「政宗様」 書見をしていた伊達政宗は、呼びかけに顔をあげた。「入れ」 すらりと開いたふすまの先に、片倉小十郎の顔が見える。「茶の用意が出来ております」「Ah、ちょうど、休憩をしたいと思っていたところだ」 指で政宗が小十郎を招く。小十郎は膝をすすめ、ぴっちりとふすまを閉めた。「どうした。もっと近くに来い」「――は」 答えた小十郎が膝をすすめ、政宗は楽しげに彼の腕を掴み力いっぱい引き寄せた。「あっ」 小十郎が政宗の膝に落ちる。体を曲げた政宗は、小十郎の耳元に唇を寄せた。「具合はどうだ? お前用に、特別に作らせたpornographic goodsだからな。悪いとは、言わせねぇぜ」 袴の上から小十郎の尻の谷を探った政宗の指が、彼の秘孔に押し込まれている張型に触れた。「うっ」「答えろよ、小十郎。これを挿れたまま、いろいろと仕事をしてきたんだろう? 腹に力を込めて怒鳴る時なんか、締め付けてヤバかったんじゃねぇのか」「そ、れは……」 政宗の膝の上で、小十郎が身じろぐ。低めた声を息と交えて注ぐ政宗は、小十郎の肌が熱いことを知った。「締め付けすぎて、うっかり誰かに妙な声を聞かせちまったり、してねぇだろうな」「そのようなことは、ございません」 小十郎の息が乱れる。赤い首筋に目を向けて、政宗は自分の唇を舐めた。「そうか。……なぁ、小十郎。朝から突っ込んだまま過ごした体が、どんなふうになったのか見せてみろ」 ビクリと小十郎の体がこわばる。「まさか、俺が締めてやった下帯、緩めたりしてねぇだろうな」「それは……。して、おりません」「なら、見せられるだろう?」 唇を引きむすび、羞恥に薄く眼を伏せた小十郎が、身を起こして立ち上がり、恥じらいながら帯を解く。鬼のようだと恐れられる、竜の軍師。それが若い娘のように恥じらう姿を、政宗はニヤニヤとしながら眺めた。「これで、よろしいか」 袴を落とした小十郎に、政宗が鋭く「No」と答える。「着物の裾を持ち上げろ。でなきゃ、下帯が見えないだろう」 ぐ、と小十郎の手に力がこもる。そろそろと着物の裾を持ち上げた小十郎が、そのまま裾で顔を隠した。「どうぞ、ご覧ください」 あらわになった小十郎の下肢に、政宗は口笛を吹いて顔を寄せた。「たしかに、俺が締めた時のまんまだな。――いや。そん時よりもずっと、窮屈そうだ」「っは、ぁ」 政宗の唇が、下帯の上から小十郎の下肢に触れる。「こんなに硬く熱くして……先っぽは湿ってんじゃねぇか。こんな状態で、ケツに張型を突っ込まれて、規律がどうのと言えた義理じゃあ無ぇよな。小十郎」「そ、それは……」「イッちまったり、しなかったか」 小十郎が息をのむ。政宗は下帯の湿り具合に、小十郎が達したであろうと予測をしての質問だった。どうやら図星だったと知り、意地悪く歯をむき出す。「どこで、どんなふうにイッちまったんだ?」 小十郎の総身が固くなる。力がこもった太ももに、政宗の舌が這った。ぞくぞくと小十郎が震える。「答えろよ、小十郎」 ごくりと唾を飲んで、小十郎は口を開いた。「見張りの役でありながら、仲間内で集まり賽を振っていた者たちを叱りつけた時に」「時に、何だ」 政宗は、小十郎の内腿に唇を押し付けたまま問うた。かすかな刺激に、小十郎の腰がうずく。「腹に力が入り、締め付けてしまい……」「何を、どんなふうに締め付けたんだ?」「それは……」 小十郎の息が荒い。言いよどむ小十郎の下帯の湿りに、政宗は息を吹きかけた。「詳しく、その時の事を聞かせろ」 小十郎の肌が細かく震える。うわずった声で、小十郎は答えた。「全体を強く締め付け、先端が……朝、身の内に注いでいただきました政宗様の子種ですべり、この身の良いところを刺激し、堪える間もなく、達してしまいました」 言いきった小十郎はくずおれた。荒く胸を上下させている小十郎の顎に手をかけ、政宗は彼の瞳を覗く。ちろちろと淫蕩の炎がくすぶっているのを見つけ、政宗は満足そうに唇をゆがめた。「イク声を、聞かせちまったのか」「それは、堪えました」「うめき声ぐらいは、出ちまっただろう?」 唇を噛んだ小十郎が、目じりを赤らめ肯首する。「何人の前で、イッた」「――五人です」「昼にもなってねぇような時間に、部下の男たちの前で、イッちまったのか」「政宗様」 からかう声音の政宗に、小十郎が哀願の色を漂わせる。「想像するだけで、イッちまいそうだ」 小十郎の唇を舐めた政宗は、彼の顔を自分の下肢に向けさせた。「胸もコッチも高ぶって仕方がねぇ。じっと座っていたからな。茶の前に体を動かしたい。かまわねぇだろう?」 政宗の開いた足の間に、小十郎が顔をうずめる。高ぶる若い欲を下帯から取り出し、しゃぶる小十郎の髪を政宗は愛しんだ。「はっ、んふっ、う、ふぅう」「そんなガッつくな」「んんっ、は、政宗様……ですが、茶が冷めてしまいます」「おいおい。そんな事を気にして、ガッついてたのか?」 クックと喉を鳴らす政宗に、小十郎は噛み付くような口吸いをした。「意地の悪いお方だ」「わかってんだろう? 俺が欲しいのは、お前の口から出てくる、Lewd wordsだ」 小十郎は目を伏せ、深く息を吐きだした。政宗は楽しそうに小十郎を眺める。意を決したように開いた小十郎の眼は、淫靡に濡れていた。「政宗様」 小十郎は手早く帯を取り、着物を落とした。鍛え抜かれた胸筋に手を当て、尖りを指の腹で潰しながら足を開き、訴える。「政宗様……もう、これ以上は堪え切れません。どうぞ、この白き戒めを解き、猛る小十郎に情けを……っは、あ」 自らの胸乳をもてあそぶ小十郎の、快楽にうわずる顔に唇を押し付けた政宗は、彼の胸の尖りに触れた。「こんなに硬くして。歩くたびに擦れて、気持ちよかったんじゃねぇのか?」「っは、ぁ、政宗様……ふ、ぁ」 小十郎が腰をくねらせ、政宗に下肢を押し付ける。「おいおい。着物が濡れちまうだろう」「っ、ならば、政宗様も、お早く……脱いで、ぁ、小十郎の熱を、お慰めください」 箍が外れたように欲を剥き出した小十郎に、政宗は獰猛な笑みを浮かべた。「OK、そんなに欲しいんなら、くれてやる」「あっ」 政宗は手早く着物を脱ぎ棄てると、小十郎の下帯を外し、秘孔に押し込んでいた張型を引き抜いた。「はっ、ぁ」「物欲しそうに、ヒクついてやがる」「ふはっ、ぁ、は、ぁあ」 秘孔の入り口をなぞられた小十郎が、求めるように膝を立てて足を開いた。「ずっと突っ込んでたんだ。このままでも、かまわねぇな?」 腰を進めた政宗に、小十郎が笑みを浮かべる。「準備は、できております」「上等」「がっ、ぁ、はぁああっ」 政宗の熱が小十郎を貫く。奥まで突き入れた政宗は、そのまま乱暴に揺さぶり掻きまわした。「はんっ、はっ、ぁあ、まさっ、む……さまっ、ぁ、は、はぁあっ」 小十郎の眼尻に涙がにじむ。それを舌で舐めとり、頬の傷に唇を寄せた政宗は、うっとりとつぶやいた。「最高の具合だ、小十郎」「はっ、ぁあ、ありがたきっ、ぁ、はぅうっ」「褒美に、たっぷりと注いでやる」「んぁあっ、ああ、まさむねさまっ、ぁ、はぁあ、奥っ、あ、あ、そんっ、突いっ、はひぅ」「好きだろう?」 首を振り、身をくねらせて悶える小十郎の陰茎を、政宗が握る。「んはぁ」「そんなに暴れんなよ」「はふぅう、政宗様ぁ、はっ、そこっ、ぁ、それを」「ちゃんと言えっつったろう?」 楽しげに喉を鳴らす政宗に、小十郎は唇をわななかせながら応えた。「しっ、しごいて、ください……この、小十郎のはしたなく隆起した欲を、政宗様の手で追い立ててください」「しごくだけで、いいのか? コッチは、いらねぇのか」 ぐん、と政宗が腰を突き上げ、短い悲鳴をあげた小十郎が政宗にすがる。「ぁ、淫らな奥を、政宗様の熱でただれるほどに、掻きまわしていただきたい」「Well done! 褒美に、望むままを与えてやる」「んぁ、政宗様、は、ぁあ、ひはぁううっ、ぁ、あぁああっ」 宣言通り、政宗は激しく腰を打ちつけながら、小十郎の欲をしごいた。「はひっ、はんああっ、まっ、まさむっ、ぁあっ、は、はふぁあ」「ふっ、すげぇな……溶けそうに、熱い」 政宗の呼気も熱く乱れ、小十郎を穿つものが先走りをあふれさせる。「ひふっ、ぁ、奥ぅ、政宗様、どうぞ、ぁあ、注いで……くださ」 髪を乱して望む小十郎の唇に唇を重ね、ひときわ深く突き上げた政宗が絶頂を迎えた。「くっ、う」「ひっ、ぁはぁあああ――っ!」 政宗の熱に呑まれた小十郎が、仰け反り弾ける。政宗は締め付ける媚肉に陰茎をすりつけ残滓を絞りつつ、小十郎の蜜を絞った。「はっ、はぁ、あ……は」 あえぐ小十郎の胸に唇を落とした政宗は、放ち終え、くったりとした小十郎の陰茎を手に乗せた。「今度は、うっかり人前で出しちまわねぇように、しておこうか」「え――……ぁ」 余韻にぼんやりとしていた小十郎の目が、驚きに見開かれる。政宗はウキウキと、萎えた小十郎の密口に紙縒りのように細く編んだ紐を、ねじりながら押し込んだ。「ひっ、ぁ、ああ」 押し込めるだけ押し込んだ政宗は、紐の残りをクビレにまきつけ、しっかりと縛った。「栓をしてりゃあ、問題はねぇだろう」「ぁ、ああ……」 放ったばかりの小十郎の欲が、ほんの少し頭をもたげる。愛おしそうに紐で飾られた箇所に唇を当てた政宗は張型を拾い、ふたたび小十郎の内側に戻した。「はぐっ、ぁ、政宗様」「次は、イッちまわねぇように気をつけろよ」「ふ、んぅ」 濡れた瞳で震える小十郎の下帯を手にした政宗は、少し考えてから立ち上がり、部屋の隅の行李から縄を取り出した。「なんとなく置いていたが、こんな時に役立つとはな」「――政宗様?」 意図のわからぬ小十郎にニヤリとし、政宗はそれを彼の下肢にあてた。「あんなに震えて暴れた魔羅だ。しっかり縛っておかねぇとな」「そんな……政宗様!」「湿った下帯を、もう一度締めるよりは、いいだろう? 匂いで感づかれてもいいんなら、別だけどな」 意地悪く声をひそめた政宗に、小十郎は従うよりなかった。「ほら、腰上げろ」「うっ」 縄をかけられた小十郎の下肢に、政宗は満足そうに頷いた。「これなら、勃っちまっても抑え込んであるから、大丈夫だろ。張型も、縄がずれないかぎりは落ちないだろうしな」「あっ」 縄からはみ出た蜜嚢を揉まれ、小十郎が声を上げる。しばらく指で楽しんだ政宗は、着物に手を伸ばした。「茶が入ったんだったな」 着終えた政宗が振り向くと、そこにはもう厳しく冷静な顔に戻った小十郎がいた。寸分の隙もなく着物を整え座している小十郎と、先ほどまでの淫艶な姿の差に、政宗の淫らな嗜虐が疼く。「なぁ、小十郎」「茶をなされた後は、領地見回りの予定でございましたな」 艶めいた声を払うように、ぴしゃりと遮った小十郎に苦笑した政宗は、軽く肩をすくめた。「それじゃあ、行くか」 先に立ってふすまを開けた政宗に続きながら、小十郎は新たな辱めに高揚している自分に、めまいを覚えた。 2014/11/12