。すぐに慰めてあげるからね」「ふ、ぅう、ん」 涙目の幸村が、目じりを赤くして佐助を見つめる。キュウンと胸を絞られた佐助は、うきうきと下帯を解いて幸村の牡を取り出した。ぶるんと飛び出た牡を見て、政宗が口笛を吹く。「ずいぶんと、ゴキゲンじゃねぇか」 幸村はますます顔を赤くして、キュッと唇を引き結んだ。「そう、恥ずかしがんなよ。素直なアンタが見たいんだ」「ぁ、政宗殿」 政宗の唇が、幸村の耳朶を食む。ふるっと肌を震わせた幸村の、恍惚とした様子に佐助は満足げに目を細め、痛いほどに張りつめたそこを口に含んだ。「はふっ、は、ぁあ、あ」 うっとりと啼く幸村の唇を、政宗が求める。「んふっ、ふは、は、んふぅうっ、ぁ、ぁはぁあ」 自ら舌を伸ばした幸村が、悦楽を求める。政宗は幸村の舌を吸い、両手で彼の胸乳を刺激した。「んふっ、ふは、んぅ、ぁ、はぁ」 とろりとした幸村の目は、享楽に濁っている。政宗は包むように目を細め、快楽に溺れる幸村を愛でた。佐助はそんな幸村を見あげながら、猛る彼の牡を味わい、蜜嚢をもてあそぶ。幸村は佐助のしやすいように、無意識に膝を折って足を広げた。 淫らな望みに体を開いた幸村の、素直な反応にほほえみながら、佐助は軟膏入れを取りだした。たっぷりと指に掬い、幸村のふとももを押し上げる。彼の手をつついて促せば、性欲の奴隷と化した幸村は、政宗にもたれかかり自分の手で足を開き持ち上げた。幸村の重みを感じた政宗が、口の端を持ち上げる。「You are very sexy, and I am excited very much」 低くささやく政宗の声に、幸村のまつげが震えた。何を言われているのかはわからないが、声音でなにかを察したらしく、幸村はしまりのない笑みを浮かべた。 完全に、理性を失っている。 それを理解したふたりは、幸村の官能の笑みに突き動かされ、それぞれの行為に没頭した。政宗は幸村の口腔を貪り、彼の胸乳に指を絡める。佐助は軟膏を幸村の秘孔に塗り込めて肉壁をあばき、蜜をしたたらせる牡をしゃぶった。「はふっ、はんぅふぅうっ、あ、ぁあ」 幸村の笑みが、ますます淫らに紅潮する。麻薬に魅せられた中毒者のように、幸村は貪欲に与えられる快楽を味わい、ねだった。「はふっ、んぅうっ、は、ぁ」「気持ちいいだろう? 幸村」「はう、きもちぃ……、政宗どのぉ、きもちよぉござるぅ」 クルンと乳首を摘まれて、幸村は愉悦を漏らした。「大将。俺様のことも、ちゃんと感じてるよね。ねぇ、俺様の舌使いと指、ほめてくれるだろ」「んふぅ、佐助ぇ、ぁ、ああ、いい、いいから、ぁ、もっと、奥まで」 キュッと鈴口を吸われながら秘孔を撫でられ、幸村は舌を覗かせ腰をゆすった。 乱れる幸村に、佐助も政宗も勇躍する。絶頂が近い幸村の牡を、佐助は巧みな技で翻弄し、極まりの時を引き伸ばした。佐助がそうすることを理解しているのか、政宗は好きなように幸村の口腔を乱して、胸乳をいじる。「はふっ、は、ぁあ、もぉ、あ、くるし、ぃああ、からぁ、あ」 いつまでも訪れぬ絶頂に焦がれて幸村が泣き言を漏らすまで、ふたりは入念に幸村の性を暴いた。ボロボロと涙をこぼす幸村を見て、佐助が伸び上がり頬に口付ける。「そうだね、大将。もう、これ以上は辛すぎるよね。――いいよ。俺様ので、イカせてあげる」 言うが早いか、佐助は自分のイチモツを取りだし、政宗に止められぬよう素早く幸村の秘孔に突き立てた。「ぉ、あああぁあっ」 のけぞった幸村が、開かれる心地よさに溜まった蜜をほとばしらせる。 政宗が舌打ちをし、佐助を睨んだ。佐助は勝ち誇ったように鼻を鳴らして、絡みつく幸村の内壁に引きずられぬよう、息を詰める。「は、はぁ、あ」 ようやく高みに達せた幸村が、安堵と喜悦を滲ませた。佐助がじゃれるように唇を寄せれば、幸村は佐助の腰に脚を絡めた。「奥……佐助、奥が、たまらぬ」「うん。わかってるよ、大将。いっぱい俺様のを、注いであげるからね」 ニッコリとした佐助に、幸村はホッと息を抜いた。「仕方ねぇ。――なぁ、幸村。俺の相手も、してくれるだろう」 先を越されて面白くない政宗が、幸村の体を横たえる。濡れた瞳に疑問を浮かべる幸村の視界に、政宗は猛った自身を見せつけた。ゴクリと幸村の喉が鳴る。「なあ、幸村」 政宗が幸村の唇を指でなぞると、幸村はそれを迎えるように口を開き、舌を伸ばした。そこに、政宗は自分の欲を含ませる。「はふっ、んっ、んむっ、ふ、ぅう」 旨そうにしゃぶる幸村を、政宗は満足そうに見おろした。ムッとした佐助が腰を動かし、幸村の内壁を刺激する。「んっ、んふっ、ふは、ぁ、ああ」「どうお、大将。俺様の魔羅の味」「はっ、ぁ、佐助ぇ、ぁ、もっと、奥に、強く、奥ぅうっ、もっとぉ」「幸村、竜の魔羅は旨いだろう」「んんっ、政宗殿、ぁ、おいしゅうごさる、は、熱くて、雄々しく、ぅふっ、んぐっ、むふぅう」 突かれながら腰を振り、喉を鳴らしてしゃぶる幸村に、佐助も政宗も夢中になって息を乱した。「はんぅううぅう、ぁ、佐助ぇえ、はんっ、はっ、はげし、ぃい、ぁ、溶けるっ、溶け、ぁあもっとぉ、あぁあ」「ああ、大将……俺様も溶けそう」「んふっ、は、政宗殿ぉ、ぁ、はふっ、んぐぅ、もっとぉ、ぁ、もっと呑ませてくだされぇえ」 普段の、過剰なほどに初心な反応を示す姿からは想像もできぬほど、幸村は貪婪に肉欲を求める。互いの手でそう育てた幸村の反応に、佐助も政宗も溺れきった。「ああっ、んふっ、んふぉお、ぁ、あ、あぁっ、あ、ぁああああっ!」 絶頂を迎えた幸村の肉壁が、佐助を誘う。促されるままに、佐助は弾けて情欲をほとばしらせた。政宗は恍惚の極みに達した幸村の痴態に胸を熱くし、想いのままに彼の顔に欲蜜を撒き散らす。汗と欲液の匂いに包まれた幸村は、天上の蓮池にいるような、おだやかで淫靡な悦楽の笑みを浮かべていた。「これで終わるつもりじゃないよなぁ、幸村」「大将、まだイケるよね。俺様、もっと大将と気持ちよくなりたいんだけど」 鋭さを放つ政宗の艶冶な笑みと、甘い毒を含んだような佐助の不埒な艶笑に、幸村は淫らで獰猛な微笑を返して腕を伸ばした。「ああ、もっと……俺を、鍛えてくれ、佐助。――政宗殿、激しい交合を、心ゆくまで楽しみましょうぞ」2015/07/13