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言いくるめ

「そもそも、破廉恥、破廉恥ともうされておるが、そこもとは体験済みでそう申されておられるのか」
 びしりと言われ、真田幸村は「ぐうっ」とうなった。
 ここはとある武家屋敷の一室。と言っても、半分は百姓のような男の家だった。里の土木作業の手伝いに、頼まれもしないのに足腰の修行になると参加した甲斐の若虎と称される若き猛将・真田幸村は、仕事終わりに湯を馳走され――この時代、湯を馳走するというのは、風呂を準備してねぎらうという意味だった――こざっぱりとしたところに感謝の酒と肴が運ばれてきたので、作業に従事した男たちで無礼講の宴となっていた。
 酒が入れば艶事の話題が湧き上がる。そこで初心な幸村は顔を真っ赤にして、やや否定気味に「破廉恥な」と言ったのだ。
「経験もしておらぬものが、軽々しく破廉恥と切り捨てるはいかがなものか」
 別の男が口を開き、その通りだと座の空気が一致する。
「ぐ、ぬう……。しかし」
「しかしも案山子もござらぬぞ、幸村殿。そも艶事は神々もおこなわれておられる、神聖な行為でござる。それを無知蒙昧なる身でありながら、破廉恥のひと言で人の口をふさごうとは笑止千万」
「あれほど血沸き肉躍る行為もござらぬのになぁ」
「睦むというのは、互いに裸身になり、こなたとそなたをぶつけあうものにござる。それは命をむき出しに剣先を交えるのと相違ござらぬぞ」
「なにせ、一糸まとわぬ姿で己の本性をさらけ出すものであるからなぁ。そのような覚悟を経験もせずして、破廉恥とは……。いやはや、未熟、未熟」
 そのような声があちこちから上がって、幸村の精神を取り囲む。
「皆様方は、睦事を戦場とおなじとお考えでござるのか」
「共通の点はあまたござるぞ、幸村殿。第一に、むき出しの己と相手とで対峙する。これは文字通り、一糸まとわぬゆえにごまかしが利きもうさぬ」
「うぬぅ」
「第二に、それぞれ得意とする手練手管がござる。己の得意とする槍術や剣術など、皆々流派がござろうほどに。それを駆使して相手を高め、己をも昇天させまする」
「……なんと、そのような」
「第三に、強きものは十人抜きなどもできましてな。それはいわば、戦場での一騎当千にも似た体力勝負にござる。武田道場の百人組手など、十分の一の人数でも消耗する体力は変わりござるまいて」
「百人組手の体力を、たった十人相手するだけで消耗すると申されるのか!」
 幸村は思わず腰を浮かせた。すると近くにいた豊かな髭を蓄えた偉丈夫が、重々しくうなずきながら「さよう」と答える。
「ふうむ」
 幸村は考え込んだ。
「ゆえに、破廉恥ともうさるるならば、いまここで我らと組み合って全員を伏してしまわれてからにしてもらいたい」
「よせよせ。体験せぬままに破廉恥ともうされる、腰の引けている若いものにそのような度胸などあるまいよ」
「そうそう。いくら虎ともうせども、まだまだ若い。お館様の足元にもおよばぬ、赤子同然の虎武将なれば、あまり皆で追い詰めるのも大人げなかろう」
 そのような声を聞いて、考え込んでいた幸村は膝を打った。
「相分かりもうした。ならば某、その挑戦を受けて立ち、みごと睦事の神髄をきわめてみせましょうぞ」
 おおっ、とどよめきがおこる。
「しかし幸村殿。そこもとは未経験者。なにをどのようにすればよいのか、わからぬのではござらぬか」
「それゆえ、ご教授願いたく」
 幸村がこぶしを床に当てて頭を下げると、好色な笑みが男たちの間で交わされた。それは幸村が頭を上げると同時に、きれいさっぱり隠される。
「そこまでもうされるなら、我等もやぶさかではないが」
「ううむ、そうだな」
「では、よろしくおたのみもうす。――して、まずはいかがすればよいのでござろう」
「そう、ですな。……幸村殿はまったくの未経験。知識もさっぱりござらぬということで、よろしゅうござるか」
「まこと、お恥ずかしい限りでござる。そのような身で軽々しく破廉恥などと」
 幸村が身を小さくすると、いやいやと男のひとりがなぐさめる。
「誰もはじめは無知にござる。――ならば、どうかな。まずは作法などは置いておき、基本的な部分からはじめてみますかな」
 そうして男たちは、まずは裸身になるようにと幸村に言った。素直にうなずいた幸村は立ち上がり、袴を落として着物を脱ぎ、下帯姿となった。
「あいや、幸村殿。さきほどもうしたように、一糸まとわぬ姿でぶつかり合うのでござる。ゆえに下帯も」
「ぬっ。そうでござった」
 てらいもなく幸村が下帯を取ると、ほう、という感嘆の声がそこここで漏れ聞こえた。
「なるほど、若虎殿のナニは、そのような具合でござるか。では、我等のナニもお見せいたそう」
 そう言って、男たちもその場に着物を脱ぎ棄てる。
「皆様方、よくよく鍛え抜かれたよい体つきでござるな」
「なんの、幸村殿こそ。むしゃぶりつきたくなるほどの、よい肉づきでござるぞ」
「むしゃぶり……?」
「睦言では、相手の急所にむしゃぶりつくのが当然のこととて、褒め言葉にござる」
「そ、うでござるか」
「おや。怖気られたか」
「そのようなことは」
 ははは、と快活な笑いが起きる。幸村はなんだか居心地が悪くなった。男たちの目の色が、さきほどとは違っているように感じる。己のナニを手で隠したい衝動にかられたが、それをして未熟者とあなどられるのも面はゆい。
 動揺をさとられないよう、幸村はグッと胸をそらせた。
「それで、ここからはどのようにすればよろしいか」
「幸村殿は無知ゆえ、なにもかも身をゆだねておられればよろしい。なにかできそうな気配あらば、いくつか技などご教授させていただく所存」
 幸村は下唇を噛み、キリリと眉をそびやかせてうなずいた。
「されば、ごめん」
 幸村よりも上背があり、肩幅も太い男が背後に回る。ガッシと肩を掴まれた幸村が驚く間もなく、別の男ふたりが足元にしゃがんで、幸村の左右の足をそれぞれに抱え上げた。
「なっ」
 小さな子どもが小水をうながされるような恰好になった幸村は、目を白黒させた。
「なにを……」
「言うたではござらぬか、幸村殿。急所にむしゃぶりつくのが当然のことと。……はじめてのことゆえ、羞恥に襲われて急所を隠してしまわれると技の伝授もなにも、ござらぬからなぁ。そのまま、おとなしくしてござれよ」
「ほほう。髭も薄くあられると思うておったが、下生えも薄うござるな。根元も透けて見えそうな」
「しかし、なかなか立派なイチモツにござるぞ。さすがは見事な槍さばきをなさるるお方じゃ。こちらの槍も、さぞよき姿に育つであろうな」
 男たちが幸村の股間に顔を寄せて、そこの品評よろしく口々に好き勝手な感想を述べている。幸村はムズムズと妙な心地が湧き上がるのを感じた。それと呼応して、陰茎がゆっくりと硬さを帯びて頭をもたげる
「おおっ。頭が持ち上がったわ」
「よい切り口をしておるの。未経験というからには、はじめの汁はさぞ濃いものがあふれ出よう。どれ」
「ふぁっ」
 ひょいと陰茎を握られて、幸村はビクリとした。すると快活な笑いのさざめきが起こる。
「過敏な場所ゆえ、驚かれたかな。なに、すぐにここをいじる良さがわかりもうそう。――各々方、ぞんぶんにこねてさしあげましょうぞ」
 それを合図にいくつかの手が伸びて、幸村の陰茎を掴んだり指で撫でたりしはじめた。
「んっ、ふぅうっ、ぁ、あっ」
「声は抑えぬ方がよろしいぞ、幸村殿。戦場の雄たけびのようなものでござるからのう」
「ふぁ、そ、そのような……、ものでござるか」
「そうそう。そのようなものでござる。――おお、おお。立派に天を向いてござった。たくましゅうござるなぁ」
「まだまだ育ちましょうぞ。汁の兆しは見えておりませぬからなぁ」
「ならば、拙者は袋のほうを、ちょいと刺激してみましょうかな」
「はぁっ、ああ――」
 やんわりと蜜嚢を手のひらに包まれて、幸村は喉をそらせた。鍛え抜かれ、盛り上がった胸筋が突き出される。
「お。乳をせり出されてござるぞ。どれ、こちらはどれほど過敏であるのか、探ってみるといたしまするか」
「それならば、口でしてさしあげるがよかろう。なにせ未経験のお方でござるからな」
 そう言って、幸村の脚を抱えている男ふたりが幸村の胸乳に首を伸ばし、舌先でチロリと色づきを舐めた。
「んっ、ふぅ、う」
 チロリチロリと色づきの周囲を舐めていた舌が、その中心のプツリと浮いたものをはじく。すると幸村の陰茎がビクリと跳ねた。
「おう、おう。乳の刺激で魔羅が跳ねてござるぞ。なかなかに、幸村殿は素質がありもうす。どうれ、こちらも負けじとしてさしあげましょうかの」
 陰茎をいじくっていた男の一人が舌を伸ばして、鈴口をべロリと舐めた。
「ヒッ」
 そのままチュクチュクと先端に吸いつかれ、幸村は太ももをわななかせた。
「はっ、ぁ、ああ、あ」
「どうれ、こちらも負けてはおられぬわ」
「あぅうっ」
 両の胸乳に舌を絡められ、幸村の腰が跳ねる。
「おおっと、活きがようござる」
 背後の男が楽しげに、幸村の耳裏に舌を這わせて耳朶を食んだ。
「は、はぁうううっ」
「よき声にござるなぁ、幸村殿」
「お、汁があふれはじめたぞ。どれどれ――、ほう、これが若虎の味でござるか」
「こちらにも味わわさせてくだされ」
「次は拙者に」
「ふっ、ふぁ、あっ、あんっ、あっ、あう、う」
 じゅんぐりに先端をベロベロと舐め交わされて、幸村は甘い痺れを下肢に感じた。ジワンと刺激が走り、収まりかけたところで次の刺激がやってくる。それは陰茎全体をもどかしく膨らませ、蜜嚢をたっぷりと刺激して腰のあたりに本能の熱を育んだ。
「はふっ、ふ、ぁあ、あっ、んぅうっ」
 腰の熱は血液に溶けて幸村の全身を駆け巡り、胸乳の刺激と相まって脳髄をとろかせる。すると胸の尖りが零れ落ちそうなほどに凝って、舌によく引っかかるようになった。
「おおう、幸村殿の乳首がうんと育ってござるぞ。やわらかな胸筋が悦楽の緊張で硬く盛り上がり、若い女の乳房のように、ツンと乳首を突き出しておるわ」
「かように細かく震えて、乳吸いがよほど気に入られたようにござる。どうれ、たっぷりとねぶってしんぜよう」
「ひぁあうっ、んっ、あ、ああ」
 幸村はあっという間に高ぶり溜まった己の欲熱に戸惑った。経験のない身では、これがどういう状況なのかが把握できない。
「おっ、ああ、これ、は……、こっ……、このような、あっ、ああ」
「よき反応にござるぞ、幸村殿。我等は感心しておりもうす」
「そのとおり。これほど素直に、かつ素早く快楽を把握し発せられるとは、正直思うておりませなんだ。いや、あっぱれ」
「まっこと見事な反応ぶりよ」
 口々にほめられれば、そういうものかという気になってくる。
「っ、は、某……、このまま、ぁ、ただ受けるだけでようござるのか」
「いまはまだ、なにかをなさる段階ではござらぬぞ、幸村殿」
「そう急かずとも、伝える技は伝えもうすゆえ、いまは睦事のはじめをしっかりと受け止めるが寛容」
「何事も、段取りというものがござるでなぁ」
「鍛錬も、基礎が大事というであろう」
「幸村殿はただ、身をゆだねて声を放っておられればようござる」
 そう言われれば、そうするしかなくなる。幸村は男たちの手指に陰茎や蜜嚢をもてあそばれ、鈴口を舐めたり吸われたりしながら、乳首の口淫に責められるままに声を上げた。
「はふっ、ぁ、ああっ、ああ」
「ああ、そうそう。いまの状態でも、できることはござるぞ、幸村殿」
 快楽の涙を瞳に浮かせた幸村がうつむき、声の主に目を向ける。するとその男は、にんまりと精悍な顔を人なつこくゆがめた。
「どこがどのようになっているのか、感じるままに言葉にするのでござる。音にすれば己に把握しやすくなる。書物を音読するは、身に着けるため。それとおなじように、体の状態を我等と己に伝えてみれば、上達の近道にござるぞ」
 それを聞いたほかの男たちが「それはいい」と口々に同意する。
「してみなされ、幸村殿」
「し、しかし……」
「ためらいは戦場では命取りになりもうす。これもそれとおなじと心得てござらっしゃい」
 ゴクリと喉を鳴らした幸村は、提案に乗ることにした。
「ま……魔羅がジンジンとして、痛いほどに熱うござる」
「魔羅のほかに、なにかござらぬか」
「ちっ、乳首が……」
「乳首が?」
 幸村がうっすらと目じりを赤くし、幼さの残るふっくらとした頬までが朱色になるのに、男たちの欲が高まった。
 ギラギラとした空気に囲まれ、幸村はためらいがちに口を開く。
「うずいて……、刺激が失せると、なんともいえぬもどかしさが……、ござる」
 うおおっ、と小さな雄たけびが上がった。
「その調子、その調子でござるぞ、幸村殿。次々に感じたままを、そうして言葉に変えさっしゃい」
「わかり……、もうした」
 幸村の返事を聞いて、男たちはさきほどよりも明らかに喜々として愛撫を再開した。
「幸村殿、どのような心地か」
「んはっ、あ、先っぽ……、あ、魔羅の先、もっと、吸うてほしゅうござる」
「こなたの指は、どう感じてござる」
「あふっ、もっと激しく擦って……、くだされ……、魔羅の奥から、なにかが湧き起こりそうにござる」
「それは良き兆候」
「んはっ、ぁあ、袋、ふくろっ、ああ、根元も、あ、ああ、これは、あああ」
「心地よいのでござろう。そうおっしゃればよい」
「ふぁ、あ、いい……、気持ちよぉござるっ」
「それが快楽というものにござるぞ、幸村殿。しっかりと意識を向けて、覚えられよ」
「はっ、はふぅう、なれば、ち、乳首のこれも――?」
「さよう。幸村殿は筋がいい。乳首もすでに、このように凝らせて快楽を得てござるとは……」
「ぁひっ、か、噛んでは、あっ、ああ」
「嫌でござるか」
 目を閉じてふるふると幸村が首を振ると、目じりから涙がこぼれた。うっすらと汗ばんだ幸村の肌に、彼のとび色の髪が張りついている。健気な姿に男たちの欲は勇躍した。
「ほうれ、ほれ、幸村殿。このような刺激はどうであろう」
「んぁあっ、はっ、はあぁあ、先っぽ、ぐりぐり……、指、あっ、ああ」
 身もだえる幸村を背後から抱えている男の陰茎が立ち上がり、幸村の尻の谷に挟まれた。男はそのまま幸村の肩を上下に動かし、腰を前後に突き出して、幸村の尻肉を味わいはじめる。
「ぁううっ、尻……、硬いものが、あっ、ああ」
「おっ。おぬし、抜け駆けか」
「入れはせぬよ。ケガをさせてはならぬからなぁ」
「ケガ……、とは?」
 振り向こうとした幸村の首筋を、背後の男が強く吸う。
「作法や手順を間違うと、相手を傷つける恐れがござる。これは、そのような行為でござるぞ、幸村殿」
「んぁっ、そ、そのように危険なものでござったのか」
「ゆえに、強い信頼がなくばできぬ尊い行為なのでござる。どちらも首をあっけなく掻き切られる覚悟を持って、挑まねばなりませぬからな」
「ああっ……、そのような行為を、某は破廉恥と……、っ、ふがいなしぃい」
「知らざるものであったゆえ、いたしかたござらぬ」
「これからたっぷりと体感し、身の奥深くに覚えればようござる」
「あぁっ、は、はぁあ、そ、某もなにか、あっ、ああ、でき、れば……っ、は、あぁああああっ」
 会話の合間にも止まぬ愛撫に高められ、幸村は若い体のたぎりのままに精を吹き出した。
「おおっ、出た出た」
「ふうむ。なんとも若い匂いだのう」
 男たちが幸村の股間に顔を寄せて、鼻をうごめかせる。
「放ったというのに、まだ天を向いておるとは。若い、若い」
「筒内に残っておるからでござろう。どれ、吸い取ってしんぜよう」
「ひぃあああっ、は、はぅうっ」
「おお、なんとも心地よさそうな声にござるな」
「おい、幸村殿を床に寝かせよ。我等の精も嗅がせてしんぜようほどに」
「皆でかけあうのでござるな」
「それはいい。秘孔を広げるまで、こらえてもおられぬからなぁ」
 ハハハと言い合った男たちが、射精後の余韻に弛緩する幸村を床に寝かせて、その肌に滾った陰茎を向けてこすりはじめた。ぼんやりとした意識で、幸村はいくつもの突き出された陰茎をながめる。それらは次々に弾けて、生臭く温かなドロリとしたものを幸村にかけた。
 むわりと独特の匂いが幸村を包む。
「どうでござるか、幸村殿。これが、子種の匂いでござる」
 男のひとりが腹にかけた己の子種を、手のひらで幸村の肌に沁み込ませるように塗り広げる。するとほかの男も次々と真似をして、ぬめる精液での性感按摩がはじまった。
「んっ、は……、はぁ、あっ、ぬるぬるして、あっ」
「ぬめりがあらば、こうして強くしても痛くはござるまい」
 キュウッと乳首をひねられる。
「んはぁああっ」
 幸村は打ち上げられた魚のように跳ねた。
「いかがでござる、幸村殿」
「魔羅のこすりも、渇いておるよりずっと良いはず」
「ひぃいっ、あっ、ああ、いいっ、よぉござるっ、うう……、うう」
 涙をこぼしながら幸村は答えた。
「それは重畳。どうれ、快楽がどのようなものか、幸村殿はおわかりになられたようにござれば、そろそろ技をお教えいたしましょうかの」
「なにを教えるつもりなのだ」
「魔羅しゃぶりよ」
「それは良い」
 幸村はあえぎながら、男たちの会話を聞いた。
「ま、魔羅しゃぶり……とは」
 盛り上がった胸筋を上下させつつ幸村が問えば、腕を掴まれ引き起こされた。膝立ちにされた幸村の目の前に、ヌウッと立派な陰茎が突き出される。
「そのまま、言葉のとおりにござる。ここが急所ということは、幸村殿も知ってござろう。それを相手の口内にゆだねるは、相応の覚悟と信頼が必要。なにせ、噛みちぎられては命も危うくなりまするからなぁ」
「それを痛まぬよう、歯を立てぬように慈しむのが魔羅しゃぶりの基本にござる。さまざまの技はござるが、幸村殿はまず、しゃぶって相手の子種を引き出し、それを呑むまでを覚えねばなりませぬな」
「さあ、ためしてござらっしゃれ」
「さきほど我等が貴殿にしてさしあげたろう」
 コクリとうなずいた幸村は、おずおずと目の前の陰茎の根元をつかみ、舌を伸ばした。ペロリと先端を舐めれば、なんともいえない生臭い味がする。
「そう恐れずともようござるぞ」
「なぁに、はじめてのことゆえ、いたしかたござるまい」
 そんな声にあなどられているものと感じた幸村は、ままよとばかりに陰茎にかぶりついた。
「おっ」
「度胸がござるな」
 しかし、咥えただけで、これからどうすればよいのかわからない。
「口をすぼめて、舌で舐めながら頭を上下するのでござる」
「鼻で息をし、舌や上あご、頬の肉などで肉棒を擦られよ」
「できぬのならば、これはまた次の機会としてもかまいませぬぞ」
 そう言われては、引くわけにもいかない。幸村は歯を立てぬようにと頭の中で繰り返しつつ、言われたように頬をすぼめて頭を上下し、口内に陰茎をこすりつけた。
「んっ、ふ……、ふむっ、ぅ、う」
 鼻孔に生臭さがあふれて、唾液が湧き上がる。それを飲もうとすると陰茎を吸うことになった。
「ウッ……、それそれ。そうして吸うのも、技のひとつ。教えられずとも察するとは、さすがは幸村殿」
「自力で技を習得なされたか。その技、拙者も味わいとうござるなぁ」
 そんな声を聞きながら、幸村は一心不乱に魔羅しゃぶりを遂行した。
「お、口内が心地ようなりはじめたげにござる。幸村殿の魔羅が、たらりと汁をこぼしおられる」
「どうれ、しゃぶってしんぜようかの」
「んふっ、は、ぁあっ、あっ」
 刺激に思わず口を離した幸村の頬に、唾液まみれの先走りをにじませた陰茎がピタピタと当たる。
「幸村殿は初心者ゆえ、それで魔羅しゃぶりをせよとは酷でござろう」
「……できもうす」
「強がりはよしてもかまいませぬぞ」
「問題ござらぬっ!」
 幸村は勢いよく、魔羅にかぶりつきなおした。
「ならば幸村殿。しゃぶりつつ、うまいうまいと言っておれば、上達の近道になりますれば。意識に行為をよきものと刷り込ませるのでござる」
 なるほどと、幸村はさっそくに試してみた。
「はふっ、んぅ……、おいしゅうござる、む、ふぅ」
「なにがかを、きっちりともうしなされ」
「んはぁ、魔羅ぁあ、おいしゅうござるぅう」
「魔羅しゃぶりは、お好きだと言ってみさっしゃい」
「魔羅しゃぶり……、んむっ、好き、ぁ、おいし……、は、ぁあ」
 言葉につられて口腔の刺激が甘美なものとなり、幸村の意識をとろけさせる。それは瞳に淫靡なものをにじませて、男たちの股間を激しくとどろかせた。
「その調子でござるぞ、幸村殿」
「よい傾向にござるな」
「魔羅をいじられながらでも、できるようにならば一人前。その先に技を覚えられれば名人にござる」
「幸村殿は、飲み込みがはやい」
「それは駄洒落でござるかのう」
 そんな声の降り注ぐ中、幸村は懸命に魔羅をしゃぶって男の精を引き出した。
「ぐっ、ごぶ……っ、げほっ、えほ」
「おっと。喉を突いてしまわれたか」
「舌を使って、喉に子種が当たらぬようにするのでござるよ」
「そうは言っても、いきなり塩梅はわからぬだろう」
 せき込む幸村は背をさすられながら口元を腕でぬぐい、ギラリと戦場で敵に挑むような目をして男たちを見回した。
「まだまだ……、某の前にはあまたの魔羅がござる。皆々方、しゃぶらせてくださりましょうな」
 快楽に上気した汗ばむ肌に剣呑な瞳。波打つ鍛え抜かれた筋肉の流れに、たっぷりと張りつく精液の輝きが男たちの劣情を刺激する。
「むろん。幸村殿が飲めるまで、付き合いましょうぞ」
「いざ! はむっ……、んぅうっ、ふっ、んはぁ」
 幸村はそうして次々に男たちの陰茎を、顎が疲れるまで咥え続けた。その間にも、肌身に淡々とした刺激を与えられる。それは決して絶頂にまでは至らぬもので、幸村は自然と腰を浮かせて尻を突き出す格好となった。
「ちょうどよい恰好になっておるわ。どうれ、こちらの準備もしてゆくか」
 そう言った男が幸村の尻をわしづかんで開き、小さな穴の襞を舌先でくすぐった。
「ひゃっ?!」
「幸村殿、陰茎を離してござるぞ」
「しっ、しかし……」
「尻を舐められたぐらいで、動揺しては情けない。これから、そこに指を入れてほぐし、魔羅を突っ込みまする」
「っ?!」
 幸村は絶句した。淫靡にトロトロとしていた意識が冷めて固まる。
「怖いと思うのであれば、ここで止めにいたすが。――どうか」
 幸村は男を見上げ、ゆっくりと自分を囲む視線をなぞった。どの顔も戦場に出たもののようにギラギラとしている。それを見て、幸村の肝は決まった。
「否。某、逃げも隠れもいたしませぬ。ぞんぶんに睦事の作法をこの身に味わわせてくだされい」
「よう言われた」
 喝采が湧き起こる。幸村の尻を舐めていた男は、あらためて舌を伸ばして秘孔にグイグイと舌を入れた。
「ひっ、ぃう……」
「しゃぶる余裕は、なさそうでござるな」
「な、なんの……、あぁうっ」
「無理はなさらずとも、ようござるぞ。下の口で魔羅しゃぶるほうが、重要でござるからな。そちらをしながら、こちらの口でもなされるようになれまするゆえ、いまは尻に集中なされよ」
「か、かたじけのうござる……、ぁあっ」
 秘孔に舌が差し込まれ、グニグニと動かれて、幸村は喉奥に湧き上がる不快感を覚えた。
「そこの刺激は慣れるまで辛うござろう。どれ」
 男のひとりが幸村の陰茎に顔を寄せる。先端をしゃぶられた幸村が息を吐くと、ほかの男が蜜嚢を咥えたり陰茎をこすったり胸乳に吸いついたりして、尻のほかから刺激を与えた。
「んはぁ、あっ、はふ、ぅう……、あっ、あっ」
「いかがでござるか、幸村殿」
「はっ、はぁあ、尻は妙にござるが、ほかはっ、ああ、魔羅も乳も、気持ちよぉござる、ふあっ」
「なぁに、尻もすぐに良くなりもうすぞ」
「なによりも尻が良いとなられましょうな」
 ほぐされはじめたばかりの幸村には、その言葉が信じられなかった。
「そろそろ油で溶かしもうそう」
「そうでござるな」
 ぐいっと尻を持ち上げられて、尻の谷に丁子油が足らされる。
「ヒッ」
 冷たさに幸村が息を呑むと、すぐに熱くなりもうすと声がかかった。たらりたらりと流れる油が尻を通って蜜嚢を包み、下生えを濡らして陰茎を伝う。それを男たちの指や舌が追いかけ、丹念に幸村の下肢に刷り込んだ。
「ぁはっ、はぁ、あっ、ぬるぬるっ、ぁ、して……、は、ぁあ、心地よぉござる」
「尻はいかがかな」
「ふぐっ」
 指を飲まされ、幸村はうめいた。
「息を抜かれよ、幸村殿」
「は……、あ、なにやら、喉奥にせりあがるようで、気持ち悪うござりまする、ぅうっ」
「こなれてこれば、魔羅よりもずっと良き心地になろうほどに。いましばらく耐えてござれ」
「んふぅっ、は、ぁあ、あっ、あう、うう」
 体内で指が動き、息を詰めそうになる幸村を陰茎や胸への刺激が弛緩させる。悪寒と快感にはさまれた幸村は、ただただあえいだ。そうしていると、ふ、と体内の感覚が変わった。
「――あ?」
「どうなされた、幸村殿」
「あ、いや……、尻が……、っ、ふ、ぅん」
「おっ。心地ようなりはじめたようにござるな」
「焦らず、じっくりと感じるものを追いかけられよ」
「はっ、はぁ……、あっ、あ、ああっ」
 指がグルリと肉壁をなぞり擦る。幸村は意識を尻に集中させた。ヒクヒクと動く自分の内側で指がうごめいている。それがある一点を突くと、
「はぁあっ」
 背骨に電流が走ったような衝撃が生まれ、幸村の陰茎が激しく震えた。
「快楽のツボを引き当てたようだぞ」
「どうれ、どれ。ここを中心にほぐしてみようわい」
「拙者にも探らせてくれ」
「はふっ、ふぁあっ、そこっ、ああ、そっ、ああ、おかしっ……、おかしゅうござるっ、くうぅう」
「おかしくはござらぬ。それはきっと、快楽が強すぎるがゆえのこと。このまま尻だけで達せられるようになれれば、一人前。どうれ、魔羅をいじっている方々は、ちぃっとばかし尻穴ほぐしの刺激のみにさせてくだされ」
「あぁあっ、は、はふぅうっ」
 幸村への刺激が、秘孔の内側だけになる。幸村は身をよじった。
「んんっ、魔羅ぁ、あ、乳首も、う、うずいてござれば……、っ」
「こらえなされ、幸村殿。尻で見事に達せられたあかつきには、ふたたびこねてしんぜようほどに」
「ふはっ、はぁあ、あっ、あ、尻で……、あっ、ああ」
「このぶんならば、早々におできになられましょう。ほうれ」
「んはぁあああっ」
 肉壁の弱いところを強く掻かれて、のけぞった幸村の陰茎からピュツと精が飛び散った。
「ほうれ、ほれほれ」
「はふぁあっ、あぁああっ」
「指が増えてござるが、何本かわかられまするか」
「はぅうっ、わ、わからぬっ、わかりませぬぅうっ」
「意識をしっかり尻に注いで、数えてみなされ」
「あぁああっ、指、ああ、動いて、あっ、動……、広げっ、尻が、広がっ……、はぁああう」
 幸村の尻には、三人の人差し指が埋め込まれていた。それがそれぞれ勝手に、幸村の肉壁を媚肉にしようとうごめいている。手持無沙汰の男たちは、幸村に向けて陰茎をこすり、めいめいに子種を幸村の背やひと房だけ長い髪にかけていた。
「んはっ、はぁあ、あ、ぁあうっ、あっ、ああ、ひっ、ひぁあああああっ」
 どの指が決定的な動きをしたのか。幸村は腰を大きく震わせて絶頂を迎えた。
「は、はぁ、はぁ……、あっ、あ」
「幸村殿、どのような心地でござるか」
 尻を突き出す格好でつっぷし、床に荒い息をこぼす幸村に問いが降りかかる。幸村は淫蕩の涙に潤んだ瞳で肩越しに振り返った。その目に、男たちの股間が滾る。
「あ……、放ったというに、なにやら、むなしゅうござる……、は、ぁ」
 ゴクリと喉を鳴らした男が答えた。
「それは、指で達せられたからにござろう。実際は魔羅を飲み込み、子種を注がれるゆえ、それがない空虚を本能的にさとられたのでござるよ」
 するとほかの男が声を興奮にうわずらせて追従した。
「さよう、さよう。指はあくまで準備段階にござるからな。ささ、幸村殿。本来の睦事のだいご味を味わわせてしんぜようぞ」
 そう言って、男たちは誰が一番に幸村に陰茎を突き立てるか、目配せをした。そうして決まったのは、いちばん年嵩の男であった。ずいと前に出たその男は幸村の腰をガッシと掴み、いざと勇ましい声をかけて幸村の秘孔に己の陰茎を突き立てた。
「ひぎっ、あがぁあああっ!」
「幸村殿、息を抜いてござれ」
「手伝うてしんぜよう」
 質量のあるものに開かれる圧迫に、壮絶な声を上げた幸村へ救いの快感が差し伸べられる。乳首をひねられ、陰茎を擦られ蜜嚢をもまれて、幸村は圧迫と快楽の弛緩のはざまを行き来した。
「く、ぅう……、はっ、はぁ、頭の先まで、あっ、引き裂かれるような……、はっ、はぁ、あっ」
「幸村殿ほどのお方なら、すぐに体の使い方も覚えもうそう。そうれ」
「はふぁあっ、あぐっ、おっ、おぅううっ」
 遠慮なく、ズッズッと内壁を擦られて、幸村はうめいた。陰茎の先からダラダラと精がこぼれて床に落ちる。それを助けるように、陰茎に絡んだ指が動いて蜜嚢がやわやわと刺激された。
「はふっ、は、はぁあっ、あ、ぁおおっ、お、おふぅ」
 貫いている男の予言どおりに、幸村はすぐに圧迫の息の抜き方を掴んだ。そうなると若い体は急速に官能を探り当てて、過敏な刺激と同様、あるいはそれ以上に、内壁で快感を得るコツを得た。
「はっ、はぁううっ、あ、ぁおおっ、んふぅう」
「声の調子が変わりもうした。どうれ、奥を突いてみましょうぞ」
「んぁっ、あっ、そこは、あっ、まだ……、は、はぁあ」
 強く疲れると痛みを感じる。そう言いかけた幸村の顔が苦痛と快楽の両方にゆがむ。それと察した男が、磊落に言い放った。
「これも修練。耐えてござれば極楽を覚えらるる箇所にござるぞ。そうれ、それ」
「ぁおおっ、おふっ、ふ、ふはぁああっ、あ、奥、あっ、あ」
 そうして、はじめの男は幸村の奥が慣れぬ前に射精した。次の男も挑んだが、そうそう簡単に柔い部分が強くなれるわけではない。しかし内壁は確実に媚肉と化して、奥を突かれる痛みを忘れるほどに、幸村は肉壁で淫猥な喜びを得られるようになっていた。
「あはぁあ、あおおっ、おっ、は、ぁあ」
「幸村殿。魔羅しゃぶりとおなじ要領でござるぞ。尻に魔羅が心地よいと……、さあ」
「はぉお……、魔羅ぁ、尻にっ、気持ちよぉごさる、ぅうっ」
「もっと具体的にもうしてみなされ」
「はふぁ、おっ、おふぅう、魔羅が、尻の中をこすって、あっ、あ……、はぁおおぅ、奥っ、突いて、いいっ、ああ」
「その調子でござる、幸村殿」
 そうして励まされながら、幸村は秘孔を陰茎で突き上げられ続けた。その間にも、乳首や陰茎への刺激は止まず、順番を待てなかった男の子種をふりかけられる。幸村は内側も外側も、絶えず子種を与えられ続けた。
 そのうちに幸村の理性は淫靡な本能に支配され、溶かされ霧消し奔放な獣へと変貌を遂げた。
「は、はぁあっ、奥ぅう、あっ、もっと……、突いてくだされぇえ、子種、ああっ、魔羅ぁあ、すご、ぉお……、いいっ、はんっ、はんぁああ」
 自ら体をゆすって求めるようになり、そうなれば男たちの欲望はますます滾って幸村を襲った。
「そろそろ、突かれながらの魔羅しゃぶりも、できようほどに」
 顎を掴まれ上向かされて、幸村は惑乱した瞳で目の前の陰茎を見た。
「口を開いて、しゃぶりなされ」
 思考力の麻痺した幸村は、先に教えられたとおりに従った。
「はふっ、んむっ、魔羅ぁ、おいしゅうござる……、はむぅう」
「そちらの口と、こちらの口と、どちらのほうがお好みでござるかな」
「ぁひっ、ぃいいっ、ああ、どちらも、ああっ、魔羅、おいしゅうござるっ、いいっ、んぁあ、はむっ、んぅう、子種ぇ、あっ、は、んぐっ、んぶぅう」
 幸村は目の前の男の腰を掴んで、体を前後にゆすった。口内の陰茎と内壁の陰茎が繋がっているかのように、それぞれに出入りする。それは時折、弧を描くように幸村の予期せぬ動きで口腔と媚肉を刺激し、幸村は己の陰茎からだらしなく淫らな液をこぼして喜んだ。
「んはぁおおっ、おふぅう、んぶっ、んぁあ、はっ、魔羅ぁあ、ああっ、いいっ、もっとぉ、ああ、もっと奥を突いてくだされぇえ、もっと子種を飲ませ……っ、ひふぅううっ」
「すっかり魔羅のとりこでござるのう、幸村殿」
「はふゅぅううっ、乳首もぉお、よぉござるぅう」
「どうれ、こっちは」
「ぁひぅうっ、魔羅もぉお、いいっ、ああ、すご……、い、イクっ、あ、ああっ、あぁああ」
「おうおう、元気に放たれましたな」
「まだまだこちらは終わってござらぬぞ」
「ひぁあうっ、イッ、イッたばかりで、そのように激しくっ、ぅああ」
「達したは幸村殿であって、拙者ではござらぬ」
「んぁああっ、はっ、ぁおおっ、尻っ、ああ、とろけてござるっ、ああ、ボタボタとぉお」
「それは我等が子種の泡立ちたるもの。幸村殿が溶けておるのではござらぬぞ」
「んぐっ、んぶぅうっ、はぁ、腹が、いっぱい……、ああっ、もう飲めませぬぅうっ」
「ならば下の口に注ぐといたしましょうぞ」
「ぉふぅううっ、ああ、尻ぃい、もう、ゆるんでっ、あっ、ああ」
「なんのなんの。まだまだしっかりと拙者の魔羅を咥えてござる。幸村殿の筋肉は、まことに強い」
「ぁはぁおおおっ、もぉ、らめぁあ、しゅごぉ、あっ、しょれがしぃいっ」
「お。一線を越えたげにござるな。ろれつが回らなくなっておられる」
「紅蓮の鬼と称される幸村殿のこと、まだまだ体力はござらっしゃる。なにせ百人組手を軽くこなされるお方ゆえなぁ」
「ぁはぁあ、あおっ、おっ、おふぅうっ、はんっ、奥ぅうっ、あっ、いい」
「ほうれ、見てみぃ。自ら腰を激しく降っておられるわ」
「ひぃいっ、魔羅ぁああ、ああ、もっとぉ、はっ、はぁあ」
「おおっと、潮をお吹きなされたぞ。これは、思う以上に素質のござる御仁であったなぁ」
「はひぅううっ、もっとぉ、もっとぉおお」
「放ったのなら、早々に変わられよ。幸村殿が、もっともっとともうされておるわ」
「ぁひぁあああっ、はぁううう」
「これではもう、もとの体には戻れませぬなぁ」
「我等で責任を取れば良いだけのこと。まだまだ、教える技も試しておらぬ技もござるでなぁ」
「幸村殿ならば、どのような技も受けて立たれよう」
「道具もそろえておきまするか」
「それは妙案。幸村殿の修練のため、ひと肌もふた肌も脱がせていただこう」
 淫猥に闊達な会話をしながら、男たちは幸村の媚肉を味わう。
「はぁああんっ」
「おっと。次は拙者にござるぞ」
「ひぐっ、ぁ、はぁああ」
「おお、まだまだ、よく締まる」
「ひっ、ひふぁああうぅ」
 顔じゅうを涙と涎、ぶちまけられた精液でぐしゃぐしゃにしながら、幸村はだらしのない笑みを浮かべた。
「おお、笑うてござる」
「よっぽど睦事が気に入ったらしい」
「まだまだ、我等は枯れませぬぞ、幸村殿」
「ぁひぃいいっ、は、はぁあ、魔羅ぁあ、ああ、はふっ、んぁおおっ、おおっ、もぉ、らめぁあ」
「そう言わず、最後まで耐えてござれ」
「はへぁあっ、あっ、は、はぁああぅうっ」
 そうして幸村は男たちのすべてが満足をするまで、快感の味を覚えさせられた。

 そして後日――。
「どうにも、体が疼いて収まりませぬ」
 神妙な顔で頬を染め、幸村が男たちの前に正座をして訴えた。
 集まっている面々は、以前に幸村の肌を思う存分に味わった男たちである。
「あれ以来、どうにも体が疼いて致し方ござらぬのだ。……なれど、それを誰に言うていいものかわからず」
「いや、わかりもうした。幸村殿。それではこらえる鍛錬をいたしましょうぞ」
「こらえる鍛錬、でござるか」
「いかにも。では、早速に」
 さっと男たちは立ち上がり、幸村を両脇からガッチリと抱えて立ち上がらせると裸に剥いた。
「どれどれ、ふうむ。――おや。期待で魔羅が反り返って、先っぽも少し湿っておられるな」
 幸村の満面が火を噴いたように赤くなった。
「こ、このような仕儀でござるゆえ……、どうか」
「我等におまかせあれ」
 言うと、男たちは帯を解いて、それで幸村の腕を後ろ手に縛った。
「そのまま、膝を立てたままで身じろぎもせぬよう」
 なにをされるのかわからないままに、幸村はうなずいた。男がうなずき返し、己の陰茎を掴んで、その先で幸村の乳首を擦った。
「んっ……」
「動かぬように」
 男はそう注意して、鈴口で幸村の乳首を挟むようにこすりあげる。もう片方にも別の男がおなじようにした。
「っ、ふ……、はぁ」
 幸村の表情が、見る間に淫靡なものになる。男たちの股間が期待に膨らんだ。
「あっ、あ」
 より強い刺激が欲しいと、幸村は体を前に倒した。すると幸村の背後に男が回り、ぐいっと肩を抑えた。
「あっ」
「こらえなされ」
「ううっ」
 うめいた幸村の肩を、動かぬように男がしっかりと掴んで抑える。乳首に触れる陰茎から先走りが流れて、摩擦を滑らかにした。甘い刺激が強くなり、幸村は歯を食いしばる。しかしそれもつかの間で、男たちが幹をこすって射精をすれば、その匂いに引き出された淫猥な記憶が幸村の口を開かせ、舌を差し出させた。
「魔羅ぁ……、しゃ、しゃぶりとうござる」
 胸を喘がせ願う幸村に、男たちは首を振った。
「これは、こらえる修行にござるぞ幸村殿」
「そのために、相談に参ったのでござろう」
 幸村は総身に力を入れて口を閉じた。それでいい、と言いたげに男がうなずき、次の男と変わって乳首へ陰茎を擦りつける。そうして幾人もの陰茎に擦られ、精液を吹きかけられた幸村の乳首は凝りきち、真っ赤に熟れて打ち震えた。
「は、あ……、あっ、くぅ」
 うずく乳首を持て余し、うめく幸村の陰茎はへそにつくほど反り返っている。その先からはダラダラと先走りがあふれていた。
「締まりがござらぬのう。どれ、栓をしてしんぜよう」
「せ、栓?」
 驚く幸村の目にかんざしが映る。それをどうするのかと問うより早く、かんざしが鈴口から奥へと押し込められた。
「ぁぐっ、ぅお、おっ、おふぅうっ」
 差し込まれたかんざしは、蜜筒を傷つけぬよう、ゆるゆると引いては押しを繰り返して埋め込まれる。それは思わぬ快感を幸村から引き出した。
「んぁあっ、あ、はふぁあっ、あっ、ああんっ」
「幸村殿、どうなされた。ずいぶんと心地よさげでござるが」
「ぁ、はぁ、あっ、達しておるような刺激が……、あっ、きて、あっ、あっ」
「なるほど。達するは筒内を子種が走ることゆえ、かんざしが子種の代わりに筒内を刺激しておる、と……。ふうむ。ならば埋めたままにせず、こうしてゆるゆると動かしおるが、堪忍の鍛錬になりましょうな」
「はぁあぅ、あんっ、あっ、あ、ああ」
「いかがなされた、幸村殿」
「ずっ、ずっと、ああ、達しておるようで、あっ、はぁあ」
 うっとりとする幸村に、男たちの股間が痛いほどに張りつめる。
「そうして刺激を受けるだけでは、こらえる修行にはなりもうさぬな。我等の魔羅を目の当たりにし、子種を吹きかけられても身を硬くしておられるように、精進なされよ」
 都合のいいことを述べて、男たちは次々に幸村に魔羅を向けてしごきはじめた。
「はっ、はぁあ……、あっ、あ」
 無数の魔羅に、骨の髄まで淫靡なものを教え込まれた幸村の欲が疼く。体中に甘美な震えのさざ波を走らせながらも、必死に身じろがぬよう耐えている幸村の姿に、男たちの欲望はますます募った。
「うっ」
 次々に精液が幸村に降りかかる。ふわりとまき散らされた卑猥な生臭さに、幸村の理性はあっという間に溶け消えた。
「ああっ」
 首を伸ばし、近い魔羅に向かって舌をのばす。しかし、すんでのところで交わされた。どうっと床に倒れた幸村はそれでも、肩で身を起こそうともがいた。
「はぁっ、は……、ああ、魔羅を、ああ、しゃぶらせてくだされ」
「幸村殿、いましばらく」
「乳首が痺れて、たまらぬのだっ」
 もぞもぞと身もだえる幸村の尻に、男たちの視線が集まる。
「筒内、ああ、ずっと達しておるようで、貴殿等の魔羅を尻に受け、奥を突かれてもだえた刺激が思い出されて……、はっ、ああ」
 男たちは顔を見合わせ、それぞれの欲が幸村の嬌態に耐えられそうにないことを確認しあった。
「そうまで言われては、なぁ」
「うむ、うむ」
「こういうものは、少しずつ、少しずつでござるしな」
「今日のところは……」
 そう言って、誰かが丁子油をさっそく持ち出し幸村の尻の谷に注いだ。
「んはぁあっ、あっ、は、はやく、あっ、指でほじってくだされ……、尻を、ああ、魔羅を飲めるようにしてくだされぇ」
 うながされるままに、男たちは幸村の秘孔に指を押し込み内壁をあやした。
「はっ、はんっ、んぁあ、あっ、魔羅ぁあ、かんざしぃ、ああっ、もっと……、ああ」
「かんざしが、よっぽどお気に召されたようにござるな。痛いといわっしゃるかと思うたが……、幸村殿は逸材にござる」
「はふっ、ふぅうっ、あっ、ああ」
「ピンと張った乳首にしたたる我等の子種が、まるで乳を吹き出しておるようだのう。幸村殿の見事に盛り上がった胸筋が、よりそれらしく見せておるわ」
 腕の帯を解いて幸村を起こした男が、グッと幸村の胸乳を掴む。
「はんっ、ああ、もっと、ああ、乳首を……、いじってくだされ」
「よしよし、思うようにしてしんぜよう」
「ぁはぁううっ、指ぃ、あっ、もっと、ああ、掻きまわしてくだされぇえ」
「たった一度で、ようもこう育ったものよ」
「紅蓮の鬼は、淫靡の鬼でもあったのか」
「鬼は元来、欲望に素直ゆえな」
 そう言いながら男たちは、幸村の望むままに、彼を翻弄しているつもりで翻弄されて、精も根も尽き果てるまで淫奔な奉仕をし続けた。
「ぁはぁあ、おぅうっ、はんっ、はぁあ、魔羅ぁ、あっ、いいっ、ああぁああ」
 幸村の嬌声は高く低く鳴り響き、男たちの欲をあおってすっかり虜にしてみせた。
「は、ぁあ、あ……、あっ、あ」
 地獄も過ぎれば極楽とばかりに、鬼に魅了された男たちは幸村との甘美な時を失ってはならないと、戦場で人ならざる働きを見せ、武田軍の強さを底上げすることになる。

2016/06/16



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